2024年05月10日

メンタルヘルス・マネジメント検定の試験内容や合格率とは?メリット・勉強方法など

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ストレスや心の不調に悩む労働者があとを絶たない現代社会では、メンタルヘルスへの関心が高まりつつあります。
特に、職場におけるメンタルヘルス対策が重要視されており、その一環として位置付けられている資格が「メンタルヘルス・マネジメント検定」です。

この記事では、メンタルヘルス・マネジメント検定の試験内容や合格率、メリットなどをまとめて解説します。

メンタルヘルス・マネジメント検定とは

メンタルヘルス・マネジメント検定は、働く人の心の不調を未然に防ぐことを目指し、メンタルヘルスケアの知識やストレスへの対処法を学ぶ検定試験です。

近年は、ストレスによる心の不調者が増えており、休職や離職につながるケースが少なくありません。
心の健康問題は、職場環境の評価や企業の生産性にも直結するため、メンタルヘルス・マネジメント検定がますます重要視されています。

メンタルヘルス・マネジメント検定は、Ⅰ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)の3つのレベルに分かれています。
管理職や一般社員がそれぞれの立場に応じたコースを選択することで、必要な知識と対処法を習得できます。産業保健だけでなく、人事労務管理も重視した内容なので、人事・総務の関係者にも役立つ資格です。

従業員が心身ともに健康であれば、職場に活気をもたらし、生産性の向上につながります。
そのためには、一人ひとりが自らの立場を理解し、ストレスの原因となる問題に対処していくことが大切です。

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メンタルヘルス・マネジメント検定に合格するメリット

まずは、メンタルヘルス・マネジメント検定に合格するメリットを見てみましょう。

勤務先のメンタルヘルスケアに活かせる

メンタルヘルス・マネジメント検定を合格すると、勤務先でのメンタルヘルスケアに活かせます。
従業員の心身の不調は、業務上のトラブルや離職につながる可能性があります。検定を通じて習得した知識・スキルを活用することで、心身ともに健康な状態を維持しやすい職場環境を整備することができます。

勤務先の生産性向上に役立つ

検定で得た知識とスキルは、勤務先の生産性を向上させることにも役立ちます。心の健康が保たれている従業員は仕事に集中しやすく、業務への対応も効率的です。
ストレスや心の負担が軽減されることでモチベーションが高まり業績にプラスの影響を与えることが期待できます。

自身のキャリアアップにつながる

身につけたスキルがキャリアの発展につながりやすいことも、検定合格のメリットです。
企業でメンタルヘルス対策が重要視されている近年において、メンタルヘルス管理に詳しい人材は重宝されます。昇進の機会増加や、資格手当による年収アップも期待できるでしょう。

他にも人事や総務、労務でキャリアアップにつながる資格に関しては、以下記事をご確認ください。

自身のメンタルヘルスもケアできる

メンタルヘルス・マネジメント検定は、自分自身のメンタルヘルスをケアする能力も養います。言い換えれば、自身のストレスや心の負担を自ら理解し、適切に対処するための自己管理能力です。
健全なメンタルヘルスを維持することで、仕事にやりがいを感じ、プライベートも充実させることができるでしょう。

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メンタルヘルス・マネジメント検定の試験概要

次に、メンタルヘルス・マネジメント検定の試験概要を紹介します。

試験概要 詳細
受験資格 年齢・学歴・国籍などの制限なし
試験時期 Ⅰ種:年に1回、11月のみ実施
Ⅱ種・Ⅲ種:年に2回、3月と11月に実施
試験場所 全国15都市の指定会場で一斉に実施
札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡から選択
合格ライン Ⅰ種:下記の両方を満たして合格
選択問題(100点満点)と論述問題(50点満点)の合計点が105点以上
論述問題(50点満点)が25点以上
Ⅱ種・Ⅲ種:100点満点中70点以上で合格
受験料(税込) Ⅰ種:11,550円
Ⅱ種: 7,480円
Ⅲ種: 5,280円

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メンタルヘルス・マネジメント検定の試験内容

続いて、メンタルヘルス・マネジメント検定の試験内容をコース別に紹介します。

Ⅰ種(マスターコース)

マスターコースの主な対象者は人事労務管理スタッフや経営幹部です。
自社のメンタルヘルスケアを推進し、改善のための対策を率先して構築できる知識を身につけます。

試験内容 詳細
試験範囲 企業経営におけるメンタルヘルスケアの意義、ストレスの知識と対処法、人事労務部門の役割、産業保健スタッフとの連携、相談体制、教育研修、職場環境の改善など
出題形式 120分間のマークシート式選択問題+60分間の論述問題

Ⅱ種(ラインケアコース)

ラインケアコースは部下を抱える管理職やチームリーダーにおすすめのコースです。
職場の上司の立場から、部下のストレスや心の不調を気遣い、問題が起こる前の予防策や、問題が起こった場合の対処にあたるための知識が身に付きます。

試験内容 詳細
試験範囲 メンタルヘルスケアの意義や基礎知識、ストレスの知識と対処法、職場環境の評価・改善方法、労働者への配慮、相談対応、社内外資源との連携、復職者の支援など
出題形式 120分間のマークシート式、全50問

