弁護士のやりがいとは?苦労や勤務先別の魅力なども簡単に解説



弁護士に対して、「困った人を助ける正義の味方」といったイメージを持つ人は多いでしょう。
対個人では、裁判を全面的にサポートしてくれる心強い存在となります。また、対法人では法的トラブルの対処や企業利益に貢献することもできるでしょう。
このように、個人・法人を問わず、困った人を助ける弁護士ですが、それだけに苦労も多く、激務の中で仕事へのやりがいを見失ってしまう弁護士も少なくありません。
そこで、この記事では、弁護士のやりがいや苦労についてまとめ、「勤務先別の魅力」についても解説します。
弁護士として働く4つのやりがい
弁護士として働く中で、特によく聞かれるやりがいとしては、次の4つがあげられます。
困っている人を助ける仕事である
個人が弁護士に依頼をするケースの多くは、以下のような深刻な状況であることがほとんどです。
- ・借金の清算に関すること(自己破産など)
- ・相続に関すること(親族間の争いがあるケースなど)
- ・離婚問題に関すること(財産分与や親権争いなど) など
依頼者の力ではどうにもならない問題を、法的知識を駆使して解決することは、弁護士にしかできないことです。
問題が無事解決すれば、ほとんどのケースにおいて、依頼者から感謝の気持ちを伝えられるでしょう。
仕事をする中で、「心からの感謝」を伝えられる機会は、なかなかあるものではありません。
お金だけではない、自分の心が満たされるような報酬は、弁護士の大きなやりがいに繋がると言えるでしょう。
知識を活かして社会に貢献できる
弁護士は、受験資格の取得から資格取得、弁護士登録までに長い年月を要する資格です。何年にも渡って地道に身に着けてきた法律知識を活かして社会に貢献できることも弁護士のやりがいの一つとして挙げられます。
例えば、大震災による原発事故の損害賠償請求や公害訴訟など、地域の復興に向けたサポートだけでなく、弁護士会や都道府県、日弁連交通事故相談センターなどによる無料法律相談会の担当弁護士など、幅広い社会に貢献できる可能性を秘めていると言えるでしょう。
専門知識を活かして社会的弱者の救済するプロボノ活動も弁護士業界で浸透しています。
高収入を目指すことができる
司法試験の合格者が進む進路の内、裁判官と検察官は、それぞれ「裁判官の報酬等に関する法律」・「検察官の俸給等に関する法律」によって年収の上限が定められています。
一方、弁護士の年収には上限の規定が無く、本人の努力次第で高収入を目指すことが可能です。
また、独立開業した場合、軌道に乗れば数千万円以上の収入を稼ぐこともできますが、自らクライアントを開拓していく営業力も求められます。
インハウス・独立など働き方の幅が広い
弁護士が働く法律事務所は、企業法務系法律事務所・総合系法律事務所・一般民事系法律事務所の3つに分類できますが、それぞれ取り扱う案件の種類や年収水準、働き方が異なります。
また、法律事務所だけでなく、企業内でインハウスローヤー(企業内弁護士)として働くことも可能です。特に近年は、コンプライアンス意識の高まりによってインハウスローヤーのニーズが高まっています。
また、弁護士は自分で事務所を構えることも認められています。
弁護士の持つ専門知識は様々な業界から必要とされるため、働き方の幅も広く、自分が求めるやりがいを追求してキャリアプランを描けるでしょう。
弁護士の苦労・大変なこととは?
弁護士の仕事はやりがいがある反面、苦労や大変なことも多いものです。
以下、多くの弁護士が職務上ストレスを受けている点について解説します。
責任が非常に重い
弁護士が担当する案件は、個人や企業の将来を左右する重大なものも少なくありません。
必然的に、業務に対する責任も非常に重いものとなり、多くの弁護士はクライアントの期待を裏切らないよう、日夜問わず仕事をしています。
責任を果たすために努力することは、ビジネスパーソンとして素晴らしいことではありますが、過度の努力は心身ともに疲弊してしまうでしょう。
精神的な負担が大きい
人を相手にする弁護士は、クライアントや利害関係者とのコミュニケーションに心を砕くことが多い傾向にあります。
犯罪被害者への謝罪や示談交渉、紛争の相手方とのコミュニケーションなど、デリケートな場面でのやり取りが求められ、精神的な負担を感じる人が多いでしょう。
もちろん、案件が解決できれば問題はありませんが、状況によっては激しく感情をぶつけられることもあります。
弁護士は高度な法的知識を駆使する一方、感情労働も要求される場面があるため、次第に当初感じていたやりがいを失ってしまうこともあります。
なお、弁護士がストレスを感じる理由や対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
勤務先による弁護士の魅力の違いとは
弁護士のやりがいは、勤務先によっても異なります。
以下、弁護士という職業の魅力について、勤務先別に解説します。
企業法務系法律事務所
企業をクライアントとする企業法務系法律事務所では、個人をクライアントとする事務所と比較して、規模の大きい案件に携わる機会が多い傾向です。
ニュースに取り上げられるような案件や最先端のビジネスに関連する案件など、社会に影響を与えるような規模の案件に携わることを魅力に感じる弁護士は多いでしょう。
また、企業法務系法律事務所は総じて年収水準が高い傾向です。個人のスキルにもよりますが、1年目で1,000万円を超えるケースも多く、高年収を目指す弁護士にとって大きな魅力だと言えます。
総合型法律事務所
