USCPA受験に必要な英語力とは?現状の英語力に不安がある方へ



USCPA(米国公認会計士)の資格取得を目指す際、英語力に自信がないと、合格できるか心配になるかもしれません。USCPA試験はすべて英語で実施されるため、どの程度の英語力が求められるのか気になるところでしょう。
この記事では、TOEICや英検を目安に、USCPA試験に必要な英語力の基準を解説し、英語力に不安がある方に向けた対策方法を紹介します。
USCPAとは?資格取得で広がるキャリアの可能性
まずは、USCPAの基本情報とキャリアの可能性について整理してみましょう。
USCPAの概要と試験内容
USCPA(米国公認会計士)は、米国の各州が認定する会計士として、世界的に知名度の高い資格です。
国際ビジネス資格としての評価も高く、日本を含む多くの国々で試験が実施されています。
USCPAの試験は、必須3科目と選択1科目の計4科目で構成され、出題と解答はすべて英語で行われます。
必須科目は、FAR(財務会計と報告)・AUD(監査及び証明業務)・REG(税法及び商法)で、会計の基礎から監査や税法まで幅広い知識が求められます。
選択科目は、BAR(ビジネス分析及び報告)・ISC(情報システム及び統制)・TCP(税法遵守及び税務計画)の3科目から一つを選択します。
出題形式は、4択問題と総合問題で構成され、それぞれの配点比率はほとんどの科目で50%ずつとなっています。
合格基準は各科目99点満点中75点以上で、合格率は50%前後です。
一度にすべての科目を受ける必要はなく、科目合格制度があります。1科目合格後、30カ月以内に残り3科目に合格する必要があります。
USCPA取得のメリット
USCPAの資格を取得することで、キャリアにおいて大きなメリットを得られます。
まず、国際的なビジネスシーンで高い評価を受けるこの資格は、海外でのキャリア形成に役立ちます。
特に、国際会計基準や米国会計基準を採用しているグローバル企業での活躍が期待されます。
試験では会計知識と合わせて財務、法務の知識も問われるため、USCPA有資格者は監査法人や会計事務所だけでなく、官公庁や一般企業など、国内においてもキャリアの選択肢が広がるでしょう。 さらに、試験科目にはIT領域も含まれており、会計分野に必要なIT知識を身につけることも可能です。 国際的な財務・会計のエキスパートとして、幅広いフィールドでキャリアアップを望めることが大きな魅力です。
USCPA試験に必要な英語力の基準
USCPA試験はすべて英語で行われますが、実際に受験ではどの程度の英語力が必要なのでしょうか。
TOEICや英検を目安に、USCPA試験に必要な英語力の基準を紐解いてみましょう。
TOEICスコアの目安
USCPA試験に必要な英語力の目安として、よく挙げられるのがTOEICのスコアです。
TOEICテスト認定機関の資料「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」には、AからEまでの評価があります。
この評価をもとに、USCPA受験に必要な英語力の目安を考えると、レベルBの「特定分野の話題にも対応でき、業務上大きな支障がない」に相当します。
このレベルに達するには、最低でもTOEICスコア730点以上が必要です。
レベル | TOEIC スコア |
評価 |
---|---|---|
A | 860 | Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。 |
B | 730 | どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。 |
C | 470 | 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では 業務上のコミュニケーションができる。 |
D | 220 | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる。 |
E | コミュニケーションができるまでに至っていない。 |
参考: PROFICIENCY SCALE TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表
USCPA試験で出題される専門的な会計・監査・税務の英文問題を正確に理解するためには、ビジネス英語に対する一定の熟練度が求められます。 TOEICで730点以上を取得していれば、USCPA試験にも対応できると考えられます。
