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2014年、税理士試験会場では落胆する受験者の姿が散見されました。特に「簿記論」と「法人税」の受験者は、あまりに期待外れな試験内容に唖然とし、中には試験時間内に途中退出する人まで…、一体、今年の試験会場で何があったのでしょうか?今回の会計トピックスでは、大荒れとなった2014年の税理士試験の法人税と簿記論の受験者へインタビューを行い、近年稀に見る混乱を生じさせた税理士試験の実態に迫っていきたいと思います。
MS-Japan主催の「税理士試験後の個別転職相談会」にも多くの方がご来社いただきましたが、その大半は税理士試験でいずれかの科目を受験された方々でした。その中でも特に印象的だったのが法人税、簿記論を受験された方のコメントでした。
【簿記論受験者】・今年の簿記論には結構時間をかけてきたのに、予想以上に難しかった。特に計算よりも理論重視な印象が あり、単に簿記の知識があるくらいでは歯が立たなかった。(20代前半・男性)・財務諸表論は手応えがあったが、簿記論は自信がない。特に第二問の問二で新株予約権付社債に関するも のがあったが対処できなかった。今年の第三問はボリュームも多かった気がする。これ以上難しくなると 対策の仕方も変えないと…(20代後半・女性)
【法人税受験者】・難しかったというよりも、本当に混乱した。今までの解答用紙と形式も違うし、質問の意図を読み解くの で精一杯だった。正直言って自信がない。(30代半ば・女性)・現預金、売掛債権の期末精算に関しては当てられた気がするが、交際費の損金不算入額の計算だったか な、あれは出来なかったと思う。何処となく理不尽さを感じた。(40代前半・男性)
上記のように、少なからず設問に対する不満を持っている方がいらっしゃったのが印象的でした。何故そのような結果になってしまったのでしょうか。原因については諸説ありますが、今回は税理士試験の“試験委員”に敢えてフォーカスしてみたいと思います。
税理士試験の試験委員は通常2年の任期で、状況によっては再任されることもありますが、いずれにしても、試験委員は定期的に入れ替わっているという実態があります。恐らく今年は中核となる試験委員メンバーが変わったのではないでしょうか。特に法人税に関しては解答用紙の形態も例年とは異なっており、担当委員が変わったのだろうと推察できます。至極当然のことですが、問題のスタイル・形態を変えるのにも大きな労力を要しますので、旧来の試験委員であれば「前年通りに」という“現状維持スタイル”を選んでいたのではないかと思います。税理士試験を今後も受験される方は、試験委員の出題傾向やクセも研究しておくと良いかもしれません。
また、毎度お馴染みのことですが、試験委員と専門学校のバトルからも目が離せません。皆様もご存じかとは思いますが、「日商簿記3級の受験人口」が年々減少していますので、会計業界への人口流入も鈍化しています。会計業界の人口が増えなければ、税理士試験受験者数も減少するのは当然のことです。そういった状況下では、専門学校側としても受講者の囲い込みが最重要課題となります。「如何に受講生の合格率を高め、受験離れを防ぐか」という専門学校の努力と、「試験内容は学校の予測通り、簡単だった。などとは言わせない!」という試験委員のプライドは今後もぶつかり続けるでしょう。そして、税理士試験の内容は当面は高度化していくのではないかと考えられます。では、試験を受ける方々はどのように対策を打てばよいのでしょうか?
高度経済成長~バブル崩壊~高齢化社会の到来、と日本国内を取り巻く環境・状況は大きく変わりました。また、上記のような時代を支えてきた税理士も徐々に高齢化しており、これからの経済を牽引する企業や、その企業を支える税理士の姿も変わりつつあります。高度経済成長期のように、製品を作った分だけ売れる、頑張った分だけ成果が出るという市場であれば、“効率化”と“正確さ”を兼ね備えた人材が評価されるのですが、これからの時代は上記のようなスペックだけで勝負をしても難しいでしょう。インターネットが普及し安価な会計ソフトが出回っている現在、「正確に」「間違いなく」会計処理が出来るだけでは稼げません。“環境に柔軟に対応”でき“自分自身の力で答えを導き出せる”そういった環境適応力に優れた人材が評価される時代なのだと思います。そして、税理士試験もそのような時代背景を反映しているのではないでしょうか。条文を正しく暗記できるだけでは、仮に税理士になれたとしても大成しないということなのでしょう。時代背景や生じている事象を自分だったらどのように対処するか、という「考える癖」を養っていけば、新しい税理士試験の流れにも適応できるのではないかと思います。
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