2025年02月12日

企業内弁護士(インハウスローヤー)として働くメリットは?【転職成功事例あり】

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企業内弁護士(インハウスローヤー)は、法務専門職として企業内で重要な役割を担うキャリアです。
法律事務所での経験を活かしながら、ビジネスの現場で直接関与できる点が近年注目されています。
その一方で、具体的なメリットやデメリットについては、まだあまり知られていないかもしれません。

本記事では、企業内弁護士として働く魅力と課題について詳しく解説し、今後のキャリア選択の参考となる情報をお伝えします。

企業内弁護士として働くメリット

弁護士は、法律事務所だけでなく、一般企業で働くことでもメリットを見出せる職業です。
以下に挙げる4つの利点を中心に、企業内弁護士としての魅力を解説します。

ワークライフバランスを実現しやすい

企業内弁護士の最も大きなメリットは、ワークライフバランスが取りやすいことです。
法律事務所での勤務は、長時間労働や休日出勤が求められることが多く、時期によっては激務になることも珍しくありません。

一方、企業内弁護士として働く場合、企業全体のスケジュールに沿った業務が主となり、比較的安定した労働時間や休日を確保できるのが一般的です。
クライアントに直接対応する必要がないため、急な仕事の依頼が発生することも少なく、仕事以外の時間を確保しやすい環境が整っています。

福利厚生が充実している

企業によっては、充実した福利厚生を受けられることも大きなメリットです。
多くの法律事務所では、福利厚生が十分に整っていない傾向が見られます。
しかし、企業に雇用されることで、法律で義務づけられた有給休暇各種保険のほか、企業が独自に設けた福利厚生を受けられます。

大手企業上場企業などでは、さらに手厚い福利厚生が用意されており、安心して長期間働き続けることが可能です。

安定した収入を得られる

法律事務所は、案件ごとの成功報酬歩合制が一般的で、収入が不安定になりやすい一面があります。
対して企業内弁護士は、従業員として固定給が保証されているため、収入面で安定しやすいことが利点です。
年収は法律事務所より下がる可能性がありますが、毎月安定した収入が見込めることは、長期的なキャリアを考える上でも重要なポイントです。
企業によってはボーナスストックオプションなどのインセンティブがあり、プラスアルファの収入にも期待できます。

企業法務の経験を積める

企業法務の深い知識と経験を積む機会に恵まれていることも、企業内弁護士として働く魅力の一つです。
契約書の作成やリスク管理、企業内の法令遵守体制の整備など、幅広い法務業務に携わることで、企業経営に直結するスキルが磨かれます。

特定の業界や分野に精通した弁護士として、キャリアをつなげていくことも可能です。
企業の一員としてビジネススキルや経営的視点も養われるため、法律事務所での経験とは異なる視点から、法務のスペシャリストとして成長が見込めるでしょう。

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企業内弁護士として働くデメリット

企業内弁護士としてのキャリアには注目すべきメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。
主な課題点としては以下の4つです。

年収アップに限界がある

デメリットの一つは、年収がアップするプロセスに限界があることです。
法律事務所で働く弁護士は、受任する案件やクライアントに応じて報酬を自由に設定できるため、成果次第では高額な収入を得ることが可能です。

一方、固定給が基本の企業内弁護士の場合、成果に応じた報酬が上乗せされるかどうかは、その企業の給与体系によって異なります。
昇給のペースが遅い企業であれば、長期的な収入の伸びにも限界が見えてきます。
ボーナスも企業の規模や業績に依存しているケースがほとんどで、大幅な年収アップが期待しにくい点は考慮すべきポイントです。

税金が増えやすい

企業内弁護士は、個人事業主ではなく企業に雇用される従業員という立場から、納税で経費を計上する機会がありません。
一般的な給与所得者としての税制が適用されるため、法律事務所の税制よりも税負担が増える場合があります。
年収が安定している一方で、手取り額が減少する可能性があることも考慮すべきです。
特に高額所得者になるほど、この影響が大きくなることが予想されます。

企業によっては案件が偏る場合も

所属する企業や業界によって、取り扱う案件が偏る場合があることも、あらかじめ踏まえておきましょう。
特定の業種に特化した企業では、関連する法律や規制を扱う案件が多く、汎用性のある法務経験を積む機会が少なくなる可能性もあります。

