2025年05月01日

30代法務の転職市場は? 求められるスキルや転職成功の秘訣など

30代で法務分野の転職を考える際に、「今の自分に市場価値があるのか」「どのようなスキルが求められるのか」といった疑問を抱える方も多いかもしれません。

30代は、これまでの経験を活かしながら、さらに成長を目指せる重要な時期です。
しかし、転職を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえておくのが重要です。

本記事では、30代法務の転職市場の現状や求められるスキル、年収相場、転職成功の秘訣を解説します。
さらに、効率的な転職活動を進めるためのエージェントの活用方法や成功事例、よくある疑問にもお答えします。

転職活動をスムーズに進め、キャリアアップを実現したい方はぜひ参考にしてください。

30代法務の転職市場・ニーズ

転職市場における30代法務職のニーズは、企業のコンプライアンス強化や国際展開などを背景に、ますます高まっています。
契約書作成や審査紛争対応M&A関連業務などの経験をもつ即戦力人材であれば、より需要は大きいでしょう。

法務は専門性が高い職種のため、未経験からの転職は簡単ではありません。
企業の多くは即戦力を求めており、法務の転職市場全体を見ても、未経験者向けの求人はわずかです。
しかし法科大学院修了生法学部出身者資格の取得関連業務の経験などでアピールできれば、未経験からでも法務転職への道が開ける可能性があります。

法務の転職はハードルが高い部分もありますが、事前準備を徹底すれば30代でも十分に挑戦できます。
情報収集などを効率化するために、転職エージェントを活用するのもよいでしょう。

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30代法務が転職で求められるスキル

30代法務が転職で求められるスキルは、以下の4つです。

・契約書レビュー・作成スキル
・交渉力
・業界知識
・経営的視点・リーダーシップ

契約書レビュー・作成スキル

契約書レビュー・作成スキルは法務の基本ですが、30代ではさらに一歩進んだ対応力が求められます。
単なる契約内容の精査にとどまらず、事業の全体像を理解していることを前提として、業務を進める必要があります。

加えて、これまでの経験を活かし、部下や後輩に契約業務の指導を行う立場になることもあるでしょう。
30代は転職市場のボリューム層でもあるため、英文契約や複雑な取引契約に対応できるスキルなど、他者と差別化できる部分があるかどうかも重要です。

交渉力

30代になると、契約交渉や紛争対応など、交渉の最前線に立った経験が重視されます。
相手のビジネスニーズや業界の事情を踏まえ、企業利益を最大化しつつも双方が納得できる合意を導き出す調整力が必要です。

社外だけでなく、社内の複数部門経営層を巻き込んだ交渉もあります。
部門間の利害を調整しながら目的を達成する力を磨けると、さらなるキャリアアップのチャンスをつかみやすくなるでしょう。

業界知識

30代はキャリアの中核を形成する時期であり、特定の業界に精通していることがよりいっそう求められます。
IT、金融、製造など、業界ごとにある法規制や商慣習を理解し、業界ならではのリスクを契約段階で事前に織り込むなどして、業務に活かします。

経営陣や他部門に法的な観点から具体的な提案を行えるのも、業界知識をもっている大きな強みです。
特定業界に特化したスキルセットをもっていると、転職活動においても大きなアピールポイントになります。

経営的視点・リーダーシップ

30代では、法務部門の中核メンバーとして、経営的視点をもつことが不可欠です。
契約やコンプライアンスにとどまらず、企業全体のリスクマネジメント法務戦略を立案し、経営陣に提案する力が求められます。

30代後半にもなると、部下の育成チームのマネジメントを任されることも増えていきます。
単なる専門職ではなく、企業の将来を見据えた視点をもてば、さらなる信頼を得られる人材になるでしょう。

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30代法務の年収はどのくらい?

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、法務の年収は30~34歳が446万円、35~39歳が519万円でした。
このデータは法務・広報・知的財産事務が対象となるため、あくまでも参考ではありますが、30代法務の年収相場は400~600万円と考えられるでしょう。

法務で高年収が得られる主なケースは、主に以下が挙げられます。

法務管理職

法務管理職は、企業の法的リスクを管理するだけでなく、ビジネス戦略を法的観点からサポートする重要な役割を担っています。
一般的な実務担当者よりも広範な知識・経験が求められ、経営層とのコミュニケーションや意思決定プロセスへの深い関与も必要です。

組織全体を統括するマネジメントスキルや、従業員教育・研修といった人材育成能力も兼ね備えているため、高年収を得られるポジションといえます。

法務部立ち上げポジション

新規事業などで法務部を立ち上げる段階のポジションは、ゼロから体制プロセスの構築をしなければならないため、大きな責任高度な専門性が求められます。
契約書や規程の整備、リスク管理体制の構築だけでなく、他部署との連携や経営方針に沿った法務戦略の立案など、幅広い業務範囲をリードすることが重要です。

