2024年12月20日

法務人材は副業できる?非弁行為に当たらないのか、副業可能な会社に転職するためのポイントについて解説!

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近年、働き方改革の取り組みなどを背景に、副業を認める企業が増加しています。法務人材として新たなキャリアの可能性を模索している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、副業を検討する際に避けて通れないのが「非弁行為」のリスクです。

とくに弁護士資格をもつ方にとっては、副業が法律上の制限に抵触しないかどうかは大きな関心事でしょう。
本記事では、法務人材が副業を行う際の注意点や、副業可能な会社に転職するためのポイントについて詳しく解説します。

さらに、実例を交えながら、法務の経験を活かせる副業の種類やキャリアアップの選択肢についてもご紹介します。
法務として、より柔軟かつ充実したキャリアを築きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

【副業可】MS-Japanで取り扱う求人事例

MS-Japanの転職エージェントサービスMS Agentでは、副業可能な法務求人も取り扱っております。その中からおすすめの求人を一部ご紹介いたします。

法務総務担当(上場企業/週4リモート可)※副業可

仕事内容
- 契約関連業務(文書作成、レビュー、保管、管理、投資契約も含む)
- 法務相談対応(経営陣や事業部からの法務関連相談への対応)
- 商事法務(上場企業の株主総会運営、取締役会等の事務局運営)
- M&A、出資、新規事業の立ち上げなどに関する法務業務
- 知的財産権関連業務(特許、商標等)
- 弁護士との折衝、相談窓口(会社法、労働法等)
- コンプライアンス施策の推進(社内研修、各種法令調査、リスクコンプライアンス委員会運営サポート)
- 内部統制関連業務(社内規程管理、法令に合わせた改定等)
必要な経験・能力
【必須】
・事業会社におけるビジネス法務経験2年以上
【歓迎】
・株主総会の運営など、会社法における総務実務の経験
想定年収
550万円 ~ 800万円

法務担当(東証グロース企業/リモート可/柔軟な働き方)※副業可

仕事内容
【事業法務】
・契約書作成・確認
・「カオナビ」サービス利用規約の作成、改定
・個人情報保護法、各国個人データ法制に関する調査、対応
・社内規程の整備、コンプライアンス関連業務
・新規サービス検討時等の法的課題の検討、提言
・知的財産権の取得・管理

【商事法務】
・定時株主総会の運営
・取締役会、その他コーポレートガバナンスに関する業務
・新株発行手続き
必要な経験・能力
【必須要件】
事業会社での法務経験(3年以上)
【歓迎要件】
・上場企業での法務経験
・株主総会に関する実務経験(議案の決定や事業報告書および資料の作成など)
・取締役会運営等の商事法務
・コーポレートガバナンス関連業務
想定年収
500万円 ~ 800万円

法務責任者候補(ハイブリッド出社可能/IT企業)※副業可

仕事内容
■企業法務
・契約書のチェック(子会社のVC事業の投資契約書含む)
・電子署名
■コーポレート関連
・取締役会の運営サポート
・株主総会の運営サポート
・登記
・インサイダー規制/社内規制管理
■サービス関連
・法改正の対応
・開発/キャンペーン時のリーガルチェック
・健全性チェック
必要な経験・能力
【必須要件】
・弁護士資格をお持ちの方、かつ企業法務経験者
【歓迎要件】
・M&Aに関する契約等のご経験
・投資契約に関するご経験
・法人設立に関するご経験
・新規事業を立ち上げに関する際の法務経験
想定年収
900万円 ~ 1,200万円
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副業できる会社は増えている

近年、日本では「働き方改革」の推進により、副業を認める企業が増加しています。
働き方改革は、労働者の多様な働き方を支援し、労働生産性の向上や人材の有効活用を目的としています。具体的には、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業・兼業の推進を公式に後押ししました。

これにより、多くの企業が従業員の副業を許可する方向へとシフトしています。経団連が2022年に公表した「副業・兼業に関するアンケート調査結果」では、回答企業の70.5%が、副業・兼業を「認めている」(53.1%)もしくは「認める予定」(17.5%)と答えました。

副業を認めることで、「従業員のスキルアップ」「従業員のモチベーションの向上」「新たなビジネスチャンスの創出」など、さまざまな効果が期待されています。

一方、副業を認めるにあたって課題になるのが、情報漏えいや労働時間管理などです。ただ従業員に副業を認めればよいわけでなく、会社や従業員を守るためにも、適切なルール作りが求められています。

