法務としてのキャリア形成とは?法律知識に加え大切なもの
法務としてのキャリア形成とは?法律知識に加え大切なもの
法務としてキャリアを築いていくには、法律知識だけがあればいいというわけではありません。法務の仕事は幅が広く、様々な能力が求められます。
この記事では、法務としてより企業に求められる人材となるための、キャリア形成のポイントについて解説します。
これから法務としてキャリアを築いていきたい方、または現在法務として経験を積まれており更なるキャリアアップを考えられている方は、今後具体的にはどのような経験を積めば良いのか、今回は、法務という専門的な職種でキャリアアップ図るための具体的なポイントについてご紹介します。
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目次
- まずは法務の求人をご確認したい方はこちら
- 法務はビジネスセンスが問われる
- ビジネスセンスが問われる中で求められる法務のスキルとは
- どのようなスキルがあると、法務としてキャリアアップできるのか?
- 法務のキャリア形成プラン
- 現職でキャリアが築けない場合は転職を
- 面接時に評価されるスキルとは
- 自分のスキルをアピールする時の注意点
- 未経験者でも法務になれるのか?
- まとめ
まずは法務の求人をご確認したい方はこちら
法務の求人情報
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法務はビジネスセンスが問われる
多くの会社において法務人材に求められる能力は、それほど大きな違いはありません。 まずは、契約手続きなどの法的な窓口となり、企業法務の番人として社内の法令順守を担う役割があります。
法務へご活躍されている方の多くは、法学部出身者や、法科大学院などで専門的に学んできた方が多く、元々法律知識をお持ちである場合が多いです。
ただし、法務に求められるのは、専門的な法律知識だけではありません。 法務部の仕事にはシビアな利害関係を調整するビジネスセンスも問われます。
ビジネスセンスが問われる中で求められる法務のスキルとは
ビジネスの現場では売買契約や業務請負契約、賃貸借契約、委任契約、雇用契約など、さまざまな契約を結びます。法務の大きな役割として、契約書の作成やリーガルチェックが挙げられます。
各種法律的に問題がないか、自社に不利な内容になっていないか、しっかりと確認するためにも、法律とりわけ民法を正しく理解しておくことが重要です。また、過去のトラブル事例や判例なども把握し、リスクを回避する視点も法務部員には求められます。
コンプライアンスも法務の大きなミッションです。社内でルールを定め、それを運用していかなければいけません。各種法令はもちろん社会倫理や道徳に対しても理解を深め、意識を高く持つ必要があります。
特に近年では従業員がSNSに不適切な投稿を行うことで会社が炎上するというケースが数多くありますので、ITの知識も求められます。
どのようなスキルがあると、法務としてキャリアアップできるのか?
法務としてキャリアアップするにあたって、必要となるスキルについて見ていきましょう。
文章力
法務では契約書や就業規則などの文書を作成する機会は多くあります。一語の違いで、内容が全く異なる文章となってしまう可能性もありますので、正確かつ相手にわかりやすく物事を伝える文章力が必須です。
コミュニケーション能力
法務では従業員に対してプレゼンテーションを行う、ルールを徹底させる、社外の人と交渉を行うといった機会が数多くあります。特に法律関連や契約関連は専門用語が多く、法務上では常識であっても相手にとっては難解と思われがちです。
法務部員には物事をわかりやすく説明して、相手に履行してもらえるコミュニケーション能力が求められます。
法律知識
その上で、関連法令の知識は法務には必要不可欠です。まずは実務の中で法律や判例について勉強しておきましょう。昨今では弁護士経験を必須とする企業も増えてきているため、これから法務を目指す方は弁護士資格の取得も検討されることをおすすめいたします。
また、現在法務として経験をお持ちである場合は、「ビジネス実務法務検定」「ビジネスコンプライアンス検定」といった資格勉強でさらなる法務知識を得るのもおすすめです。
事業・業界理解
法務を担当するに十分な文章能力、対人交渉能力、法律知識があっても、自社ビジネスへの理解をしていない場合は、法務部員として重要な役割を全うできません。
契約書作成・交渉の部分でも、必ず必要な知識ですので、業界特有の資格取得をして業界理解を深めることもおすすめです。(不動産業界なら宅地建物取引士など)
また、新規事業を立ち上げる際にも、法務の立場として意見を求められることがあります。その際も事業・業界理解がないと対応することはできません。
より会社にとって優位な契約交渉をしたり、新たな事業展開のサポートをしたりできる法務人材は、企業内でとても貴重で価値のある法務部員であるといえます。
英語力
近年ではグローバル化が進み、海外に取引先を持つ、あるいは現地で拠点を設ける企業も増えてきました。そういったグローバル企業で法務を行う場合は英語のスキルも必須です。
ビジネスレベルを求められる場合は、法務の業務上での実施の使用経験の実態を参考にされ、加えてTOEICスコアの目安850~900点以上を目安にされる場合が多いです。ただし、会話の使用機会が少なく、読み書きができる程度のレベルを求められている場合は、TOIECスコア600~700点以上を目安としている企業が多いため、まずはこのラインを目指しましょう。
ITと個人情報に関する知識
SNSでの不適切な投稿や個人情報の流失が大きな社会問題となっている現代においては、法務部員はネットでのトラブルを事前に防ぎ、万が一問題が発生した場合でもいち早く対処するために、ITに関する知識やスキル、個人情報保護に対する理解も必須となってきています。