企業側としては、立ち上げを成功させるために経験豊富なプロフェッショナルを雇用する意義が大きく、その分報酬水準が高まる傾向があります。

外資系企業

外資系企業の法務部門は、グローバル規模でのコンプライアンスや国際契約業務が発生しやすく、英語力国際取引法に関する知識・経験が求められます。
さらに海外本社との連携各国の法規制対応など、高度かつ専門的なスキルが必要です。

加えて、外資系企業の報酬体系は日系企業と比べて実績や専門性をより重視するケースが多いため、同じ法務の仕事でも年収レンジが高めに設定されることが一般的です。

企業内弁護士

弁護士資格を持つ法務担当者、いわゆる企業内弁護士は、専門性の高さと幅広い業務対応力が評価され、比較的高い年収を得やすいポジションです。
企業にとっては、顧問弁護士に外部委託するよりも早いレスポンスで細やかな対応が可能になるため、リスク回避経営判断をスムーズに行う上で非常に大きなメリットがあります。

特に訴訟対応国際契約のチェックなど、外部への依頼にコストがかかる分野を自社でカバーできる点は企業にとって魅力的であり、その分の価値が年収に反映されやすいです。

「日本組織内弁護士協会」が2024年8月に実施したアンケートよると、20・30代企業内弁護士(組織内弁護士)の年収で最も割合が多かったのは、「750万円~1,000万円未満」でした。
前述の30代法務の年収相場よりも高いことが分かります。

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30代法務が転職を成功させる秘訣

30代は法務職としてキャリアの中核を形成する時期であり、転職活動では自分のスキル・経験を適切にアピールするのが重要です。
転職を成功させるためには、以下の3つがポイントになります。

・希望条件は基準を明確に
・応募先企業が重視していることを調べる
・実績や強みのアピールは具体的に

希望条件は基準を明確に

30代法務が転職を成功させるためには、まず希望条件に基準を設けることが重要です。
すべてを「必須」としてしまうと、選択肢が限られてしまいます。
理想の条件を「必ず満たしたい条件」「できれば満たしたい条件」のように分類して、柔軟に検討しましょう。

たとえば以下のように分類すると、広い視野で求人を探しつつ、自分に適した選択肢を見極められます。

・必ず満たしたい条件:給与、職務内容
・できれば満たしたい条件:ワークライフバランス、企業規模、キャリアアップの可能性

応募先企業が重視していることを調べる

30代法務に限った話ではありませんが、応募先企業が重視していることを調べるのも重要です。
たとえば企業の事業内容理念を見れば、法務部門の役割がとくに重要視されている領域がわかります。

求人票の内容を詳細に確認することも必須です。英語スキルやM&A経験など、求められるスキルや経験を把握できます。
グローバル展開に注力している場合は、英語力や国際法務経験が重視されるケースがほとんどです。

実績や強みのアピールは具体的に

経験や実績をアピールする際は、応募企業が求めるポイントを的確に捉え、具体的に伝えるのが重要です。
すべての経験を網羅しようとすると、かえって伝わりにくくなることもあります。何よりも、読みやすさを意識しましょう。

エピソードなどを記述する際は、具体性も必要です。「契約書の審査・修正業務を年間300件担当し、業務効率化プロジェクトをリード」など定量的な成果を盛り込むと、説得力が増します。

法務のための転職支援を受ける

法務の転職に特化したエージェントで効率良く転職活動を進めよう

企業側のニーズを正確に把握し、自分の適性や希望に合った転職先を見つけるためには、転職エージェントの活用がおすすめです。

MS Agentは、管理部門に特化しており、法務職の転職支援においても豊富な実績をもっています。
業界の動向や業務内容について深い知識をもっているため、法務経験者ならではのスキルや強みを最大限に活かせる転職先を提案します。
さらに、専門特化型のエージェントならではの精度の高いマッチングにより、効率的な転職活動が可能です。

また、求人紹介だけでなく、条件交渉面接日程の調整といった細かな作業も代行します。
応募企業への質問や不明点の確認、面接対策のアドバイスなども実施しているため、自信をもって選考に臨みやすいでしょう。

転職活動で少しでも疑問や不安を感じた場合は、ぜひMS Agentにお気軽にご相談ください。

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30代法務の転職成功事例

非上場からプライム上場へ転職された方の事例

Nさん(30代/男性)
転職前:IT企業/非上場
転職後:IT企業/プライム上場

Aさんは非上場のIT企業で法務業務に従事していましたが、今後のキャリアを見据えた際に「より規模の大きな企業でマネジメントに挑戦したい」と思い、転職を決意しました。
転職活動当初はマネジメントポジションを中心に応募するも、競争率が高く苦戦しました。
そのため、弊社からはリーダー職ポジションの求人を紹介し、リーダー職を通じてマネジメントスキルを身につける方針に変更しました。

