2023年12月05日

USCPAは「転職できない」って本当?転職先や求人例などをご紹介

管理部門・士業の転職

USCPAを目指そうとした矢先に、「USCPAを取得しても転職できない」という風評を知り、取得を思いとどまっている方は少なくないかもしれません。
USCPAは国際的に評価されている資格にもかかわらず、なぜそのような否定的な声が聞こえてくるのでしょうか。

本記事では、USCPAに対するネガティブな理由に触れつつ、USCPA資格を転職で活かすためのヒントや転職先について詳しく解説していきます。
風評の真意を明らかにすることで、USCPAという資格の理解につながれば幸いです。

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USCPAの求人情報

USCPAの求人情報

監査法人・コンサルティングファームから上場企業、グローバル企業まで、USCPA資格が活かせる求人を幅広く取り揃えております。
サイト上で公開されている求人はごく一部です。そのほかの求人情報は会員登録することでご確認いただけます。

USCPAの基本情報

まずは、USCPAの基本情報を整理してみましょう。

USCPA(米国公認会計士)とは

USCPAは、米国の各州が認定する公認会計士資格です。
この資格は、会計・財務分野で専門的な知識を持つことを証明するもので、国際的にも高い評価を受けています。
USCPA資格を取得することで、会計関連業務でのキャリアやグローバルなビジネスに携わる機会が広がります。
試験は全米州政府会計委員会(NASBA)が実施し、日本をはじめ世界中で受験することが可能です。

取得までの流れ・条件・難易度

USCPA資格を取得するまでの流れは以下のとおりです。

出願

自分が受験したい州を選択し、その州の出願条件を満たしていれば出願書類を提出し、出願手数料を支払います。
条件は州によっては異なりますが、通常は大学での4年間の学位と一定の経験が必要です。

受験

受験票(NTS)をメールで受け取り、試験会場を予約します。
試験は「監査と証明業務」「財務会計と報告」「ビジネス環境と概念」「法規制」の4科目で、全て英語で行われます。
合格基準は各科目75点以上となっており、合格率が全体的に低く、難易度の高い試験と言えます。

合否発表

各科目に対する合否が発表されます。
合格科目は一般的に18ヶ月間有効ですが、それまでに4科目すべて合格しなければなりません。
全科目に合格した後、実務経験や倫理試験などの条件をクリアしてライセンスが発行されれば、晴れてUSCPA資格取得者として活動できます。

求められる英語力

日本人受験者の場合、合格率の低さは英語力の低迷が影響しているようです。
試験では特に「読み書き」が問われるため、十分な英語力がなければ出題と解答への対応が難しくなります。
おおよそTOEIC700点レベル以上の英語力が必要です。

働きながら目指せる資格?

USCPA資格は働きながらでも取得を目指すことが可能です。
1科目ごとに合格していくスタイルは仕事と学習のバランスが取りやすく、計画的に勉強を進められます。
合格に必要な勉強時間も日本の公認会計士試験より短く済むため、働いていても勉強に充てる時間がキープしやすいでしょう。


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「USCPAを取得しても転職できない」と言われる理由は?

「USCPAを取得しても転職できない」という風評は、率直に言うと正しくありません。
転職が全くできないわけではなく、「転職が難しい」「転職しづらい」と言い換えたほうが妥当でしょう。
その主な理由を以下に取り上げてみます。

日本の独占業務に対応していない

USCPA資格は、米国の会計・監査基準に準拠した資格であり、日本の独占業務(特定の法律に基づいて公認会計士だけが行える業務)に適用されません。
日本では、国内の公認会計士資格を取得した人だけが独占業務に携わることが許されています。
USCPAは国際的に認知されている資格ですが、日本国内で公認会計士の業務に就くには、別途、日本国内の資格が必要です。
※監査法人では、USCPA資格者は日本国内の公認会計士とチームを組んで、監査補助業務を行うケースが多いです。

例えば、海外に事業展開をしていない国内企業を主に受け持つ監査法人では、USCPA資格保有者は採用の対象になりにくいことが実情です。
つまり、USCPA資格を持っていても、日本国内の働き口が限定されるという点で、転職するのが難しいというわけです。