例えば、医療業界で働く企業内弁護士は、医師法や薬機法に関する案件が多くなり、それ以外の法務スキルが磨かれにくくなる可能性があります。
このような偏りが、将来的なキャリアに影響を与える可能性がある点も考慮すべきです。

外部の弁護士との交流が減る

外部の弁護士や他の法律専門家との交流機会が少なくなることも、企業内弁護士として働くことの課題点です。
法律事務所では、同僚弁護士外部の法律専門家との情報交換・業務連携が頻繁に行われます。
対して企業内弁護士は、社内の法務部門他部門の社員と協力することが主流です。
そのため、最新の法律知識や業界動向を把握する機会が減少してしまう可能性があります。

法律事務所への転職のハードルが高くなる

一般企業で経験を積んだ後の転職先として、法律事務所への転職難易度が上がることも、デメリットになり得る要素の一つです。
一般的に、法律事務所は弁護士としての業務経験が重視される傾向が強いです。
中には、企業内弁護士からの転職を歓迎している事務所もありますが、将来転職先の選択肢が少なくなる場合を考えておく必要があります。

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企業内弁護士の仕事内容・役割

企業内弁護士の仕事内容は、所属する業界や業種、規模によって異なります。
ここでは、代表的な企業種別ごとに、企業内弁護士としての役割を見ていきます。

大手企業

大手企業で働く企業内弁護士は、幅広い法務業務が求められます。
契約書の作成・審査、コンプライアンス支援、従業員向けの法律教育のほか、雇用問題や株主総会の運営、M&Aなど、多岐にわたる業務に携わります。
国際的な取引が多い企業では、海外法規に関する知識や高度な専門性も必要とされます。

外資系企業

外国企業との契約交渉や、現地法人としての法令遵守体制を構築するためのサポートが主な業務となります。
母国と日本の法律の両方に精通する必要があり、法律知識だけでなく、語学力グローバルな視点での法務戦略も求められるでしょう。
企業文化や業務プロセスが異なるため、柔軟な対応力が必要とされる場面も少なくありません。

金融機関

金融機関における企業内弁護士は、金融商品や取引に関する法的支援が主な役割です。
金融商品取引法銀行法などの専門的な知識が求められ、監督官庁との折衝、リスク管理業務にも深く関与します。
金融機関によっては、M&Aや与信業務の紛争サポート、監査対応など、弁護士としての専門性を活かせる業務も多くあります。

その他の企業

中小企業やベンチャー企業では、企業内弁護士の業務範囲がさらに広がることがあります。
法務に加えて、人事総務経営戦略に関わる仕事を兼務する場合もあり、より実務的で広範な知識が必要です。
ベンチャー企業では、資金調達やスタートアップに特有の法的課題への対応や、法務コンプライアンス体制の立ち上げ・整備などに取り組むことも多く、法律の枠を超えたビジネス全般のスキルが求められます。

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企業内弁護士の求人例

企業内弁護士の求人例士業に精通した「MS Agent」では、企業内弁護士の求人を多数取り扱っています。
その中から、上場・大手でおすすめの求人例を以下にご紹介します。

【弁護士対象】法務スペシャリスト/プライム上場総合エンタメ企業/M&Aへも関われます

仕事内容
・契約書等法的書面作成、審査、契約交渉
・法律相談、法的アドバイス/ソリューション提供
・訴訟/紛争対応
・M&A、業務提携に関わる法務業務
・社内ルール、基準、ガイドライン等の策定、管理、周知
・関連法規、法制度、当局動向のモニタリング及び情報発信
・社内のリーガルマインド啓発、意識向上推進
・その他法務業務全般
必要な経験・能力
・弁護士資格
・事業会社における法務業務の実務経験5年以上、
または弁護士として法律事務所勤務経験3年以上
・和文/英文契約作成・審査、国内外案件、プロジェクト対応の実務経験
・英語上級者(法的書面の作成/審査、海外法人との会議/契約交渉が可能なレベル)
想定年収
930万円 ~ 1,459万円