英検との比較
次に、英検と比較した目安を見てみましょう。
英検は、1級から5級まであり、それぞれ英語力のレベルに応じた試験内容となっています。
USCPA試験においては、英検2級以上の英語力が必要とされています。
英検2級は、高校卒業程度の英語力が試される試験ですが、「社会性のある英文読解が出題され、ビジネスシーンでも英語力がアピールできる」レベルとされています。
USCPA試験の問題文には専門用語を含むものの、基本的な文法や文章構造はそれほど複雑ではありません。
そのため、英検2級レベルの英語力を持つ受験者であれば、USCPA試験への対応は可能です。
ただし、英検1級や準1級を取得している場合は、さらに深い理解力が期待でき、試験問題へのアプローチが一層スムーズになるでしょう。
特に、監査や会計、税務に関連する専門分野の知識を持っている場合は、このレベルの英語力が役立つ場面が増えます。
必要なのは「基礎英語力+専門用語」
USCPA試験で最も重要なのは、リーディングスキルです。
試験問題の9割以上がリーディング問題となっており、ライティングはわずかで、スピーキングとリスニングに至っては求められていません。
必要なのは、基本的な英語の文法や構文を理解し、長文を速く正確に読み解く能力です。
しかし、それだけでは不十分です。
監査や財務会計、税法など、各科目で問われる専門分野特有の英単語を覚えておく必要があります。
TOEICや英検に加え、ビジネス英語の枠を超えた専門用語に慣れておくことが、問題を解くためのカギとなります。
また、試験本番では時間管理が重要です。
試験は1科目あたり4時間もかかるため、長時間にわたり集中力を維持しつつ、英語で考え続ける力が求められます。
このため、英語のリーディング能力に加えて、集中力や持続力も鍛えておくと良いでしょう。
英語力なしでもUSCPAを目指せる?
英語力に自信がない方がUSCPA試験に挑戦する際、「英語が得意でなくても合格できるのか?」と不安に感じることもあるでしょう。
「英語力なしでも合格できる」という噂は本当?
結論から言うと、英語が得意でない方でも合格できる可能性は十分にあります。
実際に、USCPA予備校の多くのサイトでは、TOEICスコア730点に満たないレベルの英語力でも、適切な学習方法と十分な準備期間があれば合格を目指せると説明されています。
前述のとおりUSCPA試験はリーディングが中心となっており、スピーキングやリスニングは必要ありません。
英語が苦手で文法やライティングに自信がなくても、試験問題の意味さえ理解できれば十分に対応できると考えられます。
そのため、高校3年間や大学受験の英語を勉強していれば、合格することは可能です。
USCPA試験の勉強を通じて、受験できるレベルの英語力を身につける
USCPA試験に合格するには、一般的に1,200時間以上の勉強が必要とされています。
この時間をかけて試験対策を行う中で、自然と受験に必要な英語力も身につくことが期待できます。
例えば、現時点でTOEICスコアが400~500点程度でも、試験勉強を通じて英語力が徐々に向上し、USCPA受験に必要とされる730点に到達するかもしれません。
特に、必要とされる専門用語やリーディングスキルの習得に力を入れることで、USCPAに合格できる可能性は高まります。
英語力の不足を理由にあきらめず、まずはしっかりと試験勉強を進めることが大切です。
英語力に不安がある方向けの対策方法
現時点での英語力に不安があっても、適切な対策をすることで、USCPA試験に必要な英語力を身につけることは可能です。
ここでは、その具体的な対策方法を紹介します。
単語力を鍛えてリーディング強化
試験問題のほとんどはリーディングで構成されているため、英文を正確に読み解くリーディング力を高めることが重要です。
そのために、まずはリーディング力の基礎となる「単語力」を鍛えましょう。
会計や監査、税務に関する専門的な英単語が多く出題されるため、これらの用語に慣れておくことが試験の大きなポイントとなります。
単語帳やノートに書き留めて暗記したり、ネット検索で出題される頻出単語を覚えたりする方法が効果的です。
重要なのは、一度に大量の単語を覚えようとせず、少しずつ覚えることです。
同じ単語を繰り返し復習することで、自然と記憶に定着します。
この方法を取り入れることで、試験で求められる専門知識とともに英語力も向上しやすくなるでしょう。
さらに、リーディング力を強化するためには、反復練習が重要です。
過去問やサンプル問題を一度解いた後に放置せず、完璧に解けるまで繰り返し練習することが肝心です。
