【例文付】労務の転職で評価される志望動機とは?経験者・未経験者別

労務の仕事は、人事や総務、経理の担当者が兼任する企業が多いです。
そのため、労務へ転職を希望する方は、「なぜ人事や経理ではなく、労務になりたいのか」を明確にしておく必要があります。
この記事では、労務の仕事内容や求められる人物像、志望動機の作り方など、労務の転職に関する情報をまとめています。
未経験から労務に転職するのは難しい?
従来は、未経験から労務に転職するのは難しいと一般的にいわれていました。
しかし近年では、とくにIT業界を中心とし、未経験であっても労務に採用される例が増えています。
労務業務には、給与計算ソフトの操作スキルや、労働法の知識などの特殊なスキル・知識が必要とされていました。そのため、従来は即戦力である経験者を優遇する傾向がありました。
近年になって労務未経験者の採用が増えているのは、とくにIT業界を中心とし、人材が不足しているからです。
したがって、業界を絞ることで、未経験者でも労務に転職することは十分可能と言えるでしょう。
また、未経験者が労務に転職するためには、資格をもっていると有利です。
実践的な法的知識を学ぶことができる「ビジネス能力検定」や、国家試験である「社会保険労務士」、年金制度についての知識を身につけることができる「DCプランナー」などの資格を取得するのもよいでしょう。
また、総務や人事などの職種に少しでも関わっていた経験があるのなら、書類や面接などで積極的にアピールすることがおすすめです。
労務の仕事内容
労務の主な仕事内容は、下記の通りです。
- ・給与計算や勤怠管理などの労務管理
- ・社会保険や労働保険関係の手続き
- ・労働契約や就業規則をはじめとする諸規定の運用管理
- ・従業員の安全衛生管理
管理部門の中でも、従業員を管理・サポートする業務に特化していることが特徴といえます。
労務として求められる人物像
労務として求められる人物像は、コミュニケーション力があり、秘密を守れる人です。
労務では、様々な従業員と関わりながら業務を進めるため、誰とでも円滑にコミュニケーションを取れる必要があります。
また、従業員のプライベートな情報を扱うため、口が堅く、秘密を守れる人でなくてはいけません。
従業員の給与や家族構成、健康状態などの情報を、外部へ流出しないよう適切な取り扱いができることが求められます。

キャリアアドバイザー齊藤 仁美
労務は人事と密接に関係する業務領域ですが、職務の性質は異なります。
労務は就業規則や社会保険、勤怠・給与などの“制度運用・法令遵守”に関わる役割、人事は採用・教育・人材配置などの“戦略的人材マネジメント”を担う分担が一般的です。
ご自身の適性や志向性、業務経験を踏まえて見極める必要があります。
適性の整理や志望動機の方向性にご不安がある場合は、キャリアアドバイザーとの面談を通じて言語化をサポートいたします。
労務の志望動機を書くポイント
次に、労務の志望動機について、3つのポイントをご紹介します。
「なぜ労務なのか」を明確にする
労務の志望動機を作成する上で最も重要なポイントが、なぜ人事ではなく労務なのかを明確にすることです。
労務の志望動機としては、「法規制やコンプライアンスに興味がある」や、「労働者との関係にフォーカスした仕事をしたい」、「福利厚生や労働環境の改善を通して企業に貢献したい」など、さまざまな動機が考えられます。
人事と差別化した「労務ならではの魅力」を軸に作成すれば、納得感のある志望動機となるでしょう。
「なぜ応募先企業なのか」を明確にする
次に重要になポイントは、なぜ応募先企業で働きたいのかを明確化することです。労務は、どの企業にも存在するため、どの企業にも通用するような、当たり障りのない志望動機になってしまうと、志望度が低いと認識されていまうでしょう。
応募した求人だけでなく、応募先企業が募集している他職種の求人や新卒採用サイト、四季報、口コミサイトなど様々な方法で多角的に情報収集を行い、他社と差別化した志望動機を作成することが重要です。
「ワークライフバランスを充実させたい」「労務としてステップアップしたい」など、あまりにも一般的すぎる志望動機は、なるべく避けておくのが無難です。
労務で活かせるスキルをアピールする
最後に、過去の経歴をもとに、労務で活かせるスキルをアピールすることも大切なポイントです。
たとえばコミュニケーションスキルをアピールしたいのであれば、「前職での顧客サービス経験から、効果的にコミュニケーションを交わすスキルを磨いた」などのエピソードを用意します。
他にも、調整力やプロジェクト管理、リーダーシップなど、他職種でも労務に活かせるスキルは身に付きます。自分のこれまでの経歴を振り返り、盛り込める内容があるかどうかを確認しましょう。

