大手企業の経理に転職するには?業務内容や転職時のポイントを解説!

更新日:2024/02/01
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大手企業の経理に転職するには?業務内容や転職時のポイントを解説!

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大手企業の経理職に転職するために必要なことは、年齢によって異なります。
20代であれば第二新卒枠や既卒枠といった形でアドバンテージが得られる場合がありますが、30代以降になると転職へのハードルが上がります。
実務経験によっては、管理職の経験や具体的に担当した業務内容の提示を求められる傾向があるので、前職でどのようなことに取り組んできたのかを分かりやすく説明する必要があります
そこで今回は、大手企業への転職を成功させるための具体的な方法について、詳細をご紹介していきます

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企業規模や業種による経理の仕事内容の違い

同じ経理でも、企業の規模や業種によって仕事内容が異なります
規模や業種によって仕事内容がどのように異なるのかを見ていきましょう。

規模による違い

大手企業の経理業務には、専門性の高さが必要です

大手企業は経理部門が独立し、さらに経理部門の中でも原価計算担当や税務担当、連結決算担当など、業務ごとに担当部署が分かれて、それぞれの担当業務に対して高度な知識が求められます
また、有価証券報告書や決算短信の作成など、大手企業独自の業務も特徴的です

さらに、地方への転勤や子会社出向、海外転勤など異動が多いのも特徴です。さまざまな場所で経験を積むことで、財務経理のスペシャリストを目指すキャリア形成になります。公認会計士や税理士など、士業を積極的に採用している企業も多いため、専門家と携わることが刺激になり、スキルアップも期待できます。

一方、中小企業では、経理が総務や人事などを兼任しているケースも多く見られます
経理業務だけでなく、給与計算や社会保険手続きといった人事・労務関連業務や、備品購入など総務関連業務も担うため、オールラウンドプレイヤーとしての活躍が求められます。また、少数精鋭でアットホームな社風のところも多いため、自身に合う企業であれば同じ環境で長く働き続けられるでしょう。

業種による違い

経理の仕事内容は、業種によっても大きく異なります
小売業・卸売業などの販売業の経理は、勘定科目の仕訳と決算がメインの商業簿記をベースとします。
対して製造業でベースとなるのは、原価計算などの製品コスト管理を行う工業簿記です。
一般的に、商業簿記よりも工業簿記のほうが高度と言われており、日商簿記でも工業簿記が出題されるのは2級以上です。


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大手企業が求める経験・スキルは?

大手企業が求める経理人材とはどのようなものなのでしょうか。

専門性が重視される

前述のとおり大手企業では経理業務を、業務分野ごとに担当分けされていることが一般的です。
したがって、採用にあたっても各分野の専門性が重視されるでしょう。
経理の専門分野は大きく分けると、以下の4つに分類できます

・主計 …単体あるいは連結での決算
・税務 …税務申告
・財務 …資金繰りや借り入れなど
・管理会計 …予算と結果、費用と利益などの分析

大手企業への転職を考える際には、いずれかの専門分野を磨いておくのがよいでしょう。

マネジメント経験も高評価

大手企業では、チームリーダー経験などのマネジメント経験も高評価となるでしょう
人員が多く、業務が細分化されているため、中小企業よりもマネジメントポジションの数が多い傾向があります。

英語力や国際会計の知識

大手企業への転職では、英語力や国際会計の知識についても問われることが多くあります
近年では日系企業も、海外進出するケースが多いからです。
海外企業との取引経験が実際にある場合には、評価は大きく高まるでしょう
また、実際の取引経験がなくても、USCPA(米国公認会計士)などの国際会計基準の資格や語学力がある場合には評価されます。


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大手企業の経理へ転職するメリットは?

次に、大手企業の経理に転職するメリットについて解説します。

専門性の高い業務経験が積める

前述した通り、 中小企業の経理がさまざまな業務を幅広く行うのに対し、大手企業は取引数が多く、扱う金額も大きいため、経理部門と財務部門が分かれ、さらに経理部門も業務ごとに細分化されています
また、大手企業独自の経理業務経験が積めることもメリットのひとつです。たとえば、単体決算でいえば税効果会計や退職給付会計、金融商品会計、減損会計、ストックオプションなど、連結決算(国際会計)では、企業買収や事業譲渡、組織再編税務、移転価格税制などを扱います。
さらに、グループ企業や海外事業部なども含めた、スケールの大きい経理業務に携われることもメリットです。グローバルに活動する企業では、USGAAP(米国会計基準)などを使った、難易度の高い会計処理も経験できます。
大手企業では中小企業と比べて予算も増えるため、最新の機器やシステムを使用するほか、優秀なコンサルタントや顧問税理士などを通じて、より専門性を高めることが可能です。

年収が上がる可能性がある

現在の日本では、大手企業のほうが、一般的に年収水準が高い傾向にあります。優れたスキルを持っていても、年収水準が低い企業にいれば、スキルに見合った給与を受け取れません。
弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」で取り扱っている求人から割り出した大手企業・中小企業それぞれの経理の平均年収は、以下の通りです

