2023年12月01日

税理士は本当に激務?休みやすさやBig4 税理士法人の労働実態などについて解説

管理部門・士業の転職

税理士は、税務の専門家として社会的に認められたキャリアの一つです。その一方で、仕事が「激務」というイメージを抱かれることも少なくありません
しかし、税理士の業務は一般的に把握しにくく、どのような働き方で、どの程度の忙しさなのかは想像に難いものがあります。
本記事では、税理士の業務内容をもとに、忙しさや休みやすさの実情に触れつつ、Big4税理士法人の労働実態についても焦点を当てていきます
ワークライフバランスを整えるヒントも含めて、これから税理士を目指す方の疑問や不安を打ち消すことができれば幸いです。

管理部門・士業の転職

税理士の業務内容

まずは、税理士がどのような業務を行っているのかを見ていきましょう。

税理士は、税の専門家として納税者が行う申告納税制度をサポートする役割を担います。
税理士の業務には、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」という3つの独占業務があります。
「税務代理」では、納税者による税金の申告・納付や、税務署からの調査・処分に対する主張・陳述を税理士が代行します。
「税務書類の作成」は、税金の申告で必要となる税務書類を、納税者に代わって作成する業務です。例えば、確定申告の場合は、確定申告書が税務書類に該当します。
「税務相談」は、納税者からの相談に応じて、納税手続きや納税額の計算、節税効果算出などのほか、税務署へ不服がある場合の申立てについてもアドバイスを行います
これらの業務は、税理士法によって税理士資格を持たない者が行うことは違法とされています

税理士の仕事は、独占業務だけではありません一般企業の会計事情をサポートする税務コンサルティングも、税理士が携わることのできる業務です
会計ソフトを導入している企業からは、ソフト利用に関する専門的な助言を求められるケースも珍しくありません。また、M&Aをはじめ、企業の合併・分割、株式交換といった組織再編税制に関する税務対応も、税理士が行う重要な一面です。
国際税務では、国際取引に伴う税務サポートのほか、法人や個人事業主の海外進出にかかる各種課税の相談にも応じます。起業の手続きや資金繰りを支援することも、税理士に求められる役割です。


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税理士が激務になりやすい時期とは

税理士の業務は、繁忙期と閑散期とで、量的にも時間的にも大きな偏りが見られます。繁忙期の中でも最も忙しい時期は激務になりやすく、心身ともに大きな負担を強いられることも少なくありません。その背景は以下のとおりです。

繁忙期

税理士の繁忙期は、一般的に11月〜5月です。
まず、個人事業主の確定申告書を3月の期日までに作成・提出する必要があります。併せて、ほとんどの企業では3月と9月が決算時期です。
法人税や消費税の納付期限は決算日から2ヶ月以内とされているため、5月と11月に決算業務が集中します。決算書類の作成や税務署への提出など、多くのクライアントの決算業務を同時期に行わなければならず、圧倒的な作業量と期限ぎりぎりの状況がストレスの原因となります。
繁忙期であっても、税務相談や巡回監査などの通常業務も並行するため、残業の平均時間を大きく上回る日が続きます。

また、12月と1月の年末調整の時期もクライアントからの依頼が殺到します。どれだけ忙しくても、給与所得者や家族手当の受給者などに影響を与えないよう、正確さと迅速な対応が求められ、ストレスが高まります。
さらに、クライアントの法定調書と償却資産税の申告も繁忙期と重なり、1月末日までに申告書類を作成し、提出しなければなりません

繁忙期はこれらの業務が同時にピークに達することで、税理士は多忙を極め、精神的に追い込まれやすくなるのです。

閑散期

一般的には6月〜10月が閑散期に当たります。この時期は臨時業務が少なく、通常業務も落ち着いてくるため、定時に退社できる日もまれではないでしょう。
集中的に忙殺される業務がなくなることで、税理士の負担が軽減され、仕事のスケジュールに比較的ゆとりを持つことができます。

繁忙期と閑散期とでは、業務量やストレスの度合いが大きく異なり、税理士の仕事のリズムが顕著に変化します。税理士は繁忙期には高い負担とストレスに耐えなければならず、閑散期には仕事と生活のバランスを取る機会が訪れます。


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クライアントによって休みやすさが変わる

税理士の休みやすさは、クライアントが法人か個人事業主かによって大きく異なります

クライアントが法人である場合、一般的に多くの企業が休業日としている土曜・日曜が休みやすくなります。一定規模の企業なら、中長期的な事業プランに基づいて活動するため、業務の見通しも立ちやすいでしょう。
とりわけ、税務関連の業務は月次や四半期ごとに行われるため、税理士は休みを計画しやすい状況にあります。定期的に行われる税務申告や会計報告なども、税理士にとっては事前にスケジュールを調整しやすく、休みの取りやすさに還元するものです。

一方、顧問先に個人事業主が多い場合、休みやすさは減少します。個人事業主は自身のビジネスを経営し、都合に合わせて税務関連の相談や手続きを求めることがあります。
閉店後の時間帯や、個人の休日にあたる土曜・日曜はもちろん、繁忙期でも不規則な要求に対応しなければなりません。そのため、税理士は個人事業主向けの柔軟なスケジュール調整が必要となり、休みが取りにくいことが実情です。

このようにクライアントの事業形態に応じて、休みやすさに違いが生じることも税理士業務の側面です。
労働による心身の負担を少しでも軽減するためには、休みを確保するためのスケジュール管理が重要になるでしょう。


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Big4税理士法人は特に激務?

