30代で税理士になった人の就職状況は?
税理士業界において、30代の資格保有者は貴重です。
税理士は高齢化が進んでいるため、30代であっても若手の税理士として重宝されます。
税理士の多くは会計事務所等で勤務していますが、一方で業界を飛び出して、一般企業やコンサルティングファームへの就職にチャレンジする30代税理士も少なくありません。
本記事では、そういった30代から転職を考える税理士の方に向けて就職事情を解説します。
30代で税理士になる方は多いのか?
税理士業界全体の平均年齢は、60歳を超えており、高齢化傾向が進んでいます。
これは、税務署で長年就業した後全科目免除で税理士に転身する動きが加速しているためとみられています。
一方で、税理士試験の合格者をみてみると、30代は一定のボリュームゾーンを占めています。
30代で税理士資格を取得する方の多くは、税理士試験の官報合格者や、大学院修了等による一部免除者でしょう。
令和4(2022)年度の税理士試験において、30代の官報合格者(最終合格者)は、226名で、全合格者(620名)に占める割合は、36.5%です。
これだけをみると、30代税理士がかなり多いようにも思えます。
しかし、公認会計士などの方も税理士登録しており、税理士に転身している年配層のほうが、はるかに人数が多いのです。業界全体を俯瞰してみると、30代税理士は貴重かつ稀少な存在といえるでしょう。
30代で税理士になった場合の就職先は?
30代で合格して、就職せずにいきなり独立開業をする税理士は少なく、まず会計事務所に就職するか、企業に就職する道を選ぶことが大半です。
税理士人口が増え続けている結果、クライアントの獲得が過当競争になりつつあり、十分な税務知識はもちろん、それに加えて特印分野や専門分野を持つなど、+αのアピール要素が求められるようになっています。
税理士にとって顧問先を多く確保することが安定経営に繋がるため、顧問先を見込めないままの独立開業は経営リスクが高く、無謀だとして敬遠されがちです。
一方、事務所に就職できれば、クライアント獲得にそれほど労力を割く必要はありません。
安定した給与を確保しながら、着実に業務実務経験を積み上げていくことができます。
また、税理士試験を突破したからと言って、実務上必要な知識がすべて身についているわけではないため、まずは会計事務所等で勤務しながら、先輩税理士と一緒に仕事をしつつ、様々なクライアントに対応できるだけの地力を身に着ける必要があります。
近年では企業内で勤務する税理士も増えており、大手企業などでは税理士のためのポジションが用意されているケースもあります。税理士は税務の専門家ですが、決算等の経理業務にも精通しているため、税務専門のポジションでなくとも経理部などで働き、税務という自身の専門性を武器に社内で出世していく道も大いにあり得ます。
また、税理士は業務をしていると、クライアントから経営に関する相談を持ちかけられることも多いため、そういった業務にやりがいを見出している税理士も一定数存在します。そういった方々は、MAS監査などの経営コンサルティングに力を入れている会計事務所に転職したり、経営コンサルティングの会社に転職する場合もあります。
税理士の活躍のフィールドは幅広く、30代の税理士は若手税理士に分類されるため、様々なキャリアの選択肢があります。
30代で税理士になった方でも高年収・高待遇は実現可能か?
税理士の基本的な収入は、企業や個人事業主の税務顧問となり、月額の顧問料をいただくというものです。税務顧問料は月々の収入のベースとなるため、キャッシュフローが安定しやすい一方で、他事務所と比べて高額に設定することが難しく、税務顧問業務だけで高収入を得るとなると、顧問先を増やすしかないため、1人の税理士が対応できる業務量には限界があることからも、現実的ではありません。
税理士が年収を挙げる方法としては、主に以下の3つが考えられます。
相続・資産税関連業務の経験を積む
相続・資産税関連の業務は単発で報酬を得ることができ、遺産総額に比例して高く設定されていることが一般的です。1回の相続税申告で数十万円~数百万円もの報酬を得ることができるため、顧問業務に加えて相続税申告にも対応できる税理士になると、高年収を期待できます。
語学力を磨く
海外のクライアント対応に強みを持っている税理士法人は多いですが、日本人は英語が不得手な方が多いため、語学力を磨いておくと、他の税理士との差別化になります。特にBig4などの大手税理士法人では外資系の大企業をクライアントとしているため、語学力を活かしてBig4の国際税務部門に転職すれば、高収入を実現できます。
専門分野を持つ
税理士の独占業務は主に税務顧問業務に関するものですが、税務知識は幅広い企業経営に求められ、高度税務であればあるほど、高い報酬額が期待できます。例えば、連結納税やグループ法人税制などの知識は多くの企業から求められる高度な税務知識であり、M&Aを行う際などには様々な種類の税金を検討しつつ、特有の知識も求められるので、M&A税務も専門性が求められる分野です。そのほかにも、移転価格税制などの対応できる税理士が少ない分野の専門性を有していると、税理士としての希少価値が高まり、その結果として高い報酬を得ることが期待できます。
一般企業での勤務経験がある30代税理士は高く評価されるのか?
税理士事務所・会計事務所にスタッフとして勤務しながら、着実に科目合格を重ね、30代で税理士となった人は多いです。 その一方で、一般事業会社に勤めながら税理士試験に合格した30代税理士は、職種は違えど事業会社内での就業経験があることから、組織での適応能力が高いとみなされ、税理士としての実務は未経験でも、高く評価されます。
上述の通り、税理士は高齢化が進んでいるため、30代の税理士であれば会計事務所への転職はもちろん可能ですし、企業の内部事情を知っているという点も、クライアントとの円滑なコミュニケーションに役立つため、評価されるポイントとなります。また、一般企業でも会計や税務の専門知識を身につけている人材は常にほしいと考えています。
しかし、税理士資格者は歓迎したいところですが、企業によっては会計事務所でのみ就業経験がある方を嫌煙することもあります。(会計事務所に勤務している税理士は職人気質の人も多いため、組織にうまくなじめるか懸念がある等の理由から)。その点、企業での就業勤務経験があり、しかも税理士の資格を保有している30代の転職者は、一般企業からも歓迎されることが多いと言えるでしょう。
30代税理士のキャリアの選択肢は広いため、今後ご自身がどのようなキャリア形成をしていきたいかをしっかりと検討したうえで、転職先を選ぶことが大切です。
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必要な経験・能力 |
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想定年収 |
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必要な経験・能力 |
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必要な経験・能力 |
年齢:30~39歳対象 |
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まとめ
高齢化が止まらない税理士業界で、30代の税理士は非常に希少価値が高いです。税理士事務所などにスタッフとして勤務しながら税理士資格を取得したなら、大手・準大手などより大きな法人への転職や、年収UPも叶えることが出来るでしょう。
また、一般企業に勤務しながら税理士試験に合格した人材は会計事務所出身者とはまた違った価値があり、一般企業出身ということを武器として転職を叶えることができるでしょう。
いずれの場合も、税理士資格があることでキャリアアップしていくことができます。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を対象にこれまで3000名以上のカウンセリングを担当。現在は関東全域を対象に経理・財務・経営企画・CFO・公認会計士・税理士・税理士補助スタッフなどの会計系職種を幅広く担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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