弁護士に向いている人の特徴・性格は?



弁護士を目指すにあたり、「弁護士に向いているのはどのような人?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
法律の専門家として活躍するために必要な資質について把握することで、自分が弁護士に向いているのかを客観的に判断しやすくなります。
そこで、本記事は弁護士の仕事内容に触れながら、弁護士に向いている人・向いていない人の特徴を詳しくまとめました。
また、弁護士になるまでの流れについてもあわせてご紹介します。
弁護士の役割と仕事内容
まず、弁護士の役割と仕事内容を押さえておきましょう。
弁護士の役割
弁護士法第1条第1項において、弁護士の使命は「基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること」と定められています。
この使命を果たすために、弁護士は依頼者が直面している法律トラブルを解決に導いたり、法律問題が発生しないように予防策を講じたりすることが弁護士の大きな役割です。
弁護士の仕事内容
弁護士の仕事内容は、勤務先が取り扱っている業務の種類によって大きく異なります。
ここでは「民事事件に関する業務」「刑事事件に関する業務」「企業法務」の3つに分け、それぞれの仕事内容を詳しくまとめました。
民事事件に関する業務
民事事件とは、個人や企業が日常生活やビジネスシーンで直面するさまざまな法的トラブルのことです。
離婚問題や相続問題、労働問題、債権回収、債務整理、交通事故など多岐にわたり、弁護士は案件の状況に応じて法律相談や和解・示談交渉、調停・仲裁手続き、訴訟活動、行政庁に対する不服申立てといった業務を行います。
刑事事件に関する業務
刑事事件とは警察が介入し、刑法上の犯罪が対象となる事件を指し、被疑者や被告人の弁護活動を行うことが弁護士の重要な任務です。
被疑者や被告人の権利を守り、公正な裁判を受けさせる役割を担っているため、被疑者や被告人に有利な証拠を収集・主張したり、違法な取り調べや不当な証拠収集が行われないように監視したりします。
また、場合によっては、検察官と交渉し、罪を認める代わりに軽い刑を求めるなどの和解交渉を行うこともあります。
企業法務
企業法務に従事する弁護士の仕事内容は、企業の法的リスクを管理し、ビジネス活動を円滑に進めるためのサポートを提供することです。
主に紛争を解決へと導く「臨床法務」、法的なトラブルの発生を未然に回避する「予防法務」、法務戦略を立案・実行する「戦略法務」の3つの業務を行います。
弁護士に向いている人の特徴
弁護士のタイプは人それぞれであり、弁護士はこうでなくてはならないという性格はありませんが、弁護士の適性を挙げるとすれば以下のような人です。
人のために働くことができる
弁護士は、公務員などの公人ではなく私人でありながら、依頼人や社会のために働くといった公人に近い精神が必要です。
依頼人のために働き、役に立つ行動を取ることが基本ですので、時には自分の利益を度外視することもあるからです。
また、依頼人の立場に立って物事を考えなければならないので、人の痛みや気持ちを理解しようとすることも大切です。
法の下に平等であるという精神を崩さないこと
弁護士は基本的に依頼人の利益のために働きますが、同時に法の下では全ての人が平等であるという精神を守る必要があります。
依頼人の立場や状況がどのようなものであれ、依頼人とその相手方の間では中立の立場を取らなければなりません。
社会的弱者に対して手をさしのべることも必要ですが、あくまで法律に基づいてのことです。
依頼された案件が法律のどの箇所に該当し、可能な限り円満に解決できる方法へ導いてあげることが弁護士の役割です。
人に興味があり、人の話を聞くことができる人
弁護士の業務は、依頼者から相談を受けることから始まります。
一般的な会社員よりもさまざまな人と話す機会が多いでしょう。
初回相談時に、相談内容から問題の全体像を描き出さなくてはなりません。
そのためには、さらなる問題点を探るために依頼者に質問をすることもあるので、まずは依頼者に興味を持ち、上手く話を引き出す会話力が大事です。
依頼者だけでなく、法廷に立って弁護をし、調停の場では相手方と交渉を行うこともあるので、交渉力も時には必要です。
そのため、人と会話をすること自体が苦手、という人はコミュニケーション能力や交渉術の習得にチャレンジしてみるとよいでしょう。
とはいっても、ただ上手く話せば良いというわけではありません。
少しくらい話下手でも、誠実に相手の話を聞き対話をしようとする姿勢が大切です。
じっくり物事を考えることができる
弁護士の仕事は、法的知識があるだけでこなせるものではありません。
似たような案件でも依頼者が異なれば解決法も異なります。
そのため知識や経験に基づいてすぐに答えを出すのではなく、さまざまな角度から案件について検討し、ベストな答えを導き出さなければいけません。
一人でじっくり物事を考え抜くことができる人、そのことが苦にならない人が弁護士に向いているといえるでしょう。
