2023年08月24日

税理士補助ってきつい?未経験でも大丈夫?向いている人や求人例など

管理部門・士業の転職

税理士補助ってきつい? 未経験でも大丈夫?

税務代理・税務書類作成等の業務で税理士をサポートする「税理士補助」は、経理・会計の分野に興味がある人にとって魅力的な仕事の一つです。
税理士補助として経験を積むことで、より大きな規模の税理士法人で働くチャンスを得る可能性があり、働きながら税理士試験に向けて勉強して税理士を目指すこともできます。

しかし、会計業界の仕事は、顧客からの依頼・要望に応える、いわゆるクライアントワークなので、繁忙期には土日も返上で期日までに案件を仕上げるために働かなければならないケースも珍しくありません。
この記事では、税理士補助の仕事がきついとされる理由や、未経験で転職する際の難易度・向き不向きなどについて解説します。

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税理士補助の仕事内容は?

税理士補助の仕事内容は、多岐にわたりますが、原則として税理士の監督下で税理士の独占業務の補助的な作業を行います。
以下、税理士補助の仕事内容について、主なものをご紹介します。

記帳代行(経理事務の代行)

経理担当者・経理専門の部署を置くことが難しいクライアントや、簿記・会計の知識に詳しい人材がいないクライアントから、「経理事務の代行」を委託されることがあります。
取引の記帳を代行する「経理事務の代行」は独占業務に該当しないため、税理士補助の業務です。
クライアントから取引の詳細を聞き取り、領収書・請求書等を受け取り、仕訳・伝票入力・勘定元帳の作成などを代行します。
税務申告を念頭に置いて、決算書類の作成などの年次業務にも携わります。

人事・総務の代行

経理業務だけでなく、給与計算や年末調整などの「人事・総務業務の代行」を税理士補助が担当することもあります。

ただし、社会保険手続きに関しては、社会保険労務士の独占業務(1号業務)であることから、税理士および税理士補助による社会保険手続き代行は違法となります。
そのため、クライアントから社会保険手続きの相談を持ちかけられた会計事務所が、社会保険労務士を紹介することもあります。

巡回訪問

会計資料を預かったり、試算表や帳簿を返却し、説明したり、対面でしかできない仕事を行います。

忙しい時期は、複数のクライアントを巡回訪問することも多く、限られた時間でミッションをこなせる能力が必要です。
税理士の独占業務である「税務相談」に該当しない範囲で、取締役・経理担当者への会計・税務上のアドバイスを行うこともあります。


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税理士補助に必要な資格・スキルは?未経験だときつい?

実際に税理士補助として勤務するにあたり、どのような資格・スキルが求められるのでしょうか。
以下、未経験で転職するケースも想定しながら、具体的なものをいくつかご紹介します。

必要な資格は?

税理士補助は、税理士と違い、税理士試験の合格が義務ではありません。
また、会計関連の資格がなくても、求人している事務所の要件を満たしていれば応募は可能です。

ただし、簿記2級以上の合格者、人事・総務業務の税理士試験の科目合格者などは、有利になる傾向があります。
特に未経験者の場合は、アピールできる実務経験がないため、経理・会計分野の資格を取得しておきましょう。

必要なスキルは?

税理士補助に求められるスキルの中で、もっとも重要度が高いのは、経理・簿記に関するスキルです。
クライアントの多くは中小企業で、記帳代行も含めた税務申告を税理士に依頼するため、税理士補助は「中小企業クラスの経理業務」をこなせるスキルが求められていると言えるでしょう。

また、巡回訪問の場面で、クライアントから税法に関する質問をされることも少なくありません。
税法の最新情報を押さえつつ、的確に回答できるコミュニケーションスキルがある人材は重宝されるでしょう。

パソコンスキルに関しては、Word・Excel・PowerPointなどをビジネス用途で使いこなせることが重要です。
特に、会計事務所は税務書類・資料等の作成に関してExcelを多用する職場なので、数式はもちろんマクロ・VBAも使えると評価が高まります。
さらに、巡回時は滞在時間に限りがあるため、マウスに頼らずキーコマンドやファンクションキーを使いこなした入力作業ができると業務効率化につながり、評価されるでしょう。

未経験者にとっては厳しい?

税理士補助を目指す人は、税理士を目指している人や税理士試験の合格者が多く、すでにプロフェッショナル志向を持っている傾向があります。 そのため、経理や税理士補助の実務経験がない未経験者は、知識や意識の面で不利になる可能性が高いでしょう。

完全未経験から転職を考えるのであれば、まずは一般企業の経理事務を経験したり、アルバイトやパートからはじめたり、別の視点からキャリア構築を検討するのが近道です。

POINT!
税理士補助の転職に資格は必須ではありませんが、簿記2級程度の経理・簿記スキルがあると有利です!
未経験で税理士補助になるためのポイントは下の記事をご確認ください。

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税理士補助が「やりがい」を感じる場面やメリットは?

