2025年02月19日

弁護士は激務?ワークライフバランスを重視したい弁護士におすすめの働き方や求人例など

弁護士とは、「激務の環境で働く職種」であると認識している人が多いでしょう。
しかし、近年はインハウスローヤー(企業内弁護士)のように、ワークライフバランスを考慮できる働き方の選択肢も増えています

この記事では、弁護士の働き方に注目し、激務である理由やワークライフバランスを重視する弁護士におすすめの転職先、最適な弁護士求人を見つける方法などをご紹介します。

弁護士が激務である理由

日本でも最難関の一つとされる国家資格の司法試験を突破し、法律の専門家として高度な業務を担う弁護士は、総じて激務となるケースが多く見られます。
もちろん、激務と感じる度合いは人によって異なりますが、なぜ弁護士が激務となりやすいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
以下、弁護士が激務である理由について詳しく解説します。

クライアントの都合に合わせる必要がある

弁護士がクライアントの信頼を維持し、適切なサービスを提供するためには、クライアントの都合に合わせる必要があります。
法律問題は突発的に発生することが多く、クライアントは自身のスケジュールに合わせて相談し、対応を求めます。
そのため、弁護士は変則的な働き方を余儀なくされ、長時間労働につながるケースも多い傾向です。

渉外案件は海外の時間帯に合わせる必要がある

グローバル企業を顧客に持つ弁護士は、渉外案件に取り組みますが、渉外案件は、海外の時間帯に対応する必要があります。そのため、例えば日本時間の深夜帯に会議が始まることも珍しくありません。
時差や異なる法体系への適応も、時間とエネルギーを必要とし、弁護士の労働負担を増加させます。
国際的なクライアントや相手方とのコミュニケーションは、円滑な案件進行に欠かせませんが、これが激務の一因となると言えるでしょう。

同時並行する案件が多い

弁護士は同時に複数の案件を並行して扱うことが一般的です。
法律分野や業界が異なる案件を同時に担当した場合、それぞれの案件に応じた知識やリサーチが必要となります。
複数のクライアントから同時期に依頼が来ることも珍しくなく、業務を効率的に遂行するためには同時並行で対応せざるを得ません
このような多忙なスケジュールにより、弁護士は常に時間のプレッシャーにさらされていると言えるでしょう。

個人の裁量権・業務範囲が広い

弁護士は、個人の裁量権や業務範囲が、一般的なビジネスパーソンと比較して広い傾向にあります。
案件によっては複数人で対応する場合もありますが、基本的には個人の裁量・能力で仕事をさばかなければなりません。
また、パラリーガルや事務スタッフのいない法律事務所では、書類作成などの事務作業に費やす時間も長いため、勤務時間を引き延ばすことにつながっています。

学習を続けて法改正に対応する必要がある

随時実施される法改正によって、弁護士も知識のアップデートが求められます。
そのため、案件に携わる以外の時間で学習時間を確保することが必要です。
最低限、自分の専門分野に関しては完璧に近い状態を目指す必要があり、新たな案件に携わる場合は、学習すべき分野がさらに増えることになるでしょう。

弁護士のための転職支援を受ける

特に激務な法律事務所はどこ?

様々な法律事務所の中で、特に激務になりがちな事務所の種類としては、次にご紹介する2つがあげられます。

四大法律事務所

四大法律事務所は、国際的に知名度が高く、大規模な法律事務所である西村あさひ法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、森・濱田松本法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の四事務所を指します。また、TMI総合法律事務所を加え、五大法律事務所と呼ぶケースもあります。
それぞれ数百人単位の弁護士と、サポートスタッフが在籍しており、大規模かつ複雑な法的業務に特化しています。
そのため、四大法律事務所は高い給与水準や高度な専門性を提供しますが、一方で激務になりやすい傾向もあります。

四大法律事務所が激務になりやすい理由

・重要なクライアントや国際的な案件への対応が多いため、業務の圧力が高い。
・常に最新の法律情報を追跡し、高度な専門知識が求められる。
・クオリティーの高い成果が求められるため、長時間労働が一般的。

渉外系法律事務所

弁護士が激務である理由」でも解説した通り、渉外系法律事務所もまた激務になりやすい要因を抱えています。
渉外系法律事務所は、国際的なビジネスや海外のクライアントとの取引に特化している事務所です。
通常、多くの国でオフィスを持ち、グローバルな法的ニーズに対応します。