法務のキャリア形成プラン
法務のキャリアプランとして、どのような選択肢があるのかを見てみましょう。
マネジメント
法務部員としてまず目指すプランのひとつは、管理職に昇進することです。管理職に昇進すれば、部下のマネジメントを行います。
また、経営陣に近い管理職になればなるほど、経営陣から意見を求められる機会が増える可能性が高いです。加えて、法務業務としては、より裁量が増えることでしょう。
管理職に昇進するためにポイントとなってくるのは、「かけがいのない人材になれるかどうか」だといえます。
企業によって、人材に求められるニーズはさまざまです。そのニーズを掴み、企業の期待に応えることができた人が評価されることになるでしょう。
スペシャリスト
また、法務としての経験を生かし、スペシャリストになることも、企業法務のキャリアプランとして大きな選択肢となります。業界理解が深く、その道の専門性が特に高いとされる方がスペシャリストとして活躍する場合が多く、会社にとっても必要な存在となります。
ゼネラリスト
法務を軸にしつつ、経営企画、総務、人事など管理部門の幅広い経験を積み、より経営に近いポジションで活躍するゼネラリストも、キャリアプランの一つです。
規模が大きくないベンチャー企業などで必要とされる場合が多く、経営目線での意見を求められる機会が多い傾向があり、会社の成長や事業推進に自身の仕事が結びついている実感が湧きやすいのがこのポジションです。
現職でキャリアが築けない場合は転職を
「いつまで経っても同じようなルーチン業務ばかりで、本質的な法務実務に携わらせてもらえない。自分が成長している実感が持てない。待遇が良くならない。キャリアアップのために努力をしているのに…」このように現職でキャリアが築けていないと感じたら転職するのも一つの手です。
特に自分よりも入社が早い先輩や上司も同じような状況であれば、その会社の人事制度に問題があり、ご自身も同じような道を辿ると考えられます。会社というフィールドを変えることで、大きくキャリアアップできる可能性が開けてきます。
面接時に評価されるスキルとは
新卒の就職活動ではやる気や仕事への姿勢などが評価されます。ただし、即戦力としての転職活動となると、それに加えてスキルや実績も大きな評価指標です。特に年齢が高くなればなるほど、その傾向が強くなり、やる気やポテンシャルだけで採用されるのが難しくなります。
法律に関する知識をアピールするなら、弁護士資格を持っていると大きなアドバンテージとなります。加えて、英語力としてTOEICスコアもアピールできるポイントです。
ただ、法務の仕事は知識だけではできません。企業が重視するのは実績です。今まで法務部員という立場からどのように会社に貢献してきたか、という実績と、それによって身についたスキルをアピールしましょう。
自分のスキルをアピールする時の注意点
せっかく法務の知識やスキル、実績があったとしても、それが伝わらなければ意味がありません。これまでどのような業務を、どのような取り組み方で行ってきたか?それを通じてどのようなスキルが身につき、どのように会社・組織に貢献できたか?を棚卸しし、アピールすべき内容を考えましょう。
すべて出し切る気持ちで一度振り返ってみてください。
ただ、何でもかんでもアピールすればいいというものでもありませんので、注意が必要です。相手が求めていないものをアピールしても押し売りになってしまいます。応募した企業や採用担当者がどのようなスキルを求めているかを把握し、それに合わせて面接や職務経歴書の内容を考えましょう。
たとえば、海外に事業展開をしている企業なら海外法務のスキルや実績が役に立つでしょう。上場を控えている会社なら上場基準での体制整備経験やそこに至るまでの過程理解知識が求められる可能性があります。応募先の企業の事業内容や募集要項をしっかりと把握し、それに合わせた戦略を立てましょう。
このように相手が求めているものに対して適切な答えを用意することでも、ビジネスセンスが問われ、法務の重要なスキルのうちの一つといえます。
未経験者でも法務になれるのか?
上述した通り、単純に法律の知識があるだけで法務に適性があるというわけではありません。 中途採用では、実務経験が問われることが多いですが、若ければポテンシャルを見込まれて採用されることもあります。
弁護士資格をお持ちであれば、インハウスとしてのキャリアをスタートさせることができる可能性は高く、または法科大学院を修了されていて法務職への希望があれば、こちらも法務のキャリアをスタートさせる可能性は十分あります。または、法学部卒業で強い希望をお持ちであり、英語や社会人経験などのプラスでアピールポイントがある場合も可能性があります。
まとめ
法務は、ただ単純に法律知識があれば務まるというものではなく、高度なビジネスセンスやコミュニケーション能力が求められます。
法律知識だけではなく、ビジネス理解・会社理解を深めていくこと、またそのような知識を活かして社内・社外の人と交渉していくこともできる法務職は、非常にやりがいのある仕事です。また、法務として基盤となるような経験を積むことができれば、様々なキャリアの方向性を選択できるのも、法務の魅力の一つかもしれません。 自分の仕事の幅を広げ、納得のいくキャリアアップを目指してくださいね!
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この記事を監修した人
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
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