2024年12月23日

弁護士がワークライフバランスを改善する方法は?優良求人の見つけ方や転職成功事例など

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政府が進める働き方改革の影響もあり、出産や育児、介護などのライフイベントやプライベートな生活と仕事を両立する、「ワークライフバランス」の考え方が普及しつつあります。
ストレス軽減や健康維持、生産性の向上など、さまざまな観点でワークライフバランスは重要です。
しかし、法律の専門家である「弁護士」として働く人の中には、「ワークライフバランスが崩れている」と感じる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、弁護士がワークライフバランスを改善するための具体的な方法を紹介します。優良求人の見つけ方や転職でワークライフバランスを改善した事例も取り上げていますので、転職活動を始めるための参考にしてください。

弁護士はワークライフバランスが崩れやすい職種?

弁護士はワークライフバランスの実現が難しい職業の1つです。

とくに法律事務所勤務の場合、労働時間は1日平均で10時間以上になることも珍しくありません
事務所業務に加え、個人受任も請け負っていると、深夜・休日に働き続けることも往々にしてあります。また、仕事ではなくても、法律事務所の弁護士が横断的に集まる弁護団の会議や勉強会などの機会も多く、弁護士の「忙しさ」を加速させています。

また、弁護士の給与額は労働時間ではなく、受任件数によって大きく左右されます。
プライベートを充実させるために働く時間を減らすと、受任件数を減らすこととなり、収入減に直結せざるを得ません。
勤務先の法律事務所によっては大幅な収入減となる恐れもあり、収入面からも弁護士はワークライフバランスの実現は難しいといえます。

法律事務所の中でも、企業法務系は激務であると言われています。
大型クライアントから大規模なスポット案件を受ける企業法務系法律事務所では、弁護士数名のチームで対応するのが通例ですが、クライアントとの打ち合わせに加えて、チーム内での会議も頻繁に発生し、労働時間が長くなることが多い傾向です。

働き方改革が進む近年では、弁護士業界においてもワークライフバランスに配慮した働き方に注目が集まっています。しかし、日弁連で育児期間中の会費免除制度が始まったのも2015年からと、事業会社と比較すると働き方改革は遅れていると言えるでしょう。

弁護士のための転職支援を受ける

弁護士のワークライフバランス改善におすすめの転職先

弁護士のワークライフバランス改善におすすめの転職先は、主に以下の3つです。

  • ・一般企業
  • ・企業法務系法律事務所
  • ・民事系法律事務所

それぞれの概要とワークライフバランスの実態、転職時のポイントなどを解説します。

一般企業

弁護士がワークライフバランス改善を目的として転職を考える場合、最有力な候補が一般企業の企業内弁護士(インハウスローヤー)です。法律事務所と比較して、残業時間が少なく、待遇が安定している傾向があります。
株主総会やM&Aなど、繁忙期にはそれなりに労働時間が増えることが想定されますが、基本的に無理な働き方になることはないでしょう。

昨今では、フレックス勤務や在宅勤務を導入する企業が増え、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすくなっています。また、産休や育休、育休後の時短勤務などの支援制度が設けられているのが通例であり、慶弔休暇や介護休暇など、多様な休暇制度を導入している企業も多いです。
ただ、こうした支援制度が充実しているかどうかは、企業によって異なるので注意が必要です。ワークライフバランスの実現のために転職先を検討する場合、この点を事前に吟味しておくとよいでしょう。フレックス勤務制度や在宅勤務制度についても、初年から利用できなかったり、制度の運用状況が公表している内容と異なっていたりすることもあり、事前の十分な情報収集が欠かせません。

企業法務系法律事務所

一般的に、企業法務系法律事務所は、規模が大きいほど忙しい傾向にあります。もちろん事務所によって異なりますが、基本的には一般企業よりも忙しいと考えておきましょう。
例えば五大法律事務所(西村あさひ法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、森・濱田松本法律事務所、TMI総合法律事務所)は、帰宅時間が日をまたいだ深夜になることも多いと言われています。土日勤務も珍しくなく、どちらか一方はフルタイム勤務になるのが通例です。まとまった休みが取れるのは、年末年始くらいになるようです。