上記のような背景から、法務人材にも副業のチャンスが広がっており、キャリアの多様化を考えられるようになりました。

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法務の経験が活きる副業

専門性の高い法務の経験をもつ人物は多くないため、その知識や経験を各方面より求められます。
たとえば、コンサルタントとしての活動は法務の経験を大いに活かせるでしょう。
自分の得意なスキルを登録しておけば顧客と引き合わせてくれるクラウドソーシングが一般的なものとなっており、インターネット上でのやり取りや電話でコンサルティングサービスを展開すれば、日本全国を商圏とした副業が展開できます。

ライターアフィリエイターも同様です。
主に法務に関連した記事を執筆するライターの場合には、法務経験を活かして専門性の高い記事を提供できるため、自ずと記事の単価も高くなり、数を重ねていくとまとまった収入を得られるようになります。

アフィリエイターの場合には、自身の運営するサイトに専門性の高い記事を投稿し続けていきます。
これにより多くの訪問者を呼び寄せ、掲載する広告から収入を得られる可能性があります。

また、セミナー講師も法務の経験を活かせる副業です。
基本的に顧客と顔を合わせることのない上記3つとは若干異なり、人前に立つので活動できる場が限られてしまいがちですが、これまでに得てきた知識や経験をもとにしながら誰かに向かって話すのは、非常にやりがいを感じられるでしょう。

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法務部員が副業をすると非弁行為になる?

弁護士資格を有しているインハウスローヤー(企業内弁護士)であれば法律に関する事務を業として行い報酬を得ることは可能ですが、弁護士資格を持たない法務部員が副業をすると、非弁行為になる場合があるため注意が必要です。

非弁行為とは?

非弁行為とは、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で他人の法律事件に関する法律事務を行うことです。弁護士資格をもたない者が法律事件に直接関与することを防ぐための重要なルールであり、弁護士法第72条により厳しく規制されています。

非弁行為の具体例として、法律相談を考えてみましょう。弁護士資格をもたない者が、法律事件に関する具体的な相談に対して助言を提供し、報酬を受け取る行為は非弁行為に該当します。
特定の事案について法的アドバイスを行うことは、法律の専門的知識が必要であり、弁護士以外が行うことは違法であるからです。 非弁行為をすると、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科せられます(弁護士法77条3号)。

法務部員が副業をする際に気を付けること

法務部員が副業を行う際、非弁行為に該当しないように、提供する法務を一般的な法的意見の範囲に限定することが求められます。 具体的には、法律事務に直接関与しない業務であれば問題ないと考えてよいでしょう。

非弁行為に該当しないものとしては、「契約書の雛形提供」などが挙げられます。
契約書の雛形は、一般的な法的文書と見なされるため、法律事務に直接関与しない範囲であれば問題ありません。具体的には、以下のようなものがあります。

・賃貸借契約書
・業務委託契約書
・売買契約書
・秘密保持契約書(NDA)

契約書の中でどの契約でも共通して確認すべき一般事項についての添削を行うのも、非弁行為に該当するリスクは低いでしょう。たとえば裁判管轄に関する添削や、準拠法に関する添削などが挙げられます。

契約書で紛争が発生した場合に、どの裁判所が管轄権をもつかを明記するのは重要なポイントです。
法務部員の副業では、「管轄裁判所の記載が曖昧な場合に、契約当事者の所在地に応じて適切な裁判所を指定するよう提案する」程度であれば非弁行為にはなりません。

準拠法も同様で、「契約書に準拠法の記載がない場合に、『日本法を準拠法とする』など具体的な記載を追加するよう助言する」などの業務であれば、非弁行為には該当しないでしょう。

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副業ができる会社に転職するためには?

副業ができる会社に転職するためには?

副業を希望する場合、転職活動の進め方タイミングに注意が必要です。とくに、副業に関する話題をどの段階で切り出すか、転職後にどのように副業を始めるかは、スムーズなキャリア形成において重要なポイントになります。
以下、副業の話題を出すタイミングと、副業を始めるタイミングについて解説します。

副業の話題を出すタイミングは注意する

転職活動において、副業の可否は重要なポイントですが、その話題を切り出すタイミングには注意が必要です。
一次面接などの初期段階で副業について質問すると、採用担当者に「本業への意欲が低いのではないか」と思われる恐れがあります。そのため、副業に関する質問はオファー面談などの最終フェーズで行うことが適切です。

