税理士法人の併設に求められる税理士の「覚悟」と「投資」の意味とは何か

更新日:2024/03/21
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併設法人の設立は税理士事務所にとって吉か凶か?

税理士の基本業務は、税務の代理業務、税務書類作成業務、および税務相談です。これらの過程で、顧問先企業の記帳代行や給与計算などを会計業務としてサービスのなかに組み込むことが多くの税理士事務所で行われています。しかし、これはあくまでもメインの税務業務があるうえで、派生する業務をサービスとして行っているのであり、これらを独立した業務として請け負っているわけではありません。

一方、これらの派生業務を独立した業務として請け負う場合は、併設法人を設立する必要があります。こうすることで、税理士事務所として顧問契約をしていない企業(法人)の記帳代行や給与計算業務などを請け負うことができるようになります。つまり、基本的には同じ業務を行いながら二本立て、三本立てで収益を上げられるようになります。

これだけをみれば、会計業務周りにおける併設法人の設立はメリットばかりのように感じられますが、デメリットも少なからずあります

たとえば、記帳代行だけを請け負っている取引先に対して、記帳代行の期日が遅れてしまったり、ミスがあったりすれば、とたんに信頼問題に関わります。税理士事務所にとって一番避けなければならないのは信用を損ねること。本来の税務業務以外のところで信用を損ねてしまっては、まさに本末転倒です。これが一番のデメリットになります。

コンサルティング系の併設法人では何が問題になるのか

税理士事務所が開設しやすい併設法人として、コンサルティング系の併設法人があります。いわゆる経営相談などが対象になりますが、本来、税理士事務所に経営相談を行う義務はありません。多くの税理士事務所が税務処理の過程で会計業務を請け負い、その流れで経営相談を行っているわけで、これこそ本当のサービスとなるのです。

この経営相談を1つの業務として併設法人設立を検討する事務所が非常に多くあります。もちろん、これ自体に問題があるわけではありませんが、会計周りの併設法人化よりハードルは高いように思われます。

このコンサルティング系の併設法人の設立で一番大きな問題は、「税理士事務所の職員(税理士含む)が本当に企業経営を知っているのか?」ということです。もちろん、日頃から数字を扱っているわけですから、数字を読むことはできます。売上が少ないとか、経費が掛かりすぎているなどの問題点(課題)も指摘することはできるでしょう。しかし、その問題点を解決するための方策を考えることやアドバイスをすることがどこまでできるでしょうか。これができなければコンサルティングなどというのは、絵に描いた餅となってしまいます。しかし、コンサルティング能力を身に着けるのは難しい問題でもあるのです

コンサルティング能力がないのに下手に併設法人を立ち上げてしまえば、前段で示したように、結果的には税理士事務所の信頼度を低下させるだけで、それは税理士事務所本体の信用の失墜につながってしまいます。

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併設法人を成功させるには職員教育を充実させよう

四国のある税理士事務所は、開業後、比較的早い段階で併設法人を設立し、開業30年ほどでグループ全体の社員数が100人以上の規模にまで成長しました。この税理士が職員に行ったことは職員の自立化です。個々の職員のアイデアに対し、おもしろいと思ったものには予算と時間を与えます。そうして職員の自立化(経営者化)を促すのです。そのことにより、上手くいけば事業化されますし、職員の経営者視点を育成することも可能になります。

こうしたことをすべての税理士事務所で実現するのは難しいですが、ポイントは職員の経営視点の育成です。経営者としての考え方を理解することで初めて本当の経営アドバイス=コンサルティングが可能になるのです。

これはコンサルティング系に限らず、会計周りの併設法人でも同じことが言えます。職員数が30~40人になれば、税理士事務所と併設法人で職員を別採用することもできますが、20人以下の事務所であれば、併設法人であっても税理士事務所の職員が業務を行うことになると思います。つまり、下手な併設法人化は職員の仕事量だけを増やすことになるのです。それは業務の質を下げることにもなりかねません。それを防ぐためには、職員教育の充実しかないのです。

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