ただし、企業法務系法律事務所の残業実態は、パートナーや担当分野によって異なります。継続案件であるジェネラルコーポレート(顧問業務)を扱う事務所は業務量の調整がしやすく、ワークライフバランスを実現しやすいと言われています。
一方、大型のスポット案件を扱う企業法務系法律事務所は、案件によって残業時間が大きく左右され、激務になりやすい傾向です。
企業法務系法律事務所を希望する場合は、その事務所がメインで取り扱っている案件や、募集ポジションの担当業務をよく確認しましょう。

民事系法律事務所

民事系法律事務所は、個人や小規模事業者をクライアントとし、日常生活やビジネスで発生するさまざまな法的トラブルに対応する法律事務所です。クライアントと直接対話しながら案件を進めることが多く、ワークライフバランス改善だけでなく、将来的に独立開業を目指す弁護士にもおすすめの選択肢です。

民事系法律事務所の勤務時間は10〜12時間が一般的だと言われています。担当事件の発生状況によって、一時的に忙しくなることもあるでしょう。
しかし、民事系法律事務所では幅広い裁量が認められているため、残業時間を調整しやすく、近年では時短勤務を導入する事務所も増えています。ワークライフバランスを重視する場合、こうした制度の有無を確認するとよいでしょう。

弁護士キャリアを相談する

ワークライフバランスが実現できる優良求人の見つけ方

ワークライフバランスが実現できる優良求人の見つけ方は、以下の4つです。

  • ・最適なワークライフバランスを具体的にする
  • ・事務所規模と業務内容を確認する
  • ・弁護士の知人から情報を収集する
  • ・転職エージェントを利用する

それぞれの内容を詳しく解説します。

最適なワークライフバランスを具体的にする

転職活動を始める前に、「自分にとって理想的なワークライフバランスがどのような状態か」を明確化することが重要です。「ワークライフバランス」と一口にいっても、人によって理想とする状態が異なります
例えば、子育て中の方にとっては、「朝夕の保育園への送り迎えができること」などが理想かもしれません。それぞれ何時までに保育園に着くべきか、時間を計算しておくことで、実現可能な勤務時間を具体的にすることができます。
一方、独身の方は「旅行のためにまとまった休みが取りたい」と考えることもあるでしょう。

自分にとっての理想的なワークライフバランスが曖昧なままだと、転職後に条件が合わないと気づき、再度転職を考えることになる可能性があります。転職活動の軸を定めるためにも、自分にとって最適な状態を考えましょう

事務所規模と業務内容を確認する

ワークライフバランスが実現できる優良求人を見つけるためには、事務所規模と業務内容を確認するのが重要です。一般企業や法律事務所は、規模によって働き方や業務の進め方が大きく異なります。大規模な法律事務所と中小規模の事務所では、それぞれの特徴があるため、自分に合った規模の事務所を選ぶのが重要です。

例えば、企業法務系法律事務所の場合、前述のように規模が大きければ大きいほど忙しい傾向にあります。ただし、中小規模でも、福利厚生などが不十分で、結果として厳しい労働環境になっている可能性もあるでしょう。自身にとって最適なワークライフバランスを実現するにはどちらが良いか、見極めることが重要です。

また、業務内容もワークライフバランスに大きく影響します。企業法務や民事法務といった大枠だけでなく、継続した顧問業務が多いか、スポット案件が多いかなど、業務内容まで詳しく確認しましょう

弁護士の知人から情報を収集する

弁護士の知人も、ワークライフバランスが実現できる優良求人を見つけるために重要な情報源です。知人の弁護士からは、求人情報や面接ではわからないリアルな職場環境についての情報を得られるでしょう。

求人に各種制度の情報が記載されていたとしても、それがどれほど活用されているのかまではわかりません。「フレックス勤務がどの程度活用されているか」「休暇制度がどれほど実際に使われているか」など、具体的な運用状況を確認できます。

上司・同僚の働き方のスタイルや事務所全体の雰囲気、チームワークの状況など、職場の文化に関する情報を得られるのも、知人から情報を収集する大きな利点です。信頼できる知人に相談し、できるだけ多くの情報を集めましょう。