税理士補助として、日々の業務にやりがいを感じられる場面は多く、繁忙期を乗り切るための精神的な支えにもなります。
以下、税理士補助として働くメリットをいくつかご紹介します。

様々な会社の経営者とやりとりができる

一般企業では、幹部クラスでもない限り、経営陣と直接話をする機会は得られません。
税理士補助は、巡回訪問で様々な会社の経営者とやりとりすることが可能です。
一概には言えませんが、経営者の中には個性的な考え方も多く、いい刺激を受けることで社会勉強につながるでしょう。

多種多様な会社の会計業務に携わることができる

個人事業主・零細企業・中小企業といった規模の違いだけでなく、業種の違いも含めると、会計事務所が担当する業務内容は非常に複雑です。 例えば、記帳代行の場合、個人事業主が使う「事業主借/貸」といった独特の勘定科目、社内で決まっている摘要の書き方など、企業によって記帳のルールが異なります。

多種多様な会計業務の経験を積み重ねることで、今後の転職で自己アピールの材料になるでしょう。 過去に経験した業種については、一般企業への転職でもそのまま活かせるはずです。

税理士を目指している方は実務経験を積みながら勉強できる

税理士試験合格者が、税理士として登録するためには、2年以上の実務経験が求められます。
試験合格前の経験も算入できるため、税理士補助として実務経験を積み重ねることで、合格後スムーズに税理士登録を進められます。

税理士補助の業務を通して、具体的なケースをもとに学習できるため、試験勉強の理解が深まるでしょう。
すでに税理士試験に合格している人が、同じ事務所で勤務していることも多いため、勉強・仕事の両面でアドバイスを受けられるのもメリットです。


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税理士補助が「きつい」と感じる場面やデメリットは

会計業界でプロフェッショナルを目指すにあたり、税理士補助の業務は魅力的である反面、誰にでも向いている職場ではありません。
以下、税理士補助が「きつい」と感じられる場面や、デメリットについて解説します。

会計事務所のカルチャーが合わない

会計事務所・会計業界は、一般企業と比べるとカルチャーが独特です。
税理士は「先生」という呼称で呼ばれ、年齢ではなく資格取得時の年度で上下関係が生まれることもあります。
そのため、今までフラットな雰囲気の企業で働いてきた人にとっては、働きにくい環境と感じる可能性もあるでしょう。

教育環境が整っていない

採用で実務経験を重視する会計事務所では、新人教育に時間を割くという意識が薄い傾があります。
もちろん、一からじっくり教育する体制が整っている事務所もありますが、基本的には前任者や先輩の仕事を見ながら自身でキャッチアップしていかなければなりません。

繁忙期は残業しやすい

会計事務所は、12月から翌年の5月までが繁忙期となり、税理士補助は年末調整・確定申告・決算などの期間で激務を経験します。
終電で帰り、始発で家を出るケースも珍しくなく、体力に不安がある人にとってはきつい環境と言えるでしょう。

プライベート・勉強の時間がとれない

およそ半年にわたる繁忙期があるため、会計事務所に勤めながら勉強時間を確保するのは大変です。試験勉強と並行して税理士補助に従事する場合、アルバイトなどで就労時間を短くして働かなければ、税理士試験の勉強に時間を割くのは難しいでしょう。
ただ、育成枠として試験勉強に専念するために定時退勤を推奨するなどの支援制度がある事務所もあります。

給与・手当が充実してない

会計事務所は、税理士資格の取得有無によって給与・手当の額が変わることがあります。試験合格が昇給にそのままつながるため、スタート時は給与が低いケースが一般的です。
また、個人の会計事務所では評価制度や給与形態が曖昧な場合も多く、正しく評価されていないと不満を持つ可能性もあるでしょう。

些細なミスでも許されない

会計処理のミスがあった場合、税務署へ修正申告を行う必要が生じ、クライアントに多大な迷惑をかける恐れがあります。
クライアントの数字を扱うため、ミスが許されない環境で働く必要があり、精神的にプレッシャーとして重くのしかかることでしょう。


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税理士補助に向いている人は?

