2019年05月13日

弁護士の働き方が変わるリーガルテックとは

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リーガルテックとは、情報テクノロジーによって法務サービスの利便性を高めることです。
1970年代にアメリカで誕生し、ITの進歩とともに大きく発展しつつあります。
裁判例検索や司法における書面・手続き、契約などのIT化を柱とするリーガルテックは、日本でもこれから大きく広がると見込まれます。
ここでは、リーガルテックとはどのようなものなのか、リーガルテックにより弁護士の働き方はどのように変わっていくのかを見ていきましょう。

リーガルテックとは

リーガルテックとは、情報テクノロジーによって法務サービスの利便性を高めることです。
1970年代にアメリカで誕生して世界に広がり、日本でも、今後広がっていくと見込まれます。リーガルテックが普及することで、弁護士の仕事も大きく変化していくことになるでしょう。
アメリカで登場した最初のリーガルテックは、アメリカの全裁判所で過去に行われた裁判例をデジタル化したものです。
判例主義が採用されているアメリカでは、法的な判断を行うために、過去の膨大な判例の中から必要なものを抽出し、参照しなければなりません。
裁判例がデジタル化され、容易に検索することができれば、司法のプロセスに大きな効率化が図られることとなります。
当初は収録データが限定されていたものの、2018年11月にハーバード大学が、1600年代から現在に至るまでのすべての裁判例のデジタル化を終えました。
裁判例の総量は、650万件、4,000万ページ、デジタルデータとして200テラバイトに及ぶものでした。
また、それと並行し、裁判所で使用される書面や手続きに関してもデジタル化する動きが進んでいます。

さらに、1990年代以降のPCやスマホなどの普及にともない、法律事務所や企業・個人が身近に利用することができるリーガルテックも生まれてきました。
企業や個人間の契約書を電子上で作成・締結および管理ができるサービスなどが実際にスタートしています。
アメリカの法律事務所では、膨大な資料を精査しなければならないデューデリジェンスの業務を、AIを活用し安価に請け負うサービスを提供する企業も現れました。
また、改ざんが不可能とされるネット上の分散型システム「ブロックチェーン」を活用することにより、契約の締結のみならず、強制執行までを自動的に行うシステムの開発も進んでいます。

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世界で広がるリーガルテック

アメリカで生まれたリーガルテックは、世界に広がりつつあります。その大きな柱は、
・裁判例検索のIT化
・司法の書面や手続きのIT化
・契約のIT化
の3つが大きな柱となっています。このリーガルテックの流れは日本にも波及しています。

日本でのリーガルサービスに対するIT活用例としてこれまでに、
・法律情報や弁護士を紹介するサイト
・登記申請書や定型的な契約書などの作成支援
・チャットによる法律相談
など、初歩的なサービスは既に普及しています。

しかし、法令の条文については既にデジタル化されているものの、裁判例のデジタル化は、最高裁判所の判例だけを見てもまだ数%にとどまっているといわれます。
また、司法の書面・手続きのIT化は、ようやく閣議決定を経てこれからスタートする段階です。
確実に広がりを見せるリーガルテックによって、日本の司法や弁護士業務のあり方が大きく変わっていくでしょう。

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リーガルテックよって弁護士の仕事は奪われるのか?

リーガルテックが普及することにより、弁護士の仕事はどうなるのでしょうか? 「弁護士の仕事がリーガルテックにより奪われるのでは?」との見方をする人もいるでしょう。
たしかに、リーガルテックによって弁護士の業務内容が変わることは間違いないといえるでしょう。
これまで弁護士の知識と経験に頼っていた裁判例の検索は、AIによって瞬時に行われるようになるでしょう。
また、弁護士が関わる契約などの業務についても、多くの部分がテクノロジーに置き換えられていくと見込まれます。
しかし、リーガルテックが導入されることで法務サービスが安価で身近なものになり、これまで法務サービスを利用していなかった層が開拓される可能性があります。
それにより、弁護士の需要も増えていくと考えられるのではないでしょうか。

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リーガルテックを駆使することで新しいキャリアが生まれる

リーガルテックを駆使することで新しいキャリアが生まれる

また、リーガルテックを駆使することにより、弁護士の新しいキャリアが生まれる可能性もあります。
近年、司法修習後に法律事務所に就職する弁護士の数が減っているといわれます。
その1つの要因として、スタートアップのベンチャー企業に企業内弁護士として就職する人が増えているからだとされます。
大手弁護士事務所からスタートアップ企業に転職する例も増えています。
顧問弁護士として企業と関わる場合、企業は外部の弁護士に対してすべての情報を開示するわけではありません。
それに対して、企業内弁護士ならば、企業の価値観や文化・歴史を共有しながら、企業の成功を共に勝ち取っていく仲間の一員となることができます。
リーガルテックを駆使することで、新しい時代に沿った弁護士としてのキャリアを築いていくことができるでしょう。

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