3分でわかる最新人事コラム

第68回2010/09/13

「中途採用における適性検査の活用」

リーマンショック後の不況を経て、企業における中途採用の考え方が変わってきています。新卒しか採用しなかったような企業も様々な法改定や市況の変化によって、中途採用の必要性が出てきているポジションが多岐にわたるようになってきています。しかし、中途採用に不慣れな企業では、折角苦労して採用した中途社員が、入社後のミスマッチで退社に至ってしまうこともしばしば発生しているという話も耳にします。
そこで、今回は中途採用のミスマッチを減らす為の手段の一つとして、「適性検査」の活用方法について取り上げてみたいと思います。


適性検査とは
適性検査は大きく、(1)学力適性検査(学力を図るもの)(2)性格適性検査(性格適性を図るもの)の二つに分けられます。通常、学力適性検査だけが実施されることは少なく、学力と性格を両方図る『総合検査』と性格のみを図る『性格適性検査』のいずれかを行うのが一般的です。企業側は、求めている職種やスペックによってどの検査を導入するかを決定します。
中途採用の場合、全ポジションの採用において同じ検査を行っている企業もありますし、各ポジションによって検査を使い分けている企業もあり、その導入例は様々です。また実施するタイミングも、一次面接前に行う企業もあれば、最終面接後に行う企業もあります。
では、この学力分野と性格分野における二つの検査は、どのような使い分けをするのでしょうか。

 

(1)学力適性検査
学力適性検査というのは主に、論理的思考力や一般常識を問うものです。この検査はその正解数によって順位をつけることができるので、選考する上でわかりやすい指標となります。
例えばコンサルティング業界など高い論理性を求められる業界では、この学力適性検査の結果を重視する傾向があります。一般常識などの知識に加え、計算問題や読み取り問題からどの程度の理解力があるか測定することによって、コンサルタントとしての資質があるかどうかの判断をします。

 

(2)性格適性検査
性格適性検査は性格の特徴や類型を、統計・心理学的データの中から測るためのものです。
こちらは学力の検査とは違い人材によって様々な結果が出てくるため、「この人材は優秀だがこちらはそうでもない」といった優劣をつけることが難しくなります。この場合、『採用ニーズのある職種に対して、この人材の性格が適切かどうか』という判断が必要となります。逆に言えば、面接ではわからない性格を勘案した上での採用が出来るので、特定の職種の採用ニーズがある場合には有効であるとされています。
例えば営業職を採用したい場合には、一般的には「粘り強さ」「前向きさ」などの要素が強い方が、より適性が高いと判断されます。


適性検査の種類と導入の仕方
一般的に企業で検査を行う場合には、学力・性格を図る『総合検査』と性格を図る『性格適性検査』があるというのは、既にお伝えしました。それでは具体的に、それぞれにどのような種類の検査があるのでしょうか。ここでは検査の種類や特長について解説します。

 

(1) 適性検査の種類
(ア) 総合検査の主な種類としては
・SPI(SPI2)
・GAB
・CAB
などがあります。特にSPIは数ある総合検査の中でも、最も多く使われている検査です。

 

(イ) 性格適性検査の主な種類としては
・クレペリン
・Y-G性格検査
・数研式M-G性格検査
・CPI
などが挙げられます。ただ、中には検査の形を変えず使われてきたために、判定方法が広く知られてしまったものもあります。そのため、受験者が結果を意図的に操作することが可能である場合もあります。
ここに挙げた検査以外にも、多くの企業が様々な種類の適性検査を開発しています。それぞれの検査に関して、具体的結果の有用性を判断した上で、選考に導入するべきと思われます。

 

(2) 導入金額
導入金額は各検査の内容やプラン、対象人数によって実に様々です。
各検査にはそれぞれランクがありどこまで検査するかによって金額が変わってきます。また、「受験者一人あたりいくら」というプランから「年間契約でいくら(何人でも)」というプランまであり、実施すべき対象人数によってプランを検討する必要があります。
各検査によって金額は全く変わってはきますが、おおよその場合、被験者一人につき¥2,100~、年間契約で¥500,000~となっています。

 

