2020年01月21日

中小企業の経営者に聴く!顧問税理士に関する悩み

管理部門・士業の転職

1. 税理士の最大の顧客層のひとつである中小企業

平成26年4月に実施された第6回税理士実態調査報告書(日本税理士会連合会)によると、税理士にとって、最大の顧客層は中小企業です。

中小企業の経営者の多くは、第一に税務申告を委託することを目的として税理士と契約しています。逆にいうと、税務申告以外のことはあまり期待せず、決算期だけのつきあいと割り切っている経営者もいます。
会社の状況や契約内容によっては、経理業務の支援などで税理士が定期的に訪問している場合もありますが、前述のように税務申告だけというケースではメールや電話のやりとりが中心で、年に1、2回しか顔を合わせる機会がないということもありえます。

しかし、経営難や後継者不足などの理由もあって中小企業の絶対数はじわじわと減少しています。さらに、中小企業や自営業者をターゲットとするクラウド会計などの会計業務や税務申告を支援する格安のサービスが登場する昨今、顧客層の縮小に対する危機感を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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2.顧問税理士の役割とは

中小企業が税理士に税務を依頼する場合、その都度契約を行う「スポット契約」と継続的な契約を結ぶ「顧問契約」とがあります。
スポット契約とは、確定申告の時など特定の時期のみ税理士と結ぶ契約のことです。
一方、顧問契約とはいつでも税務相談を行える契約を結ぶことで、顧問契約を結んだ税理士は「顧問税理士」と呼ばれます。
税務というと12月や3月など特定の時期にのみ繁忙するイメージがありますが、中小企業において、時期に関係なく活動する顧問税理士が果たす役割は大きいです。

まず、顧問税理士がいることで、経営者は日常的に直面する税務に関する問題や悩みをいつでも相談することができます。
一度顧問契約を結べば、日常業務で発生する相談などはいちいち支払いをしなくても随時対応してくれるので、経営者にとっては心強いです。
特に小規模企業の場合、社内の会計・税務部門が充実しておらず、さらに経営者自身も税法に詳しくないことが多いため、顧問税理士が果たす役割はより大きくなるでしょう。

さらに、節税という点でも顧問税理士が果たす役割は大きいです。
経営体力に乏しい中小企業にとって、節税対策を行うことは企業の存続上重要です。
節税は決算期直前になって対策を始めても間に合いません。
中小企業としては、顧問税理士の助言を受けながら1年間を通して節税に取り組む必要があるわけです。

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3.中小企業の経営者は顧問税理士の仕事をどのように受けとめているか

では、中小企業の経営者の皆さんは顧問税理士の仕事をどのように受けとめているのでしょうか。中小企業の経営者たちは、顧問税理士に対してこんな悩みを抱えているようです。

税理士から提供される資料や説明があまり理解できていない。
経営者が経営に専念できる中小企業は稀で、営業から事業全体をひとりで回していることも珍しくはありません。二代目、三代目の経営者では営業や事業のノウハウは教えこまれていても、経営に必要な知識が不足している人が意外に多いのです。そのため、税理士の立場としてはわかりやすく伝えているつもりでも、実際には理解できておらず、また「わからない」と言い出しにくいという人もいるようです。

経営の悩みを相談しづらい。もっと踏みこんだアドバイスが欲しい。
「経営者は孤独」という言葉のとおり、中小企業の経営者は、設備投資や資金調達などの経営上の課題について相談できる相手が周囲にいない場合が多いです。会社の経営状態を把握している顧問税理士こそ頼れる相談相手なのですが、経営者の中には経営に対するアドバイスが顧問税理士の役割のひとつであることを知らない場合があります。

顧問料が高い
経営者にとって抑えられる出費は少しでも減らしたいもの。経営者同士の情報交換やネットの情報で顧問料の相場感を知ることが容易になりました。長年のつきあいや信頼関係があるから顧問税理士を変えようとまでは思わなくても「他社より高いかも」というモヤモヤ感を抱いている経営者もいるようです。

4.中小企業の経営者と良い関係を築く顧問税理士になるには

顧客との信頼を築くには、日頃の業務を確実に継続することが大切です。
月次決算の報告に遅れが出ないようにし、決算対策・節税対策に関するアドバイスを定期巡回の際に的確に行いましょう。
また、経営者側からの相談連絡がなくても、税理士の側から積極的に、経営上・税務上における課題の発見とその解決方法を提案していくことも重要です。

また、近年では高齢の税理士の方も増えていますが、中にはIT関連の知識が乏しく、インターネットビジネスに関する相談をしても、適切なアドバイスを得られないこともあるようです。
ビジネスとITのつながりはますます深くなってくるので、年齢に関わらずビジネスITに関する必要最低限の知識は必要です。業界・地域に関する最新の情報を常に収集しましょう。

また、税務調査が発生した際は、企業側の言い分を踏まえた主張を税務署側にしっかりと行うことも大事です。
税務署側の言いなりになって、経営者側の意見をかえりみないような態度を取ると、顧客との信頼関係を築くことはできません。
日頃から顧客とのコミュニケーションを大切にし、打ち解けた関係性を築いていく必要があります。

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5.大切なのは、丁寧なコミュニケーションで納得感、満足感をもってもらうこと

資料や説明が理解できない、相談しづらいという課題は、税理士の側から歩み寄り、丁寧なコミュニケーションを重ねることで解消できる可能性が高いです。これは、クラウド会計などの格安サービスでは難しい、付加価値へと変えることができる顧客ニーズであるともいえます。もっとも厄介に思える「顧問料が高いような気がする」というモヤモヤ感も、仕事に対する満足度があがるのに比例して解消されていくのではないでしょうか。

長く続く顧問先は、ともするとルーティン化しがちですが、顧客が納得感や満足感を持っているかということを常に確かめることが大切です。ときには担当を替えてみたり、定期的に経営者の話を深掘りして聞く機会を持ったりするなどの工夫をするとよいでしょう。

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