Ⅲ種(セルフケアコース)

従業員が自身のストレスケアを自ら行えるようになることを目的としています。
職種、業種、職歴を問わず、すべての働く人に向けたコースです。

試験内容 詳細
試験範囲 メンタルヘルスケアの意義や基礎知識、セルフケアの重要性、ストレスの気づき方と対処法、軽減方法など
出題形式 120分間のマークシート式、全50問

参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 受験要項

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メンタルヘルス・マネジメント検定の合格率・難易度

各コースにおける過去5回分の合格率から、それぞれの難易度を導いてみましょう。

Ⅰ種の合格率

実施日 実受験者(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第35回 2023年11月5日 1,587 325 20.5
第33回 2022年11月6日 1,628 287 17.6
第31回 2021年11月7日 1,521 301 19.8
第29回 2020年11月1日 1,276 272 21.3
第27回 2019年11月3日 1,620 252 15.6

Ⅰ種の合格率は10〜20%台となっており、Ⅱ種・Ⅲ種と比較するとかなり低い傾向です。
3コースの中で難易度が最も高いことがうかがえます。

Ⅱ種の合格率

実施日 実受験者(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第35回 2023年11月5日 11,781 6,661 56.5
第34回 2023年3月19日 11,918 6,444 54.1
第33回 2022年11月6日 10,988 6,401 58.2
第32回 2022年3月20日 11,128 7,763 69.8
第31回 2021年11月7日 10,053 4,664 46.4

Ⅱ種の合格率は50%台が中心で、実受験者に対して合格者は毎回約半数です。
難易度はⅠ種よりも低いですが、Ⅲ種より高いと言えます。

Ⅲ種の合格率

実施日 実受験者(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第35回 2023年11月5日 4,888 3,515 71.9
第34回 2023年3月19日 5,035 3,995 79.3
第33回 2022年11月6日 5,458 3,787 69.4
第32回 2022年3月20日 4,819 3,121 64.4
第31回 2021年11月7日 5,371 3,824 71.2

Ⅲ種の合格率は60〜70%台となっており、3コースの中で最も高い傾向が見られます。
難易度が低いことから、合格しやすいコースと判断できます。

参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 結果・受験者データ

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メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強方法

メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強方法

メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強方法について解説します。

講座を受ける

メンタルヘルス・マネジメント検定を勉強する一般的な方法は、専門の講座を受講することです。 商工会議所で行われる受験対策講座では、対面で受ける集合開催と自宅で受講できるWEB講座があります。Ⅱ種・Ⅲ種など、コースごとに講座が設けられているため、自身が志望するコースの講座を受けることが可能です。

これらの講座では、メンタルヘルスに関する基本的な理論や実践的な対処法が学べます。講師から直接指導を受けることで、難しい概念が理解しやすく、わからないことがあっても直接確認できることがメリットです。

独学で勉強する

もう一つの方法は、独学で勉強することです。検定試験の範囲や内容を把握し、教材を集め、学習計画を立ててスケジュールに沿って進めていきます。
教材は、過去の問題集や公式テキストの利用がおすすめです。特に公式テキストから出題されることが多いため、重点的に学習すると良いでしょう。

独学の場合、モチベーションを維持する自己管理能力が求められますが、自分のペースで学習を進められることが利点です。

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メンタルヘルス・マネジメント検定と他資格との違い

ストレス社会の現代では、メンタルヘルス・マネジメント検定試験以外にもメンタルヘルスに関連する資格が存在します。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、それらの資格とどのような違いがあるのでしょうか。

産業カウンセラーとの違い

メンタルヘルス・マネジメント検定と産業カウンセラーの違いは、主に対象とアプローチにあります。

産業カウンセラーは、労働者一人ひとりの心理的な問題や悩みに向き合い、カウンセリングを通じて支援を行います。
一方、メンタルヘルス・マネジメント検定は、組織全体のメンタルヘルス対策に焦点を当てていることが特徴です。

心理相談員との違い

メンタルヘルス・マネジメント検定と心理相談員の違いも、対象とアプローチにあります。

心理相談員は、個人に対してカウンセリングや相談業務を行い、心理療法などを用いて心の健康をサポートします。一方、メンタルヘルス・マネジメント検定合格者が取り組む対象は、個人も含めた組織全体です。
職場でのメンタルヘルス問題の予防や対策を推進し、労働者全体のメンタルヘルス向上を目指すという役割が大きな違いです。

メンタルケア心理士との違い

メンタルケア心理士は、心理学に基づいたアドバイスや心理療法を通じて、心の悩みを支援する資格です。一般的に、医療や福祉、教育、公共サービスなどの分野でメンタルケアを行います。
メンタルヘルス・マネジメント検定との違いは、検定の知識とスキルを活かす分野が企業の職場を主な領域としている点です。

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まとめ

メンタルヘルス・マネジメント検定は、現代社会のニーズに応える重要な資格となっています。本記事を通じて、試験内容や合格率、さらにはそのメリットや勉強方法について詳しく解説しました。
この資格を取得することで、職場のメンタルヘルスケアへの貢献や、キャリアの向上につながる可能性があります。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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