【40代経理の転職】平均年収や必要なスキル、年収アップの転職事例など
経理としての経験を築き上げた40代が転職する場合、企業から何を求められるのでしょうか。
この記事では、「40代経理」に着目し、平均年収や求められるスキル・経験について詳しく解説します。
また、年収アップに成功した転職事例もご紹介するので、転職を検討している40代経理担当者の方はぜひ参考にしてください。
40代経理の平均年収とは
経理の男女別平均年収
まず、厚労省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、経理に該当する会計事務従事者の平均年収は450.0万円です。男女別に見ると、男性552.5万円、女性399.2万円と大きな差があることが分かりました。
男性の年収が高い理由は、出産・介護などのライフイベントによる女性の働き方の制限や、男性を管理職に配置したがる旧来の考え方を持つ企業が多いことなどが挙げられます。
40代経理の平均年収と中央値
「賃金構造基本統計調査」では、年代別の平均年収が発表されていないため、弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」のデータを利用して40代経理の平均年収を見ていきましょう。
2022年4月~2023年3月に転職決定された40代経理の平均年収・中央値は以下の通りです。
40代経理の平均年収 | 620.4万円 |
---|---|
40代経理の年収中央値 | 600.0万円 |
管理職として働く人も多い40代は、前述した会計事務従事者の平均年収450.0万円を大きく上回っていることが分かります。
ただし、ご紹介した年収基準は平均値なので、地方と東京の差や男女差によって100万円ほど差が生じる場合もあります。
40代の経理によくある転職理由
40代の転職ではマネジメント経験の有無を企業から求められるケースが多く見られますが、転職希望者にとっても、マネジメント経験を得られるかどうかが転職先選びのポイントとなります。
「現在の就業先でマネジメントポジションが順番待ち状態である」「IPO準備中企業などで部下がいない」などの理由で転職を決意する方も少なくありません。
また、新型コロナウイルスの影響で業績が不安定になってしまい、中長期的なキャリア形成ができない状況であったり、業界自体が不安定だったりする場合にも、先々のキャリア形成のために転職を希望する方が多いです 。
その他の転職理由としては、「業務内容ややりがいについて考え直した」「将来を考えてUターンして職場を選びたい」などが挙げられます。
特に後者については、ライフステージの変化が大きいと言えるでしょう。
高齢の親が心配になった、大学進学を機に上京してそのまま就職したものの、地元に生活の拠点を戻そうと思っている、という理由で転職を希望する40代の方もいます。
企業が40代の経理に求めるスキル・経験
続いて、40代経理に企業が求めるスキル・経験について解説します。
経理業務経験
まず大前提として求められるのが、経理業務の経験です。
40代として年齢なりの経験があるかどうかが判断材料となります。日次・月次・年次の経理業務を一通り経験していることが望ましいでしょう。
また、経理システムの導入経験や、制度設計の構築経験があれば、有利に働く可能性があります。
マネジメント経験
40代の経理の転職で最も重視されるのが、マネジメント経験です。
マネジメント経験がある場合は、経験した内容を具体的に話す準備をしましょう。経験年数や部下の人数、プロジェクト管理や教育・研修の経験などを具体的に言語化しておくことが重要です。
マネジメント経験がない場合は、今後マネジメントスキルをどのように身に着けていくつもりかをしっかり話せるようにしておく必要があります。
柔軟性
経理に限ったことではないですが、40代の転職では、転職先の会社の風土やルールに対応できる柔軟性も重要です。
基本的には、社会人経験の浅い20代より柔軟性が低いと判断されます。そのため、選考では柔軟性をアピールポイントとして含めると良いでしょう。
部署移動の経験や、新しいことに積極的に挑戦した経験などがあればアピール材料になります。
40代経理で転職成功するための注意点
40代経理の転職活動は、20代~30代の頃と注意すべきポイントが異なります。
転職活動期間を長めに設定する
40代の転職活動は、20~30代の転職活動よりも決まりにくく、転職活動期間が長引く傾向があります。
そのため、初めから短期で決めようとせず、長い目で見て活動することが重要です。働きながら転職活動を進める方法が一般的です。
転職の目的を明確にする
なぜ現在の職場を辞めて転職をするのか、転職の目的を明確にすることが重要です。
昇級が見込めない、ワークライフバランスが悪いなど、転職理由について改めて考え、転職先の企業で何を実現したいのか明確にしましょう。
転職エージェントを利用する
40代の転職活動には、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職情報サイトでは、希望の条件に合った企業を探し、応募から選考、内定までのすべてを自分で管理する必要があります。これらを働きながら行う場合、現在の仕事と転職活動の両立が難しいでしょう。
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーに希望の条件を伝えるだけで、最適な求人情報を紹介してくれます。選考に日程調整や内定後の条件調整なども代行してくれるので、効率的に転職活動を進めることができます。
40代未経験でも経理に転職できる?