渉外系法律事務所が激務になりやすい理由

・時差や地域の違いによる対応の必要性が高いため、24時間体制の業務が求められる。
・商慣習が異なる国際案件は、契約内容が複雑で、詳細な認識の隔たりを埋める作業が大変。
・多言語対応や異文化コミュニケーションが必要で、信頼関係を築くハードルが高い。

このように、四大法律事務所と渉外系法律事務所は一般的に激務の環境とされています。
しかし、ワークライフバランスが保ちにくい一方で、高い報酬とキャリアの成長機会に恵まれるメリットもあります。
弁護士としてのキャリアを選択する際は、ワークライフバランスと報酬、キャリアの成長機会のうち、何を重要とするか自身の志向を明確にすることが重要です。

優良事務所への転職支援を受ける

ワークライフバランスを重視したい弁護士におすすめの働き方

インハウスローヤー(企業内弁護士)

弁護士が激務を避けたい場合、「インハウスローヤー(企業内弁護士)」への転職がおすすめです。
インハウスローヤーは企業の従業員として雇用され、社内の法務のみを行います。そのため、法律事務所に勤務する弁護士のように多数のクライアントからの案件を抱える必要がありません。
民事・刑事事件に関わることも少ないため、休日の緊急呼び出しや複数案件の同時対応に追われるプレッシャーからも解放されるでしょう。

近年、多くの企業では「働き方改革」の影響により、長時間労働が見直されているため、インハウスローヤーにおいても適正な仕事量に収まることがほとんどだと考えられます。
企業が定める休日取得や福利厚生も受けられ、残業が少なく、ワークライフバランスを保ちやすいことがメリットです。

インハウスローヤーは企業の一員として目標や価値観を共有しながら、戦略的な意思決定に参画する機会があります。
法的視点からのアドバイスを通じて自社の安定と成長に貢献できる満足感は、弁護士として新たなやりがいにつながるでしょう。

法律事務所

法律事務所でのキャリアを希望する場合は、「民事系法律事務所」や「顧問業務を中心とする企業法務系法律事務所」もおすすめの働き方です。
民事系法律事務所は、個人や中小企業をクライアントとしています。担当分野によっては繁忙期の差はありますが、裁量を持った働き方が認められているため、自身で調整しやすいと言えるでしょう。時短勤務を認めているケースもあるため、検討してみるとよいでしょう。

企業法務系法律事務所は、事務所規模と取り扱い分野によって激務の度合いが異なります
「顧問業務を中心とする企業法務系法律事務所」の場合、スポット案件が少ないため、業務量の見通しがたてやすい傾向です。
企業法務系法律事務所へ転職する場合は、応募先事務所の得意分野や応募先ポジションが担う分野を細かく把握しましょう。

無料で弁護士キャリアを相談する

激務から脱出した弁護士の転職事例

激務から脱出した弁護士の転職事例弊社MS-Japanが運営する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」を利用し、激務から脱出した方の成功事例をご紹介します。

安定性や福利厚生を優先してインハウスローヤーに転職した事例

  • Nさん(30代半ば/女性)
  • 転職前:法律事務所
  • 転職後:上場グループ製薬メーカーのインハウスローヤー

法律事務所で働いていたNさんは、10年ほど前に働き方や福利厚生がしっかりしている一般企業を希望して転職活動を始めましたが、当時は良いご縁に繋がりませんでした。
今回、再び一般企業への熱意が湧き上がり、弊社にご相談いただきました。転職活動開始当初は、希望給与と企業の提示給与にギャップがあり、難航していましたが、キャリアアドバイザーとの面談や事前打ち合わせによる振り返りを重ね、対策を徹底しました。

最終的に、弁護士会費・借り上げ社宅・引越し費用の負担など手厚い福利厚生のある上場グループの製薬メーカーから内定を獲得し、インハウスローヤーとしての転職を実現しました。

Nさんの事例を詳しく読む

キャリアアップと家族との時間の両立を実現した転職事例

  • Aさん(30代前半/男性)
  • 転職前:非上場メーカー
  • 転職後:東証プライム市場上場メーカー

法律事務所から非上場メーカーの企業内弁護士に転職したAさんでしたが、想定以上の業務量と慢性的な残業に悩んでいました。
企業法務でのキャリアアップを望んだ転職でしたが、法務以外の業務が負担となり、深夜残業につながっていたのです。そこで、今回は働き方の改善と、本来の法務業務でのキャリアアップを求めて弊社にご相談いただきました。

