2023年03月20日

会計事務所の仕事内容・スキル・働き方

管理部門・士業の転職

税理士や公認会計士が運営している会計事務所は、繁忙期もありますが比較的安定的に働くことができます。
クライアント対応以外にもデスクワークが苦にならない人にとっては、集中して仕事に取り組める環境も整っています。

この記事では会計事務所の仕事内容や働き方について解説しています。

会計事務所の仕事内容をわかりやすく解説!

会計事務所にはさまざまな仕事があります。
細かい仕事内容は、担当範囲や事務所の規模・特徴などによって大きく異なるため注意が必要です。
ここでは会計事務所の基本業務を解説します。


会計業務

月次決算などの会計業務、や記帳代行などの業務です。
「記帳代行」は、クライアントの代わりに会計ソフトへの入力業務を行う仕事であり、先方から送付される請求書などの資料をもとに、入力・仕訳作業を行っていきます。
決算期には年次決算を行い、税務申告の基になる業績を確定させます。


税務申告書の作成

税務申告書の作成は、会計事務所のもっとも重要な仕事内容です。
決算書をもとにして、税務申告書を作成し、管轄の税務署に提出します
申告書に不備があった場合など、税務調査が実施される場合は、立ち会いや不服申し立ての業務も担当します。

税務申告書の作成や各種業務の代行、税務に関する相談は、税理士のみ担当できる仕事です。
まさに会計事務所ならではの業務の一つといえます。


コンサルティング

会計事務所は、会計や税務に関するノウハウを蓄積しています。
そのため、専門的な知識を活用したコンサルティング業務を行っているところもあります。

会計事務所に在籍しているメンバーや資格者の状況、保有するノウハウによってコンサルティングメニューも異なります。


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会計事務所で税理士が任される仕事内容とは

会計事務所に所属している人の中でも、特に税理士が任される仕事内容が気になる方も多いでしょう。
ここでは、税理士の仕事内容にフォーカスして解説します。


独占業務

税理士の仕事内容として押さえておきたいのが、「独占業務」です。税理士法によって定められており、税理士だけが行える業務となっています。
具体的には、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の三つです。

税務代理は、文字通り、所得税や法人税などの申告を代理で行うことです。
先ほども触れたように、税務調査が入った場合は、納税者の代わりに対応します。

税務書類の作成は、税金の申告に必要な書類を作ることです。
確定申告や年次決算などの書類を作成します。

税務相談は、税金の申告など、クライアントの相談に対応することです。
こちらも、税理士資格を持った税理士にのみ認められている独占業務に該当します。


独占業務以外の仕事内容

税理士には、独占業務以外の仕事もあります。
たとえば、クライアントの会計に関する業務のサポートです。

税務書類を作成するためには、その根拠となるデータが必要です。
データをどのように用意するかというと、毎日の記帳を行い、月次や年次の決算書を作成する必要があります。

しかし、毎日の記帳や決算書の作成は、会計に関する専門的な知識が必要です。
社内のリソースだけで対応できない場合は、税理士がその業務をサポートするケースもあります。
有価証券報告書など、上場企業ならではの書類にも対応しています。

【参考URL】
税理士とは?仕事内容や想定されるキャリア


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税理士ではない場合、会計事務所でどのような仕事ができる?

税理士などの資格を持っていない場合、独占業務を担当することができません。
しかし、税理士ではない場合であっても、会計事務所で仕事ができます。
具体的には以下の通りです。


記帳・給与計算・年末調整の代行

有資格ではない従業員が担当しやすいのは、記帳代行などの作業になります。
先ほども触れたように、記帳とは、日々の取引を記録することです。
最近では会計ソフトに入力するのが一般的です。
この入力作業を、有資格ではない従業員が行います。

領収書や請求書、契約書などに記載された数値を打ち込むので、「誰にでもできるのではないか?」と考える方もいるかもしれません。
しかし会計ソフトの入力は、「複式簿記」の形式を用いるため、簿記に関する専門的な知識が必要となります。

また、給与計算や年末調整などの代行も、記帳と並行して行われることがあります。


決算業務

記帳代行と同じように、決算業務を担当するケースも多くあります。
決算業務とは、「決算書」を作成することです。
貸借対照表や損益計算書など、事業年度の総まとめとなる書類を作ります。

決算業務は、記帳代行の延長ともいうべき仕事内容であり、簿記の専門知識が必要です。
1人で作業をするのではなく、複数の担当者を作って分担するのが一般的となっています。


一般的な事務作業

内勤として勤務される方は、クライアントの対応だけでなく、会計事務所内での会計・税務以外の電話応対や来客対応、郵便物の発送などの業務も担当となります。

【参考URL】
未経験・資格なしでも会計事務所で働くには?


