2023年06月01日

内部監査の転職理由と内定確度が高まる志望動機とは?

管理部門・士業の転職
内部監査の転職理由と内定確度が高まるに近づく志望動機とは?

内部監査は、上場企業やその子会社、IPO準備企業、金融系企業など、 ある程度の事業規模の企業や社会的責任が問われる企業にしかない職種です。
そのため、企業によっては、内部監査という業務自体に馴染みがないという場合もあります。
そのため、他の管理部門職種に比べると求人数が少ないという一面はあります。 一方で、内部監査の仕事を経験している人材も少ないため、 本当に必要としている企業は有力な人材が見つからないという悩みを抱えています。 そのため、本来は経験者を募集している企業も、対象者を未経験者に広げて探すケースが一般的です。
今回は、内部監査を経験している人・もしくは未経験ながら内部監査担当者への転職を希望している人の転職理由と、 内定をもらうための志望動機をご紹介します。


管理部門・士業の転職

内部監査の転職市場

内部監査の転職市場

2015年に比べて2021年以降は倍以上求人数が増加しており、 新型コロナウイルスの影響で求人数が減少した2020年と比べても、 現在は順調に求人が確保できている状況です。 ただ、内部監査というポジション自体が上場企業~IPO準備企業にしかない傾向が強く、 例えば管理部門系で求人すが多い、経理部門と比べると8分の1程度の求人数しかない状況です。

ただ、昨今、以前より法令順守が強化される風潮が強まり、 内部管理体制(ガバナンス・コンプライアンス)を整備したい、 増員を図りたいと考える企業が増加しています。 内部監査・内部統制に関わる人数を増やすことで、法令順守(コンプライアンス)の強化を図る企業が増えていることに比例して、 過去5年で2倍近く求人も増えており、「内部監査」の需要も高まっていると言えます。

内部監査求人はグラフ のとおり年々増加傾向にありますが、対象年齢は以前より若くなっています。 コロナ禍前は、45歳以上の業務を熟知したベテラン層が内部監査業務を 担う風潮が強かったのに対し、 最近では組織の若返りを目的に、30・40代前半のスタッフ求人が増えてきている点がトレンドです。

50代の求人も引き続きありますが、転職の需要に対して求人数は少ない状況です。 内部監査のポジションで転職を考えている方は、合う求人を見つけるためにたくさん応募することが重要です。 自分に合った求人を見つけるためには、エージェントを活用してご経験や適性に合ったポジションを効率よく探し、 多く応募することをおすすめします。

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内部監査経験者の主な転職理由

内部監査職から転職を検討する場合、現職以前に転職を経験しているかどうかで、多少判断が分かれてきます。
基本的に、新卒で内部監査職に就くというケースはほとんどなく、 監査法人などで勤務経験のある方がその任に就くケースや、より会社の経営に近い立場で仕事をしたいと考え、 内部監査への道を歩むケースなど、転職や異動によって内部監査に就くケースが殆どです。
いずれにせよ、大きな組織で監査に携わる方はそれ相応の知識・経験・人格が求められます。 基本的には経験者募集が殆どですが、これから株式上場を目指しているような会社であれば、 優秀な人材に見合う報酬を用意できないということもあり、 結果的に将来の可能性を見込んで未経験者を採用するケースもあります。
そのような経緯で採用された方々は往々にしてタフなので、 その経験を基により大きな会社で勝負をかけたいという方もいるようです。

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未経験者から内部監査に転職する理由

企業の内部監査に携わったことがない方であっても、内部監査職に転職を検討している層は一定数存在しています。
具体的には、先ほどご紹介した監査法人から内部監査への転職を検討している層が主流と言えそうです。
監査法人の監査業務は、クライアントを外部からチェックする立場なので、企業が提出する資料の事後的なチェック作業が多く、 一から書類を作り上げたり社員に指摘したりする場面は、税理士に比べるとそれほど多くありません。
昇格する毎にマネージャー的要素を求められる監査法人と比べて、 企業における内部監査職はプレイヤー的要素の方が強い傾向にあります。 そこで、自分はプレイヤー向きであると早い段階で悟った方が、内部監査職を転職先に選ぶ傾向があるのです。

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内部監査に求められるスキル

内部監査に転職するためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

内部監査についての知識

内部監査に求められるスキルとして第一に挙げられるのは、内部監査についての知識です。
内部監査は、その基本的内容や評価方法などが体系立てられた知識としてまとめられています。
未経験者の場合には、公認内部監査人(CIA)などの資格を取得すると、内部監査への転職に有利に働くでしょう。

【関連記事】
内部監査担当として評価される資格やスキルとは?