転職活動の末、東証プライム市場上場メーカーから内定を獲得しました。前回の転職での苦い経験を踏まえ、今回の転職では残業時間・業務内容に慎重でしたが、現場の方との面談を実施したことで懸念点も払拭でき、安心して内定を承諾しました。

Aさんの事例を詳しく読む

弁護士キャリアを相談する

最適な弁護士求人を見つける方法

自分にとって最適な弁護士求人を探すためには、次のポイントを押さえて転職活動を進めることが大切です。

理想のキャリアプランを立てる

転職活動を始めるにあたっては、まず自分が理想とするキャリアプランを立て、具体的に言語化する必要があります。
事務所規模や分野、勤務地だけでなく、希望する働き方、年収、将来的な独立の可能性など、理想のキャリアプランを明確化することが重要です。
さらにその中で、必ず実現したい条件と妥協できる条件で優先順位をつけることで、応募する求人を迷いなく選べるようになるでしょう。

理想と現在のギャップを明確化する

次に、現在の職場に抱いている不満・不安を明確にした上で、理想のキャリアプランとのギャップを把握しましょう。
ギャップを感じるポイントは、年収ややりがい、働き方、取り扱い分野など、人それぞれですが、このギャップを正しく見極めることができないと、転職後に再び同じ問題に直面する可能性があります。

求人探しに不安がある場合は、「MS Agent」にご相談ください。
弁護士の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーによるカウンセリングを通して、キャリアプランの明確化や強みの発見など、転職活動の第一歩である自己分析から徹底サポートを致します。
また、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、転職活動の不安を解決できるサポートもご用意しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

無料で弁護士キャリア支援を申し込む

ワークライフバランス改善が見込める弁護士求人例

ここでは、「MS Agent」で取り扱う弁護士求人のうち、ワークライフバランスの改善が見込める求人の一例をご紹介します。

東証プライム×日本大手信販会社のインハウスローヤー

POINT
・月残業10h以下
・リモート有
仕事内容
・契約書等のリーガルチェック(和文中心)
・社内法律相談への対応
・新規事業の適法性チェック
・訴訟対応(社外弁護士と共同)
・法令改正対応
・法務企画業務
必要な経験・能力
<必須>
・弁護士資格保有者
想定年収
800万円 ~ 1,300万円

民事メインの優良弁護士法人

POINT
・リモート・フレックス可
・社内雰囲気◎
仕事内容
・残業代請求
・交通事故被害者対応
・その他、労働事件や相続などの民事案件
必要な経験・能力
<必須>
・弁護士資格保有者
<歓迎>
・学習意欲が高く、長く勤務したい方
想定年収
660万円~840万円

企業法務メインの事務所

POINT
・ワークライフバランス型・高収入型等配慮可
仕事内容
・企業法務をメインに、一部個人案件も担当
・顧問業務、訴訟対応、各種法律相談
・偏りなく幅広い案件に対応
・新人弁護士は、先輩のレビューを受けながら徐々に業務を習得
必要な経験・能力
<必須>
・弁護士資格保有者
<歓迎>
・企業法務未経験でも可、誠実で責任感のある方
想定年収
500万円~700万円

まとめ

「仕事が忙しい」のは、弁護士に限ったことではありません。どのような職業でも多かれ少なかれ忙しさは伴うものだと言えるでしょう。
激務の裏には、貴重な経験やスキルアップのチャンスが存在しているとも考えられます。
ただし、激務と感じる度合いも、人によって様々です。自身に最適なワークライフバランスを見極めることが重要です。
大きな負担がのしかかり、心身の健康を害する場合は、転職も選択肢の一つだと言えるでしょう。
自分にあった働き方を見つけるためにも、「MS Agent」にご相談ください

  • #弁護士の転職
  • #弁護士は激務
  • #弁護士のワークライフバランス

この記事を監修したキャリアアドバイザー

濵田 翔平

大学卒業後、大手信用金庫に入庫。個人・法人営業及びビジネスマッチング等に従事。
MS-Japanに入社後は、横浜支社の立ち上げに加え、経理・人事・法務・経営企画・公認会計士・税理士等、幅広い職種のマッチングに従事。
2021年より東京本社へ異動後は、公認会計士・税理士・弁護士・社労士等の士業を専門とするJ事業部の管理職を務める傍らプレイヤーとしても従事。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

サイトメニュー

職種で求人を探す
資格で求人を探す
勤務地で求人を探す
資格の転職情報を調べる
転職セミナー・個別相談会
転職サービス紹介
転職ノウハウ
求人企業の皆様へ
MS-Japanについて

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

関連おすすめ記事

新着記事

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。