無資格法務部員の仕事はなくなるのか? 企業内弁護士との関係は?

弁護士
2019/11/29

無資格法務部員の仕事はなくなるのか? 企業内弁護士との関係は?

現代における法務職の採用傾向として、法務担当者にも「資格」を求める傾向が強まっている。
比較的大きな法務部を擁する会社では、司法試験合格者(司法修習生)を採用する方針を打ち出しているところもあり、求人を出して企業内弁護士を探すよりもかえって効率の良い方法かもしれない。

大手企業では過去に、新卒の中で幹部候補となる人材を法務部門に配置して育成するため、弁護士資格を持たない法務が一般的でした。
また、多くの弁護士は法律事務所で働くことが一般的でしたが、最近は欧米同様に企業で働くいわゆるインハウスローヤーが右肩上がりで増加しています。
今後、弁護士資格を持たない法務職にとっては、担当業務の振り分け、昇給・昇格や転職などで不利になることも念頭においておく必要がありそうです。
そんな中で、何か明るい兆しはあるのでしょうか。


企業内弁護士のニーズは拡大傾向?

企業内弁護士の注目度が高まっている。組織内弁護士、インハウスローヤーとその呼び名は企業により違うが、様々な業界で彼らを採用する動きが活発になっている。
2019年の登録弁護士総数は41,095人。そのうち企業内弁護士は5.9%を占める(日本組織内弁護士協会)。
企業内弁護士が活躍する欧米諸国に比べるとまだ少ないが、国内でも着実に広がりを見せつつある。
ロースクール生や司法修習生の間でも将来の進路として企業内弁護士を選択肢に入れることが普通になってきているという。
業界、企業により企業内弁護士に求められる能力は異なるが、大企業を中心に根付き始めた企業内弁護士には国際契約における交渉や資料作成といったグローバルな視点が必要になる。

弁護士と無資格法務部員の関係は?

企業内弁護士となった場合、幅広い分野の法律や、国境をこえたコミュニケーションなど、弁護士資格を持たない法務部員は経験しえない業務に携わる機会が出てくるかもしれない。
企業内弁護士といえば新人弁護士が修習終了後、入社してくるというイメージが強いが、決してそれだけではない。経験豊富な弁護士の転職も目立つ。
企業は新人、法律事務所で経験を積んだ弁護士の採用に積極的であり、企業内弁護士は着実に増えていくことだろう。

そこで問題になるのが無資格で働いてきた法務部員の存在だ。法務部の社員は契約法務、コンプライアンス指導、紛争法務における顧問弁護士への対応など、無資格であるが企業の中枢部門で働く社員として存在意義を持ってきた。
しかし、企業が直接弁護士をかかえるようになると、法務部員と業務をどのように分担するかといった課題が浮上してくる。

法務人材は不足している

そもそも、企業法務に精通する人材が不足している傾向にある。
単純に自社の業種に関連する法律に精通していれば仕事が成立するとは限らず、柔軟な思考能力・関係部署との調整など、一つの問題に対して幅広い視点・役割を求められるからだ。

法律に関する国家資格の最難関は、言わずもがな弁護士だ。
しかし、近年、司法試験の受験者は減ってきており、それに伴い新規の弁護士の数も減少している。
間接的ではあるが、法律系で比較的難易度の低い資格が登場しているのが、その傾向を顕著に表している。
要するに、司法試験は無理でも他の資格に合格すれば多少ハクが付く、というわけだ。

ただ、法務担当者が欲しいのは、資格云々よりも「仕事ができる人材」である。
それを見つけるのが難しいなら、せめてポテンシャルの高い人材を先に見つけておこうという思惑が働くのも無理はないだろう。
こうして、修了後の司法修習生という新たな金の卵を、企業の側が求める傾向が生まれたものと推察される。

無資格・未経験でも企業法務で働ける!

法務職の転職市場で見られる、司法修習生採用が活発になれば、若手を筆頭に法務職としての採用が有利になるだろう。
企業内弁護士は依然として企業法務における重要な位置を占めるが、それだけで幅広い法務の仕事全てをこなすのは、人員の数から考えて無理がある。

よって、仮に法律系の国家資格を持っていない人材であっても、法務職未経験であっても、企業のニーズを満たす人材と判断されれば採用される可能性は十分考えられる。
法科大学院修了生・法学部卒であるなら、法律に関する基本的な知識は備えているものと判断されるケースも少なくない。

そもそも、社員として企業法務に採用される場合、企業内弁護士と異なりキャリアパスが幅広い。
ある分野のスペシャリストになるか、法務部門のマネジメントに携わるのか、あるいは別の部門に異動するのかなど、経営陣が配置を自由に決められる柔軟性がある。
専門家には専門家の領分があり、社員には社員の領分があるのだ。

経験は資格以上に武器となる

法務職の職務を求められる事業規模は、業種によっても異なるが、比較的大手企業が目立つ。
しかし、急成長を遂げた企業の中には、内部組織がまとまらない中で上場を目指しているなど、法務のスキルを必要とする事情があることも珍しくない。

もちろん、採用の段階で法務経験者・法律に聡い人材を採用したいという思惑はあるものの、そもそもきちんとした「法務部」自体がない状況だから、必ずしも法務の仕事ばかりを振れるわけではない。
数多ある雑務をこなしつつ、法務の体制を構築することを求められる会社もあるのだ。

そのような状況になると、やはり単純なスキル勝負ではなく、与えられた仕事に対してひたむきに取り組む姿勢が重要視される。
また、常人にはなかなかできない経験を積むこともできるため、無資格でも企業法務として活躍するステージは用意されていると言えるだろう。

無資格であったとしても、前職における法務としての経験が採用条件を満たすものであるなら、大手企業は業務の勝手が分かっている人材として採用することも多い。
中途採用者にとって、経験は資格以上に大きな武器となることを押さえておきたい。

まとめ

以上、無資格法務でも企業法務として働けるかどうかについて、明るい材料をまとめてみた。
司法試験合格者・司法修習生のブランドは大きな光を放っているが、法科大学院修了生や法学部卒といったポテンシャルを評価する企業も目立つ。

会社は、経営者も含めた社員が作るものだ。 法律事務所などを除き、法律の専門家集団だけが、会社をまとめているわけではない。
法務のキャリアパスを考えたとき、その役割を会社全体に広げて考えると、やはり社員の流動性を確保すること・法的知識や経験の応用を図ることは、会社の新陳代謝を高める上で重要である。
法務職の世界は、新しい環境に素早く馴染む柔軟性と法律に関する基礎知識がある人材なら、資格の有無を問わず飛び込む価値のある環境と言えるだろう。

法務の求人を確認する!

【おすすめ記事】
30代・40代の法務経験者が転職するためには!?おすすめ求人も
法務に向いている人の特徴は?どんな仕事をするのか?
企業法務が人材不足の今、求められるスキルや資質とは

会員登録すると、キャリアのご相談や非公開求人のご紹介、履歴書の自動生成などの様々なサービスをご利用いただけます。

会員登録すると、キャリアのご相談や非公開求人のご紹介、履歴書の自動生成などの様々なサービスをご利用いただけます。

初めてご訪問の方へ

管理部門特化型エージェント No.1
MS-Japanのサービスをご覧ください!

最新求人情報や転職に役立つ情報をメールで配信します。

アドバイザーが直接あなたの可能性を診断!