監査対象となる業務についての知識

次に、監査対象となる業務の知識も求められます。
内部監査は、社内のすべての部署を対象として行われます。
財務会計やファイナンス、研究開発、営業、マーケティングなど、広範な業務の理解が求められることになります。

洞察力・分析力

内部監査では、高い洞察力と分析力も求められます。
内部監査においては、目の前で見た事柄から問題点を把握すること、 あるいはその問題点から原因を究明していくことなどが必要となるからです。

コミュニケーション能力

内部監査では、高いコミュニケーション能力も求められます。
内部監査を行う際、社内のさまざまな人たちにインタビューを行います。
また、内部監査の結果、問題点が明らかになったときには、 やはり社内のさまざまな人たちに対して改善を求める必要があります。
他部署と協力して内部監査を行うためには、日頃からの円滑なコミュニケーションが求められます。 調整役として他部署に協力を仰ぐご経験が多ければ、内部監査の適性があると認められるでしょう。

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内部監査で内定をもらうための志望動機とは

内部監査職としての職務を全うするためには、未経験・経験問わず「経営者の目線」と「客観性」、 そして「最新の内部監査知識」がバランスよく備わっているかどうかが重要です。
基本的に内部監査は、企業の業務状況を監督し、検査・提案するポジションです。
上場企業において、長年安定した成長を続けるために、 株主・ステークホルダー・社会からの厳しい目に堪えうる業務成績・物事に取り組む姿勢の維持が不可欠です。
つまり、内部監査はそのような社会の要請に応えるべき立場となります。

問題のある不正がないか。
業務は効率よく進められているか。
一部の社員が不当に負担を押し付けられていないか。
今後起こり得るリスクに対して対策が取れているか。

このような社内全体の「現実」を客観的に判断し、しかるべき措置を取れるかどうかが、内部監査職には求められています。
このような職務に就く人材に求められる能力は多岐にわたり、面接だけで一口に能力を判断するのは至難の業です。
企業側が採用を決める場合、実績はもちろんのこと、自分のキャリアを客観的に説明できるか、 何か問題が起こったときにどのように対処したのか等を知りたいと考えています。
内部監査の基礎知識に加えて、内部監査に携わる姿勢や方向性が、自社に合致したものかを知りたいのです。
また、内部監査によって明らかになった事実をどう解釈するのかも判断材料になります。
結果として、仮にプロジェクトが失敗してしまったとしても、対応や改善策提案やその後のフォローアップによっては、 企業側から評価される可能性があります。

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年齢別内部監査の転職で押さえたいポイント

年齢別内部監査の転職で押さえたいポイント

ここからは年齢ごとに、内部監査の転職で注意すべきポイントと、具体的な求人事例を紹介します。ぜひ、転職を検討する際の参考にしてください。

30代の内部監査転職で押さえておきたいポイント

まだ若手である30代での内部監査転職では、次に挙げる条件を満たしていることがポイントになるでしょう。

・SOXやJ-SOXが何かを理解していること
・会社法/金融商品取引法の基礎知識があること
・事業に対する理解(転職先企業の業務・金銭の流れの概要・部署やポジション)
・その業界の業務フローが想定できること

30代向け内部監査求人事例

以下に紹介するのは、MS-Japanが扱った30代向けの内部監査の転職求人情報です。

■事例1:ベンチャー企業 流通・小売業界 内部監査

【基本情報】
年収500万円~800万円
業務内容
•内部統制構築および文書化
•3点セット(業務記述書、フローチャート、RCM)作成サポート、レビュー
•内部統制評価の計画立案、運営、経営陣やグローバルHQへの結果報告
•内部統制上の不備に関する、改善状況のモニタリングとフォローアップ
•監査法人との協議
•統制評価を踏まえた全社プロセスの改善活動

【【必須スキル】
•内部統制(J-SOX)・内部監査実務経験1年以上の方
•実務的な監査、会計、財務、税務知識(いずれかの専門的知識・経験があれば可)

【歓迎スキル】
•CIA、CISA、CFE等、内部監査に関連する資格保有者
•日商簿記2級以上の資格所有者

■事例2:東証プライム上場企業 製造業界 内部監査

【基本情報】
年収500万円~年収700万円
業務内容
・J-SOX(構築支援・評価)
・内部監査(単体・子会社)
・監査等委員会事務局

【必須スキル】
・会計もしくは監査(J-SOX対応など)の知識・経験をお持ちの方
・英語を使用しての実務経験(英文メール、英文チェック可能なレベル)

【歓迎スキル】
・内部監査経験・J-SOX評価経験をお持ちの方(アシスタント経験のみでも可)
・英語によるミーティング等のコミュニケーションが可能なレベルの語学力

40代の内部監査転職で押さえておきたいポイント

40代になると、かなり専門的な知識やスキルも要求されます。内部監査の転職で押さえておきたいポイントは以下のとおりです。 部長職クラスの求人も多いため、実務に長じた即戦力的人材が有利になるでしょう。

・SOXやJ-SOXを理解し、実務で活かせること
・会社法/金融商品取引法に基づいた内部監査経験があること
・管理部門を含む各部署の業務フローが作成できること
・業務フロー図・業務記述書・RCM(リスクコントロールマトリックス)が作成できること

40代向け内部監査求人事例

以下に紹介するのは、MS-Japanが扱った40代向けの内部監査の転職求人情報です。

■事例1:上場グループ 金融業界 内部監査

【基本情報】
年収900万円~1,100万円
業務内容
・立案された年間監査計画に基づき、個別の監査計画を立案(経験に応じ)し、監査手続の実施から監査報告書作成までの一連の実務を担当
・少人数体制で、保険会社のさまざまな領域に対する監査を実施