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会計事務所で公認会計士が任される仕事内容とは

会計事務所では、税理士のほかにも、公認会計士が在籍しています。
税理士と同じように、公認会計士にも独占業務が認められているため、詳しい仕事内容をチェックしておきましょう。


監査

公認会計士に認められている独占業務は、「財務諸表監査」です。
監査とは、企業が作成した財務諸表がしっかりと作られているかどうかを第三者視点で確認する作業です。
そのため、公認会計士のキャリアとしては、監査法人を選択する人が多くなっています。

最も一般的な監査は、法令等の規定によって義務付けられている「法定監査」です。
場企業や大企業から依頼を受けて監査を実施するのは、こちらに該当します。
また法定監査以外の監査や、海外企業の日本支店の監査など、国際色の強い業務もあります。


税務

公認会計士は、税理士登録をして税務を担当することもあります。
税理士と同じように、税務書類の作成や申告・不服申し立てなどの業務を行い、クライアントをサポートするという仕事内容です。

企業再編や連結納税制度、タックスヘイブン税制など、税金を取り巻く問題はさまざまです。
こうしたシチュエーションに合わせて、クライアントの相談に乗ることもあります。


コンサルティング

会計において専門性の高い知識を活かして、コンサルティング業務を担当する人もいます。
経営戦略の立案や実行支援、M&A、IFRS(国際財務報告基準)に関する相談など、幅広いコンサルティングに対応しています。

【参考URL】
公認会計士の就職先別仕事内容。これからの時代に身につけたいスキルも紹介!


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会計事務所で取得できるスキルとは

会計事務所の業務は、クライアントの経営の根幹である資金の流れを数字で正確に把握しクライアントに共有する技術職と言えます。
会計事務所の就職にあたって、事前に簿記などの資格を取得していたほうが有利です。

また、会計事務所で働くことによって磨かれるスキルもあります。
代表的なものとして、会計帳簿作成の補助を業務として反復することで、会計への理解や簿記のスキルが引き上がっていく点が挙げられます。

たとえば、簿記2級の資格で就職したスタッフが、日々の業務の中で実践的に会計をこなしていくうちに、慣れることにより業務処理のスピードが上がったり、会計のコツや核心を掴んだりすることにより、より難易度の高い業務に携わることが出来るようになります。

また、会計税務以外にも表計算ソフト(マイクロソフト社のエクセルなど)のマクロを組んで処理を自動化するなど、会計事務所の業務効率化に貢献するケースもあります。
そういったことからMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)の資格取得にチャレンジする人もいますし、その知識は重宝される事も多いです。


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税理士や一般企業経理へのキャリアステップにつながる

税理士補助として会計事務所で勤続していても、対応可能な業務領域が変わらなければ給与が大幅に上がることは望みにくい環境にあります。
よって、会計事務所の中でキャリアアップを図るのであれば、対応可能な業務領域を広げるか、税理士資格の取得を目指すのが王道です。

税理士試験は、官報合格を果たすまでに歩むべき道のりは決して平坦なものではありません。
税理士試験は最終的に会計2科目、税法3科目の合格(一部免除制度あり)が必要となります。
また、税理士試験には「科目合格制度」がありますので一度合格した科目は経過年数に関係なく科目合格が保有される特徴があります。
よって、毎年1回のチャンスに全科目で一定水準を超えなければならない一般的な国家試験と異なり、社会人が働きながら数カ年計画で合格を目指せるしくみになっているのです。


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会計事務所での働き方

会計事務所では、実務と税理士や公認会計士の資格取得の両立を目指しながら働く方や、資格取得はせずに実務重視で働く方、パートやアルバイトとして簡単な業務に従事しワークライフバランスを重視するといった働き方もできます。

