監査法人のインチャージ(現場責任者)とは?キャリアアップや転職に有利?
監査法人で働いて数年ほど経験を積むと、実力しだいでインチャージ(現場責任者)を任せられることがあります。
特に20代後半から30代半ばの公認会計士なら、インチャージを経験する機会は少なくないでしょう。
では、インチャージとは具体的にどのような役割があり、どういったスキルが必要なのでしょうか。
本記事では、
監査法人でのインチャージ経験がキャリアアップや転職に活かせるのかどうかも含めて、インチャージというポジションを明らかにしていきます。
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インチャージとは?言葉の意味と役割を解説!
「インチャージ」には、広義の意味と狭義の意味があります。
以下に、それぞれの意味を示すポジションとその役割について解説します。
広義の意味
「インチャージ」は、日本語の造語で、英語の「in charge of(~を預かっている)」に由来します。
広義では、現場責任者、主任、主査など、ある特定の任務や場所において責任を担う人物を指す言葉です。
この用語は主にホテル、空港、看護などの分野で使用され、その文脈に応じて異なる業務を表します。
ホテル業界で言うインチャージは、時間帯の現場責任者を指し、シフトメンバーの業務分担、人員配置、進捗管理、人材育成などが主な役割です。
空港では、チェックインカウンターのインチャージが乗客の手続きを監督し、スムーズな運航をサポートします。
看護の現場では、病棟や診療科の主任看護師がインチャージナースとして、看護チームを指導し、患者のケアを管理します。
また、監査法人においてもインチャージというポジションが存在します。
狭義の意味
狭義の「インチャージ」は、主に監査法人における「現場責任者」を指します。
監査法人では、インチャージが監査業務のリーダーとして活動することがほとんどです。
役割としては、クライアント企業の財務諸表や業績を審査し、監査プロジェクトの進行を監督します。
また、監査の計画立案から実地調査、報告書作成に至るまでのプロセスを指揮し、チームメンバーの指導と業務調整を行います。
さらに、クライアント企業とのコミュニケーションを担当し、課題やトラブルに対処する責任も担います。
インチャージは監査チームの成功に大きく関わり、クライアント企業との信頼関係を築く上で重要な存在です。
この役職は監査法人によって異なることがありますが、一般的には4年〜6年程度の経験を積んだ後になることが多いです。
幅広い業務を担当した監査スタッフが、数年後にインチャージに昇進するケースも少なくありません。
監査法人のインチャージに必要なスキルとは?
監査法人のインチャージは、一般企業で言う中間管理職的なポジションに当たります。
スタッフを動かし、業務を円滑に進めるためにはさまざまなスキルが求められます。
その中でも特に重要なスキルを取り上げてみましょう。
まず、プロジェクトマネジメント能力が必要です。
監査法人のインチャージは、監査プロジェクトを遂行する中で、調書の作成や進捗管理などプロジェクト全体を統括する役割を担います。
これにはタスクの割り当てや進行状況のフォロー、チームメンバーの業務調整なども含まれます。
複数のリソースを活用し、計画的にプロジェクトを進めるマネジメントスキルは、インチャージにとって必須条件と言えるでしょう。
また、各所と円滑なコミュニケーションを取りながら作業を進めるため、協調性やリーダーシップも重要です。
次に、スケジュール管理能力も欠かせません。
インチャージは、監査計画の説明や社外のミーティング、経営者とのディスカッションなど、多くのミーティングを調整する役割があります。
これらのミーティングは、プロジェクトの進行に関わる重要なものであり、適切な日程で行わなければなりません。
日程の調整には、チームメンバーや関係者のスケジュールを考慮し、柔軟な対応が求められます。
多忙な人々の「時間」を取りまとめるには、普段から人間関係を築くコミュニケーションが重要となるため、それもスケジュール管理能力の一環です。
以上のように、監査法人のインチャージにはプロジェクトマネジメント能力とスケジュール管理能力が不可欠です。
プロジェクト全体を効果的に管理し、重要なミーティングを適切なタイミングで調整するためには、計画性、柔軟性、コミュニケーション能力も身につけておかなければなりません。
インチャージは、これらのスキルを円滑な監査プロセスの遂行に活かせるよう、磨き続ける努力も必要なのです。
監査法人でのインチャージ経験はキャリアアップや転職につながる!
監査法人から他の企業や業界へ転職する際に、インチャージ経験が決して必要というわけではありません。
しかし、
インチャージとして監査法人で働いていた経験は、幅広い転職先から評価され、キャリアアップにも活かされます。
その理由は以下のとおりです。
前述でも紹介しましたが、一つには、監査法人でのインチャージ経験が、必要なスキルを磨く機会でもあるということです。
インチャージは、監査プロジェクトのリーダーとしてクライアントの財務状況を分析し、会計の正確性と適法性を保証する重要な役割です。
この経験により、財務諸表の理解力や法的規制への遵守、プロジェクト管理能力など、幅広いスキルが養われます。これらのスキルは、今後の転職先やキャリアの範囲を広げる上で大いに役立つものです。
加えてインチャージは、クライアントとの密な連携、チームメンバーの指導、報告書の作成など、多岐にわたるタスクを滞りなく遂行しなければなりません。
その中で、人間関係を円滑に保つコミュニケーションや説得力のあるリーダーシップを発揮する必要があります。
磨きのかかったコミュニケーション能力やリーダーシップは、転職先の組織マネジメントにおいても重宝されるでしょう。
例えば、一般企業での管理職登用の機会でも、インチャージの経験が活きてきます。
多くの企業では、35歳前後から管理職への登用が増える傾向にあります。
30代半ば以降でマネジメント能力を備えていれば、管理職として迎え入れられる可能性は十分に考えられます。
また、転職市場での市場価値が高まるというメリットも見過ごせません。
監査法人でのインチャージ経験は、専門性が高く、厳しい要件を満たした経験値と見なされます。
そのため、他の企業や業界へ転職する際に、その経験が転職市場において高い評価を受けることになるでしょう。
インチャージとして成長することによって、転職先の選択肢を広げ、自身のキャリアパスをより多様な方向に展開することができるのです。
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まとめ
インチャージは、監査プロジェクトの現場責任者として、マネジメントやスケジュール管理に長けたスキルが必要です。
監査法人でインチャージを任命された方は、インチャージの経験を今後のキャリアアップや転職に活かせるようにしっかりとスキルを磨きましょう。
とは言え、監査法人から他の法人や業界へ転職する場合、インチャージ経験が必須というわけではありません。
ですが、20代後半〜30代半ばなど、年代によっては、インチャージ経験を評価する転職先もあるため、経験しておくことに越したことはないでしょう。
現在のスキルや経験が転職に活かされるのかどうかが気になる方は、転職サポートのプロである転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、飲料メーカー営業、学習塾の教室運営を経て19年MS-Japanに入社。キャリアアドバイザーとして企業管理部門、会計事務所などの士業界の幅広い年齢層の転職支援を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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