オファー面談とは、採用プロセスの最終段階で行われる面談で、企業側から正式な採用条件(オファー)を提示し、求職者とその条件について合意するための場です。
基本的には内定が出た後に行われるため、比較的副業の話題を出しやすいでしょう。

転職エージェントを利用する場合は、事前に副業希望の旨を伝えておくと、適切なタイミングで企業側に確認してもらえます。
エージェントは企業の内部情報にも精通しており、副業に関する最新の状況を把握しています。面接時に不必要なリスクを避けつつ、情報収集が可能です。

転職先が決まってから副業を始める

副業を認める企業が増加しているとはいえ、転職先の企業が必ずしも副業を許可しているとは限りません。
まずは副業を認めているかどうかを確認し、相談が必要な場合は事前に話を通してから副業を始めましょう。

もし転職先が副業を禁止している場合、新しい職場でのキャリアを優先するか、始めたばかりの副業を続けるかで悩むことになりかねません。そもそも副業に気を取られて、転職活動が十分に行えなくなる可能性もあります。
副業を始めるのは、転職先の規則を確認した後、つまり転職後がベストです。

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キャリアアップして法務顧問も

法務担当者が副業として、他の会社の法務顧問を務めるケースもあります。
企業活動を法律の観点からサポートする法務はビジネスがより広範に、かつスピーディーなものとなっている今日、より重要性を増していますが、中小零細企業の多くは独立した法務部を構えられていません。 もともと法務を専任できる人材がそれほど多くないこと、法務というバックオフィスの一部分だけにコストを割けないこと、などが理由として考えられますが、それらの中小零細企業もインターネットの普及によってビジネスの幅を広げているため、法律面からのサポートを欲しています。

たとえば、売上を重視する段階にあるベンチャー企業の多くが、バックオフィスが手薄なままとなっているのを考えるとわかりやすいでしょう。
そこで、法務担当者が副業としてそれらの企業の顧問となり、法務のサポートを担います。

複数の企業を担う副業は法務担当者を求める企業側だけでなく、副業に取り組む自分にとっても有益です。
経済的なメリットだけではなく、法務担当者として幅広い経験を積み重ねられること、新たな人脈を得られることが期待できるとともに、それらを本業でも活かせるようになるためです。

法務のキャリアアップ支援を受ける

副業か転職か 法務としてキャリアアップするなら

法務担当者としてより高い評価を受けるには、より多くの経験を積むことが最も近道です。そのためにも、これまでの法務の経験を活かして副業に取り組むことはメリットがあるといえるでしょう。

多くの経験を積むためには、副業に取り組む際に法律的なアドバイスを求める相手にとって、自分の経歴が魅力的に映る内容である必要があります。
これまでのキャリアを棚卸ししつつ、法務担当者としての自分自身を客観的に見つめ直してみるといいでしょう。この自己分析が難しいようであれば、転職エージェントである弊社MS-Japanにご相談ください。
日頃から法務職を含む管理部門の方々の転職サポートを行っているため、法務担当者としての自分の立ち位置について客観的なアドバイスが可能です。
仮に、まだ十分な評価を受けられるキャリアでない場合は、さらに経験を積むために転職を視野に入れたご相談もできます。今後のキャリア形成についてより幅広い角度から考えることが可能です。

法務のキャリアアップ支援を受ける

まとめ

法務人材にとって、副業はキャリアの幅を広げる可能性があります。近年、副業を認める企業が増加しており、法務としての専門性を活かせるチャンスも広がりました。
契約書作成のサポートや法務研修の講師など、法律事件に関与しない業務であれば、非弁行為に該当せず安心して取り組めます。

副業可の企業に転職を希望する場合、タイミングや情報収集が重要です。初期の面接では副業の話題を避け、オファー面談などの最終フェーズで確認する方が無難でしょう。転職の際は転職エージェントを活用することで、副業希望を前提とした企業選びや、面接時のアドバイスを受けられます。

法務人材がキャリアアップを目指す際、一般的な副業を行うだけではなく、法務顧問などの専門性を活かした選択肢も考えられます。もちろん副業で稼ぐといった意識も重要ですが、「幅広い経験を積んで本業にも活かそう」と考えられれば、法務人材としての価値がより高まりやすくなるでしょう。

法務としてのキャリアを築きながら転職を成功させるためには、慎重な準備が欠かせません。情報収集や面接対策など、自分だけの力で転職活動を進めるのが難しいようであれば、転職エージェントである弊社MS-Japanにぜひご相談ください。

  • #法務副業
  • #非弁行為
  • #副業法務

この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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