  • 大手企業(上場企業) 657万円
  • 中小企業(非上場企業) 609万円

大手企業は中小企業に比べ、平均年収が48万円も上回っていることが分かります。収入面では、大手企業のほうが大きなメリットを得られるでしょう。

なお、大手企業経理の役職ごとの平均年収の目安は以下のとおりとなっています。

・一般社員 …400万円~500万円
・リーダー・係長クラス …500万円~600万円
・課長クラス … 600万円~700万円
・部長・次長クラス …1,000万円~

待遇が良くなる可能性がある

大手企業の多くは、福利厚生が整っています。「MS Agent」で取り扱っている企業の福利厚生普及率を、大手企業と中小企業で比較してみましょう。

項目 大手企業(上場企業) 中小企業(非上場企業)
フレックス制度導入率 47.9% 31.1%
リモートワーク導入率 64.3% 43.3%
平均年間休日:120日以上 86.3% 78.1%
平均年間休日:125日以上 31.9% 22.5%

大手企業は中小企業に比べて休日が多く、リモートワークやフレックス制度などの柔軟な働き方も普及しています。ワークライフバランスが整った環境を望む場合は、大手企業がおすすめだと言えるでしょう。


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大手企業の経理へ転職するデメリットは?

対して、大手企業の経理に転職することに、デメリットはあるのでしょうか。

まず、業務を身に付けにくいことが挙げられます。業務の細分化が進んでいる大手企業では、基本的に担当以外の業務に携わる機会がありません
たとえば、原価計算の担当者になれば、毎日原価計算だけを行います。ひとつの分野で深い知識が身に付くものの、毎日の作業がルーティーン化されていて単調になりやすく、オールラウンドな業務をこなす能力は獲得しにくいでしょう。

また、上場企業は四半期報告書の提出が法律で義務づけられているため、年に4回の決算業務をこなす必要があります。契約件数が多く、扱う額も大きいため、決算時期は激務であることが多いでしょう。


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20代が大手企業の経理へ転職するポイント

20代で大手企業の経理への転職するためのポイントは、第二新卒としてのアピールです。

第二新卒者の内定率は年々上昇しており、中小企業よりも大手企業のほうが、第二新卒者の内定率が高い傾向にあります。
大手企業は採用のハードルが高い印象ですが、中小企業に比べて採用人数が多い分、転職で目指すにも有利です。ただし、経理は営業などと比較すると、人の入れ替わりが少ないため、転職の難易度も高くなります。

そこで、他者との差別化を図るのにもっとも有力な方法は「資格」です
大手企業では日商簿記2級以上の知識は最低限必要とされ、業種によっては1級を取得したほうがよいケースもあります。
また、実務経験での具体的な業務内容を伝えることも重要です。経理はキャリアの流れが業種を問わず共通している部分が多いので、例えば決算の経験回数や携わっていた範囲を伝えるだけでも、採用担当者は応募者のスキルをある程度イメージできます。
第二新卒の場合、「仕訳を一通り切れる」「売掛金回収などに携わっていた」などの経験も選考のポイントになります。


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30代が大手企業の経理へ転職するポイント

次に、30代が大手企業の経理職に転職するポイントを見てみましょう。

ポテンシャル採用の可能性も高い20代と比較すると、30代は本人が持つ経験やスキルが選考のポイントになります。具体的には以下の4つの業務経験があれば高評価につながるでしょう。

・主計:単体決算だけでなく、有価証券報告書など開示書類の作成、国内や海外での連結決算と担当業務を拡大できれば、その分評価も高くなります。
・管理会計:一般に行われる「予算×結果」や「費用×利益」などの2軸からの分析だけでなく、4軸すべてでの分析ができれば高評価を得られます。
・財務:資金繰りは基本として、財務諸表の作成にどこまで携わっていたのかなども選考のポイントになります。またデットファイナンス(借り入れによる資金調達)やエクイティファイナンス(資本増加による資金調達)などを経験していれば、評価が高まる可能性があります。
・税務:会計事務所の助言をもとに決算業務が行えることが重要です。

30代の転職活動でも、20代と同様に経験やスキルのアピールには具体性が求められます。具体的な数値やエピソードをもとに、細かく伝えましょう。


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大手企業の経理へ転職する際に有利な資格

前述した通り、大手企業への転職を考える場合には資格の取得もおすすめです。
取得しておくと有利になるのは以下のような資格です。

簿記

転職に有利になる資格としてまずあげられるのは、簿記です。

簿記2級以上を必須条件や歓迎条件としている経理求人は多く見受けられます
ただし、簿記2級は取得者が多いため、差別化を図る必要があるでしょう

USCPA

USCPA(米国公認会計士)も大手企業への転職で有利といえます。
前述のとおり近年では、グローバル展開する大手企業が多いため、国際的な会計基準の知識と英語力の証明となるUSCPAは高く評価されます
特に、海外勤務を希望している場合などには、USCPAは必須だといえるでしょう。

TOEIC

TOEICの高得点も、大手企業への転職では有利になります。
経理と英語力の両方のスキルを併せ持つ人材は希少で、市場価値が高い人材です。
評価の対象となるのは700点以上となり、800点以上があれば高評価でしょう。


