2024年05月31日

弁護士と司法書士の違いとは?仕事内容や働き方、試験の合格率などを比較

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弁護士と司法書士は法律の専門家として知られていますが、業務内容や必要となる資格試験の内容などは大きく異なります。将来的に必要な資格を取得してどちらかの専門職として活躍したいと考えている方は、まず両者の違いについて明確に理解しておくのが望ましいです。
そこで今回は、弁護士と司法書士の違いについて、仕事内容や資格試験の内容とその難易度などについて詳しく解説します。

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弁護士と司法書士の仕事内容の違い

身近に起こり得る法律案件に関して、弁護士と司法書士の対応可能範囲の違いまとめると、以下のようになります。

項目 弁護士 司法書士
各種法律相談 不可
他の相続人に対する遺産分割交渉、裁判手続きの代理 不可
損害賠償(交通事故等)の示談交渉、裁判手続きの代理 請求額140万円までなら対応可能(認定司法書士)
離婚条件の交渉や調停、裁判手続きの代理 不可
破産・債務整理の手続きの代理 不可
各種強制執行手続きの代理 請求額140万円までの少額訴訟債権の執行のみ対応可能(認定司法書士)

弁護士はあらゆる法律案件に対応できる法の専門家です。法廷での業務、紛争を予防・解決して人権を擁護する活動、立法や制度の運用改善に関連する活動など、社会のあらゆる場面で活躍しています。

日常生活に関わるところでは、交通事故等の示談交渉、離婚、相続、破産に関わる事件(ここでいう「事件」とは、法律上の権利義務に関わる争い・疑義を含む案件、もしくは新たな権利義務関係が発生する案件・契約を意味します)の解決に向けた対応、さらに各事件における裁判手続きの代理も行えます。

一方、司法書士は土地や建物の登記、商業登記、裁判業務における書類作成など、公的機関に提出する書類作成が主な業務内容です。弁護士とは異なり、原則として法律行為の代理はもちろん、法律相談も認められていません。

ただし、法務大臣の認定を受けた認定司法書士(司法書士資格の保有者のうち、さらに特別な研修を受けて認定考査に合格した人)であれば、金額が140万円を超えない事件については、例外的に簡易裁判所の訴訟代理権の付与が可能です。しかし対応できるのは簡易裁判所で扱われる事件のみで、家庭裁判所の対象である離婚事件や相続事件、地方裁判所の対象である破産事件などは対応できません。

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弁護士と司法書士の働き方の違い

弁護士と司法書士の勤務先には、以下のような違いがあります。

弁護士の勤務先

法律事務所

民事系、刑事系、企業法務系など法律事務所によって扱う案件や強みが異なるので、どの事務所に属するかによって仕事内容が変わってきます。ただし法律事務所である限り、さまざまなクライアントから依頼を受けて法律業務を行って、事務所から報酬を受け取る点は共通しています。

五大法律事務所や大手法律事務所は待遇がいいものの就職難易度は高く、中小事務所は報酬こそ下がりますが、大手と比較して就職・転職がしやすいです。

一般企業

企業に勤務する弁護士は、企業内弁護士やインハウスローヤーとも呼ばれます。一般的には法律事務所などに比べると給与水準が下がる可能性もあります。しかし、企業のビジネスに当事者として参加できるという点でのやりがいがあり、大手企業であればワークライフバランスや福利厚生の面も手厚いです。

金融機関

金融機関も企業であるので、正確には企業内弁護士・インハウスローヤーです。ただし業務内容に違いがあり、金融機関に勤務する弁護士は、金融商品取引法の知識、不動産証券化、キャピタルマーケッツなどの経験を活かした金融法務の仕事を主に担当します。法務部門のようなバックオフィスのみならず、投資銀行部門などのフロントオフィスで活躍している弁護士もいます。

その他

弁護士経験が3年以上であれば「弁護士任官」として裁判官の道を目指すこともできます。弁護士業務を通して人権感覚の習得、経済に対する感性、弁護士の立場から見た裁判官に対する見解、といった特性を身に付け、それを裁判官業務で活かすことが求められます。 なお、弁護士経験が10年未満の場合は、修習生時代の成績も裁判官への転職時に考慮されます。

同様に弁護士を対象とした検事採用選考をパスすれば、弁護士から検察官にもなれます。採用対象となるのは弁護士経験が3~15年程度の人で、弁護士としての経験はもちろん、司法修習時の成績、新司法試験合格者は法科大学院時代の成績も審査の対象です。

司法書士の勤務先

司法書士事務所

司法書士試験に合格した多くの人は、司法書士事務所で経験を積むのが一般的です。将来的に独立開業を目指す人も、司法書士事務所での勤務を経てからチャレンジするのが通例といえます。

実際の業務範囲は、司法書士事務所の規模によって変わります。

なお、司法書士事務所で行う業務の大半は弁護士でも行えますが、弁護士は基本的に、弁護士にしかできない案件を扱う法律事務所に勤務します。「事務所」勤務となる場合、弁護士は法律事務所、司法書士は司法書士事務所が勤務先であるケースがほとんどです。