トラブルに動じない
弁護士業務には揉め事がつきものです。
相手方だけでなく結果によっては依頼者から恨みをかい、第三者から中傷されることもあります。
弁護士は基本的に紛争の間に立つ仕事です。
よって「この業務に揉め事は当たり前」と割り切り、トラブルが起きても動じず、あまり気にしないことです。
同時に「何事も今後の経験のため」と考え、気持ちを上手に切り替えられる人がよいでしょう。
弁護士は、依頼者の人生を左右する権利や財産、時には生命を託されることもあります。
そのようなハードな案件を扱う時は、当然精神的負担が強いられます。
弁護士はプレッシャーに打ち勝つ強い精神力も必要な職業です。
自分の理想を持ち続けながら仕事ができる
弁護士を志す人は、なぜ弁護士になりたいと思ったのでしょうか。
法学部やロースクールに入学し、最難関の司法試験に合格するために並大抵の努力が必要となることはご存じのとおりです。
しかし、弁護士になってからが本当のスタートであり、実務は更なる困難の連続です。
理想や思い描いていた世界と現実があまりにも異なり、勉強だけをしている日々の方が楽だと思うこともあるかもしれません。
弁護士に向いていない人の特徴
上記のような人が弁護士に向いている一方で、下記に当てはまる人は「弁護士に向いていない」と言われることが多いです。
忍耐力に自信がない人
まず、弁護士を目指すには司法試験や予備試験といった難関試験を突破しなければならず、長期間の学習を必要とします。
忍耐力に自信がない人にとっては、弁護士を目指す道は困難に感じられるでしょう。
また、弁護士の仕事においては重要な案件や難解な問題に直面することが多く、高いプレッシャーがかかることから精神的な強さが求められます。
さらに繁忙期には長時間の勤務が続く場合もあるなど肉体的にハードな面もあるため、タフな人のほうが長く続けられるでしょう。
責任が重い仕事をしたくない人
弁護士はクライアントの法的な問題を解決したり、重大な決定をサポートしたりするやりがいの大きい仕事ですが、その分、重い責任を伴います。
弁護士のアドバイスや行動がクライアントの人生やビジネスを左右するため、そういった責任の重さに抵抗がある場合は他の職業のほうが適しているかもしれません。
マルチタスクが苦手な人
弁護士の仕事においては複数の案件を同時並行で進行することが多く、スケジュール管理能力や仕事ごとの切り替えの早さが求められます。
そのため、マルチタスクが苦手な場合は案件を上手くこなすことが難しく、業務の大変さを感じることが多いでしょう。
弁護士になるには
ここでは、弁護士になるまでの流れについて解説します。
弁護士として働くまでにどのようなステップを踏む必要があるのか、事前にしっかりと押さえておきましょう。
1.法科大学院(ロースクール)に進学する、または予備試験に合格する
まず、法科大学院に進学するか、司法試験の予備試験に合格するかのどちらかの方法で司法試験に受験資格を得ます。
法科大学院とは法曹(弁護士、裁判官、検察官)を養成するための専門職大学院のことで、高度な法律の知識や実務に関するスキルを学ぶことが可能です。
通常は3年間のカリキュラムですが、法学部出身者向けに2年間の短期プログラムを用意している学校もあります。
法科大学院に進学せずに司法試験を受験したい場合は、予備試験の合格を目指しましょう。合格のハードルは非常に高いですが、独学で挑戦できることから経済的な負担が軽減されるほか、働きながらでも合格を目指せることも魅力のひとつです。
2.司法試験の受験
法科大学院修了後または予備試験合格後、司法試験を受験します。
司法試験は非常に難易度が高いことで知られており、例年10~20%ほどの合格率で推移しています。
3.司法修習
司法試験に合格すると、司法修習生として1年間の実務研修を受けます。
司法修習には導入修習・選択修習・実務修習・集合修習の4つの段階があり、この期間中に弁護士としての実務経験を積みます。
4.弁護士登録
司法修習を修了すると、日本弁護士連合会に弁護士登録を申請することが可能です。
登録完了後、正式に弁護士として活動できるようになります。
まとめ
弁護士の仕事はクライアントの人生やビジネスに大きな影響を与えることから、人のために働くことができる人や責任感がある人、トラブルに動じず忍耐強い人などが向いています。
弁護士になることを目指している方は、ぜひ司法試験の勉強とともにこういった資質を磨くことにも力を入れるとよいでしょう。
弁護士の勤務先や年収、ワークスタイルなどについて興味をお持ちの場合は、弁護士の求人案件を多数取り扱っているMS-Japanの求人情報に注目してみてください。
実際の求人データからも弁護士のやりがいや魅力などを読み解くことができ、ご自身に向いている仕事かどうかの判断材料になるでしょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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