3分でわかる最新人事コラム

第11回2005/08/09

「労務管理」

企業の経営活動とは、俗に言う「人」「モノ」「金」「情報」といった経営資源を
事業に投入することによって、目標とする成果を生み出す活動のことを指します。
経営活動の優劣は、これらの経営資源をいかに効率的に確保して組織化し、
効果的かつ継続的に活用するかという力の差によって生じてきます。
「モノ」という資源を効果的に活用することにより、社会的に有用な財産を生み出し、
「金」という資源を効率的に活用することにより、新しい財貨を獲得し、
また多くの「情報」をもとに利用価値の高い新しいサービスや製品を生み出していきます。

 

しかしながら、これらの経営資源には、すべて組織と従業員が関わることになり、
組織を構成する人の能力や価値判断、行動のあり方が最重要といえます。
「人」という資源は、他の経営資源とは異なった次元にあり、
経営活動の中軸は「人」が担っているとも言えます。
今回はその最も重要な「人」の側面に関わる「労務管理」に焦点をあて解説いたします。


1.労務管理の概要 
労務管理とは、従業員の活動について計画を立てたり
従業員を組織化したりするために行う一連の施策や制度のことです。
具体的には労使関係に関する施策や制度、ならびに賃金、賞与、手当て、
労働時間、休日・休暇、福利厚生など労働条件に関する施策や制度などが該当します。


2.労務管理の解釈 
労務管理の活動は、労働力の管理、労働者の気持ちの管理、
労使の関係管理というように「管理する」という視点で捉えられがちです。
しかし、「管理する」ことも重要ですが、
その機能としての労務管理の視点が重要だといえます。
経営戦略に基づき経営の目標を達成するため、人の確保、人の活用、人の教育、
労働条件の明確化、組織の活性化、あるいは安全衛生や福利厚生の確立など、
経営活動に直接関わる施策の立案、維持は不可欠です。
またそれらに加え昨今ではリスク管理、
コンプライアンスという考え方の労務管理が、注目されています。


3.労務管理の現状  
人事・労務・職場トラブルは時代の変化に伴い、
その内容も昔と比べ個別化・多様化しており、
また関連法規も毎年のように改正されています。
しかしながら各社とも現状の企業戦略遂行が最重要視され、
労務管理の改正や修正が後手になり見失いがちです。
その結果トラブルを招き企業イメージダウンや社内への悪影響を与えることになり、
経営者として会社として大きな労力を費やすことになります。
厚生労働省のデータによれば
各都道府県労働局や労働基準監督署への労務相談件数は約82万件であり、
そのうち16万件が個別労働紛争となっています。

 

【最近話題に多く上がる労務トラブル】

 

<賃金問題>
故意ではなくとも、「ずさんな時間管理の結果として残業代を支払っていなかった場合」、
「業務を優先しすぎたため有給休暇を与えていなかった場合」等、
気を付けなければいけない局面はたくさんあります。
サービス残業(賃金不払い残業)により労働基準法違反というケースもあります。
未払い賃金について数年遡る支払命令を受けると、資金的なダメージも負いかねません。
こういったトラブルは、経営者側も体力・気力を使ってしまいますし、
何より会社の雰囲気が悪くなり、組織風土に影響します。

 

<解雇>
解雇には普通解雇、懲戒解雇、整理解雇の3種類があり、
いずれも簡単に解雇することはできず、
解雇するにあたっては要件・手続きが厳格に問われてきます。
懲戒解雇は重大な服務規程違反に対して、整理解雇は事業の運営上からの必要性に対して、
また普通解雇は従業員の能力が適格性に欠如している場合や勤務態度が不良であるなど
従業員の責めに帰すべき理由によって行われますが、
解雇問題の紛争トラブルも多いのが実情です。
とくに従業員から見ると、納得いかない解雇は、
サービス残業問題と同様社内に悪影響を残すことにつながり経営への不信感につながるため、
慎重な対策や対応が必要です。

 

<雇用>
従業員を雇用する場合においては労働契約を書面にて交わさなければなりません。
主な契約内容は労働契約の期間や就業場所・従事すべき業務に関する事項
および就業時間や賃金、退職に関する事項です。
しかしながら意外に多くの中小やベンチャー企業においては
書面での労働契約ではなく口頭での説明が多く、
入社後に入社前の説明と食い違うなどのトラブルも多く、
個別労働紛争や早期退社の原因となっております。


4.労務管理運営上のポイント

(1)就業規則は定期的なメンテナンスや変更が必要。
労働基準法その他の労働関連法規の改正があれば、
最低限、その法改正に対応する必要があります。
最近は2~3年毎に改正が行われているため、
就業規則やその他規定もその法規にのっとった変更が必要です。


(2)労務管理は時代の変化やライフスタイルに対応した変更が必要。
労務管理や規則・規定の変更は法改正のタイミングだけでなく、
一昔前の常識や習慣が通用しなくなった今、
価値観の多様化やライフスタイルの変化に合わせた対応も必要です。
特に若い世代が各社とも力を発揮している中、
その世代に応じた規則や規定も柔軟に対応することで優秀な人材確保・定着につながります。


(3)IT化における企業リスクの観点での見直しが必要。
インターネット、IT社会において、各社ともIT化を推進されていますが、
一方では大きな企業イメージダウンにつながりかねないリスクが潜んでいます。
個人情報漏洩問題や企業防衛セキュリティ対策等含めた
企業リスクヘッジも見据えた規則や規定作りが必要です。

 

(4)組織としての人事機能の充実
設立間もない会社では経営者自ら労務管理に携わる必要はありますが、
会社規模拡大に伴い経営者自ら労務管理や人事制度見直し等への関わりは限界があり、
内部管理体制強化のための人事機能の充実や人事の育成は必要不可欠であります。
人事を組織化することで人材の採用、教育、人の活性化、定着化へとつながります。


しっかりとした就業規則・規定があっても、それを守るのは「人」です。
企業のトップが四六時中目を光らせているわけにはいきません。
組織や人をうまく使い、
お互いがチェックし守りあう"バランスがとれた状態"を保つことが重要です。
就業規則のメンテナンスや労務管理見直しだけではなく、
それを実践・実行するマネジメント体制や運営体制も併せて整備することが、
組織を活性させ優秀な人材の採用や経営活動の中軸である「人」の定着につながります。

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