簿記2級以上の資格を取得しておく
未経験で経理に転職したい場合、簿記2級以上の資格は必須と言えるでしょう。
経理の実務経験が無い場合は、資格取得を通して、知識や熱意を伝える必要があります。
簿記2級は、比較的一般的な資格で取得者も多いため、給与計算検定、ビジネス会計検定、FASS検定など、経理に関連する資格も併せて取得すると良いでしょう。
年収が下がる可能性を考慮する
経理だけでなく、40代で未経験職種に転職する場合は、今までの年収よりも下がる可能性があります。
年収を下げてでも転職がしたいのか、よく考えて転職活動を行いましょう。
年収アップに成功した40代経理の転職事例
ここでは、「MS Agent」を利用して、転職で年収アップした40代経理の事例をご紹介します。
マスコミ・広告業界上場企業から同業界上場子会社の管理部長ポジションへ
Aさん(40代前半 男性)
年収:750万円→800万円
Aさんは、上場企業にて個別決算・連結決算・開示・税務申告までプレイングマネージャーとして経験しており、なかでも連結決算・開示を得意としていました。
これらの経験と知識について高い評価を受け、役員直下で経理財務業務を中心に管理部門全般を見るポジションへの転職に成功し、即戦力として経理体制を底上げしています。
製造業界上場企業から同業界上場子会社の経理管理職候補へ
Bさん(40代前半 女性)
年収:520万円→580万円
Bさんは、大手子会社にて上場基準の経理に15年以上携わり、連結決算まで担当していました。財務にて資金繰り~資金調達、海外送金やグループ間資金移動に携わった後、10年以上にわたり原価計算、単体貸借対照表、単体損益計算書作成、連結財務諸表作成(貸借対照表、損益計算書)、部門別予算策定~予算実績差異分析などの経理業務を経験されました。
課長候補として部下2名の業務指導経験もあり、即戦力として経理の管理職候補ポジションへの転職に成功しています。
新規IPO達成経験を活かし、IT・通信業界のIPO準備責任者のポジションへ
Cさん(40代後半 男性)
年収:800万円→850万円
Cさんは、税理士事務所や非上場の中小企業、上場子会社、IPO準備中企業にて、一般的な経理業務に限らず税務申告書の作成や開示資料の作成、監査対応、管理会計、財務など様々な実務経験を積み重ねてきました。直近では新規IPO達成も実現しています。
これらの豊富な経験と知識を評価され、IT・通信業界の急成長中IPO準備企業の責任者ポジションへと転職しました。
製造業界上場子会社から同業界上場グループ企業の経理管理職ポジションへ
Dさん(40代後半 男性)
年収:770万円→830万円
Dさんは、東証一部上場子会社にて月次・四半期・年次決算、税務申告、連結パッケージ入力、原価計算・管理会計等を担当していました。
最終職位は経理部長として部下2名をマネジメントしプレイングマネージャー業務に従事しています。 これらの経験を活かし、同業界での転職で年収アップにも成功しました。
ベンチャー企業の管理部長からIPO準備中企業のCFOへ
Eさん(40代後半 女性)
年収:900万円→1000万円
Eさんは、ベンチャー企業、上場企業の両方での経験があり、管理部長としてマネジメント業務も担当していました。
年次決算や税務申告書作成などの経験を積み、直近の数年は部長職として活躍しています。
ベンチャー企業の未整備な環境において部門の体制整備や、IPO準備業務など、経験を豊富に積み重ね、IPO準備中企業のCFOにキャリアアップの転職を成功しました。
お子さんの進学を機に、経理職としてのセカンドキャリアを発見
Fさん(40代 女性)
年収: 100万円(パート)→350万円(正社員)
Fさんは、会計事務所で10年弱ほどパート勤務していましたが、お子さんの進学を機に、経理職としてキャリア形成を本格的に行いたいと考え、転職活動を開始しました。
パートでありながらも会計事務所でリーダーシップを発揮して多くの実績を残した事や、その経験を今後どの様に転用できるか?といった部分を適切にアピールできた事から見事内定を得ることができました。
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まとめ
40代経理の転職ではマネジメント経験が重要ですが、現職の状況によっては、なかなかマネジメント業務に従事するチャンスを得られないこともあるでしょう。
その場合は、「管理職候補」への転職を考えてみてはいかがでしょうか。マネジメント経験がないと、いきなり管理職としての転職は難しいですが、管理職候補であれば、比較的難易度が低い傾向があります。
ただし、管理職・管理職候補などのハイクラス求人は、一般的な転職サイトではあまり見つけることができません。
そのため、40代の転職活動は、転職エージェントで「非公開求人」を紹介してもらうと良いでしょう。非公開求人とは、企業側と応募者側の条件がお互いにマッチした場合にのみ紹介される求人です。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を対象にこれまで3000名以上のカウンセリングを担当。現在は関東全域を対象に経理・財務・経営企画・CFO・公認会計士・税理士・税理士補助スタッフなどの会計系職種を幅広く担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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