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第56回2009/09/07

「採用におけるコーポレートブランディング」

採用、特に新卒や若手の優秀層の採用を考えたとき、彼らの多くは「イメージ」で就職先を選ぶ傾向にあると考えられています。就職活動中の学生に対して行われた人気企業ランキングを見てみるとわかりますが、待遇や仕事内容よりも、業界のイメージや経営者、風土に対してのイメージが「働いてみたい」と感じさせる大きな要因となっていることがわかります。
現在では、様々な媒体を通じて多くの情報を簡単に入手できるようになりました。そのため、採用においては、企業の人となりをいかに社外にアピールし、「働いてみたい」と思わせられるかどうかが重要な要素となっています。
そのアピール戦略の一つとして、現在、コーポレートブランディングが注目されています。
今回は採用におけるコーポレートブランディングの効果と、その実践方法について解説していきます。

 

コーポレートブランディングとは
さて、そもそもコーポレートブランディングとは何でしょうか。
それは90年代にアメリカで生まれた考え方であり、企業経営における資源である人、物、金、情報に次ぐ、第五の資源である「ブランド」を戦略的に高める施策のことです。
コーポレートブランディングというと、一般的にはマーケティングの側面で語られることが多いものでした。その企業の提供するサービスに付加価値をつけ、信頼感やより深い満足感を顧客に与えるための戦略として多く実践されてきました。

 

コーポレートブランディングの効果
現在では、大きく三つの効果が期待されています。
一つ目は「顧客への効果」、二つ目は「従業員に対する効果」、そして三つ目は「採用における効果」です。それぞれを具体的に説明します。

 

1、顧客への効果
その企業のブランド価値の向上により、企業の提供するサービス・商品を顧客にとってより親しみ易いものとし信頼感を与え、その企業ブランドの価値を高める戦略として実践されています。最近では社名やロゴを変更する企業が多いのですが、それらも対外的なコーポレートブランディング戦略の一つとしてなされています。その親しみ易さの向上が、サービス・商品への信頼感や満足感につながり、さらに企業のファンを作ることにつながります。
高級消費財メーカーや、サービス業等をイメージするとわかり易いかもしれません。
企業への絶対的な信頼感を高めることにより、高い対価を払ってでもその企業のサービス・商品を得たいと考えさせることが可能になるのです。

 

2、従業員への効果
その企業に就業していることに対する満足感を上げる効果があります。自身の働く企業に誇りを持ち、就業していることにポジティブな印象を持つことができれば、モチベーションもアップし、提供しているサービスの付加価値の向上につながります。
例えば、商品を差別化しづらいと言われている金融機関では、顧客に接する従業員一人一人がブランディングにおいて重要なメディアになると考えられています。そのため、従業員一人一人が自社のサービスや商品に誇りと自信を持つことが、顧客へのより良いサービスの提供につながるのです。
従業員の満足度を向上させることは、間接的に社外へのブランディングにもつながるため、顧客・採用への効果と並んで非常に重要であると考えられています。

 

3、採用への効果
冒頭でも述べたとおり、優秀な人材の確保には業務内容や待遇が魅力的なことに加え、「働いてみたい」と思わせる企業イメージの確立も重要な条件といえます。
現代では様々なステークホルダーとのコミュニケーションが、様々な媒体を通じて第三者にも伝わるようになりました。例えば、ポータルサイトで企業名を検索すると、企業のホームページや企業の提供するサービスに対する評価だけでなく、採用媒体の広告や、就職・転職活動中の求職者の採用選考を受けた感想、経営者に関しての記事等、さまざまな情報が挙がってきます。それら多くの情報から、私たちはその企業のイメージを確立していくのです。
しかし、外部から得られるイメージと、実際の印象との間にギャップがあると就職希望者の志望度合いの低下にもつながります。そのため、採用担当者はもちろんのこと、面接官として就職希望者と接するすべての従業員には、一貫した自社の企業イメージを持たせなくてはなりません。そのため、従業員への企業ブランドの共有は、採用においても非常に重要なことであるといえます。また、従業員に一貫したイメージを持たせることは、その企業のイメージがより明確に就職希望者に伝わることにもつながるため、採用におけるミスマッチを減らす効果も期待できます。

 

コーポレートブランディングの実践方法
さて、上記三つの効果が期待されるコーポレートブランディングですが、具体的にはどのように実践していけば良いのでしょうか。
対外的なブランディングに関しては、広報的な戦略が挙げられますが、今回は採用やその後の従業員の定着において重要と考えられる、社内に向けたブランディング、いわゆるインナーブランディング*に関して考えていきたいと思います。
インナーブランディングにおける基本的な考え方は、経営者の想いをいかに従業員に理解してもらえるか、また理解した結果をいかに行動につなげられるかであると言われています。そのためには、経営と従業員のコミュニケーションのとり方が重要な要素となってきます。ここでは、経営-従業員間でのコミュニケーションを大きく「一方通行型」と「双方向型」の二つに分類し、説明します。

 

経営からの一方通行型のコーポレートブランディングとしては、研修や社内報の発行、また全社の集まり等が考えられます。そのような場において経営者の考えを社員に伝えることで、経営理念の共有を図ることができると考えられます。
また最近では、パブリックリレーションズ(公な情報)を活用した従業員への情報発信も注目されています。例えば、日本経済新聞に広告を掲載することで、対外的なアピールはもちろん、従業員にも「これからこのようなブランディングに取り組む」というメッセージの浸透を図ったというメガバンクの例等があります。

 

一方、双方型のコーポレートブランディングとしては、カンファレンス等を通じた、経営者と従業員の直接的なコミュニケーションや、社内公募によるコーポレートアイデンティティー(CI)を定めること等が挙げられます。
CIを作ることは、採用においても一貫したイメージを社外に与え易いため、効果が期待しやすい施策の一つと考えられます。そして社内公募で行うことにより、従業員にその企業で働く意味を改めて考えさせること、さらにはより高い参加意識を持たせることも可能になります。また、従業員から挙がってきたCI案を経営者や推進担当者が精査し、発表することにより、より現場に近い形で、経営者の想いが社内に周知されることとなるのではないでしょうか。

 

具体的なコーポレートブランディングの実践方法の代表例としては、上記のような比較的規模が大きい企業の例がイメージされます。しかし、大きな組織でインナーブランディングに取り組んでも、真の意味での社員間の理念共有がなければ、それは形骸的なものとなってしまい、期待する効果を得にくくなる可能性もあります。

 

*インナーブランディングとは
社内でブランドの価値観を共有化し、従業員の意識や行動をブランドの方向性と合わせていく施策

 

まとめ
コーポレートブランディングは、本当の意味での社員間の理念共有が必要であるため、経営者の声が現場に届きやすいベンチャー企業こそ取り組みやすい戦略であると考えられます。
また、急激な成長とともに組織も拡大していく時期にこそ取り組むべき課題であると考えられます。なぜなら、求心力を落とさずに成長・拡大路線を進めるためには、経営理念の共有が非常に大切な要素となるからです。

 

貴社の強みは何ですか?
なぜその企業を立ち上げたのでしょうか?
従業員たちは、なぜ貴社で働くと決めたのでしょうか?

 

これを機に改めてそれらを考え、従業員と共有することで、更なる採用活動の向上にむけ、貴社におけるコーポレートブランディングを考え直してみてはいかがでしょうか。

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