経理・財務スキル転職準備

2023年10月31日

憧れの商社で経理をやりたい！気になる年収や働き方は？

経理は、企業活動に伴うお金の流れを管理する業務を担い、経営の目標達成のために必要不可欠な部門です。
どのような企業でも設置されている経理部門ですが、業界や規模によって業務内容や年収水準に特徴があります。

この記事では、様々な業界の中でも「エリート」と言われる「商社」における経理について、詳しくまとめました。
商社経理の仕事内容や平均年収、商社経理に転職するための方法、志望動機の書き方など幅広く解説します。
「商社は激務というイメージは経理にも当てはまるのか」についても解説するので、商社の経理に関心のある方はぜひご覧ください。

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商社とは？

商社とは、輸出入貿易や日本国内での卸売業を中心とした商業を営む会社のことです。大きくは「総合商社」と「専門商社」の2種類があり、どちらにおいても他社の商品を別の企業へ繋ぐ仲介的役割を担っています。

総合商社の特徴

総合商社では、食料品やエネルギー資源、サービスといった幅広いジャンルの商材を取り扱い、売り手と買い手の仲介を行います。
また、物流ネットワークの構築や販売チャネルの開拓、国際的プロジェクトの遂行にも尽力しているケースが一般的です。

基本的に総合商社は事業規模が大きく、スケールの大きな仕事に携わる機会も少なくありません。
また、売上規模も大きいことから年収が高く、福利厚生も手厚い傾向があります。

なお、総合商社として代表的な企業は、三菱商事や伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事などです。

専門商社の特徴

専門商社は、特定の分野や業種に特化して取引や事業投資などを行う商社です。
海外では専門商社が一般的となっており、医療機器専門や食品専門、ワイン専門など、特定のジャンルで細分化されているケースが多くみられます。

事業規模は総合商社よりも小さいですが、独自のノウハウを活かした事業展開が得意分野です。近年では扱うジャンルの幅を広げて事業展開している専門商社も増えています。

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商社経理の仕事内容の特徴

商社経理の仕事内容は、一般的な経理業務が中心で、連結対象子会社がある場合には連結決算も発生します。
監査対応やIFRSなどの会計基準対応も経理業務です。
ただし、商社では製品を製造しないため、メーカー経理に必要な「工業簿記」の知識はほとんど必要ありません。製品やサービスを仕入れて売ることから「原価＝仕入れ金額」となり、メーカーのように複雑な計算を伴わない点が大きな特徴です。

一方、商社経理特有の必要知識としては、輸入消費税や輸出免税などの税金に関する知識や、為替変動リスクに対応するための知識、国際会計基準の知識などが挙げられます。

ポジションによっては、営業部門への戦略支援として、市場のニーズや動向の調査をはじめ、営業データの収集や分析といった会計関連業務を任されることもあるでしょう。
収集データを分析し、その後の事業戦略の指針となるような資料を作成して、営業担当に提示することも商社経理における重要な業務です。

このように、商社特有の経理知識をもとに、経営目標達成に向けたあらゆる業務に携わる重要な役割を担っています。

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商社経理の年収はいくらなのか

商社経理の年収目安は以下の通りです。

・20代（経理スタッフ）350～500万円（平均400～450万円）※個別決算に携わる経理スタッフの場合
・30代（経理マネージャー）550～750万円（平均600～700万円）※連結決算に携わる経理Mgrの場合
・40代（経理部長候補）750～900万円（平均800万円前後）※個別決算・連結決算・開示資料作成・マネジメントが含まれる場合

経理の平均年収は513万円と言われていますので、商社経理の年収は別業種に比べると比較的高い傾向にあります。
また、五大商社など大手の本社経理は、上記よりも高い年収水準です。

年収は年代が上がるほど高くなる傾向にありますが、経験年数と年収が比例するわけではありません。
必然的に知識と経験のスキルアップを求められます。

商社経理には専門性の高い知識や業務スキルに加え、マネジメント能力、リーダーシップ力、コミュニケーション能力も求められます。
また貿易を通じて世界各国とのコミュニケーションをとる機会があるため、語学力（主に英語力）も必要になります。