大手不動産会社/弁護士求人/リモート有、フルフレックス

仕事内容
・当社事業に関する法的助言・助力および法制の調査・研究
・クレーム情報に関する法的助言・助力
・重要な法律文書および重要契約書の審査、標準契約書の作成
・訴訟等の管理
・顧問弁護士に関する業務、弁護士への業務委託の調整・管理
・知的財産権の登録・管理・保全
・当社グループに対する法的助言・助力
・コンプライアンスに関する総括業務の支援
必要な経験・能力
弁護士資格
想定年収
1,000万円 ~ 1,500万円

【弁護士歓迎求人】法務※グロース上場/リモートワーク・フルフレックス◎

仕事内容
・契約書・議事録の作成やレビュー
・法務関連相談の受付
・M&A に関する法務
(デューデリジェンス・M&A 契約書作成)
・関連する法令の調査・整理
・株主総会運営
必要な経験・能力
弁護士資格
※企業法務未経験でも可
想定年収
676万円 ~ 960万円

企業内弁護士の転職成功事例

法律事務所から東証プライム上場企業インハウスローヤーへの転職を叶えた、30代女性弁護士の事例

Kさん(30代前半/女性)
転職前:地方・総合系法律事務所
転職後:東証プライム上場大手メーカー
資格:弁護士、TOEIC800点

法律事務所で5年間の経験を積んだ弁護士のKさんは、チームで働くことに関心を抱き、インハウスローヤーとしてのキャリア形成を目指して転職を決意しました。
長期的に安心して働ける環境を求めて、東証プライム上場の大手企業を中心に転職活動を行った結果、複数の大手企業から内定を獲得。
その中でより部署内の雰囲気が良く、英語力アップも見込めそうな大手メーカーへの入社を選択しました。
Kさんの転職は、自身にとって大事なことを最優先させた転職活動だからこそ、さまざまな条件面で満足のいく結果となりました。

ワークライフバランスと年収アップを実現した、30代後半男性の事例

Aさん(30代後半/男性)
転職前:法律事務所
転職後:外資系メーカー
資格:弁護士、TOEIC905点

法律事務所で一般民事と刑事案件に携わっていたAさんは、長時間労働や土日対応により家族との時間が減少していることを感じ、ワークライフバランスの改善を目指して転職活動を開始しました。
求人の選定で軸にしたのは、残業時間が少ない、フレックスタイム制導入、リモート勤務可能という3つのキーワードです。
結果的に、本国では著名な外資系メーカーへの転職に成功し、年収アップとワークライフバランスを維持しやすい環境で働くことができるようになりました。

ファンドマネージャーへのキャリアチェンジに成功!法律事務所での金融業務経験を活かした弁護士の事例

Sさん(30代前半/男性)
転職前:四大法律事務所
転職後:大手不動産
資格:弁護士

四大法律事務所で金融関連業務に従事していたSさんは、企業への出向経験を機に、当事者としてより深く金融業務に携わりたいと考え、インハウスローヤーを目指して転職活動を始めました。
転職活動では、銀行、証券、不動産金融、保険など、多様な求人の面接に臨みましたが、心惹かれる企業はなかなか見つかりません。

当初は法務ポジションを検討していましたが、転職のきっかけを振り返ると、法律の見識を活かしつつ、より現場に近い仕事に興味があることがわかりました。
最終的に、不動産金融会社のファンドマネジメント部門での面接でSさんの熱意が伝わり、無事採用に決まりました。

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まとめ

企業内弁護士としてのキャリアは、法務の専門性を活かしながら企業の成長に貢献できる魅力的な選択肢です。
安定した収入やバランスの取れた生活が実現しやすい一方で、業務内容が偏りやすいことや外部弁護士との交流機会が限られるといった課題もあります。
今後のキャリアを見据える際には、これらのメリットとデメリットを十分に検討し、自身の希望に合った道を見つけることが大切です。

その際、弁護士をはじめとする士業の転職支援に強い転職エージェント「MS Agent」の利用がおすすめです。
経験豊富なキャリアアドバイザーから具体的なサポートを受けることで、企業内弁護士へのキャリアチェンジが実現しやすくなるでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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