2023年07月03日

キャリア採用と中途採用の違いとは?キャリア採用に積極的な企業や職種

管理部門・士業の転職

新卒採用で優秀な人材を確保しにくい企業では、企業活動において必要な人材を確保するため、キャリア採用・中途採用などの採用方法を併用することが一般的になってきています。
これらの採用方法は、広い意味で社会人経験のある人材を採用する位置付けとなっていますが、厳密には意味合いが異なります。

この記事では、キャリア採用・中途採用それぞれの違いについて解説した上で、キャリア採用に積極的な姿勢を見せる企業・職種についてご紹介します。

どこを見ればわかる?キャリア採用と中途採用の違い

冒頭でお伝えした通り、キャリア採用・中途採用が意味する部分は概ね同じで、社会人経験のある人材の採用枠として用いられます。
ただ、それぞれの意味合いは微妙に異なるため、求職者側の誤解を防ぐ意味でも、厳密に使い分けて採用活動を実施したいところです。

以下に、キャリア採用・中途採用について、それぞれ採用の現場ではどのように使い分けられているのかをご紹介します。

キャリア採用

キャリア採用とは、身もふたもない言い方をすれば「即戦力」を募集する際の採用枠を言います。具体的には「同業種・同職種で一定基準以上の経験を積んだ人だけ」を採用したい場合に用いられることが多い傾向にあります。
経理職を例にとると、以下のような条件が掲げられているケースが該当します。

・実務経験3年以上
・日商簿記3級以上取得者優遇
・月次決算の経験者歓迎

他にも、企業によって求める条件は違いますが、総じて採用されてから早い段階で活躍できる人材が欲しい時に用いられます。

中途採用

中途採用という表現を用いた場合、必ずしも経験者だけを募集するとは限らず、社会人経験があれば「異業種・異職種からの採用も柔軟に対応する用意がある」ことを求職者に伝えるニュアンスがあります。

具体的には、応募資格に「業界・職種未経験、第二新卒歓迎」といった内容が書かれている求人情報が該当します。

キャリア採用として細かい条件を求職者に求めるのと違い、求職者側が応募する際のハードルが低くなるメリットがある反面、企業側で欲しい人材を選ぶ手間がかかります。


まずは転職エージェントに無料相談する

キャリア採用を行う企業側のメリット・デメリット

キャリア採用での転職を目指す上では、企業側から見たメリットとデメリットを理解しておくことも重要です。それにより、企業が求める人材の特徴を把握することができます。
ここでは企業にとっての、キャリア採用のメリットとデメリットを、それぞれ3つずつ紹介します。

キャリア採用のメリット

まずメリットとして第一に考えられるのは、職場に入ってすぐに仕事を始められることでしょう。以下に具体的なメリットを挙げてみましょう。

即戦力になる

以前に同様の業務経験がある人材なら、教育期間なしですぐに仕事を任せられます。能力次第では即戦力どころか、企業全体の戦力アップにもつながります。
キャリア採用で入社した場合、即戦力としての活躍を求められることを肝に銘じましょう。

社外のノウハウや経験を活用できる

その企業に欠けているノウハウや業務プロセスなどを、キャリア採用の人材が外部から持ち込んでくれる可能性があります。
入社後は、前職での経験・知識を活かし、積極的に業務改善することが期待されますが、まずは転職先の風土に馴染むことが重要です。

教育コストを抑えられる

キャリア採用ならすでに経験があるため、職場でのルールさえ指示すればすぐに業務を担当できます。そのため教育にかかる時間やコストを抑えることができます。
前職での経験がどこまで活かせるのか確認するために、面接時に業務フローや人数構成などを質問しましょう。

キャリア採用のデメリット

一方でデメリットになる可能性があるのは、矛盾するようですがその人材がもつ経験です。以下に具体的に挙げてみます。

柔軟に対応できない可能性がある

経験を積んだ人材は独自のやり方をもっていて、それをなかなか変えようとしない人もいます。仕事に対するこだわりもあるため、新しい職場のルールを受け入れるのに時間がかかるかもしれません。
前職での経験・知識を活かすことも重要ですが、新しい職場のルールに柔軟に対応できないと、融通が利かず、扱いづらいと認定されてしまうでしょう。

新規採用よりも高い報酬が必要である

即戦力になるキャリア採用は、当然中途採用や新卒採用よりも高い報酬が条件になります。
報酬に見合った働きを求められていると自覚し、能動的な働き方が必要です。

このような点を考慮して、転職活動時にメリットをアピールしてデメリットをフォローすれば、有利に進めることができるでしょう。


まずは転職エージェントに無料相談する

キャリア採用に積極的な業種

キャリア採用・中途採用を明確に区別している企業は少なくなく、とくにキャリア採用を積極的に行っている企業には、いくつかの傾向があります。

外資系企業

年功序列の概念が少なからず幅を利かせている日系企業と異なり、外資系企業の多くは実力に応じたポストを用意するのが一般的です。
そのため、自社で求める実力がない人を採用後に育成する制度が少なく、在職者でもレイオフ・リストラのターゲットになるケースは少なくありません。