(3) 方法
検査実施についても様々な方法があります。従来は受験者が試験会場に赴いて受験することがほとんどでした。しかし近年では多くの企業がWEBでの試験を取り入れており、受験者が個人のパソコンから受験することが可能となっています。また筆記試験の場合には、従来通りの試験会場での受験以外に、企業のオフィスに赴いての受験をすることも多くあります。
試験会場での受験の場合には、その検査の運営元の企業に受験の運営全般を依頼することになりますので、企業側はその流れを受験者に連絡するだけで済みます。しかし、オフィス内での受験の場合には、検査の説明~時間の管理などの全ての流れを企業側で行う必要がありますので手間がかかります。
各検査の内容と金額を比較検討した上で、運営元とどのような方法が一番効率的なのかをすり合わせ、実施する必要があります。


適性検査結果の活用方法
中途人材の採用ニーズは、採用する側である企業の状態によって変わってきます。採用するべきニーズによって適性検査の活用方法を考えてみたいと思います。

 

(1)成長期のベンチャー企業の組織強化の場合
ベンチャー企業が採用したい人材には「粘り強さ」「前向きさ」などの他に、「フットワークの軽さ」「柔軟性」などが必要となります。例えば、ベンチャー企業の営業職で、とにかく仕事をとってこなくてはならない、けれども社内の業務フローもしっかりと構築されていないという状況があるとします。その状況に対応するには、営業としての粘り強さももちろん必要ですが、新規で案件をとってくるためのフットワーク力が必要ですし、営業だけではなく事務作業も同時に行わなければならないため、複数の業務に対する柔軟性も必要です。自分の業務だけに固執をしているようでは、ベンチャー企業で活躍できる人材とは言えません。適性試験を行い、「前職では営業をしていました」と言うだけではわからない、人材の本質的な部分を知ることによって、ベンチャー企業が自社のステージで動ける人材なのか否か、の判断をすることができます。

 

(2)大手企業の組織増員の場合
売上はある程度の規模まで伸びており、例えば管理部門だけで数十名単位でいるような大手企業では、同じ組織の同じ部署に様々な人がいることになります。組織全体として動く以上、その方達とのコミュニケーションは必須、協調性を持って協力しあって動くことが必要となります。しかし完全に協調してしまうのでは中途採用をする意味がありません。「寛容性」や「協調性」を持ち、さらに周囲に良い影響を与えるべく「創造性」もなくてはならない。その複雑なバランス感覚は面接ではなかなかつかみづらいものです。適性検査にてそのバランス感覚を図ることで、新卒採用がメインであった大手の企業が、中途採用をすることに意義をもたせることができます。

 
新卒採用との活用方法の違い
新卒と中途の両方を採用している企業の場合、その適用の目的や方法は若干違っています。
新卒採用の場合、学力検査によって基礎的な学力を調べ次選考へ進ませる優先順位を付けたり、性格検査によって適性を判断し配属を決定するなどの活用ができます。
一方、中途採用の場合には比較的採用したいニーズ・人物像が固まっており、そのポジションに合うか合わないかの判断が必要となりますので、求める人物像にマッチしているかの判断材料として活用するケースが多くなっています。


総括
企業は中途採用をする人材に、業務上での即戦力としてのパフォーマンスを期待しています。しかしさらに、その人材を採用することによって会社に与える影響をも目的としている場合が多くあります。
現場の意識の改善か、もしくは斬新な視点の導入か、目の前の課題の解決か、目的はそれぞれの企業によって異なります。しかしながら、そのどれもが中途採用された人材一人では達成できるものではなく、現社員との協調性を以ってなされるものです。
そのためにも企業は、採用にかけるコストや人員数等も勘案した上でどの検査を使うかを選択し、自社のステージや環境に合った人材かどうかという判断の要素として検査を活用しています。

 

現在、適性検査を行っておらず、中途人材が社内の方向性と合わないという理由で定着をしてくれない、といった企業には、一度適性検査の導入を試してみる事をお勧めします。
逆に「現場からの面接での評価は非常に高いのにもかかわらず、適性検査の結果によって採用がうまく出来ていない」といった企業の場合は、採用における検査の結果というものの重要性を少し下げてみる必要があるかもしれません。

 

どちらにしろ、適性検査の結果というものの重要性を採用するか否かの一つの要素と理解した上で、面接での評価と合わせて人材を評価するべきと思われます。そうすることが、貴社の中途採用を成功に導くことにつながることでしょう。

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