2024年12月27日

弁護士の独立開業で失敗するよくある理由

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弁護士として独立することを検討するにあたり、「失敗のリスク」について気になっている方もいるのではないでしょうか。
独立開業して事業が軌道に乗れば、法律事務所や企業で勤務する弁護士よりも高い年収を得られる可能性がありますが、逆に事業がうまくいかずに経営難に陥るケースも少なくありません。
弁護士事務所を構えるには多くの時間と費用がかかるため、失敗のリスクを回避しながら慎重に開業準備を進めることが大切です。

そこで、今回は弁護士の独立開業で必要な資金に触れながら、よくみられる失敗理由を詳しく解説します。また、万が一失敗してしまった場合の対応についてもまとめました。
独立開業を検討している弁護士の方や司法修習生など、ぜひ参考にしてみてください。

開業に必要な資金

弁護士が開業に必要な資金は、一般的には300万円以上と言われています。
開業に必要な資金は、大きく分けて「場所に関する資金」「備品に関する資金」に分類できます。

場所に関する資金

場所に関する資金は、開業資金の中でも大きな割合を占めるものです。自宅開業であれば当然場所に関する資金は安く済みますが、弁護士はクライアントからの信用が重要な職業のため、自宅よりもオフィスを借りて開業する方法が一般的です。
オフィスを借りつつ費用を抑える方法としては、登記が可能なシェアオフィスを借りる方法もあります。
ただし、弁護士はクライアントの個人情報・企業情報といった機密情報を多く取り扱う職業であるため、シェアオフィスを借りる際には注意が必要です。弁護士向けのシェアオフィスなどもあるため、少しでも費用を安く抑えたい方は検討してみてもいいでしょう。
また、テナントとして入る場合は、保証金もかかり、賃料の半年~1年分ほどになるため、保証金だけでも100~200万円ほどは必要になります。加えて内装工事の費用もかかるため、300万円ほどは準備しておく必要があるでしょう。

備品に関する資金

備品に関する資金としては、パソコン、電話機、複合機、オフィス用品などが挙げられます。
特に複合機は買取の場合100万円以上かかるケースもあるため、備品レンタルサービスなどを活用することで費用を安く抑えることができます。
デスクやワーキングチェアなどのオフィス用品は個人のこだわり次第ですが、クライアントに安心感や信頼感を与えるためにオフィスインテリアにもそれなりの資金を投じるケースが多いです。

その他の資金

開業当初に必要な資金は上記2点になりますが、開業後も資金はかかります。
まずは、当面の運転資金です。すでに複数社のクライアントと契約が決まっているなどの一部のケースを除き、事務所運営が軌道に乗るまでの運転資金を用意しておくべきです。運転資金は1か月の経費×3~6か月分ほどが一般的と言われています。

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弁護士の独立開業で失敗する理由

弁護士の独立開業で失敗するケースにおいては、以下の3点が原因であることが多いです。

  • ・立地、物件
  • ・集客力
  • ・採算が合わない

具体的にどのような理由があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

立地、物件

事務所を開設する立地や物件は大変重要であり、よく考えずに決めてしまって失敗するパターンは多くみられます。ここでは、立地・物件における注意点について詳しくまとめました。

立地を選ぶ際の注意点

まず立地としては、目立たない場所交通の便が悪い場所に事務所を構えると、新規顧客の開拓に支障をきたす可能性が高いです。
また、治安が悪いエリアもイメージダウンにつながりやすいため、避けるほうがよいでしょう。

なお、立地を検討するにあたって「都市部と地方のどちらが成功しやすい?」と気になっている弁護士の方もいるかもしれませんが、どちらも一長一短といえます。
都市部は人口が多くビジネスの機会が多いため、クライアントの獲得がしやすいことが大きなメリットです。ただし、都市部での開業は人気が高いため、弁護士事務所を構えるエリアによっては競争が激化する可能性があります。

一方、地方では競争が少なく、地元の方と深く関わりながら地域に根差した運営が叶うことが魅力です。
その半面、人口が少ない地域では潜在的なクライアントの数が限られ、一定の収入を確保するのが難しくなることもある点に注意する必要があります。

