転職トピックス

増える50代・60代の転職

増える50代・60代の転職

1.エキスパートシニアの転職動向

経営管理部門の転職市場で、シニアの活用に注目が集まっている。MS-Japanでは50代、60代で実務経験豊富な経理、人事、法務、経営企画、内部監査のスペシャリストや役員経験者のCEO、CFO、常勤監査役、社外取締役の経営幹部をエキスパートシニアと位置付け、専門サイト「EXPERT SENIOR」(※)を立ち上げて、この領域の転職・採用支援を行ってきた。50代、60代の人材がMS-Japanを使って転職した実績は、2015年度実績と比較して2018年度は3.7倍着地を見込むペース増加している。
https://expert-senior.com/
図①:過年度のエキスパートシニア決定実績

図①:過年度のエキスパートシニア決定実績

この50代・60代の採用実績が右肩上がりで伸びている背景には、採用企業側のどのような心理があるのだろうか。MS-Japanでエキスパートシニア支援プロジェクトのリーダーを務める重政(しげまさ)氏によると、大きく3つのポイントが見えてきた。

①30代・40代の採用難易度の高まり

好調な景況感に伴い求人数は右肩上がりで増加している。一方で転職希望者は横ばいから減少傾向にある。また、求人数の多さから特に中途採用のニーズが高い30代・40代の採用難易度が高まっている。一方で、50代・60代に関しては、比較的競合が少ない傾向があるため、採用に苦戦する企業や早期に組織体制の構築が必要な企業から注目が高まっている。

②事業の成長ステージに合う即戦力重視の採用

成長産業を中心に、事業を行う環境変化は非常に早く、短期的に組織体制を構築する必要性を感じている企業が増えている。特に企業成長を加速するIPOを目指す企業では、短期間で経営管理部門の体制を構築して、目標としている上場日に向けて準備を進めたいというニーズがある。伴い経営戦略、事業戦略に関わるポジションについては、採用や入社後の教育にじっくり時間をかけることなく、即戦力性の高い50代・60代を採用したいというニーズが高まっている。

③経験を活かしたいという求職者側の意識変化

仕事を自己実現の手段と考える価値観が広がったことにより、経験豊富な50代・60代が早期退職をしてやりがいを重視した転職先を探すケースが増えてきている。役職定年を機に決裁権のある業務から離れ、年収も低下した状態で働き続けるよりも、遣り甲斐を重視することで充実感を得たい求職者側の意識が変わったことは大きな変化だ。これにより、以前は転職市場でエグゼクティブシニアといえば、ベンチャーの経営幹部が中心だったが、最近は大手企業の管理職以上の人材やスペシャリストも増えている。

また、特に経営管理部門の領域では、体力勝負ではなく、積み上げた経験や知識が重視されるため、年齢に関わらず活躍の機会があり、シニアの採用を後押ししているようだ。 では、実際にシニアで活躍している人材とはどのような人材なのだろうか。転職成功者の一例として、MS-Japanで社外取締役(常勤監査等委員)として活躍している菅原正則さんをご紹介する。

2.シニアの転職事例~60代で東証一部上場企業からIPO準備企業に転職~

図①:過年度のエキスパートシニア決定実績

今回ご紹介する菅原正則さんは、東証一部上場の光学ガラスメーカーと専門商社で、経理を中心に管理部門の全般的なスキルを身に着け、日本国内はもちろん欧米からアジア圏まで幅広く海外駐在も経験する。最終的に、取締役管理部長を務めた後、常勤監査役を務めた。その後、50代を迎えたタイミングで、早期退職をして2社目は東証一部上場の専門商社に転職し、内部監査の体制整備を経験した後に常勤監査役を務めた。
ここまでは、老舗の大手企業でスタッフから役員まで勤め上げる、直線的なキャリアを描いてきた。しかし、2社目の常勤監査役を任期満了したタイミングで、大きくキャリアの舵を切り、当時未上場でIPO準備中だったMS-Japanに転職することを決意した。

