2024年05月24日

経理事務パスポート検定(PASS)とは?試験内容や取得するメリットをご紹介!

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経理経験者の中には、転職の際に自身の経理スキルがどの程度のレベルなのかを、客観的に把握したいと考える人は少なくないでしょう。
その指標の一つとなるのが、PASSと呼ばれる「経理事務パスポート検定」です。
経理職でキャリアアップを目指す場合だけでなく、経理未経験から転職する足掛かりとしても有用とされています。
そんな経理事務パスポート検定の気になる試験内容や取得するメリットなどをご紹介します。

経理事務パスポート検定とは?

経理事務パスポート検定(PASS)は、経理実務を重視した指標として、日本CFO協会と民間企業によって共同開発された検定試験プログラムです。
経済産業省の「経理・財務サービススキルスタンダード」に基づき、現場のニーズに即した実践的なスキルを身につけることを目指しています。
受講のレベルは1~3級までの段階があり、受講者のスキルや経験に応じてチャレンジすることができます。

経理事務パスポート検定の大きな特徴は、すべての受講プロセスをe-ラーニングで行えることです。
スマートフォンやタブレットを使って、動画研修から演習問題、さらには認定試験まで、いつでもどこでも自分のペースで受講が可能です。
仕事や家庭のスケジュールに合わせて効率的に学習を進めることができるため、多忙な人や地理的な制約がある人にとって非常に便利です。

特に、経理への転職を考えている人にはおすすめの検定です。
経理は企業活動に欠かせない業務であり、その需要は常に高い状態にあります。
経理職に求められるスキルや知識を習得し、実践で活かせる認定資格のため、転職活動での評価が得やすくなるでしょう。
経理事務パスポート検定は、経理経験の浅い人から、自身の知識・スキルレベルを確認したい経験者まで、幅広い層に人気の資格なのです。

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経理事務パスポート検定の受講概要

受講から試験までの流れ

では、経理事務パスポート検定(PASS)の受講から試験までの流れを見ていきましょう。

研修動画(知識の習得)

テーマごとに必要なスキルや知識を解説した動画で、各動画は10~15分単位で構成されています。
習得するまで何度でも視聴可能です。

演習問題(習得知識のチェック)

ドリル形式で、学習するユニットごとに10~20問の問題が出題されます。
間違った問題や確認したい点は、研修動画で再度チェックできます。習得するまで何度でも演習可能です。

確認問題(習得度の評価)

四者択一形式で、学習するユニットごとに5~10問の問題が出題されます。
間違った問題や確認したい点は、解説や研修動画で再度チェックできます。習得度の評価が高まるまで何度でも確認問題に取り組めます。

認定試験

研修動画や問題学習で十分な知識が身についたら、認定試験に挑戦します。
出題形式は四者択一です。

試験のタイミング

e-ラーニングの学習期間は無期限となっており、自分のペースで学習を進めていき、自信がついた時点で認定試験にチャレンジできます。
資格取得までの期間は、一般的に1〜2ヶ月程度が目安とされています。

合格ライン

認定試験の合格ラインは80%です。
1級から3級までの難易度は異なりますが、他の経理関係の資格に比べて出題範囲が狭いため、相対的に取得しやすい検定と言えます。
また、研修動画〜演習問題〜確認問題は、資格取得後の復習として活用することも可能です。

PASSの費用

受講料および受験料は、以下のとおり認定級によって異なります。

認定級 e-ラーニング受講料(受験料含む) 受験料(認定試験のみ)
PASS 3級 1,650円 1,100円
PASS 2級 6,600円 3,300円
PASS 1級 8,800円 4,950円

上記費用はすべて税込です。
受講料と受験料を併せると認定試験が2回まで受験でき、2回不合格となった場合でも、受験料を追加することで何度でも受験できます。
e-ラーニングの受講は必須ではなく、認定試験のみにチャレンジすることも可能です。

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経理事務パスポート検定の試験内容

次に、出題範囲や難易度が異なる階級ごとの試験内容に着目してみましょう。

PASS 3級

3級は、経理事務の入門コースと位置づけられています。
取得に向けて、経理事務に携わる心構えや基本的な業務について学びます。
試験では、経理の役割とコミュニケーション、帳簿書類の管理、領収証の取り扱い、インターネットバンキングなどに関する知識が求められます。
経理初心者や経験の浅い人であれば、まずは3級からのチャレンジがおすすめです。

PASS 2級

2級は、実践的な経理・会計業務に焦点が当てられています。
試験範囲としては、現場で頻繁に行われる請求や支払い、経費などに関する取引について学びます。
具体的には、簿記上の現金管理、小口現金の取り扱い、ペイオフ制度、通帳と銀行取引の管理、支払い業務の手順、仮払い経費の処理などが含まれます。
3級よりも実務に即した知識が求められ、一定の経験を積んでいる人や自身の経理スキルを確認したい人に適した試験です。

