経理に転職して後悔…「こんなはずじゃなかった」をなくすための注意点とは
経理に転職したあとに後悔してしまうというケースは意外と少なくありません。
経理への転職を考えているのなら、後悔した理由はどのようなものが多いのか、知識として得ておきましょう。
本記事では、経理に転職して後悔した理由や転職で後悔しないための注意点、実際の転職事例などを紹介します。
経理に転職して後悔した理由
経理に転職して良かったと考える人がいる一方で、後悔している人もいます。
どのような理由で後悔したのかについて転職活動を始める前に知っておくと、自分が経理の仕事に向いているかどうかもある程度判断できます。
ルーティンワークばかりでつまらない
経理が担当する業務の多くはルーティンワークです。
定型化された業務を毎日繰り返すため、そこに嫌気がさす人は少なくありません。
業務時間中は同じ業務を繰り返し遂行することから時間も長く感じます。
そのため、経理の仕事は事務作業のようなルーティンワークを集中して続けることができる人が適しています。
ただ、ルーティンワークがメインなのは悪いことではありません。
イレギュラーな事態がほとんど発生しないため落ち着いて仕事に取り組むことができ、慌ただしい対応が求められるケースも稀です。
誰でも同じような品質で業務に取り組めるよう、仕事の流れや取り組み方をマニュアル化している企業も多く、安心して業務を遂行できます。
簿記・会計の勉強が苦手
経理の実務では、簿記や会計の知識が必須です。
もともと簿記や会計の勉強をしたことがある、もしくは実務経験があるのならともかく、そうでないのなら苦痛に感じるかもしれません。
実務に対応できるほどの専門知識を習得するとなると、帰宅後や休日に勉強しなくてはならないため、そこで心が折れてしまうケースも考えられます。
そもそも、数字が苦手、嫌いといった人は経理の仕事に向いていません。
一方、勉強できる時間がない、勉強そのものが苦手な人は、努力次第で何とかなる可能性があります。
通勤中の隙間時間でも勉強は可能であり、実務に求められるスキルさえ習得したら、あとは実務経験を積むことでスキルをブラッシュアップできます。
直接的に利益を出さないため評価されにくい
経理が携わる仕事は、企業の直接的な利益に関わらないバックオフィス業務です。
直接的に利益を生み出しているわけではなく、周りからも成果が見えにくいため、評価されにくい傾向があります。
そのため、もっと華やかに働きたい、組織の利益に直接貢献したい、といった考えが強い人には経理の仕事は向いていないかもしれません。
ただ、経理は企業にとって重要なポジションです。
お金の流れを管理する経理が存在するからこそ、経営陣は適切な経営判断を行えます。経理がいないと組織が回らないと言っても過言ではありません。
経営者層とのコミュニケーションが多い
組織の金庫番として機能する経理は、組織の舵取りを行う経営者層とコミュニケーションをとる機会が多い傾向にあります。
新たな事業に費やせる予算や資金調達に関する相談などを、経営者層が経理にもちかけることもあるため、必然的に顔をあわせる頻度は増えます。
ただ、これをデメリットととるかどうかは考え方次第です。
経営者層とコミュニケーションが多いのは、それだけ経理が組織にとって重要であることの証です。
経営判断にも関わる提言もできるようになると、貴重な人材と判断され、これまで以上に重宝されるかもしれません。
繁忙期は休みにくい
経理の繁忙期は、3~6月です。
多くの企業は3月を決算期としているため、3~6月に忙しくなる傾向があります。
また、年末が近づいてくると年末調整やそれに付随する書類の作成、提出といった業務が発生するため、12~1月のあいだも繁忙期です。
繁忙期は通常に比べて業務が忙しくなるため、休みがとれなくなることも珍しくありません。
少数精鋭で業務を遂行しているような経理部門なら、なおさら休みをとるのは困難です。
経理が忙しくなる時期はどの企業でもほぼ同じであるため、転職前に繁忙期でも休めるかどうかを確認しておくと安心です。
経理への転職で後悔しないための注意点
経理に転職したものの、思っていた仕事と違った、イメージとかけ離れていた、といった理由で再度転職活動を展開する羽目になるかもしれません。
そのようなことにならないよう、いくつかの注意点を押さえておきましょう。
経験・スキルの棚卸しを行う
習得しているスキルや過去の経験を洗い出し、経理に転職して問題なく続けられそうかどうかを確認しましょう。
経理の実務では、簿記や会計をはじめ、給与計算ソフトや会計ソフトを扱うパソコンスキル、機密情報を流出させないITリテラシーなどが求められます。
過去を時系列で振り返り、経理の実務に役立ちそうなスキルや経験がないか調べてみましょう。
簿記や会計のスキルが乏しくても、給与計算ソフトや会計ソフトを扱えるのなら、転職が有利になる可能性があります。
経験やスキルの棚卸しによって、自分でも忘れかけていたスキルを発掘できるかもしれません。
年収や待遇など希望条件を明確にする
年収や待遇などの希望条件を明確にすると、求人を絞り込めます。
経理の仕事に興味があっても、希望条件からかけ離れているのなら諦めることも考え、別の求人を探すことができます。
興味があった経理の仕事に転職できたものの、年収が大幅に下がったとなると問題です。
収入は実生活に直結するため慎重に検討しなくてはなりません。
年収や待遇などの希望条件を明確にしておくと、転職エージェントを利用して求人を探すときもスムーズです。
入社前の情報収集を入念に行う
入社前の情報収集が不十分であったため、転職したあと後悔するケースは少なくありません。
思っていた職場環境ではなかった、想像よりも地味でつまらない仕事だった、残業が慢性化している会社だったなど、情報収集不足によって引き起こされる悲劇は多々あります。
このようなリスクを回避するためには、転職を希望する企業が見つかったら入念に情報収集を行いましょう。
対象企業のWebサイトや公式SNSなど、インターネットを利用すればさまざまな情報を入手できます。