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大手企業の経理求人をご紹介

大手企業の経理求人をご紹介ここでは、弊社MS-Japanが提供する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」で取り扱っている大手企業の経理求人の一部をご紹介します。

東証プライム上場メーカーから経理スタッフ募集

業務内容
【業務内容】
・決算業務(月次・四半期・年次)
・固定資産・リース資産管理
・原価計算
・開示書類作成
・法人税、消費税等税務
・監査法人対応
・IT・DX等を活用した業務の効率化など
必要な経験・能力
・企業での経理業務
・日商簿記検定3級以上
想定年収
400万円 ~ 550万円

業界最大手の上場企業から経理募集※スマートワーク制度・在宅制度有

業務内容
【業務内容】
・事業部の経理業務
・本社経理
・連結決算 など
必要な経験・能力
下記いずれかに該当する方
・事業会社での経理実務経験がある方
・金融機関での勤務経験がある方
・日商簿記2級の資格をお持ちで、経理職にキャリアチェンジしたい方(※未経験可)
想定年収
350万円 ~ 600万円

大手インフラ企業より経理ポジションの将来的な管理職候補募集(未経験歓迎)

業務内容
【業務内容】
・日常経理業務
・決算業務(月次・四半期・年次)
・税務申告
・制度会計/財務業務 など
必要な経験・能力
・日商簿記2級以上または建設業経理士2級以上
想定年収
380万円 ~ 600万円

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大手企業の経理への転職事例

次に、「MS Agent」を利用して大手企業の経理へ転職成功させた方の事例をご紹介します。

会計事務所の経験を生かし大手企業経理に転職

20代男性
資格:簿記2級
転職前:会計事務所 年収350万円
転職後:大手上場企業 経理担当 年収400万円

会計事務所で4年ほど税務会計の業務に携わっていたAさんは、クライアントとして企業に関わるうち、企業内部の会計の流れやデータ分析、業績評価などに興味を持ち、より大きな企業で経理経験を積みたいと考えるようになりました。
転職を決意してから、AさんはオンラインでExcelを使ったデータ分析や財務報告の学習に取り組み、徹底的な自己分析も行いました。その甲斐あり、転職活動では自身の強みや、前職で得た経験を具体的にアピールできました。さらに新たにExcelのスキルを身に付けたことも、成長への意欲があると前向きに受け取られ、見事大手企業の経理部門に採用されました

中小企業から大手上場企業の経理へキャリアアップ

26歳男性
資格:簿記1級、TOEIC800点
転職前:中小企業 経理担当 年収350万
転職後:大手上場企業 経理担当 年収400万

Bさんは売上高20億円弱・従業員70名程度の中小企業で、経理担当として約2年従事し、月次・年次決算補助業務まで任されていました。しかし、将来的な不安や上場企業の会計に携わりたいという思いから、転職を決意しました。
Bさんの希望は東証プライム上場企業への転職でしたが、上場企業での経験が問われる求人も多いため、非上場企業の経験でも応募可能な上場企業であれば積極的に面接を受けていました。
最終的には、簿記1級やTOEIC800点という強みもポイントとなり、希望していた上場大手企業の採用を勝ち取りました。多くの企業での面接を経て、志望動機や自己のスキルを的確にアピールできるようになっていたことも有利に働きました

病院での経理経験を活かし上場企業へ転職

20代男性
転職前:病院 経理担当 年収400万円
転職後:大手上場企業 経理担当 年収450万円

Cさんは新卒で病院の経理担当として約5年間勤務してきましたが、より幅広く難易度の高い業務に携わりたいと、転職を決意しました。転職活動では、対象を事業会社にしぼり、柔軟な働き方とキャリアアップが両立可能であるという条件を重視して企業を探していたところ、活動を進めるうちに、開示資料の作成など上場企業ならではの業務内容にも興味を持つようになりました。
面接では、前職で自身が中心となりシステム導入を進めるなど、改善意識を持って業務に取り組んでいたことのほか、新たな領域への意欲についても積極的にアピールしました。
その結果、ご自身が希望する上場企業での内定を獲得しました。未経験の領域の中でも活かせるスキルや経験をアピールすることにより、コミュニケーション能力や挑戦意欲を評価してもらえた成功事例です


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まとめ

大手企業の経理への転職は、待遇面の改善や専門性の向上など、さまざまなメリットがあります
転職に際しては、自己分析やキャリアの棚卸しを通じた、自身のスキルや強みの把握が重要です。20代は第二新卒としてポテンシャル採用される可能性もありますが、30代になるとスキル・経験が問われるようになります。マネジメント経験や国際会計基準の理解、英語力などがあればしっかりアピールしましょう。
経理は分野が違っても共通する業務は多いため、どのような業務に携わっていたか具体的に伝えることが重要です。職務経歴書や面接では具体的な数値やエピソードを交えて詳細に伝えることを心がけましょう。

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この記事を監修した人

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を対象にこれまで3000名以上のカウンセリングを担当。現在は関東全域を対象に経理・財務・経営企画・CFO・公認会計士・税理士・税理士補助スタッフなどの会計系職種を幅広く担当。
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