結果、選考通過率が向上し、最終的にリーダー職として内定を獲得しています。未経験分野の挑戦を受け入れ、目指すマネジメントへの第一歩を踏み出すとともに、年収アップも達成しました。

上場企業から大手上場子会社へ転職された方の事例

Aさん(30代/女性)
転職前: 上場企業
転職後: 大手上場子会社

上場企業の法務部でリーダークラスに昇格したBさん。組織の縦割り構造により業務が細分化され、業務の幅が狭いことに危機感を覚え、転職活動を開始しました。

転職活動の軸を「業務幅の拡大」に設定し、求人選定のポイントを「法務部門の規模」「事業の成長性」と定めました。
組織規模がそれほど大きくない企業を中心に、中小企業や上場子会社、IPOベンチャー企業を候補として応募しました。

最終的には、法務部門の強化を進める上場子会社のリーダーポジションを選択しました。

法律事務所から一般企業(メーカー)に転職された方の事例

Nさん(30代/男性)
転職前:中堅企業法務系法律事務所
転職後:大手グローバルメーカー
資格:弁護士資格

Cさんは司法修習後、企業法務を専門とする中堅法律事務所で幅広い業務を経験しましたが、ライフステージの変化を機に転職を決意しました。

Cさんが求めたのは、リモートワークやフレックス勤務などの柔軟性と、キャリアアップを図り市場価値を高められる環境です。
英語を使用した経験は少なかったものの、TOEIC800点以上の語学力を活かしてグローバル企業を中心に検討しました。

キャリアアドバイザーの提案により、大手グローバルメーカーの法務ポジションに応募しました。
法務全般の幅広い経験が積める環境と、柔軟な働き方が整備された企業に内定を獲得しています。

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法務の転職に関するFAQ

Q.法務専任の求人は市場にどのくらいありますか?

A.法務専任のポジションは主に大手企業に多く見られますが、全体の求人割合としては少なめです。
しかし近年、大手企業での法務人材の需要が高まり、法務専任の求人は増加傾向にあります。
法務の実務経験や弁護士資格をもつ方は、法務専任ポジションを積極的に狙うのがおすすめです。
一方、未経験や経験が浅い場合は、法務と総務や人事などを兼務する求人も視野に入れるとよいでしょう。

キャリアの幅を広げたい方は、法務以外の業務経験を積むことも検討してください。
ベンチャー企業成長企業では、幅広いスキルをもつ人材が評価されるため、こうした求人への挑戦もよい選択肢となります。

Q.大手とベンチャーの魅力の違いは何ですか?

A.大手企業では、法務部の人員が多く業務が分担されているため、特定の分野専門スキルを磨けます。
また、福利厚生が充実しているほか、ジョブローテーションを通じてさまざまな業務経験を積む機会があるのも魅力です。安定した環境で計画的にキャリアを築きたい方に向いています。

ベンチャー企業では、少数精鋭で幅広い業務を経験できるため、短期間でスキルを総合的に伸ばせます。
また、実力主義の傾向が強く、年齢に関係なく昇進や昇給のチャンスがある点も魅力です。挑戦意欲が高い方や、多様な経験を積みたい方に向いています。

Q.法律事務所で働く弁護士がインハウスローヤーになるメリット・デメリットを教えてください。

A.メリットは、安定した働き方ができる点です。法律事務所と比べて長時間労働や休日出勤が少なく、ワークライフバランスを向上させやすい環境が整っています。
企業内での業務を通じて、ビジネス全体の理解を深められる点も魅力です。

一方、デメリットは、「年収の上限が法律事務所より低い傾向にあること」「業務内容が契約書の作成や管理などの定型業務に偏る場合があること」です。
専門性を高めたい弁護士にとってはミスマッチとなる可能性もあります。

ただし、企業によっては訴訟対応M&A戦略的な法務に携わる機会もあり、弁護士としてのスキルを活かせる場面も多くあります。
いずれにせよ、インハウスローヤーは、安定した環境で仕事と生活のバランスを重視したい方におすすめです。

法務のキャリアを相談する

まとめ

30代法務の転職市場では、特定の分野の専門性や実務経験、柔軟な姿勢、成長意欲などが企業からの評価につながります。
スキルの棚卸しや自己分析を行い、自分の強みを理解しつつアピールできるとよいでしょう。

転職活動を進める際は、法務の転職に特化したエージェントを活用するのがおすすめです。
非公開求人の紹介だけでなく、専門的なキャリアアドバイスを受けられます。
転職活動にかかる手間を軽減しつつ、自分に合った職場を見つける可能性を広げることが可能です。

MS Agentは、法務をはじめとした管理部門に特化した転職エージェントで、業界や企業の最新動向を踏まえた求人紹介ときめ細やかなサポートを行っています。
転職を考えている方は、ぜひご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

相川 沙緒里

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として従事。全国各地で販売業務や新規店舗の教育係を経てMS-Japanへ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして経理・人事・総務を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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