このように都市部と地方では特徴が異なるため、立地に求める条件やライフプランなどに合わせて慎重に検討することが大切です。
どちらにしても「クライアントにとって通いやすい立地」であることは非常に重要であることから、都市部の場合は駅近のところ、地方の場合は車でアクセスしやすいところを選ぶとよいでしょう。

さらに、もし訴訟案件を多く扱うことを想定している場合は、裁判所へのアクセス性にも注目することがポイントです。
裁判所から遠い立地を選ぶと移動に多くの時間を要することになるため、効率性を考慮して裁判所近くのエリアに事務所を構えることをおすすめします。

物件を選ぶ際の注意点

弁護士事務所の物件選びでは、費用がかかりすぎて失敗することのないよう、無理をして良い物件を借りることは避けるほうがよいでしょう。
ただし、あまりに古い物件の場合はクライアントから悪い印象を持たれる恐れがあるため、「不安感や不快感を与えないかどうか」を考慮して選ぶことが大切です。

集客力

弁護士が独立開業する際に「集客力」は必須であり、集客の仕組みを構築できなければ事業を継続するための利益を得られず、失敗する可能性が高まります。
独立前にコネクション作りに尽力することはもちろん、Web広告SEOなどのマーケティングに関する勉強にも励み、集客力を磨いておくとよいでしょう。

採算が合わない

仕事を多く受けても、採算が合わなければ事務所を存続できません。報酬の割に手のかかる仕事をしていると、次の仕事を受ける余裕がなくなり、経営が立ち行かなくなる場合があります。

また、事務所の売上が軌道に乗るまでは過大な投資をしないことも重要なポイントです。必要経費もできるだけ抑えるよう心がけ、堅実な経営によって事業の基盤づくりを行うことが成功への近道になるでしょう。

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独立開業に失敗したら…

独立開業に失敗したら…

独立開業に失敗したら、早めに事務所を畳むことを推奨します。
転職する場合、年齢が若いほうが有利です。弁護士の数は増加傾向なので、年齢が上がるほど再就職できる可能性が低くなります。

なるべく早めに事務所を畳み、できるだけブランクを開けないようにして再就職を目指しましょう。
職探しの期間が長期化すると、「本人に問題がある」とみなされる危険性が高くなり、ますます職につけないリスクが高くなります。
転職の際には、廃業の影響を受けない就職先を選ぶことがポイントです。

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主な再就職先

弁護士の主な再就職先として下記の2つが挙げられます。

法律事務所

独立開業に失敗したとはいえ、法律事務所に就職・転職することは十分可能です。
年収等の条件面を全て満たすのは難しいですが、再就職の際は、得意分野を活かせる事務所を優先して探しましょう。

企業内弁護士

企業法務系の法律事務所に勤めていた場合、企業内弁護士に転職するというキャリアもあります。
この場合、専門特化した領域に強いタイプよりも、幅の広い企業法務経験を積んでいるジェネラリストタイプの弁護士のほうが企業側から高い評価を獲得しやすいです。

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独立に失敗したら引き際を見極めて次の可能性を目指そう

独立開業後に失敗してしまうケースはあります。ただし、独立経験は無駄にはなりませんし、再就職も十分可能です。独立に失敗した後の再就職は難しいと思われがちですが、成功しているケースも多いです。
「再就職は厳しい…」と思わず、失敗してしまっても前を向いて、次の職場を探しましょう!

弊社MS-Japanは、士業領域に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しており、弁護士の再就職のサポートもしています。再就職先をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

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まとめ

弁護士が独立に失敗する場合の原因として多くみられるのが、事務所の立地・物件の問題や集客力の低さ、採算が合わない経営です。
開業には300万円ほどの高額な費用がかかるため、特に金銭面でのシミュレーションをしっかりと行ったうえで独立へと踏み切るとよいでしょう。

また、集客力を高めるために事前のコネクション作りやマーケティング手法の学習に尽力したり、事業が軌道に乗るまでは無理なく堅実な経営を心がけたりすることも大切です。
ぜひ事前準備で各種リスク対策を行い、スムーズな成功を目指しましょう。

  • #弁護士独立
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

町田 梓

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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