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CFOが公認会計士のキャリアに? CFOの成り立ちや条件、年収は?【コラム】

2018/02/14

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監査以外にも、さまざまなキャリア

2017年11月17日、金融庁の公認会計士・監査審査会が平成29年公認会計士試験の合格者を発表しました。合格者は1,231人(対前年比 123人増)、合格率11.2%(対前年比 0.4 ポイント増) 、そのうち、みなし合格者を除いた短答式試験の受験者は1,215人でした。合格者の発表に合わせて、4大監査法人による2017年度の公認会計士の採用計画もまとまり、報道によれば、4法人の合計で970人を採用する予定で、前年度実績に比べ1%増にとどまる見通しとなっています。

公認会計士の独占業務である監査は、財務書類そのほかの財務に関する情報の信頼性を確保する業務であり、多くの公認会計士試験合格者、新人会計士の方々がまず目指すところだと思います。ほかにも、税務やIPO、M&Aのアドバイザリーサービスなどといったキャリアパスもありますが、最近、公認会計士資格保有者が企業の財務最高責任者(CFO)へ転身することが、キャリアパスの流れのひとつとなっています。今回はCFOという役職について、日本での成り立ち、必要な知識やスキル、年収など掘り下げてみたいと思います。

CFOは「経理担当役員」ではなく「経営者」

欧米では、CFOは最高経営責任者(CEO)に次ぐ存在といわれています。日本はCFOの歴史がまだ浅いせいか、CFOは経理部長の延長と考えている人も少なくありません。戦後以降、特に企業が恒常的な資金不足状態にあった高度成長期に発達した日本独自のメインバンク制度を受け、CFOという役職は長らく必要とされていませんでした。たとえば、銀行から融資を受けて投資する際、投資判断に至ったしっかりとした根拠がなくても、「成長しているからやってみよう」といった、経営者の勘や度胸で投資を決定しても、当時はそれほど批判されることはありませんでした。また企業が経営危機に瀕した際には、メインバンクが支援し、一方のメインバンクは融資した企業の株式の保有や、役員の派遣など、お互い持ちつ持たれつの関係を築いていきました。

しかし、企業の銀行離れが進んだいま、従来のやり方では企業は生き残っていけません。ステークホルダーに説明責任を果たすためにも、透明性を確保する財務管理力を強化する必要があります。またM&A件数の増加も背景にありますが、企業が相手先をいくらで買収するのかなど、自らの企業価値を最大化していくために、企業のお金の流れを総合的に理解し、事業の将来を予測しつつ、利益をどこに配分するか、といった経営戦略に役立たせるための投資判断ができる人材が必要になってきたのです。そうなると、会計データに重きを置く「経理担当役員」では、CFOの職務を担うには守備範囲が狭すぎるのです。

CFOになるために必要な知識やスキルは

それでは、CFOになるためには、実際にどのような知識やスキルが役立つのでしょうか。まず知識面で絶対に必要なのは、ファイナンスです。これまでの売上・利益重視型経営では、売上を獲得するためにどれだけの資本コストを投下したかについては評価されませんでした。しかしいまは、貸借対照表から、フローを獲得するためにストックをどのように使ったかを見られます。

また、M&Aに際し、企業価値の評価方法についても知っておくべきでしょう。評価方法には、時価純資産法(コストアプローチ)」、「取引事例比較法(マーケットアプローチ)」、「収益還元法(インカムアプローチ)」などがありますが、それぞれの特徴とメリット・デメリットを押さえ、これらの方法から導かれた企業価値に頼りきるのではなく、自ら収集した情報と併せて、総合的に投資判断していくことが肝要です。
2つめに必要とされるのは、コミュニケーション力です。特にベンチャー企業のCFOの場合、投資家に資金調達を促すために、いかに企業が市場の中で競争優位性があり、投資家に投下した金額以上の価値を生み出す潜在能力があるかを、数字を用いて論理的かつ熱意を持って伝える能力が試されます。また、別の資金調達手段として、金融機関からの借入も当然考えられます。投資家が企業の将来性に重点を置くのに対し、金融機関は融資の回収可能性に重点を置くので、確実に返済できることを冷静に説明していくことが必要になるでしょう。このように、資金調達する相手によって説明のアプローチが変わる点も押さえておかなければなりません。そして企業内では、現場の責任者の話を聞き、目の前にある数字の成り立ちを理解し、それをどのように握りながら、将来の経営戦略に生かしていくかを考えることも重要でしょう。
さらに、将来の市場拡大を考慮すれば、世界を視野に置くことも必須になります。語学力の問題だけではなく、異文化に対する理解力を備えていることなども必要でしょう。

CFOの報酬やその魅力

CFOは経営者ですから、高い報酬を想像しがちですが、実際はどうなのでしょうか。また、報酬以外にどのような魅力があるのでしょうか。
大企業のCFOにおいては、たとえばソニーの吉田憲一郎氏は年収4億円を超えています。吉田氏は公認会計士出身ではありませんが、ソネット株式会社の代表取締役社長を経て、2012年に就任したCEOの平井一夫氏たちとともに行った抜本的な構造改革で、長年にわたり業績の低迷に苦しんできたソニーを見事に復活させました。吉田氏は復活に慎重な意見ですが、ソニーが復活した要因として、ROE(株主資本利益率)の確保に重点を置いたことが挙げられています。東証1部上場企業のROE平均が8.7%(2016年度)に対し、ソニーは10%以上を目標に置き、2017年度は達成すると見込んでいます。

ベンチャー企業などに転職すると、経営者との距離が近くなり、高いレベルの仕事や大きな責任が短期間で与えられるなど、これまでのキャリアとは違ったやりがいが生まれるメリットがあるようです。40代の公認会計士Kさんは、監査法人にて監査業務のほか、IPO企業へのアドバイザリー業務の経験がありましたが、ITベンチャー企業でCFOとして就職しました。年収はこれまでの1,500万円から1,200万円に下がったものの、監査法人では経験することのできない、企業の一員として貢献し、共に上場達成の喜びを感じたいということから、ベンチャーCFOの職を選びました。Kさんは、大きく成長していく企業で良い刺激を受けながら、自らの能力をさらに高めていける経営幹部をめざしていきたいと考えています。
監査および会計の専門家である公認会計士も、経営の適性は百人百様で、CFOへの向き不向きはあるかと思います。しかし今後、理想的なキャリアを見つけていくためにも、CFOを選択肢のひとつとして知っておくこともよいのではないでしょうか。

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