経理に特化した転職エージェントのカウンセリングを受ける
自分に経理の適性があるか、経理の仕事に向いているかどうかが不安なら、経理に特化した転職エージェントのカウンセリングを利用するのもひとつの手です。
転職エージェントは転職のプロであり、さまざまなアドバイスをもらえます。
経理への転職に強い転職エージェントなら、経理の実情や転職市場に関する豊富な知識を有しています。
プロならではの視点で経理の適性があるかどうかも判断してもらえ、相談するなかでもっと適した仕事を紹介してもらえる可能性もあります。
また、転職エージェントなら履歴書や職務経歴書の添削、面接対策なども対応可能です。
万全の体制で転職活動を展開できるため、転職の成功率を高めたい人におすすめです。
「未経験」から経理に転職した事例
弊社MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しています。
ここでは、「MS Agent」を利用して、未経験から経理に転職した方の事例を2つご紹介します。
未経験・簿記2級の資格を活かして経理にキャリアチェンジした事例
未経験かつ日商簿記2級の資格を持つ20代の男性Iさんは、販売職から経理職へのキャリアチェンジを希望しました。
販売員としての経験を活かし、企業の会計に関わることに興味を持ったIさんは、即戦力としての経験不足に不安を感じながらも、転職活動を開始。
面接準備においては、「経理職を志望した理由」と「経理職としてのキャリアパス」に焦点を当て、一貫性のある理由を明確に伝えられるように準備を進め、見事キャリアチェンジを成功させました。
キャリアイメージの明確化と自己分析の重要性がよくわかる一例です。
詳細はこちら▼
未経験・簿記2級の資格を活かして経理にキャリアチェンジされた方の事例
簿記2級で未経験から経理へのキャリアチェンジ&年収アップに成功した事例
日商簿記2級の資格を持つ20代後半の男性Zさんは、コロナ禍でクライアント先の倒産を目の当たりにした経験から、企業の財務管理の重要性を感じて転職を決意しました。
転職活動では、書類通過に注力しました。Zさんは書類作成時の細かな点にも気を配り、文書作成能力を高めることで、書類選考通過率を活動開始当初から2割以上に引き上げることに成功。自己PRでは、他業種の人にも理解しやすい内容と事務的な業務の能力をアピールしました。
面接では、素直さと既存のメンバーとの相性の良さが評価され、未経験ながらも経理職にキャリアチェンジし、年収も400万円から420万円に増やすことに成功しました。
キャリアチェンジにおいて、資格や経歴だけでなく、個人の特性や潜在的な能力も重要です。また、丁寧な書類作成と自己PRの戦略が転職成功につながる鍵です。
詳細はこちら▼
日商簿記2級で未経験から経理へのキャリアチェンジ&年収アップに成功!
経理から「他職種」に転職した事例
ここでは、「MS Agent」を利用して、経理から他業種に転職した方の事例を2つご紹介します。
経理から経営企画へ転職したMさんの事例
上場子会社にて財務会計を担当していたMさんは、労働環境への不満から転職を思い立ちました。
そこで、若い世代が活躍しており、システム化も進んだ企業への転職を考え、経営企画の求人へ応募します。
経営企画は未経験であったものの、自分の強みを的確にアピールし、Mさんは転職に成功しました。
やりたいことと過去の経験を明確にして伝えたことが、転職に成功した秘訣です。
続きはコチラ▼
当初、選択肢になかった経営企画職へ転職された方の事例
経理から会計事務所に転職したYさんの事例
上場企業の経理部門に契約社員として勤務していたYさんは、繁忙期の激務やキャリアアップが難しい環境、正社員との格差に不満を抱えていたため転職を決意しました。
一般企業の選考はなかなか通過できなかったものの、税理士法人を選択肢のひとつに加え、最終的に転職に成功しました。
スキルアップが可能な点と、実力を正当に評価してもらえる環境が決め手でした。
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企業から会計事務所への転職が増加中!?30代・簿記2級・経理スタッフの成功事例!
経理から「他の企業の経理」に転職した事例
経理に転職して後悔している場合でも、他社の経理に転職することで解決する場合があります。
ここではキャリアチェンジではなく、これまでの経験を活かせる同じ経理職として、職場を変えるための転職に成功された方の事例をご紹介します。
若手が活躍する大手上場企業の経理へ転職したGさんの事例
大手子会社の旧態依然とした風土でキャリアアップが遅く、スキル面も考慮しつつ将来に不安を感じて転職活動を開始したところ、独立系大手IT関連企業に経理スタッフとして採用されました。
若手が裁量権を持って幅広い業務に従事できる環境、のびのびした風通しの良い社風がマッチングのポイントとなったほか、親会社から取りまとめられるのではなく、自身が取りまとめる側となったため、スキルアップも実現しやすい転職になりました。
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旧態依然とした社風から脱出、若手が活躍する大手上場企業へ転職
柔軟な働き方ができる企業の経理へ転職したKさんの事例
上場グループ企業の経理部門で産休育休を経て職場復帰したところ、徐々に仕事量が増えてしまった結果、育児との両立が難しいと判断して転職を決意しました。
年次決算や税務、予算実行管理などの業務経験があったことから、キャリアアップも図れる転職先を希望していましたが、子育てできる環境であるかどうかを最重要視していました。希望条件を具体化することで応募企業を絞り込んだ結果、複数の企業から内定を得られました。
続きはコチラ▼
子育て中のママさんが叶えた、柔軟な働き方ができる経理職への転職事例!
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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