時間をかけて問題に取り組むことで、徐々に読解力が向上し、結果的に英語への不安解消につながります。
専門用語の効率的な学習法
専門的な会計用語やビジネス用語を習得するためには、次のような学習方法が効率的です。
まず、会計や財務、監査に関連する参考書を用意し、専門用語をリスト化して覚えましょう。
自作の単語帳やフラッシュカードを活用して、定期的に復習することが効果的です。
単語の意味だけでなく、文中でどのように使われるかを理解するために、例文を確認することも大切です。
実践的な問題に触れるには、USCPA試験向けのオンライン問題集の活用が役立ちます。
試験問題に慣れておくためにも、公式のサンプル問題を繰り返し解くことをおすすめします。
日常的な英語学習の習慣をつける
試験勉強に加えて、英語に触れる機会を日常的に増やすことも有効な対策です。
USCPAの試験問題は専門的な内容ですが、基本的な英文法や構文が多く使われているため、日常的な英語との接点を通じてリーディング力を伸ばしましょう。
例えば、ビジネスと会計に関連する英語のニュース記事や専門誌を読むことが効果的です。
アプリや学習プラットフォームを活用して、英語力を維持・向上させることもおすすめです。
英語に毎日触れることで、文章を読み解くスピードと精度も高まります。
リーディングスキルが上がるにつれて、英語力に対する自信も徐々に高まっていくでしょう。
USCPA取得後のキャリア
USCPA取得で広がるキャリア
USCPA資格取得後は、国内外でその専門知識と英語力を活かせるキャリアが広がっています。
主な就職・転職先を見ていきましょう。
監査法人(特にBig4)
監査法人は、USCPA有資格者の代表的なキャリアの一つです。
特にBig4をはじめとする大手監査法人では、監査部門だけでなくアドバイザリーやFAS部門でもUSCPAの採用が見られます。
顧客にグローバル展開を行う企業が多いため、国際的な会計基準を理解しているUSCPAのスキルが重宝されるようです。
会計事務所・税理士法人の国際部門
USCPAは、会計事務所や税理士法人の国際部門でもニーズがあります。
海外に進出する企業を顧客に持つ事務所では、国際会計や国際税務に関する業務でUSCPAの知識・スキルが必要とされます。
会計と税務の経験を深めていく環境としても魅力的なキャリアです。
コンサルティングファームの国際案件担当
国際案件のポジションが狙えるコンサルティングファームも、USCPAのキャリアとして有力です。
特にクロスボーダーM&Aや国際的な事業再生などの業務では、USCPAの専門知識と英語力は大いに役立ちます。
財務データの分析やアドバイスが求められる場面も多く、コンサル目線からも評価されやすいでしょう。
外資系企業
USCPAへの認知度が高い外資系企業は、USCPA資格を活かせるキャリアとしてポピュラーな選択肢です。
特に米国を拠点とする企業では、米国が認定する会計士であるUSCPAを積極採用する傾向が見られ、経理や財務でニーズがあります。
外資系企業での経験は、キャリアの幅を広げるだけでなく、グローバルな視野を身につける上でも有益です。
USCPA取得後の就職・転職には「MS Agent」の活用がおすすめ
USCPA取得後のキャリアや就職・転職活動に不安がある場合、専門的な転職サポートを受けることが賢明です。
その際、会計士をはじめとする士業に強い転職支援サービス「MS Agent」がおすすめです。
「MS Agent」では、USCPA向けの非公開求人の紹介や、個々のスキルとキャリア目標に応じたサポートを提供しています。
希望のキャリアを実現するためにも、USCPA取得後は、ぜひ「MS Agent」を活用してみてください。
まとめ
USCPA試験に挑戦するためには、TOEIC730点以上または英検2級レベルの英語力が目安となり、それに加えて各科目の専門用語を覚える必要があります。
英語力に不安があっても、的確な学習方法と努力によって、USCPA試験に十分対応できる力を身につけることは可能です。
英語力不足を理由にUSCPA資格をあきらめず、しっかりとした対策を積み重ねていきましょう。
資格取得後は、会計士の転職実績が豊富な「MS Agent」を活用し、理想のUSCPAキャリアを実現しましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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