自分の目的に合わせた働き方ができるのは、会計事務所が持つ特徴の一つです。


税理士や公認会計士の勉強をしながら働く

税理士を目指している人が、会計事務所で税務士補助として働きながら勉強するというケースは多いです。
税理士として登録するには、税理士試験に合格することに加えて、租税または会計に関する実務経験を2年以上積む必要があります。
実務経験を積むのは試験合格の前でも後のどちらでも構わないため、試験勉強をしながら税理士補助として働くことで、資格要件の実務経験期間を満たせるのです。
もし2年以上実務経験を積んでから試験に合格すれば、そのまますぐに税理士として登録、活動できます。

また、公認会計士試験の勉強をしながら会計事務所で働く人もいます。
公認会計士試験は一般的に、在学中や卒業後終業せずに専門学校に通いながら合格を目指す人は多いです。
しかし、金融庁の「令和元年公認会計士試験の合格発表の概要について」によると、全合格者のうち6.2%の職業が、会計事務所での勤務を含む「会社員」とされており就業しながら取得する方も少ないながらいらっしゃいます。


パートやアルバイトとして働く

会計事務所は、パートやアルバイトとして働くこともできます。

会計事務所でパートやアルバイトが行う業務としては、月次処理や給与計算、領収書の整理、電話応対などが一般的です。
月次処理とは、顧客の売上や仕入れ、領収書を仕分けしてパソコンに入力する作業のことをいいます。
作業自体は慣れれば誰でもこなすことができ、しかも毎月大量の件数が発生するため、パソコンに入力する作業をアルバイト・パートに任せるケースは多いです。

顧客企業の給与計算や領収書整理なども、特に資格がなくても従事できます。
ただ、日商簿記の3級もしくは2級を持っていると、スムーズに業務を行えるでしょう。


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会計事務所で働くためには

正規の職員として就職する場合、20代であれば未経験でも採用されるケースが多いです。
近年、会計事務所は人手不足となっていて、売り手市場の状況が続いています。若いうちであれば、就職後に知識・スキルを身につけることが期待できるので、未経験・新卒・第二新卒などでも就職先は見つけやすいです。
最低限の知識として日商簿記2級を取得しておくと、より就職しやすくなるでしょう。

一方、30代以上になると、未経験無資格だと会計事務所への就職は20代と比べ難しいといえます。
この年代になると、即戦力となる有資格者・経験者を採用する傾向が強まるからです。
30代以上で会計事務所に就職・転職を目指すなら、資格(科目合格含む)か会計事務所の業務に類似した実務経験のどちらかが必要になるでしょう。

また、会計事務所未経験として入社する場合に評価される実務経験としては、一般企業での経理経験、金融機関での渉外経験、営業などの対外折衝経験などになります。


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会計事務所の繁忙期はいつ?

会計事務所の繁忙期はいつ?

会計事務所の繁忙期には、いくつかの種類があります。
事務所がどのような業務に対応しているのかによって、繁忙期が若干異なる可能性もあるため、注意しましょう。


2月中旬から3月中旬

会計事務所の繁忙期としてよく挙げられるのが、2月から3月です。
この期間は「確定申告」の時期と重なります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、申告時期が延長された年もありましたが、「申告する年の翌年2月16日から3月15日」が一般的です。

個人で確定申告をする人が、会計事務所に相談をするケースが急増するため、それに伴って従業員1人当たりの作業量も増大します。
普段残業がほとんどなかったとしても、「確定申告の時期だけは残業、休日出勤あり」となる可能性が高いでしょう。


4月から5月

4月から5月も、3月決算・5月申告として繁忙期になる場合が多いです。

ただし個人の確定申告と異なり、会社の決算期は3月だけではありません。
9月や12月などを決算月としている企業もあります。


12月から1月

12月から1月は年末調整の代行を行っているばあい繁忙になります。
年末調整代行や法定調書、給与支払報告書などの各種書類を作成するなど、さまざまな業務を担当しなければなりません。


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まとめ

会計事務所は、税理士や公認会計士が運営する事務所であり、事務所と契約を結ぶクライアントの会計・税務を中心とした幅広い業務に携わっており、企業にとっては無くてはならない存在となります。
税理士には独占業務がありますので、資格がないスタッフは税理士のサポートを行います。
処遇アップのためには税理士取得したり、業務の幅を広げていく必要があります。

資格が無くともコンサルティングを中心に行い好待遇で働いている方も多く存在します。
また、税理士を目指す方も「科目合格制度」がありので、ご自身のペースで資格取得が可能なのでおすすめです。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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