USCPAの求人は要求されるスキルが高い

USCPA資格は高度な会計スキルと専門知識を証明するものですが、求人募集では資格のほかにも高いスキルを要求しているケースが少なくありません。
国内企業の求人では、30代後半〜40代で管理職経験や一定のマネジメントスキルがない場合、USCPA資格を持っていても不採用になる可能性があります。
会計事務所の求人においても、監査法人での実務経験がなければ採用のチャンスは限られたものになるでしょう。

また、外資系企業では、高い報酬とポジションが用意される一方、国際的な経験やビジネスレベルの高度な英語力が求められます。
グローバル展開の企業でも、国際環境での業務経験や異文化コミュニケーション能力を評価し、そのようなスキルを持つ求職者を優先的に採用します。

英語力や実務経験が不足していることで転職失敗例が多発し、「USCPAを取得しても転職できない」というレビューにつながっているようです。


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USCPAを取得しても転職が難しくなるパターンは?

ここでは、USCPA資格を取得しても転職が難しくなるパターンについて見ていきます。

USCPA資格が活かせるキャリアを選択していない

USCPAは、主に外資系企業グローバル企業を扱う監査法人などで需要がある資格です。
会計知識があるとは言え、国内企業の経理部を希望しても、採用側は日本の公認会計士や日商簿記などの資格所有者を適任とするでしょう。
USCPA資格が活かせないキャリアを選択することは、転職が困難になる典型パターンと言えます。

経理や財務など関連する業務経験がない

一方、経理経験がすでにある場合は、USCPA資格が有利に働く可能性があります。
逆に、経理や財務など関連する業務経験が欠けている場合は、経験者が優先されるためUSCPA資格を持っていても転職は難しいでしょう。
資格は理論的な知識を証明しますが、実務経験は実際の仕事で能力を示す重要な要素です。

転職の準備が不足している

USCPA資格を取得するだけなく、転職に備えてしっかりと準備を行うことも重要です。
希望先の業界知識や志望動機、自己PR、面接対策などが不十分だと、採用選考に残ることが難しくなります。
競合する求職者も十分に準備してくるはずなので、競争に勝つためには周到な準備が欠かせません。
必要であれば転職エージェントの支援を受けることも検討しましょう。


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USCPAを転職で活かすには?

USCPAが「転職できない」と評価されるのは、USCPA資格を転職時に上手く活用できていないことが大きな要因です。
以下に、USCPA資格を転職で活かすためのヒントを紹介します。

情報収集を念入りに行う

USCPAに限らず言えることですが、転職を考える際は、まず情報収集が欠かせません。
USCPA資格を活かすには、市場や業界の動向を理解し、どの企業がUSCPAに関心を持っているかを知る必要があります。
業界トレンド、資格以外に必要なスキル、給与レンジ、組織文化などを調査し、自分のスキルと目標に合致する情報を集めましょう。

資格が活かせる転職先を選ぶ

USCPAは、経理や財務、監査、コンサルティングなどの分野で活かせる資格です。
ただし、転職先を選択する際は「資格ありき」ではなく、自身のキャリア目標や志向を明確にした上で、どのようにUSCPA資格が活かせるかを考えましょう。
選択肢を広げるために、異なる業界や職種を検討してみることが役立つかもしれません。

強みを具体的にアピールする

採用面接の際には、自身の強みを具体的にアピールすることが賢明です。
アピールポイントとしては、これまでの経験やUSCPA資格を取得した動機・経緯なども含まれます。
転職先でどのようにUSCPAを活かし、どういった貢献を目指すのかについても明確に伝えましょう。
具体的な経験や実績を強調し、採用側になぜ自身を選ぶべきかを説得力を持って伝えることが転職成功への近道です。


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USCPAを活かせる転職先は?

USCPAを活かせる転職先は?USCPAが「転職できないことはない証」として、ここではUSCPA資格が活かせる主な転職先をクローズアップします。

監査法人

監査法人では、監査(補助)業務アドバイザリー部門でUSCPA資格を活かすことが可能です。
外資系企業や海外進出企業を顧客に持つ大手監査法人では、米国と日本の会計基準の違いを理解しているUSCPAのスキルが求められています。
中堅監査法人でも、企業間取引のグローバル化に伴い、英語で財務諸表に対応できるUSCPA有資格者の採用が増加傾向です。
海外需要の高まりや人材不足を背景に、若手で実務経験が少なくても受け入れに前向きな監査法人は少なくありません。