一般企業

司法書士事務所で経験を積んだのち、転職先として人気があるのが一般企業の企業法務です。その理由としては、司法書士事務所に比べてワークライフバランスが整いやすいこと、大手企業であれば司法書士事務所よりも年収がアップすること、などが挙げられます。また、司法書士事務所では登記事務がメインの業務となりがちですが、企業法務であればビジネスに関わる幅広い法務に取り組むことができ、キャリアに幅をもたせることも可能です。

一般企業が勤務先となるのは、弁護士、司法書士に共通しています。ただし司法書士が行える法律関連の業務は限られているのに対し、弁護士はあらゆる法律事務に携わることができます。この点の違いは、企業法務で任される仕事の内容、年収・待遇の違いをもたらします。

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弁護士と司法書士になるまでの流れの違い

弁護士と司法書士になるまでの流れの違い弁護士、司法書士になるまでの主な流れは、以下の通りです。

弁護士になるまでの流れ

司法試験の受験資格を満たす

司法試験の受験資格を得るには「司法予備試験合格ルート」「法科大学院修了ルート」の2つの方法があります。

司法予備試験は受験資格が特に設けられていないため、高校生でも受験可能です。実際2021年度試験では、17歳の高校生が合格しています。しかし合格しやすいわけではなく、合格率は3%前後で、勉強時間は3,000~1万時間必要であるともいわれています。

法科大学院修了者は司法試験予備試験を受けなくても司法試験への受験資格を得られます。ただし大学院に最低2年通学することになり、学部卒の資格も必要で、学費もかかります。

司法試験に合格する

司法予備試験合格者、法科大学院修了者を対象に実施される「司法試験」は、直近では合格率45%ほどで、国家試験にしては高めの合格率ですが、受験者がそもそも予備試験合格者もしくは法科大学院修了(見込み)生のため、受験者のレベルが非常に高いことが要因です。
司法試験合格のための勉強時間は、司法予備試験合格者だと1,000時間、法科大学院修了者だと2,000~3,000時間の勉強時間が必要といわれています。

司法修習を修了する

弁護士になるには、司法試験に合格後、司法修習を修了する必要があります。司法修習の期間は1年間で、導入修習、実務修習、集合修習の3つの修習を受けます。このうち導入修習と集合修習は埼玉県和光市にある司法研修所で実施され、「いずみ寮」と呼ばれる専用の寮に入寮するのが通例です。全国各地で実施される実務修習は、自宅・実家から離れた場所に配属されることが多いため、修習先でマンションを借りるなどして取り組みます。

司法書士になるまでの流れ

司法書士試験に合格する

司法書士試験は司法予備試験と同じく、受験資格がありません。受験科目は憲法、刑法、民法、商法および会社法、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、民事執行法、供託法、司法書士法、民事保全法の11科目で構成されています。このうち不動産登記法と商業登記法は記述式問題で、それ以外は択一式問題です。

合格率は3~5%程度で、国家試験の中でも難易度が高い試験といわれています。合格までの総学習時間は3,000時間ほどといわれています。

研修を受ける

司法書士試験に合格したら、日本司法書士連合会もしくは各司法書士会などが主催する「新人研修」を受講します。研修期間はおおむね12月~翌3月までの間です。

登録する

新人研修が修了したら、所属する司法書士会を通して、司法書士名簿に登録します。登録を終えたら、司法書士としての業務が可能です。

司法試験と司法書士試験の合格率・難易度の違い

司法試験の合格率は30~40%、司法書士試験の合格率は3~5%です。令和5年の合格率は司法試験が45.3%、司法書士が5.2%でした。司法試験の方が合格率は高めですが、司法試験の受験資格を得るには、合格率が3%前後の司法予備試験をパスするか、法科大学院の入学試験に合格して修了する必要があります。

一般的な学習時間で見ると、司法試験の場合では司法予備試験ルートだと司法予備試験の合格までに3,000~1万時間で、それから司法試験のための対策としてさらに1,000時間の学習が必要といわれています。法科大学院ルートだと、大学院で毎日演習・講義の予習をしながら通学し、必要な単位数を取って修了・卒業した上で、司法試験合格のために2,000~3,000時間の学習時間を必要とします。

一方、司法書士試験の場合だと受験資格はなく、合格までの総学習時間は3,000時間ほどといわれています。

これらを踏まえると、司法書士試験も難関であることには変わりありませんが、総合的に見て司法試験の方が難易度は高いといえます。

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まとめ

弁護士と司法書士は、どちらも国家資格です。弁護士があらゆる法律業務に従事できるのに対して、司法書士は弁護士が行き届かない業務を補う仕事が中心であり、司法書士法で定められた範囲内での業務にのみ取り組みます。

試験の難易度も司法試験の方が高めです。しかし司法書士試験も難関であるのは間違いなく、人生・将来をかけて勉強に取り組む必要があります。

これまでの内容を理解した上で、どちらの資格取得を目指すのか参考にしてください。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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