総合型法律事務所は、個人から法人まで様々なクライアントが抱える悩みを解決に導きます。幅広い案件を扱うため、弁護士として幅広いスキルを身に着けられることが魅力です。
案件の分野や規模によっては、時にチームを組んで案件を処理したり、自分の専門性を活かしたりと、活躍の方向性が複数あることも、自分だけのやりがいを発見することにつながるでしょう。
また、個人受任を認められているケースも多く、裁量権を持って働きたい弁護士にとって魅力的な職場です。
刑事弁護系事務所
刑事弁護系事務所では、被告人の権利を守ることが主なミッションです。
弁護士の本分とも言える「法廷弁護」に注力できることを魅力的に感じる弁護士は多いでしょう。
肉体的・精神的にはタフな仕事ですが、被告人とその家族を守り抜き、求める判決結果を獲得できれば、大きな達成感を味わうことができます。
インハウスローヤー(企業内弁護士)
法律事務所の弁護士はクライアントを外から支える立場ですが、インハウスローヤーは企業内部から当事者として法務に携わることができます。
営業部門や開発部門などの他部門と連携しながら社内のために尽力できることも魅力のひとつです。
また、インハウスローヤーの働き方は所属する企業の就業規定に準ずるため、法律事務所と比較してワークライフバランスが整っている傾向があります。さらに、退職金や厚生年金などの手厚い福利厚生もインハウスローヤーの魅力だと言えるでしょう。
弁護士がやりがいを求めて転職した事例
弁護士としてのやりがいを取り戻すには、自分が仕事に何を求めているのかを理解した上で、希望を実現できる職場を探すことが重要です。
以下では、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を利用して、やりがいのある転職先を見つけた事例をご紹介します。
やりがいを感じる「一般民事」に特化した事務所へ転職した事例
- Yさん(30歳/女性)
- 転職前:個人経営の法律事務所
- 転職後:一般民事系法律事務所
個人経営の法律事務所に勤務するYさんは、一般民事を中心に幅広い法律相談に対応していましたが、2年の任期が近づき、長期的に働ける転職先を求めて「MS Agent」にご相談いただきました。
Yさんが転職先に求める条件は、「ワークライフバランスを考えるとインハウスだが、弁護士としてのやりがいは法律事務所…」と二極化していました。しかし、これまでの経験を振り返ると、一般民事の弁護士業務にとてもやりがいを感じ、今後もその経験を積んできたいと強く希望していたため、最終的には、法律事務所への転職という方針を固めました。
転職活動の末、Yさんは、無事やりがいとワークライフバランスを両立できる一般民事系法律事務所の内定を獲得しました。
希望のキャリア形成のために、よりスキルアップできる環境へ転職した事例
- Mさん(30代前半/女性)
- 転職前:老舗メーカー(年収:500万)
- 転職後:グローバルIT企業(年収:800万)
Mさんは、家庭のご事情で地方老舗メーカーに就職しましたが、業務スピードが想像の数倍以上遅く感じられ、また時間を持て余すほど業務量が少ない状況でした。家庭の事情がクリアになったことをきっかけに、よりスキルを高められる環境へ転職したいと「MS Agent」にご相談いただきました。
Mさんは成長意欲も高く、将来的には留学したいとも考えていました。ただ、社費留学制度がある会社は多くなく、社費留学制度がある企業でも業務環境はMさんにとって魅力的とは言えませんでした。
そのため、自費留学に向けて自身でも準備を進められる程度の年収水準である環境に加えて、希望通りスピード感が早いグローバルIT企業を提案致しました。結果、大幅な年収アップも叶えられ、希望のスピード感でスキルアップが果たせる環境先として、転職を決断いただきました。
家族との時間を求め、法律事務所から上場メーカーへキャリアチェンジした事例
- Fさん(36歳/男性)
- 転職前:大手法律事務所
- 転職後:上場メーカー
大手法律事務所に勤めていたFさんは、月100時間以上の残業をこなし、プライベートの時間をほぼ持てずにいました。そんな日々の中で、Fさんは結婚を決意しましたが、このままでは結婚をしても家族との時間が持てないと、将来に不安を感じたことで転職を決意しました。
Fさんは法律事務所に長らく勤めていた為、最初は法律事務所を中心に応募しました。しかし、多くの事務所がワークライフバランスを改善できる職場環境とは言い難く、転職活動は思うように進みませんでした。
そこで弊社からは、方針を変えて企業求人を検討いただくことをお勧めしました。すると、これまで仕事に打ち込み、ご活躍されていたFさんの経験を多くの企業が高く評価され、複数社から内定を獲得しました。その中から、慢性的な残業と休日出勤から解放される環境を選び、Fさんは入社を決めました。
まとめ
弁護士は、働く環境や個人の志によって、やりがいとする部分が変わってきます。
困っている人の助けになることをやりがいと感じる人もいれば、企業が成長するのをサポートすることに喜びを覚える人もいるでしょう。
正解は人それぞれですが、自分が本来目指した弁護士像からかけ離れた働き方は、長続きしにくいと考えられます。
もし、今の働き方に疑問を抱くことがあったら、まずは違う職場で働く選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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