キャリアアドバイザー齊藤 仁美
採用担当者が最も重視するのは、「なぜ労務を選んだのか」の納得感です。
たとえば、「人のサポートにやりがいを感じる」だけでなく、「制度運用を通じて公平な職場環境を支えたい」「労働法の知識を活かして社員の安心を支える立場に立ちたい」など、労務ならではの視点や興味を明確に言語化することがポイントです。
特に労務は専門性が問われる職種のため、内容が抽象的すぎたり、関心のベクトルが人事寄りであったりすると、評価が分かれる可能性があります。
採用担当者の視点を踏まえた客観的なチェックを行うことで、改善のポイントが明確になり、内容の精度が高まります。
弊社では、履歴書や志望動機の添削も行っておりますので、必要に応じてご活用ください。
【例文】労務の転職で使える志望動機
労務未経験者の志望動機
私は前職で営業職に5年間従事しておりました。その間、顧客との関係構築やニーズの把握、チーム内のコミュニケーション向上に努めました。コミュニケーションや課題解決の経験は、労務の分野でも活かせると感じています。
また、労務実務は未経験ですが、大学時代に労働法の講義を受講し、労働者の権利と企業の責任について学びました。労働法の知識と営業経験を活かして、貴社の労務管理部門と他部門の橋渡しができる存在になりたいと考えています。
未経験の分野への挑戦となります、貴社のビジョンに共感し、一丸となって努力する所存です。
労務経験者の志望動機
前職では、IT企業の労務に7年間携わりました。労務管理だけでなく、人事戦略の立案や労働条件の交渉、社員の福利厚生の充実など、幅広い労務業務を経験しています。
貴社の公式サイトを拝見し、労務部門が目指すビジョンに強く共感したことで、志望を決めました。とくに、貴社が取り組んでいる労働者と経営者のコミュニケーション強化や多様性の推進は、私がこれまで積極的に推進してきた分野と合致します。私の経験とスキルを活かして、貴社のチームと共に更なる成長を目指したいと考えています。
また、私は常に新しい知識とスキルの習得に取り組んでおり、労務管理の最先端のトレンドを追求しています。この姿勢を持ち続け、貴社の労務部門に新しい価値を提供したいと考えています。

キャリアアドバイザー齊藤 仁美
労務に限定して、同じ業界や規模に応募する場合であっても、志望動機は応募先企業に合わせてアレンジしましょう。
自身の経験業務や得意分野、労務として目指すキャリアなどは共通した内容で問題ありません。
しかし、応募先企業のどんな点に惹かれたのか、応募先企業でどのように活躍していきたいかなどは、それぞれ具体的に書き分ける必要があります。
MS Agentの労務求人例
弊社MS-Japanは、労務をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている労務求人の一例をご紹介します。
Fintech企業の人事労務求人です!
仕事内容 |
・給与・社会保険にかかる業務全般 ・給与・賞与計算、年末調整、給与支払い報告書作成 ・社会保険にかかる業務 ・マイナンバーの管理 など |
必要な経験・能力 |
<必須> ・事業会社での人事業務経験3年以上 ・労務管理5年以上 ・社会保険各種手続き経験 ・衛生管理者資格 |
想定年収 |
400万円~800万円 |
業界最大手の子会社より人事労務担当の求人です
仕事内容 |
・毎月の計算反映データまとめ、アウトソーシング先への連絡、給与確定 ・給与確定後の人件費関連の計上処理内容確認、楽楽精算承認 ・アウトソーシング先と連携して社会保険・労働災害等の手続き、証明書対応サポート ・年末調整対応 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・給与計算、勤怠管理の実務経験3年以上 ・Excelスキル中級以上(ピボット、VLOOKUP等) |
想定年収 |
420万円~560万円 |
地域に根差した小売り事業を手掛ける成長企業の労務総務
仕事内容 |
・入退社管理、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整、助成金手続き ・労務相談対応、各行政機関への報告、社労士事務所との連携 ・土地管理、物件管理、地権者対応、契約書管理、各種システム管理 |
必要な経験・能力 |
※下記いずれか ・給与計算、年末調整、社会保険手続きなど労務管理の実務経験 ・Word、Excel の基本操作ができる方 ※上記全ての経験がなくても、共に学んで成長頂ける方であればご応募可能です。 |
想定年収 |
400万円 ~ 500万円 |
まとめ
従来は未経験から労務に転職するのは難しいと言われていましたが、昨今では未経験可の求人も見られるようになっています。
とくに20代や30代前半などの比較的若い段階であれば、ポテンシャル採用の範囲に含まれる可能性があります。
労務の志望動機を書く際は、「人事ではなく労務を志望する理由」を明確化することが最も重要です。さらに、「なぜその企業で働きたいのか」と「どのような経験をもっていて、どうやって応募先企業で活用するか(貢献できるのか)」を具体的に伝えましょう。
志望動機がなかなか定まらず、書くべき要素をまとめられない場合は、記入例を参考にするのもおすすめです。もちろん記入例をそのままコピーするのではなく、自分の状況に合わせつつ、オリジナリティのある内容を考えましょう。
弊社の「MS Agent」では、求人の紹介だけでなく、履歴書・職務経歴書など応募書類の添削も無料で行っています。
労務の転職でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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