Big4税理士法人とは

Big4税理士法人とは、グローバル展開している4つの国際的会計ファーム(Deloitte、PwC、EY、KPMG)に属する4大税理士法人を指し、日本国内では最大手の存在です。
主に大規模企業を対象に、高度な専門性とヒューマンリソースを活かし、税務申告書の作成やレビューを中心とした税務サービスを展開しています。

Big4税理士法人の労働実態

Big4は業界随一の税理士法人だけに、キャリアとしての魅力を感じる一方、実際に働くとなると労働環境の実態も気になるところです。

まず、繁忙期は一般的に12月~6月になります。
これは、外資系企業に12月決算が多いことと、国内企業の3月決算に伴う税務申告作業に対応するためです。約半年間に及ぶ繁忙期は忙しさが切れ目なく続き、ピーク時には深夜残業が発生することも珍しくありません。
規模の大きい案件に携われることは最大手ならではの醍醐味と言えますが、税理士個人にのしかかる負担が大きくなることも事実です。

一方、閑散期は7月〜11月となり、繁忙期とは対照的に労働環境が穏やかになる時期です。
この期間には1~2週間ほどまとまった休暇を取得することも可能で、リフレッシュできるチャンスとなります。

Big4の税務コンサルティング部門では、特定の繁忙期がなく、一年を通じて比較的忙しい日が続きます。
プロジェクトの状況によっては不定期に忙しさが増す時期もありますが、プロジェクト終了後は忙しさが緩和され、有給休暇を取りやすくなります

繁忙期の業務量が大きいため、Big4税理士法人での労働実態は厳しいと言えます。残業の多さや、仕事とプライベートのバランスを取るのが難しい面を、閑散期に取得できる長期休暇で補うスタイルが実状のようです。


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税理士がワークライフバランスを改善するためには

税理士がワークライフバランスを改善するためには近年、税理士業界でも「働き方改革」の波が広がり、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟な働き方を望む税理士が増加しています。
この動向に関連して、ワークライフバランスの改善策を以下に説明します。

フレックスタイム制やリモートワーク制度のある事務所に転職する

税理士事務所では、多忙を極める勤務形態では優秀な人材の確保にも限界があることを認識し、新しい働き方を模索しています。
その一環として積極的に導入されているのが、労働者が働く時間を自由に決められる「フレックスタイム制」です。この制度によって、個々の税理士が効率の良い時間帯で仕事を行うことができ、ワークライフバランスも整いやすくなります。

また、一部の大手税理士法人やIT業界に強い会計事務所では、リモートワーク体制を整備し、税理士が場所に縛られずに仕事を行える環境を提供しています。
リモートワークの導入により、通勤ストレスの軽減や地理的な制約の克服が可能となり、ワークライフバランスの改善が見込めます。
求人を探す際には、フレックスタイムやリモートワークが導入されているかを確認するようにしましょう

企業内税理士(インハウス税理士)として転職する

税理士が一般企業に転職する場合、基本的にその会社の従業員として採用されます。会社が定めた就業時間や福利厚生制度が適用されるため、ワークライフバランスが保ちやすくなるでしょう。
会社との一体感を持ちながら税務業務を担当することで、定期的なスケジュールや仕事量の調整もしやすくなります。さらに、多くの企業がリモートワークを導入しており、柔軟な働き方も可能です。

ワークライフバランスを改善するためには、自身のライフスタイルや目標に合った転職先を選択することが重要です。
税理士業界においても柔軟性のある働き方が増加しており、そのようなポジションを見つけることで、税理士としてのキャリアにつながっていくでしょう。


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ワークライフバランスが整っている税理士求人例

弊社MS-Japanは税理士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で掲載している税理士求人の中から、ワークライフバランスの整った求人をご紹介します。

フレックス・リモート勤務可で働き方の自由度が高く定着率の良い千代田区の事務所

仕事内容
・記帳代行~申告書作成、顧問先巡回(売上規模は数千万円~数百億円程度)
・資産税、相続税関連業務(申告は年に数件ですが、オーナーの税試算はコンスタントにあります。)
・各種コンサルティング(組織再編・経営戦略立案等)
必要な経験・能力
<必須>
・税理士(有資格者)
・会計事務所にて法人税関連業務のご経験を有する方
想定年収
450万円 ~ 800万円

キー局の公認会計士又は税理士有資格者採用

仕事内容
・連結決算業務
・開示資料作成(四半期報告書、有価証券報告書)
・監査法人対応
・担当部門の日常経理処理チェックや、月次、四半期、年次決算
必要な経験・能力
<必須>
・公認会計士資格をお持ちで監査のインチャージのご経験
・税理士試験の右記いずれか2科目の合格者(簿記論・財務諸表論・法人税法)
<歓迎>
・上場企業での経理・税務実務のご経験がある方
・税理士資格をお持ちの方
想定年収
750万円 ~ 1180万円

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税理士の求人情報

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まとめ

税理士の仕事が「激務」になりやすいことは否定できませんが、繁忙期と閑散期は交互にやってきます。年間を通じた業務サイクルの経験を積み、メリハリ良くスケジュール管理を行えば、決して乗り切れない忙しさではないでしょう。
Big4税理士法人の労働実態についても同じようなことが言えます。
しかし、心身に不調が生じるほどの労働環境で、ワークライフバランスを整えたい場合は、転職という選択肢も賢明な手段です

税理士に限らず、どのような仕事でも忙しい時期や落ち着く時期が訪れるものです。
税理士という社会的意義のあるキャリアを目指すと決めたのであれば、「激務」という言葉に惑わされることなく、自身の意志を貫く姿勢を大切にしましょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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