コンサルティングファーム

財務会計を主に扱うコンサルティングファームでは、USCPA有資格者の需要が高まっています。
クロスボーダーM&Aなどの案件増加に伴い、財務データの分析やリスク評価に長けたUSCPAの存在は有用です。
特に公認会計士に人気のFASでは、M&Aや企業再生に関連する業務でUSCPAの専門知識が重宝されるでしょう。

外資系企業

USCPAへの認知度が高い外資系企業は、USCPA資格を活かせる転職先としてポピュラーな選択肢です。
特に米国を拠点とする企業では、USCPA有資格者を積極的に採用する傾向があり、経理や財務のポジションでニーズがあります。
外資系企業は、高度な英語力を活かせるフィールドとして、国際的なビジネス環境で活躍できる機会にも期待できます。

一般事業会社

一般の事業会社も、USCPA資格が活かせる有力な転職先の一つです。
海外に事業部がある企業海外子会社を抱える企業では、国際財務報告基準(IFRS)に精通したUSCPAの役割が求められます。
USCPA有資格者は、財務報告や内部統制の改善、資金調達、投資評価などの業務においてその真価を発揮します。
一般事業会社での経験は、業界に特化した知識や経営スキルの習得に役立ち、将来的なキャリア形成の基盤づくりにつながるでしょう。


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USCPAの資格を活かせる求人例

会計士・USCPA対象/財閥系倉庫会社/コロナ禍でも業績安定/経理求人

仕事内容
・持株会社の単体決算あるいは連結決算業務
(決算調整仕訳の作成、監査資料作成、監査対応含む)
・持株会社あるいは子会社の会計処理、予算集計、税務申告、税務処理の照会対応
・国内外子会社の管理(決算準備、監査対応、税務)
・各種管理資料、会議体付議資料等作成
・持株会社あるいは子会社の関連業務の効率化・デジタル化関連プロジェクト参画
・同社グループの財務、資金管理業務(含むグループCMS元受業務)
・投資家向け情報開示活動(IR)など
必要な経験・能力
<必須>
・公認会計士もしくはUSCPAをお持ちの方
・英語力(読み書き)がある方

<歓迎>
・会計事務所での業務経験(大会社の監査含む)
・OBIC、SAP、連結会計システム等の関連知識をお持ちの方
・システム導入、改修等を通じた業務改善の関連知識をお持ちの方
・報告や検討用の資料作成スキル
・TOEIC 800点以上あるいは同等レベルでの英語能力
想定年収
550万円 ~ 900万円

大手監査法人にて金融機関向け監査の募集です!

仕事内容
・金融機関の会計監査業務
(金融商品取引法、会社法監査等に基づく監査業務)
・その他周辺業務
必要な経験・能力
<必須>
①もしくは②に該当する方
①日本の公認会計士(日本の公認会計士論文式試験合格者を含む)
②米国公認会計士資格(USCPA)の資格保持者であって、経理領域あるいは金融機関でのご経験をお持ちの方

<歓迎>
・監査法人、会計事務所等における監査実務経験
・上場企業等における経理実務経験
・語学力(ビジネスにおける英語の使用経験 等)
想定年収
500万円 ~ 1,500万円

国際的会計事務所ネットワークに所属する外資系特化の会計事務所から税務スタッフの募集です!

仕事内容
・決算・申告書作成
・税務相談対応(メール・電話)
・アウトソージング業務
(レポーティング・給与計算・社会保険関連業務・銀行口座管理等)
必要な経験・能力
<必須>
・会計事務所又は事業会社にて経理の実務経験のある方
※各種申告書を作成できるレベルを想定しております。
・英語にアレルギーのない方

<歓迎>
・英語力のある方
・税理士・科目合格者・USCPA等の資格をお持ちの方
想定年収
400万円 ~ 800万円

まとめ

USCPAは「転職できない」という風評は、事実ではありません。
「転職できない」のではなく、「転職できていない」に過ぎないのです。
求人探し、資格の活かし方、転職の準備などが上手くできていないことで、転職につながっていないというのが実情のようです。
求人が少ないとは言え、本文で紹介したUSCPAの求人例は「転職できる」ことの証です。

USCPAは、国際的なビジネス環境のニーズに役立つ資格であり、個人のキャリア目標に合わせて転職先を選ぶことも十分可能です。
まゆつばな風評に惑わされることなく、当初の志に自信を持って資格取得に取り組んでいきましょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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