転職エージェントを利用する

ワークライフバランスの良い職場を見つける際には、転職エージェントを利用するのもおすすめです。弁護士に特化した転職エージェントは、弁護士業界のトレンドや求人情報に精通しており、希望に合った職場を見つけるための的確なアドバイスをしてくれます。

転職エージェントでは、一般公開しない非公開求人を扱っており、ワークライフバランスを重視した求人も豊富です。
また、求人の紹介だけでなく、応募書類の作成サポートや面接対策、給与・勤務条件の交渉代行などの転職サポートを受けることができます。効率的かつ効果的に転職活動を進めるためには欠かせないでしょう。

弊社MS-Japanが運営する「MS Agent」は、弁護士をはじめとする士業と法務などの管理部門に特化した転職エージェントです。
まずは情報収集から始めたい場合は、弁護士向けのキャリア相談会にご参加ください。

ワークライフバランスの改善を成功させた転職事例

ワークライフバランスの改善を成功させた転職事例ここでは、「MS Agent」を利用してワークライフバランスの改善に成功した転職事例をご紹介します。

民事系法律事務所から働き方が柔軟な大企業へ転職した事例

Aさん(30代前半・男性)は個人経営の民事系法律事務所に勤務し、民事・刑事事件を担当していました。
その後、企業法務の分野でキャリアアップを図りたいと考え、企業弁護士として事業会社に転職しました。しかし転職後、想像以上に業務量が増えてしまい、慢性的に残業が発生していました。そこで、企業法務としてのキャリアアップと家族との時間の両立を目指し、再度転職を決意します。

転職活動の結果、Aさんは東証プライム上場企業から内定を獲得しました。前回の転職時に残業時間や業務時間のチェックが不足していたため、今回の転職では面談の場でも懸念点を払拭できるように質問をしました。最終的に希望条件に合った職場からの内定獲得だけでなく、年収面についても業務経験が高評価を受け、希望額を上回る額を提示されています。

転職活動開始当初、Aさんは「大手企業は忙しい」という先入観を持っていました。しかし近年、上場企業でも働き方改革が進み、ワークライフバランスを取れる就労環境を整えつつあります。在宅ワークや時短勤務、フレックスタイム制などの柔軟な働き方も、経営資源が限られる中小企業よりも、大企業の方が積極的に進めている部分もあります。Aさんは転職活動を始める前にしっかりと情報収集を行い、ご自身の希望に合う就労条件で働けることをチェックしていました。

育児との両立を目指して上場商社へ転職したママさん弁護士の事例

Bさん(31歳・女性)は中小法律事務所に勤務し、企業法務をメインとしつつ、民事や刑事事件も担当して多様な経験を積んできました。
しかし、結婚・出産を機に育児休暇を取得して仕事に復帰したものの、残業が多く家庭・育児との両立ができず、転職を決意します。転職するにあたって、ワークライフバランスに加えて、キャリアを落とさないことも条件に設定して、転職活動を開始しました。

Bさんは、キャリアを落とさないために、上場企業を中心に応募しました。また語学が得意であることから、グローバル企業であるかどうかも判断基準として設定したそうです。最終的にBさんが転職先に選んだのは、大手商社でした。グローバルな法務経験を積むことができ、さらに自分の裁量で仕事を進められるため、育児との両立が可能という、まさに理想的な職場に出会ったのです。

以前は、子育て中の女性弁護士の場合、仕事と育児の両立は難しいことが多かったといえます。
しかし現在では、多くの企業が働き方改革を進め、子育て中の女性が働きやすい職場づくりに注力しています。育児と仕事の両立をしたいというBさんの希望は、時代の流れにうまく乗った形になったともいえるでしょう。

ワークライフバランス改善と働きがいを重視してグローバルメーカーへ転職した事例

Cさん(35歳・女性)は上場中堅メーカーに勤務していましたが、慢性的に残業が続く状況が続いたことから、家族との時間するために転職を決意します。また、Cさんは働きながら英語の勉強を続けていたため、語学力を活かせる職場という条件も盛り込みました。
プライベートを大切にできることと自身の能力を発揮できること、という2点の実現を目指して転職活動を始めました。Cさんとしては年収面の優先順位は低く、それよりもワークライフバランスの改善と働きがいを重視したそうです。