逆に言えば、採用時点で自社にとって「有益な人材」と判断された求職者は、そのスキル・経験に応じたポストが得られる確率が高いとも言えます。

ベンチャー企業

ベンチャー企業は、代表はもちろんのこと、社員全員が忙しい日々を過ごしています。 何をもってベンチャー企業と定義するかは、人数・社風・事業規模など会社によりけりですが、共通しているのは「猫の手も借りたい企業」が多いということです。
必要な人数を確保できるだけの待遇や、教育体制を用意できない場合もあり、一人二役・三役をこなしてくれる優秀な人材が欲しいと考えています。
ベンチャー企業は、相応の実力が備わった人材を確保する目的で、キャリア採用を選ぶ傾向にあります。

IT関連企業

そもそも「未経験者を採用しにくい」傾向がある業種として、IT業界が挙げられます。
たとえば、プログラミングスキルを持つ人材は慢性的に不足しているため、IT業界の企業は恒常的に人材不足の状況です。しかし、まったくの未経験者が数カ月で実務レベルのスキル身に着けられる可能性は低く、社員が教育を施す必要があるため、人的コストが高くつきます。

さらに、作業時間の一部が新入社員教育に費やされるため、その分だけ開発スケジュールも圧迫されるでしょう。
よって、多くのIT関連企業での採用活動では、キャリア採用で行われています。


まずは転職エージェントに無料相談する

キャリア採用に積極的な職種

一般的には、職務の専門性が高かったり、具体的な実績が求められたりするような職種は、キャリア採用を選ぶ企業が見られます。
以下に、主な職種についてご紹介します。

人事、財務、法務などの管理部門

バックオフィス部門として会社を支える、人事・財務・法務といった管理部門は、業務の性質上から経験者を必要としているところが多く見られます。
人事部門は人を見るのが仕事という一面もあるため、総合的に対応力の高い経験者をキャリア採用という形で探している企業が目立ちます。

また、財務や法務の分野に関しては、業務の専門性が高く、未経験者が対応できる範囲が限られるため、優秀な人材を新卒からじっくり育てることを想定している場合以外は、原則として業務経験が問われます。
財務は資金調達も含めた資金繰りを任される立場にあたるため、一つのミスが企業のお金の流れを滞らせてしまうおそれがあります。
法務も、杓子定規な法律の解釈では務まらないことが多く、当人の法解釈のセンスが重要になるため、企業側としては一定の素養が担保されている経験者を選びたいのが本音です。

営業企画

商品を売る営業活動だけでなく、売れる仕組み作り・マーケティングの要素も含んでいる営業企画職は、システマチックに売上をあげる実績・経験のある人間が求められています。
企業によってはマーケット開拓も業務に含まれるため、経験者にとっては魅力的に感じられる一方、未経験者は何から手を付けてよいのかわからないまま時間が過ぎてしまうことでしょう。

また、デジタルサイネージ・IoT・Web広告など、進化するアドテクノロジーについていけるだけの柔軟性も求められます。
未経験者は、売れるために各種ツールをどう活用すべきかイメージしにくいため、企業側は経験者を求めるのが一般的です。

SE(システムエンジニア)

一般的にIT関連企業で募集している職種は、経験者でなければ転職が難しい傾向にあります。
特にシステムエンジニアは、プログラミングだけでなく要求分析や要件定義、設計などの高度な知識が必要な職種です。
プログラマーは、未経験者を中途採用して、研修などで育成する企業も多いですが、システムエンジニアは経験者をキャリア採用する方法が一般的です。


まずは転職エージェントに無料相談する

求職者が気を付けたいキャリア採用求人のポイントとは?

キャリア採用の転職でとくに大切なのは、経験者としての能力や実績を的確にアピールすることです。自分自身の情報を誇張することなく適切に伝える必要があります。

まず、転職準備として、自身の業務経歴を洗い出し、客観的に分析してから整理しましょう。
過去に携わった業務を、時系列で説明できるようにすると同時に、その業務の中で具体的に経験したこと、学びとったことなどをプラスします。

求人情報から、企業が求めている経験レベルを把握することも重要です。求人情報には、必要な経験や能力も記載されています。本当に人材を求めている企業であれば、詳細な内容を記載するはずです。反対に記載内容があいまいな企業は、入社後のギャップも想定されるため、選択肢から外した方がよいでしょう。
転職先が求めていることに対して、自分はどのような能力や実績をPRすればよいのかが見えるため、アピールの方向性を決めることができます。