【必須スキル】
・監査業務経験(財務諸表監査・内部監査のいずれかの経験)
・マネジメント経験

【歓迎スキル】
・英語力(読み書きができれば尚可)
・公認会計士などの資格保有者
・保険業界の業務経験
・金融業界の出身者

■事例2:東証スタンダード上場企業 商社 内部監査

【基本情報】
年収750万円~年収850万円
業務内容
・内部監査計画の策定
・事前調査、分析
・内部監査の実施(テーマ監査、対象部門監査、特命監査)
・監査資料・調書の作成、監査報告書の作成
・業務改善指摘・指導
・社長への監査内容の報告、業務改善などの提言

【必須スキル】
・内部監査または内部統制業務経験

【歓迎スキル】
・公認内部監査人(CIA)、内部監査士(IIA)
・内部統制、内部監査の体制構築経験
・内部統制、内部監査に関するコンサルティング経験

50代・60代の内部監査転職で押さえておきたいポイント

50・60代が内部監査の転職で押さえておきたいポイントも、基本的には以下に挙げるとおり40代と似ていま同じです。 40代と比較して、マネジメント経験が求められる可能性が高いことが特徴的です。

・SOXやJ-SOXを理解し、実務で活かせること
・会社法/金融商品取引法に基づいた内部監査の責任者経験があること
・業務フローが作成できること
・業務フロー図・業務記述書・RCM(リスクコントロールマトリックス)が作成できること

これらの条件に加えて、次のようなポイントも頭に入れておく必要があるでしょう。

・40代に比べると、より少人数での部署の立ち上げや再構成が必要なポジションが多い
・部長職(立ち上げに関わるポジション)が多い
・急務が多く、即戦力人材が求められる

50代向け内部監査求人事例

以下に紹介するのは、MS-Japanが扱った50代~向けの内部監査の転職求人情報です。

■事例1:東証プライム上場企業 流通・小売業界 内部監査

【基本情報】
年収650万円~年収1,000万円
業務内容
・内部監査人として日本郵船本社および国内グループ会社の内部監査の実施
・他の内部監査人が行う内部監査リスク仮説の検討や審査、最終監査報告書の確認や承認など
・内部監査品質向上のための改善活動および研修計画の企画・立案

【必須スキル】
・内部監査全般に関する基礎的な知識
・内部監査業務の経験
・基本的なPCスキル(ワード/エクセル/パワーポイント等)

【歓迎スキル】
・海外の内部監査人と円滑なコミュニケーションができる程度の英語力
・データを活用した内部監査の経験あるいはデータ分析に関する知識・スキル
・内部監査に関する研修講師、講演の経験あるいは論文の執筆・発表の実績
・公認内部監査士(CIA)/公認不正検査士(CFE)/公認情報システム監査人(CISA)

■事例2:東証プライム上場企業 製造業界 内部監査

【基本情報】
年収900万円~1,200万円
業務内容
・グループ子会社の監査役業務(業務監査・会計監査・重要会議への出席等)
・監査等委員会の業務監査(実地調査)の補助業務
・監査等委員会の事務局業務
・監査関連の法令や監査事例の調査 等

【必須スキル】
・経理部門経験(決算経験を要する。本社経理部門の経験があれば尚良し)
・人事労務法務総務リスクマネジメント等幅広い実務の経験があり、マネジメント(部長・部長補佐)としての経験がある方

【歓迎スキル】
・英会話力
・公認会計士等の資格
・一定規模以上のメーカー(上場会社等)の経理、監査部門
・会計事務所での経験(業種不問)

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まとめ

内部監査として転職するケースとしては、監査法人からの転職か、 内部監査経験者が他社に転職することが多いようです。 しかし、上場前のベンチャー企業などであれば、まったくの畑違いから転職を決めたケースも少なくはありません。

現在、内部監査の転職求人は年々増加しており、30~50代まで一定の求人数が確保できています。 ただし内部監査という業務の特殊性から、経理部門などと比較すると全体の求人数はかなり少なめです。

転職にあたって内部監査として必要な能力は、経営者の目線と客観性を備えているかどうかであり、 それらは後天的に身に付く場合もあるため、必ずしも採用は経験者重視とは言い切れません。 若手にもチャンスがあると考えてもよいでしょう。

この先は、ガバナンス・コンプライアンスを強化する傾向がさらに高まると予測されています。 そのため、企業内での 内部監査・内部統制の重要性が増して、人材のニーズも高まる傾向にあります。

転職を検討する皆さんは、多くの求人情報を比較しながら、自分に合った転職先を見つける必要があります。 多様で豊富な求人情報を持つエージェントを活用して、効率的に転職活動を進めることも検討してみてください。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を対象にこれまで3000名以上のカウンセリングを担当。現在は関東全域を対象に経理・財務・経営企画・CFO・公認会計士・税理士・税理士補助スタッフなどの会計系職種を幅広く担当。

経理・財務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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