Cさんは求人情報の中から、英語を活かせること、残業時間が短いこと、育児中の女性が働きやすいことを実現できる企業に絞って応募を行ったところ、グローバル系企業から高評価を受けます。その中から最も希望条件に近いグローバルメーカーから内定を得ることに成功しました。

転職先に選んだ企業ではCさんと似た状況下で勤務している方が多く、入社後のイメージがしやすかったことも決め手になったといいます。当初、年収アップは重視していませんでしたが、英語スキルが高い点が評価され、年収アップも実現できました。

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ワークライフバランス重視!法律事務所求人例

ここでは、MS Agentで取り扱う弁護士求人の内、ワークライフバランス改善が期待できる法律事務所の求人をご紹介します。

総合系法律事務所※時短勤務・在宅勤務(週2日まで)可

仕事内容
・株式関係業務
・M&A・組織再編
・会社オーナー・地主等の相続(遺産分割、遺留分、遺言作成)
・国際関係業務(国際相続、国際取引)
・税務
・医療法人対応
・信託/資産承継・管理 等
必要な経験・能力
法律事務所での勤務経験がある弁護士(70~76期対象)
想定年収
~1,500万円

日本橋と新宿に拠点を構える総合系法律事務所※残業ほぼなし

仕事内容
・一般民事全般(B型肝炎訴訟、債務整理、医療過誤、交通事故、離婚、相続、消費者問題等)
・中小企業の経営、法務、知財等
必要な経験・能力
弁護士資格(司法修習修了者も歓迎)
想定年収
~960万円

一般民事事務所※在宅勤務・個人受任可

仕事内容
主に債務整理案件の面談をお願いする想定ですが、代表弁護士が取り扱っている一般民事・刑事案件も関与可能です。
必要な経験・能力
弁護士資格
想定年収
~840万円

弁護士向け!一般企業のインハウスローヤー求人例

次に、「MS Agent」で取り扱っている弁護士向けの一般企業求人の一例をご紹介します。

東証プライム上場医療機器商社※残業少・高定着率・労務環境◎

仕事内容
・契約書審査・作成業務
・法務相談対応業務(事案の整理、法令等の調査、助言・提案等)
・新規事業スキーム検討に関する調査・助言・提案
・M&A関連業務 など
必要な経験・能力
・事務所弁護士またはインハウスとしての1年以上の経験
想定年収
~780万円

中古ワンルームマンション投資の国内トップ企業※残業0~5時間・在宅週2日可

仕事内容
・契約書関連業務(相談やチェック等)
・訴訟、クレーム、トラブル等に関する法務面での対応
・コンプライアンスに関する運用、実施、管理、周知に関する対応
必要な経験・能力
弁護士資格
想定年収
~1,000万円

東証プライム上場成長企業※フレックスタイム制

仕事内容
・契約書の作成、修正、交渉等の契約締結支援
・取引や事業運営に関する日常的な法務事案への対応、支援
・新規事業に関わる法的観点からの調査および課題解決策の提言
・取締役会および株主総会事務局運営
・M&A等の他社との事業提携、DDに関する調査および課題の解決
・各種法令調査 等
必要な経験・能力
<必須>
・弁護士資格(企業法務の実務経験は不問)
想定年収
~800万円

まとめ

弁護士はワークライフバランスの実現が難しい職業であり、場合によっては労働時間が1日平均10時間以上になるケースも珍しくありません。とくに上場企業などの大規模クライアントを抱える企業法務系法律事務所は、激務であると言われています。

弁護士のワークライフバランス改善におすすめの転職先は、一般企業です。また、規模・業務内容によっては、企業法務系法律事務所や民事系法律事務所も候補に入るでしょう。

ワークライフバランスが実現できる優良求人を見つけるためには、自分にとって理想的なライフスタイルを明確にし、転職活動の軸を決めることが重要です。事務所の規模や業務内容を確認しつつ、可能であれば弁護士の知人から情報を収集するのもよいでしょう。

弊社MS-Japanの「MS Agent」は、、管理部門や士業に特化した転職エージェントで、求人紹介や応募書類添削、面接対策などさまざまなサポートを提供しています。ワークライフバランス改善のために転職を考えている弁護士の方は、「MS Agent」をぜひご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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