商社経理には求められる能力が非常に高いことから年収も高い傾向にあるのではないでしょうか。

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商社では経理も激務なの？

商社経理への転職を検討する際に、「やはり商社は経理も激務なのか」と気になる方も多いでしょう。

事実、商社は基本的に仕事量が多く、特に繁忙期においては深夜まで仕事に追われることもあります。
特に営業部門においては、出張などによって休日返上で仕事を行うこともあるでしょう。
また、海外のクライアントとのやり取りを行う際には、相手国との時差の関係で営業時間外の対応が必須になることもあります。

このような激務と言われる理由のほとんどは営業部門に関する内容です。
そのため、商社だからといって経理も激務であるとは限りません。

しかし、営業部門が忙しい分、企業を支える経理などの管理部門も他の業種に比べると忙しい傾向はあります。
激務の基準は人によって異なりますが、転職活動では求人に掲載されている「月の残業時間」などを確認するようにしましょう。

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商社経理のキャリアパスとは

商社経理の代表的なキャリアパスは「経理から経営に携わる上位職を目指すこと」が一般的です。
昇格プロセスとしては、実務を担う経理スタッフから、スタッフ育成などを担う経理主任、マネジメント業務を行う経理係長や経理課長、経営視点で部門を総括する経理部長など、段階を踏みます。
また、経理の最高役職であるCFO（最高財務責任者）を目指すパリアパスにも繋がります。

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商社経理に役立つ資格・知識

商社に限らず、経理では実務経験と知識を積み上げていくことが重要です。
さらに、知識を身につけたうえで、それを業務に応用する対応力も求められるでしょう。
まず、商社経理に必要な知識を身につけるためには、以下の資格がおすすめです。

・日商簿記検定：業界問わず経理の基本知識となる資格
・FASS検定：経理・財務の実務能力を測定する資格
・IFRS検定：国際会計基準の知識・理解力を測る認定試験
・USCPA：米国公認会計士の資格

どのような業界でも経理人材として一定の評価を得られる日商簿記検定やFASS検定は、商社経理でもおすすめです。
また、国際会計基準について日本語で出題されるIFRS検定は、公認会計士レベルの知識を英語で問われるUSCPAと比較すると、取得しやすい傾向があると言えるでしょう。

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商社経理に転職する方法

商社経理の転職市場では、特に大手商社の人気が高いため、大手への転職を希望する場合は競争率の高さを痛感するでしょう。

商社では多様な会計業務が必要となるため、事業規模や部署構成によっては、予算・管理会計・他部署との調整など、本社決算以外の会計関連分野を担うこともあります。
一口に「商社経理」と言っても、多岐にわたる経理関連業務の中で何に携わりたいのか、自らの志向を明確にしておくことが重要です。

また、商社の取引先は海外企業が多いため、語学力を磨いておくことも有効です。
子会社管理等で英語以外の語学力が有用になる場合もありますが、経理では英語が出来れば概ね業務がスムーズに行えます。
英語による実務経験が無い場合は、TOEICなどを受験し、語学力を客観的に評価できるデータを取得しておくと良いでしょう。

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志望動機の書き方

商社経理で転職を成功させるには、志望動機をしっかりと練る必要があります。
特に知名度の高い大手商社を希望する場合は、他の応募者と差別化することが重要です。

下記のステップに沿って自分自身を見つめ直し、効果的な志望動機を考えてみましょう。

1.自己分析
2.業界研究
3.自分が企業に貢献できることを考える
4.キャリアビジョンを具体化する

1.自己分析

まずは、自己分析を行います。自分の得意なことや不得意なこと、やりたい業務、希望する職場環境などをリストアップしながら、自分の能力や興味関心、価値観を明確にしましょう。
今までの職務経歴や役職、そこで得た知識・スキル、経験などををひとつひとつ棚卸しすることで、自分が本当にやりたい業務や理想とする働き方が見えてきます。