もしも、より詳細な求人要件を知りたくなったら、直接相手企業に確認することをおすすめします。相手側の対応によって、その企業の姿勢がつかめるかもしれません。
直接確認することが難しい場合には、転職エージェントに仲介してもらうという方法もあります。


まずは転職エージェントに無料相談する

MS-Japanで紹介可能なキャリア採用求人

MS-Japanで紹介可能なキャリア採用求人
弊社MS-Japanは、管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここで、MS-Japanが紹介する求人情報の中から、キャリア採用の案件を三つ紹介します。

三菱地所 IT ソリューションズ株式会社/経理/千代田区/大手業界グループ/スキルアップ◎

・雇用区分:正社員
・仕事内容:経理業務全般/税務申告/資金繰業務/経営企画/デジタル化対応など
・想定年収:400万円~700万円/賞与年2回
・勤務時間:9:15~17:45/フレックスタイム制
・休日休暇:完全週休2日制/年間休日121日
・必要な経験・能力:
<必要>
・IT関連業界での経理経験を軸としてお持ちで、予算管理、管理会計、経営企画に携わった経験がある方
<歓迎>
・月次、年次決算業務全般のご経験
※会計事務所・税理士事務所出身の方も歓迎です。

東証グロース上場企業より労務総務ポジションの募集

・雇用区分:正社員
・仕事内容:労務メインの人事業務(給与計算、社会保険手続き、年末調整など)、総務業務(取締役会運営、株主総会運営)
・想定年収:400万円 ~ 500万円/別途賞与年1回
・勤務時間:9:30~18:30
・休日休暇:完全週休2日制/年間休日127日
・必要な経験・能力:
【必須】
・給与計算業務のご経験(目安3年以上)
【歓迎】
・飲食関連事業でのご経験
・人事奉行のご経験

エレクトロニクスメーカーを支える東証プライム上場の専門商社より法務求人です。

・雇用区分:正社員/契約社員/嘱託社員
・仕事内容:法務業務全般/ガバナンス強化/リスクマネジメント/契約締結審査/債権に関する法的手段の実行/社内教育活動など
・想定年収:679万円~1,025万円/賞与年2回
・勤務時間:9:00~17:30
・休日休暇:完全週休2日制/年間休日125日
・必要な経験・能力:
<必須>
・事業会社での法務経験
・英語力(読み書きレベル)
<歓迎>
・上場企業での勤務経験
・海外拠点を有する上場企業での勤務経験
・TOEICスコア600点以上


まずは転職エージェントに無料相談する

キャリア採用の面接で聞かれることとは?

キャリア採用の面接は、通常次のような流れで進められます。

自己PR
転職理由を説明
志望動機を説明
業務内容や採用条件の確認
求職者側からの質問

キャリア採用の場合に重視されるのは、以下に挙げる2つの質問です。

これまでの経験やスキルを転職先でどのように活かすのか?

企業側は即戦力としてすぐに業務に対応でき、高い能力を発揮する人材を求めています。まずは転職先の事業・業務に関連する自分のキャリアを適切に伝える必要があります。
さらに、自分が持つ能力やスキルを、新しい職場でどのように活かすつもりなのかも、具体的に説明できるようにしておきましょう。

志望動機と転職理由

前の職場からの転職を考えたきっかけは、不満ではなく前向きな理由で伝えることが大切です。たとえば、よりレベルの高い仕事に就きたい、または自分の能力をもっと高めたいなどの理由です。
こうした理由を挙げておけば、それが直接求人に対する志望動機にもつながります。相手側に自身の前向きな姿勢を示すチャンスにもなるでしょう。


まずは転職エージェントに無料相談する

まとめ

キャリア採用・中途採用は、ともに社会人経験のある人材を採用する点では共通していますが、より即戦力になり得る人材登用がキャリア採用だと言えます。

キャリア採用としての転職を目指すのであれば、まずは求人の要件を詳細に分析して、その企業が求めている経験者のレベルをつかむことが重要です。
その上で自分の能力と経験を見直し、求人企業とのマッチングを図る必要があります。

企業は、キャリア採用に対して、レベルの高い即戦力になることを期待しています。新規採用や一般的な中途採用よりも、好条件で求人を出すことを考えれば、能力や経験を重視するのは当然です。

転職活動では、求人情報の内容をもとに、企業が求める人材に自分がマッチしていることをアピールしなければなりません。そのためには転職エージェントの情報力を活用して、効率的に転職準備を進めることが成功のカギになるでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

町田 梓

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
現在は法科大学院修了生~法務経験者、管理職経験者、弁護士の方までリーガル領域を中心に幅広く担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

サイトメニュー

職種で求人を探す
資格で求人を探す
勤務地で求人を探す
資格の転職情報を調べる
転職セミナー・個別相談会
転職サービス紹介
転職ノウハウ
求人企業の皆様へ
MS-Japanについて

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する

関連おすすめ記事

新着記事

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。

無料でキャリア相談する