3分でわかる最新人事コラム

第41回2008/05/13

「株式上場に至るまでの経営管理組織の確立」~レイターステージ編~

前回のミドルステージ編までは、株式上場準備の中期的な人員強化計画として、
社長の右腕となる経営管理者(CFOあるいは管理部長候補)を中心とした
管理部門構築が必要であると解説して参りました。


レイターステージでは、上場申請から達成までに必要な人材強化、
そして株式上場後を見据えた人材採用なども必要になってきます。


解説の中で、具体的にどのような点の強化が必要か、
また、その為にどのポジションの採用を行う必要があるかを説明させていただきます。


1.ミドルステージからレイターステージへ

●レイターステージとは

前回からのおさらいとして、「レイターステージ」とは
上場申請期1期前もしくは申請期(通称:直前期、もしくは申請事業年度)の事であり、
上場時期も具体的に決まる段階であります。
監査法人や主幹事証券会社も既に決定している段階で、
上場申請書類作成なども概ね完成に近い段階です。
この時期では、上場を予定している市場に定められた諸規定を
クリアできているかどうかという点も重要となります。

 

【図1】


keyword_41.jpg

 

人員構成においては、ミドルステージにて構築してきた組織体制に加えて、
上場後を見据えての採用計画が必要となってきます。


【図1】は、上場に向けて目指さなければいけない組織構成の一例です。
ミドルステージまでは馴染みがなくても、上場を達成するために必要なポジションもあります。


2.レイターステージでの人員計画における重要性

レイターステージ(株主上場直前期)では上場基準に値する管理部門の構築が必要となるため、
ミドルステージにて採用を行った人材の的確な配置、運用も大切なポイントです。


上場前と比較すると、確実に社内外からの監視が厳しくなる為、
柔軟に対応できる組織作り、上場を最終目標とするのではなく、
上場後にどのような運営をしていくかという点を目標にする必要があります。
その為の人材採用・配置がレイターステージでは重要な課題と言えるでしょう。


3.管理部門における更なる人材強化のポイント

ミドルステージで採用を行った人材をどのように配置するか、組織の課題を抽出し、
より健全な管理部門を構築するにはどうすれば良いのかということを
中期的な視点で考えることが必要になってきます。
以下に具体的な例を挙げ、ご説明します。


●経理部門の更なる強化
昨今、情報開示体制として、月次決算の早期化が求められる背景もあるため、
上場後の体制としては、迅速な月次決算を自社で完結することが望ましいと言えます。
スピーディーな月次決算をもとにした予実差異分析を行うことでの、
タイムリーなディスクロージャー体制を構築していくことが必要です。


よって経理部門の責任者を採用する際は、
決算業務におけるある程度の経験値が必要となります。
監査法人監査の主な対応部署となることも踏まえ、上場準備における経理業務を経験している、
または上場会社において実務経験がある人材が適正と考えられます。
なお、業種によっては特徴的な経理業務
(製造業における原価計算やソフトウェア取引、デリバティブ取引等)
の経験も考慮する必要があります。


●総務部門の更なる強化
ミドルステージ編でも解説致しましたが、総務部門の強化も必要不可欠です。
各種規程類、マニュアル・業務フローの作成、稟議決済制度の整備や運用に加え、
株主総会の運営や株券の発行手続き等の株式実務も行います。


上場後においては、株主や一般投資家およびマスコミからの対応窓口となることもあり
(経営企画室が担う場合もあります)、上場準備前よりも大幅に業務が増える可能性があります。


総務業務に関しては、
会社の実情をある程度把握している社内のメンバーの登用も考えられますが、
株式事務においては、専門的な知識が問われることもあり、経験者が望ましいでしょう。


●監査役
コーポレートガバナンス体制を構築する上で
監査役による監査制度は非常に重要な項目となっています。
レイターステージにかけて、
常勤監査役1名・非常勤監査役2名を専任しておくことが良いと言えるでしょう。


監査役は取締役の業務が適正に行われているかを監査する立場にあり、
株主に代わって会社を見るという株主の代理人でもあります。
そのため、取締役に対して牽制の働く監査役でなくてはいけません。


●内部監査人
組織の規模等により必ずしも独立部署として存在させる必要はないとされていますが、
できれば社長直轄の独立部署として設置することが望ましいです。


経営者に代わって、業務がルール(規程)に沿って適切に運用されているか、
不正な点はないか、リスク管理は十分であるかを確かめるポジションなので、
「内部監査経験者」はもとより
「経理業務を理解している人材」や「法的知識のある人材」などが、適していると言えます。


●その他
IR活動(株主・投資家を対象にした企業の広報活動)も必要となるので、
経験者がいない場合は、IR活動に適した人材の採用が必要です。
上場を行うと、当然ながら株主対応は重要な任務となり、
企業の発展には欠かせないポジションとなります。
株主の数が多ければ多いほど、様々な問合せなど、対応が要るため、
株主の数が多い企業ほど、専任の人材を確保し配置しています。


そして、昨今重要視されているJ-SOX法(日本版SOX法)への対応が求められる為
内部統制の責任者の採用もこの時点で活動を進めると、
公開後に更なる安定した管理部門を構築できるでしょう。


さて、株式上場に至るまでの経営管理組織の確立と題して、
「アーリーステージ」・「ミドルステージ」・「レイターステージ」と
管理組織の強化とその為の人材強化・採用について解説をして参りました。
昨今、株式上場審査の厳格化もあり、
これまで以上に強固な管理組織の構築が必要となっています。
人材の上手な採用や配置が企業の今後を左右すると言っても過言ではありません。


上場を達成する為の審査項目には、「業績」だけでなく、
当然「管理組織の確立」も含まれます。
たった一つの項目をクリアできなかったために
上場中止や延期になってしまうケースも珍しくありません。
上場を達成するということはもちろん、
達成後の更なる企業発展の為に、より良い組織構築を目指しましょう。

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