志望動機だけでなく、自己アピールなどを伝える際も、具体的なエピソードが必要不可欠です。自己分析の工程で、数値を交えて詳細に洗い出しましょう。

2. 業界研究

次に、業界研究を行います。他業界と比較した商社の特徴や、商社業界における応募先企業の特徴を把握しましょう。
応募先企業の具体的な事業内容や経理部門が担う業務内容、部門の人数構成、経営方針、社風など、多角的に把握することが重要です。

それぞれを差別化した上で、なぜ商社を希望するのか、なぜ応募先企業を希望するのか、なぜ経理なのかなどの理由を具体的に言語化していきましょう。

3. 自分が企業に貢献できることは何か

続いて、自己分析と業界研究の内容をもとに、「自分の知識・スキル・経験を活かして、応募先企業で何をどこまでできるのか」を明らかにしましょう。

一般的に経理の転職市場では、即戦力となる経験者が有利な傾向があります。
商社の特徴と経理の特徴、さらに商社経理の特徴と、自身の経歴で共通項を見つけ出しましょう。

4. キャリアビジョンを伝える

最後に、入社後のキャリアビジョンについても明確にしましょう。
キャリアビジョンとは仕事における理想像のことで、上記の1～3の内容を踏まえて決定することがポイントです。

このような流れで自分自身を見つめ直すことによって、魅力的な志望動機を作成しやすくなるでしょう。
「うまく言語化できない」「作成した内容が応募先企業にとって魅力的か分からない」など、不安な点があれば、転職エージェントに添削を依頼することも可能です。

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商社経理の求人紹介

弊社MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている商社経理の求人をいくつかご紹介します。ご興味をお持ちの方はぜひお問い合わせください。

東証プライム上場／売上1兆超の独立系商社より経理担当者の募集です。

仕事内容

・連結決算業務（制度会計）、決算に関わる分析業務
・決算単身、会社法書類、金融商品取引法書類の作成業務　など

必要な経験・能力

・単体もしくは連結決算のご経験を含む経理経験（3年以上目安）

想定年収

500万円～ 1200万円

東証プライム上場のエレクトロニクス商社から経理求人です！

仕事内容

・仕訳入力、勘定科目管理
・単体決算および連結決算業務（月次・四半期・本決算）　など

必要な経験・能力

・経理実務経験2年以上

想定年収

500万円～ 800万円

東証プライム上場／100年以上の歴史を持つ専門商社にて経理メンバーの募集です。

仕事内容

・月次、年次、連結決算
・子会社の経理のアドバイザー　など

必要な経験・能力

下記いずれかのご経験
・経理部門にて決算業務を2～3年経験
・監査法人にて監査業務を2～3年経験
・税理士法人にて税務業務、決算業務を2～3年経験

想定年収

480万円～ 755万円

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まとめ

商社経理は一般的な経理とは業務内容や必要な知識が異なり、会計業務だけでなく経営目標の達成に向けたあらゆる業務を担っています。
責任の重い仕事ではありますが、その分やりがいは大きく、高い水準の年収を期待できることも大きな魅力です。

ただし、特に大手商社の経理は人気が高く、企業側から求められる能力も高い傾向があります。
競争を勝ち抜いて内定を獲得するためには、転職エージェントを活用して、魅力的な志望動機を作成することがポイントだと言えるでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を対象にこれまで3000名以上のカウンセリングを担当。現在は関東全域を対象に経理・財務・経営企画・CFO・公認会計士・税理士・税理士補助スタッフなどの会計系職種を幅広く担当。

プロフィールはこちら監修したトピックス一覧

経理・財務・人事・総務・法務・経営企画・内部監査・外資・グローバル企業・会計事務所・監査法人・役員・その他・ IPO ・公認会計士・税理士・ USCPA ・弁護士を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です！本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい！