税理士の業種・職種は?働き方の違いによるキャリアの選択肢を徹底解説!

税理士は専門職である一方、「業種」で検索するとサービス業と表示されることが多く、違和感を覚える人も少なくありません。
これは、税理士が資格・職種の名称であり、業種は勤務先によって決まるためです。
本記事では、業種と職種の違いを整理したうえで、税理士の業種別の働き方やキャリアの広がりまで分かりやすく解説します。
「業種」と「職種」の違い
「業種」と「職種」は似た言葉ですが、意味は明確に異なります。
業種とは、企業や事業所が属する業界・事業内容の区分を指し、製造業、IT業、金融業、サービス業など、会社そのものの分類を表します。
一方、職種とは、個人が担う役割や仕事内容の区分であり、営業、エンジニア、経理、税理士といった働く人の立場・機能を示す言葉です。
この違いを理解しておくことで、履歴書や公的書類における業種・職種の記載に迷いにくくなります。
税理士の業種は?
税理士の業種は資格そのもので決まるわけではなく、税理士事務所に所属するか、一般企業や金融機関などに勤務するかによって分類が異なります。
税理士事務所・会計事務所は「サービス業」
税理士事務所や会計事務所は、一般的に「サービス業」に分類されます。
経済産業省によると、税理士事務所は「学術研究、専門・技術サービス業」の中の「専門サービス業」に分類されています。
サービス業とは、モノの製造や販売ではなく、専門的な知識・技能・ノウハウを提供することで対価を得る事業を指す業種区分です。
税務申告や会計処理、経営に関する助言などを行う税理士事務所は、この定義に当てはまります。
同様に、税務・会計・経営に関する助言を行うコンサルティングファームも、提供しているのは無形の専門サービスであるため、業種上はサービス業に分類されます。
「サービス業」以外の税理士の業種
勤務する先が税理士事務所やコンサルティングファーム以外の場合、業種は必ずしもサービス業にはなりません。
業種はあくまで所属する組織の事業内容によって決まるため、税理士資格を持っていても、勤務先が異なれば業種区分も変わります。
たとえば、一般事業会社で経理・財務や税務を担当する「企業内税理士」の場合、その企業が製造業であれば業種は製造業、IT企業であればIT業、不動産会社であれば不動産業と分類されます。
同様に、銀行や証券会社、信託銀行などの金融機関に勤務する場合は金融業に該当します。
そのため、「税理士=サービス業」と一律に捉えず、どの業種の組織で働くのかを切り分けて理解することが重要です。
税理士の職種は?
税理士の実際の働き方を理解するうえでは、どの業種に属するかだけでなく、どのような役割を担うか(職種)も重要です。
税理士の代表的な職種を、順に見ていきましょう。
税理士
税理士として税理士事務所や会計事務所に勤務し、法人・個人の税務申告、税務相談、記帳代行などを行う職種です。
クライアントごとに異なる税務課題に対応するため、税法の知識だけでなく、業界理解やコミュニケーション力も求められます。
独立開業やパートナー昇格といったキャリアパスが描きやすい点も特徴です。
経理・財務
一般企業に勤務し、経理・財務部門で税務対応や決算業務、税務調査対応などを担う職種です。
税理士資格を活かして、法人税・消費税の申告書作成や税務リスク管理を内製化できる点が評価されます。
事業理解を深めながら、管理会計や資金繰りなど経営寄りの業務に関与できるのも特徴です。
一般企業で経理・財務として働く税理士のキャリアについては
「【税理士が企業経理に転職】業務内容やキャリアパス、年収、注意点について解説!」をご確認ください。
CFO
企業の財務責任者として、財務戦略や資金調達、経営判断を担う職種です。
税理士資格を持つCFOは、税務・会計の専門性を活かしながら、M&AやIPO準備、ガバナンス体制構築などに関与するケースもあります。
経理・財務経験を積んだうえで、マネジメント力や経営視点を高めた先に位置づけられるキャリアです。
税理士がCFOを目指すために必要なスキルやキャリアは
「税理士がCFOになるには?税務の知識を活かした転職方法や求人情報をご紹介!」をご確認ください。
コンサルタント・アドバイザリー
コンサルティングファームなどで、税務・会計の知見を活かしたアドバイザリー業務を行う職種です。
税務戦略の立案、組織再編、M&A支援、事業承継など、個別性の高い課題に対して助言を行います。
申告業務よりも企画・提案要素が強く、専門性を武器に高付加価値な仕事をしたい人に向いています。
「業種特化型税理士」というキャリア
ここまで、税理士がどの業種に分類されるのか、また職種としてどのような働き方があるのかを見てきました。
一方で近年は、税理士自身の業種ではなく、特定の業種のクライアントに特化してサービスを提供する「業種特化型税理士」というキャリアも注目されています。
業種特化型の事務所が注目されている理由
業種特化型の税理士事務所とは、医療、不動産、IT、飲食業など、特定の業界に属するクライアントを中心に支援を行う事務所を指します。
業界ごとに税務上の論点や慣行、制度対応が異なるため、業種に精通した税理士は高い付加価値を提供できる点が強みです。
また、専門性が明確になることで差別化しやすく、価格競争に巻き込まれにくいことから、事務所経営の観点でも業種特化型を志向するケースが増えています。
なお、こうした専門性の高め方は業種特化に限りません。
近年では、特定の業界ではなく、相続税や事業承継といった分野に特化する「資産税特化型事務所」も増えており、こちらも高度な専門性を武器に評価を高めています。
資産税特化事務所のキャリアについて詳しくは
「資産税に強い税理士は市場価値が高い?資産税特化事務所に転職するには」をご確認ください。
主な業種特化型事務所一覧
業種特化型税理士事務所の例として、以下のような分野が挙げられます。
- ●医療・クリニック特化(医師・歯科医師向け)
- ●不動産・建設業特化
- ●IT・スタートアップ特化
- ●飲食業・小売業特化
- ●介護・福祉事業特化
- ●外資系企業・国際税務特化
これらの事務所では、税務申告に加えて、業界特有の制度対応や経営課題への助言まで行うことが一般的です。
業種特化型事務所へのキャリア
業種特化型税理士としてのキャリアは、特定の業界のクライアントを多く扱う事務所に転職する、または事務所内で特定分野の担当として経験を積むことから始まるケースが一般的です。
実際に転職のご相談でも、
「これまで医療業界のクライアントを多く担当してきた」
「不動産業界や相続税に関する案件を継続的に経験してきたため、今後はその分野に特化してキャリアを築きたい」
といった相談を受けることは少なくありません。
こうした相談では、過去の実務経験をどのような専門性として整理できるかが重要になります。
特定の業種や税務分野に関する経験を軸にキャリアを描くことで、業種特化型事務所や専門性の高いポジションへの転職につながりやすくなります。
将来的には、その専門性を強みに独立開業や、より付加価値の高い業務へとキャリアを広げていく選択肢も考えられます。
FAQ|税理士の業種・職種に関するよくある質問
求人サイトで税理士を探す際に選ぶ業種区分は?
求人サイトで税理士の求人を探す場合、基本的には勤務先の事業内容に応じた業種を選ぶのが考え方の軸になります。
税理士事務所や会計事務所で働く求人であれば「サービス業」に分類されることが多く、一般企業の経理・財務部門であれば、その企業の業種(製造業、IT業、不動産業など)を選択します。
ただし、求人サイトによっては業種区分が細かく設定されており、「税理士事務所・会計事務所」といった専門職向けの独立した区分が用意されている場合もあります。
税理士補助の業種・職種は何ですか?
税理士補助の場合、職種は「税理士補助(会計・税務スタッフ)」に該当し、業種は勤務先に応じて決まります。
税理士事務所や会計事務所であれば業種はサービス業となり、仕事内容は記帳代行、申告書作成補助、税務資料の作成などが中心です。
将来的に税理士資格の取得や専門分野の確立を目指す場合も多く、業務内容や担当クライアントを通じて、業種特化や資産税分野へのキャリアにつなげていくケースもあります。
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まとめ
税理士は資格職であるため、「業種」と「職種」が分かりにくい職業の一つです。
業種は勤務先の事業内容によって決まり、税理士事務所やコンサルティングファームであればサービス業、一般企業や金融機関であればそれぞれの業種に分類されます。
一方で、税理士という資格を活かして担う役割は、税理士業務に限らず、経理・財務、CFO、コンサルタントなど多岐にわたります。
また近年は、税理士自身の業種ではなく、特定の業界に特化する「業種特化型税理士」など、専門性を高めるキャリアも注目されています。
これまで積み重ねてきた経験や、今後伸ばしていきたい分野を整理することで、より市場価値の高いキャリア形成につなげることが可能です。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学を卒業後、新卒で大手セレクトショップに入社。
MS-Japan入社後は、キャリアアドバイザーとして、管理部門職種未経験の方やスタッフクラス~ハイクラス・有資格者の方まで幅広い面談・転職支援に従事。
社内異動を経てリクルーティングアドバイザーとして、法人支援をメインとして担当企業への人材支援・求職者の方の転職支援まで、一気通貫で対応しておりましたが、この度、改めてキャリアアドバイザーとしてご支援をさせていただくこととなりました。国家資格キャリアコンサルタント(未登録)
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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