この時の決断について、菅原さんに聞くと2つのポイントがあったそうだ。

①身に着けてきた経験・知識を幅広く活かしたい

1社目は大手グローバルメーカーではあったが、非常にチャレンジングな風土を持つ環境だった。30代で初めての海外駐在を経験し、言葉や文化が異なり、商慣習も異なる環境で、未整備な管理部門体制の構築や内部監査業務を行うこともあった。非常に苦労した反面、多様なステージの組織を経験することが出来た。
それらの幅広い経験を活かすためには、完成した組織よりも未完成の組織、成長過程の企業が良いのではないかと考えたそうだ。

②60代を迎えて、新しい経験を積みたい

60代を迎えて、経験や知識をアウトプットすることが一つの役割だと考えていたが、新しい経験も積みたいという成長意欲もあった。そのため、上場企業での経験を活かしながら、IPO準備から東証一部上場に向かっていくベンチャー企業での求人は、魅力的に感じたそうだ。また、老舗業とは異なり、20代・30代が多い組織に身を置くことで、新しい経験ができることも期待したそうだ。

一方で、当時、短期間でのIPO達成を目指していたMS-Japanが、菅原さんを評価したポイントは豊富な経験、謙虚で誠実な人柄に加えて、もう一点あった。それは、上場企業を知っている自分だからこそ、他の役員、社員では言えない厳しい指摘をしっかりと行いMS-Japanを一流の上場企業にするという考え、仕事に対するプライドを持っていたことだ。 実際にMS-Japanは、2016年12月マザーズ上場、2017年12月東証一部上場を果たし、その過程で菅原さんは無くてはならない存在となった。現在は、MS-Japanの社外取締役を務めながら、JASDAQ上場企業の監査役を務めている。

3.シニア採用で成功する企業の特徴

一方で、シニア採用に成功している企業には、どのような特徴があるだろうか。
まず、企業がシニア採用を検討するきっかけは、即戦力を可及的速やかに採用したいが、実際には競争率が高く採用活動が上手くいっていないケースが多い。状況を打開する方法として、年収条件を良くすることや、求める経験値を低くする方法もあるが、昨今の景況感では必ずしもこの方法で状況が好転するとは限らない。その中で、検討対象をシニア層に広げると、経験豊富で転職意欲の高い人材が多くいることに気付く。
しかし、実際には社内の年齢構成を考慮して、選考を躊躇する企業もまだ多いが、シニア採用に成功している企業の多くは、本来の募集ターゲットと並行してシニアも検討している。そうすることで、採用スケジュールの遅延を避けることや複数候補の比較検討が可能になるのだ。

また、以前はシニア採用を行う企業の多くは、採用に当たって自社の魅力が不足している中小企業やベンチャー企業が目立っていた。しかし、昨今はIPO準備企業をはじめ、新興市場上場企業など拡大フェーズにある企業での求人募集が増えている。また、特定の専門性を求めるポジションにおいては、東証一部上場企業など大手企業でも求人募集が発生している。
伴い現在は優秀層のシニアに関しては、複数の企業から内定を得るケースもあるため、徐々に採用難易度は高まりつつある。そのため、今後はシニア採用においても求職者のニーズを以下に汲み取って迎え入れることが出来るかが採用活動の成否を分けることになる。

多くのエキスパートシニアの方の転職相談を受ける中で、実感として感じるのは、経験を活かして社会貢献をしたい。ビジネスパーソンとして最後まで遣り甲斐を感じる仕事をしたいとい。そう言った希望を持っている方が多いことだ。
採用にあたり、何を期待しているのか、何を任せたいのかを明確に伝え、経験を活かせるチャンスがあることを実感してもらうことでモチベーションの高い即戦力としてエキスパートシニアを迎え入れることが出来るはずだ。そして、彼らはきっと強い戦力として、企業の成長に寄与してくれるはずだ。

今後も、MS-Japanでは経営管理部門と士業の領域で活躍するエキスパートシニアに注目していきたい。

次の記事 > 【速報】会計士試験合格者1,300人超え!平成30年公認会計士試験合格発表

前の記事 > 公認会計士の資格を取得した後の準備や進路とは?




ほかのトピックスもチェック!転職トピックス一覧

3分でわかる最新人事コラム3分でわかる最新人事コラム一覧

  

転職セミナー・個別相談会 開催中セミナー・個別相談会

転職セミナー・個別相談会一覧

To Top