税理士補助として仕事をこなせている人材には、いくつかの特徴が見られます。
以下、税理士補助に向いている人の特徴をご紹介します。

経営に興味がある

経営に興味がある人は、経営者とのやりとりによって好奇心を刺激されるでしょう。
巡回訪問の場合では、会計以外のジャンルの相談を受けることもありますが、経営について勉強している人は有益なアドバイスを提供できるため、クライアントからの信頼を勝ち取ることにつながります。

数字に抵抗がない

会計事務所は、毎日数字を扱っているため、細かい数字の扱いや計算が抵抗なくできる人が向いています。
実際に行う計算の多くは加算乗除ですが、算出した数値の意味を正しく理解してクライアントに報告する必要があることから、分析力がある人も高い評価をされるでしょう。

細かい作業が得意

複数のクライアントの帳簿を正確に作成する必要がある税理士補助は、ミスがなく、細やかな部分にも気を配った仕事が評価されます。
どんなにたくさんの仕事があっても、ポイントを押さえて正確に処理できる几帳面さが、税理士補助には求められます。

コミュニケーション能力がある

複数人で大量の仕事をこなす会計事務所では、しっかりと連携がとれていることが、スムーズな業務遂行につながります。
とくに未経験者の場合、協調性がある人材だと、先輩からも仕事を教えてもらいやすいでしょう。

学習意欲が高い

税務・会計の法令は年々アップデートされていくので、税理士補助として勤務するのであれば、最新の知識を速やかに頭に入れる努力が必要です。
会計事務所では、最新の知識をキャッチアップできるよう、自分で時間を見つけて学べる人が重宝されます。


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税理士補助に向いていない人は?

税理士補助に 向いていない人は?

反対に、税理士補助に向いていない人はどういった特徴があるのでしょうか。
以下、具体的な特徴をご紹介します。

地味な仕事が苦手

税理士補助の仕事は、あまり華やかとは言いにくく、むしろ「縁の下の力持ち」的な役割を要求されます。
そのため、コツコツと仕事を一つずつ積み上げていくような働き方が苦手な人は、避けるべき職種と言えるでしょう。

数字が苦手・物事の大枠をとらえる

細かい数字を追うのが苦手で、物事の大枠をとらえる人も、税理士補助には向いていないでしょう。
記帳代行や決算書作成などでは、数字の扱いが必要不可欠です。さらにその数字から分析する能力も必要です。

多くの人とコミュニケーションをとることが苦手

少数精鋭で仕事をする環境である会計事務所は、コミュニケーションも密になります。さらに巡回訪問では経営者層とのコミュニケーションが必要です。
誰かと話をすること、複数人と良好な人間関係を築くことが苦手な人は、別の職種を検討するのがよいでしょう。

学習意欲が低い

税理士補助は、税法について常に最新情報をキャッチし、勉強し続ける姿勢が求められます。
会計事務所によっては、事務所内で研修やセミナーなどを実施していることもありますが、自主学習は必要不可欠です。

飽き性

法改正など新しい情報はキャッチアップしていかなければならない会計業界ですが、基本的にはルーティンワークが要求されます。特に巡回訪問のない内勤者は、飽き性だとつらいと感じるでしょう。
税理士補助としてのやりがいを感じるためには、毎日のルーティンワークの中に、新しさや喜びを見出せる感性を育てる必要があります。


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税理士補助の求人例

弊社MS-Japanは、税理士をはじめとした士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。会計事務所の求人は税理士だけでなく、税理士補助の求人も多数取り扱っております。
以下、主な求人例をご紹介します。

会計事務所未経験者で税理士を目指していきたい税理士アシスタントを募集します

【想定年収】
350万円~400万円
【業務内容】
アシスタントとして税理士補助業務に従事していただきます。
・伝票処理~仕訳~記帳
・決算書作成
・税務申告書作成

【池袋】ワークライフバランス◎優良税理士法人で税務スタッフの募集

【想定年収】
307万円 ~ 375万円
【業務内容】
・税理士補助業務
・企業の記帳代行
・税務申告書の作成
・税務相談
・来客対応
・電話対応
※ご経験やスキルを考慮しお任せいたします。

【御茶ノ水の老舗会計事務所にて税務スタッフを複数名募集】

【想定年収】
500万円~
【業務内容】
・税理士補助(月次巡回監査/決算業務)
・コンサルタント業務補助(企業再生/IPO支援/M&A/事業承継/試算構築等)
など

まとめ

税理士補助は、未経験者よりも実務経験者の方が優遇される傾向があります。
しかし、スキル・資格等をアピールできるのであれば、未経験者でも転職は不可能ではないでしょう。

求められるスキルのレベルは高く、適性次第では苦労するかもしれませんが、チャレンジする価値はある仕事です。
会計事務所への転職について、より詳しい情報を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

小島 亜里紗

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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