経理の転職と年齢。 ミドル世代でも転職できる？

転職時に年齢がネックになるケースは多く、経験者を優遇する経理職もまた例外ではありません。
ただ、特別なスキルが求められるとは限らず、年齢相応のスキルや経験があるものと認められれば、ミドル世代でも十分転職は可能です。

多くの企業が転職者に期待するものには、具体的な実績にもとづいた実務経験やマネジメント能力などがあげられます。
この記事では、そんな経理の転職と年齢の関係性について、主にミドル世代に焦点を当ててご紹介します。

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経理の転職と年齢

経理職に限らず未経験の転職は、年齢が若い方が有利です。
30代以上であれば年齢に応じた実績が求められます。

未経験の転職は20代まで

経理未経験者が経理職への転職を志そうと思ったら、知識・経験を吸収しやすい年齢からスタートすることが望ましいでしょう。
日商簿記の資格など、独学で勉強・取得できる範囲までは、勉強しておいた方が転職に有利です。

それを踏まえた上で転職年齢の上限を考えると、やはり20代が妥当なところです。
しかし、人事・労務での給与計算など、前職において経理的な要素をもつ職務に従事した経験があれば、30代でもチャンスはあります。

経験者であれば30代～50代も転職できる

未経験者の30代以上にとってはハードルが高い経理への転職ですが、経験者の場合は、年齢に応じたスキルや実績が求められます。
決算や税務に関する実務経験や、課長職などでマネジメント経験を十分積んでいる人材なら、30～50代まで幅広く転職市場の門戸は開かれています。
ただし、大企業の場合、転職回数の多さはネックになる傾向が見られます。

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経理に転職成功させた年齢

管理部門に特化した転職エージェントMS Agentを利用した経理の転職者は、30代が最も多く、次いで40代、～20代、50代～となっています。

30代と言えば、ちょうど色々な仕事を覚えて人間的にも厚みが増してくる時期にあたり、仕事の面白さが次第に分かってくるタイミングでもあります。
同時に、変わらない現状に不満・不安を抱えやすく、新天地を求めて他社の門を叩こうと考えるのは、ある意味では自然な流れと言えるかもしれません。

40代になると、実務経験以上にマネジメント能力が求められる年代になるため、単なる実務スタッフが転職を検討するのは難しくなってきます。
ただ、マネジメントとは、必ずしも部下を率いて行ったプロジェクト経験だけを意味するものではないため、複数の部署と連携して業務の流れを大幅に改善したり、新しい会計ソフト・会計システムを導入したりと、前職において貢献が認められる何らかの実績があれば、その点をアピールする方法もあります。
いずれにせよ、40代で転職をあきらめるのは、時期尚早と言えるでしょう。

【参考URL】
・ 2020年の経理財務転職市場はどうなる？2019年データから予想！

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経理転職希望者の年代別決定年収

経理転職成功者の決定年収もみていきます。
経理・財務職への転職が成功した人の決定年収は、400～699万円が最も多く、次いで、700～999万円、399万円以下、1,000万円以上という結果になっています。

転職成功年齢だけを見る限り、30代は経理への転職に有利な年代と言えますが、同年代の中で決定年収に差が生じているのも事実です。
概ね30代は400～499万円が決定年収となっているケースが多く、年収700万円以上の転職を実現しているのは、公認会計士・税理士の有資格者や、高収益を出している企業への転職を成功させた一部の人材に限られています。

次に転職の成功例が多い40代でも、同じく年収に開きがあり、具体的には役職の有無で年収が左右する傾向にあります。
40代の決定年収は600～699万円という年収に集まっており、金額から鑑みて「役職者のポジションを目指せるかどうか」が、40代の転職が成功するかどうかの分かれ目になっているものと推察されます。

【参考URL】
・ 2020年の経理財務転職市場はどうなる？2019年データから予想！

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経理はミドル世代の転職が多い

各種データを見る限り、経理職への転職を成功させている年代は、30～40代のミドル世代が多いことが分かります。
経理部門は、基本的に毎月・毎年締日に追われ、忙しく仕事をこなしているセクションですから、どうしても即戦力を欲しがる傾向にあります。

そのような事情から、未経験者を一から教育しようと考えるよりも、速やかに現場に溶け込んでくれそうな人材を欲しがるのは否めません。
よって、ミドル世代のように、ある程度社会人・経理担当者として仕事をこなしてきて、コミュニケーションの勘所が分かる人材が採用されていきます。

一方で、ミドル世代だからといって、誰もが理想通りの転職を成功させているとは限らない点に注意が必要です。
キャリアアップを目的とした転職を成功させる場合、やはり役職経験や専門的なスキルの有無はどうしても問われることから、人によっては不本意な結果に終わることもあります。
経理職に転職を希望するミドル世代は、それを覚悟の上で転職活動に臨むことが大切です。

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まとめ

経理職はバックオフィス部門の中でも専門性が重視されるセクションのため、転職にあたっては、かつての「35歳限界説」のような年齢制限はありません。
その代わり、年齢相応の決定年収となるか、頭一つ抜け出すかは、当人のキャリアがモノをいうため、どれだけ転職する前の段階で真摯に仕事に取り組んでいたかが結果に直結します。

当然ながら、税理士・公認会計士資格を取得している人材であれば、Big4や外資系企業など、年収レンジが広いところで働ける可能性が高くなります。
また、ベンチャー企業などでIPO準備に携わった場合も、似たような状況で経験者を募集している企業がラブコールを送ってくれるかもしれません。

しかし、大手企業でプロジェクトリーダーを経験していても、転職先がその経験をそのまま個人の評価として考えるケースはほとんどありません。
スキルよりもマネジメント経験を重視してアピールポイントを構成するなど、広い視野を養った経験を伝えることが、ミドル世代の転職成功には有効に働くことでしょう。