PASS 1級

1級では、現場での即戦力となるような難易度の高い経理スキルが問われます。
求められる範囲は、日常的な売買取引や月次決算など、より実践的な経理業務です。
試験内容としては、売上計上のタイミング、売掛金の管理、仕入業務の流れ、在庫の実地棚卸、固定資産の管理、受取手形や小切手の取り扱いなどが挙げられます。
日々の業務だけでなく、連結決算や外貨取引といった高度な知識も要求されるため、経理職でスキルアップを目指す人に向いています。

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経理事務パスポート検定を取得するメリット

経理事務パスポート検定を取得するメリット

経理事務パスポート検定を取得することで、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。 以下に主なメリットを整理してみます。

経理の実用的な基礎知識を身につけられる

経理業務における実用的な基礎知識は、どのような業界の経理キャリアにおいても不可欠です。
経理担当者は、日々の業務の中でさまざまな課題に直面しますが、必要な基礎知識を身につけていれば、それらの課題に対処しやすくなります。
当検定が重視している経理実務には、当然のことながら基礎知識も含まれるため、まずは基礎をしっかり習得することに力を入れています。
ベースとなる知識から、上位の階級を取得していくことで、実践的な領域にまで知識を深めることも可能です。

働きながらでもチャレンジしやすい

経理事務パスポート検定は、働きながらでも取得しやすい資格の一つです。
学習はインターネットを介するe-ラーニングという方法で行うため、自宅や通勤時間などの空き時間を活用することが可能です。
現在経理職として働いている場合、実務と理論を関連付けながら学習を進めることで、より理解が深まりやすくなります。
このような働きながらの学習スタイルは、仕事と資格取得の両立を目指す人にとって大きなメリットとなるでしょう。

経理の転職でプラスになる場合も

当検定は、経理の基礎から実践まで幅広くカバーしているため、企業側から見て、転職候補者が経理業務に必要な知識とスキルを持っているという証明になります。
特に、実務経験が浅い場合や新たな業界を目指す際には、転職活動でプラスになることもあります。
未経験から経理職への転職を実現させたり、派遣社員から正社員として雇用されたりするケースも珍しくありません。
経理の転職を考える際は、この資格を活かすことで自身のキャリアをより明確に描くことができるでしょう。

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経理事務パスポート検定以外で経理職におすすめしたい資格

その他、経理への転職でおすすめの検定・資格をピックアップしました。
ダブルライセンスとして、経理事務パスポート検定取得と併せてアピールできれば、転職活動がより有利になるでしょう。

日商簿記検定

日商簿記検定は、経理職において高い評価を得ている資格の一つです。
難易度の低い順から、初級・3級・2級・1級に分かれており、自身のスキルに合わせて受験するレベルを選択できます。
特に、日商簿記検2級を持つ人材は、多くの企業からニーズがあり、転職時に有利とされています。
経理の基礎はもちろん、現場で活かせる技能・知識も習得できるため、経理キャリアを目指す人におすすめの資格です。

ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、経理や財務に関する幅広い知識を身につけるための試験です。
財務諸表の分析スキルを強化することを目的としており、会計情報の分析や経営判断のためのスキルを養成します。
経理職はもちろん、営業や会計コンサルタントなど、ビジネスパーソンとしてさまざまな職種にその知識が役立ちます。
検定の等級は3級から1級まであり、レベルに応じて知識・スキルを習得することが可能です。

経理・財務スキル検定(FASS検定)

経済産業省の主導による試験で、経理や財務の実務能力がどの程度身についているのか、その診断を目的としています。
結果は合否ではなく、A〜Eの5段階スコアで評価されるため、自身の実力を客観的に把握しやすいことが特徴です。
資産・決算・税務・資金など、分野ごとの評価もわかりやすく提示されます。
実務の経験年数に応じて高いスコアが出る傾向にあり、経理に携わる人にとってもキャリアの評価やスキルアップの指標として有用です。

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まとめ

経理事務パスポート検定は、経理・会計業務に携わる上で必要となる知識とスキルを、体系的に学ぶことができる資格試験です。
受講はすべてe-ラーニングで行われ、働きながらでも取得しやすく、経理の転職で有利になりやすいことがメリットです。
日々の業務から高度な領域まで、実務に即した技能を身につけることで、経理の仕事における自信を持つことができるでしょう。
優れた経理人材を求める企業からの評価も高く、まさに経理転職の「パスポート」と言えるのではないでしょうか。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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