「社会保険労務士は食えない」はウソ!その理由は?

社会保険労務士事務所
年収
2020/09/25

「社会保険労務士は食えない」はウソ!その理由は?

社会保険労務士は食えない

「社会保険労務士は食えない」と聞いたことがある人もいることでしょうか。 人事・総務系では最高峰といえる資格である社労士ですが、資格取得しても食べていけないといった声もあります。 この記事では社労士の年収やキャリアの他、新型コロナウイルスの影響について詳しくみていきましょう。


なぜ社労士は食えないと言われるのか?

社会保険労務士が「食えない」と言われる理由は、以下の3つだと考えられます。

1. 資格取得の難易度が高いわりに知名度が低い

まずあげられるのは、社労士は資格取得の難易度が高いわりに知名度が低いことです。 社労士試験の合格率は6%程度で、独学なら1,000時間程度の勉強時間が必要とされています。 この勉強時間の1,000時間で、時給1,000円のアルバイトをしたとすれば100万円です。 社労士になるためには、勉強時間だけを考えてもそれだけの「時間=お金」をかけることになります。

それでは、社労士の資格を取得して、転職の際などにこの100万円を回収できるだけの収入アップがあるかといえば、「ないだろう」というわけです。社労士は弁護士や税理士などに比べると知名度が低いため、企業がそこまで優遇しないといわれるからです。 しかし、知名度が低いことは「必要とされない」ことを意味しません。 独占業務をもつ社労士は確実に必要とされる存在ですから、需要がなくなることはありません。

2. 独立開業しても集客ができない

次にいわれるのは「社労士として独立開業しても集客が難しい」ということです。しかし、集客が難しいのは近年では社労士に限りません。弁護士や税理士でも、集客に苦労している事務所は多くあります。 士業の事務所は、しっかりとした経営努力をしなければ成り立たないのは、どの士業でも同じです。

3. 不合格者が大量にいる

社労士試験の合格率は6%程度ですから、毎年多くの不合格者が生まれます。社労士試験不合格者が、不合格となった腹いせに「社労士は食えない」とネットに書き込むなどする傾向もあるようです。

逆に、社労士として活躍している人は、自慢になってしまいますので「食える」とはあまり言わないでしょう。それにより「社労士は食えない」との言説だけが目立ってしまうところがあります。

社労士の仕事量は増えている

実際、特に近年、社会保険労務士の仕事量は大幅に増えています。まず大きなきっかけになったのが、2015年12月から、50人以上の事業所に対し「ストレスチェック」が義務化されたことです。
ストレスチェックを導入するには、産業医との打ち合わせや従業員への周知、社内規定の整備など、さまざまな実務を行わなければなりません。このストレスチェック実施の実務を、社労士が請け負うようになっています。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大も、社労士の仕事を増やしています。休業にともなう雇用調整助成金の申請、あるいはテレワークにともなう就業規則の改定などは、まさに社労士の中心的な業務です。
社労士の仕事は地味といえば地味ですが、必要性は高いです。今後についても、社労士の需要がなくなることは決してないといえるでしょう。

社労士試験の難易度・年収は?

社労士試験の難易度と、社労士の年収をみてみましょう。

社労士試験の難易度

社労士試験の合格率は、近年では下の表のようになっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成22年 55,445 4,790 8.6%
平成23年 53,392 3,855 7.2%
平成24年 51,960 3,650 7.0%
平成25年 49,292 2,666 5.4%
平成26年 44,546 4,156 9.3%
平成27年 40,712 1,051 2.6%
平成28年 39,972 1,770 4.4%
平成29年 38,685 2,613 6.8%
平成30年 38,427 2,413 6.3%
令和元年 38,428 2,525 6.6%

出典:厚生労働省『社会保険労務士試験の結果について』

平成22年には8%以上あった合格率は、平成27年に3%を切る低水準となり、ここ3年は6~7%で落ち着いています。 難易度はかなり高いといえ、合格に必要な勉強時間は、独学なら1,000時間、スクールや通信教育を利用すれば500時間程度といわれています。

社労士の年収

平成30年の賃金構造基本統計調査によれば、社労士の年収および全体の平均年収は下の表の通りとなっています。

性別 社労士年収 全体平均年収
男女 499.7万円 497.2万円
男性 533.7万円 558.5万円
女性 458.6万円 382.6万円

出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』

賃金構造基本統計調査は10人以上の事業所を対象として行われますので、この統計は一般企業または社労士事務所に勤務する社労士と考えられます。 社労士男女の平均年収499.7万円は、全体の平均年収とほぼ同じ水準です。
ここで注目すべきは、社労士年収の男女格差が全体平均に比べて小さいことです。このことから「社労士は女性も報われやすい仕事」といえるのではないでしょうか。

社労士になった後のキャリア

社会保険労務士の資格を取得した後、どのようなキャリアがあるかをみてみましょう。

企業

社労士はまず一般企業に勤務することが選択肢としてあげられます。人事や総務など、労務を扱う部署で大活躍することでしょう。

社労士事務所

次に、社労士事務所や社労士法人で勤務することが考えられます。経験を積むことにより、コンサルティング業務で専門性を高めることもできるでしょう。

独立開業

社労士資格を取得すれば独立開業も可能です。高い年収を目指すのか、またはワークライフバランスを実現するのかなど、働き方は自分自身で決められます。

まとめ

「食えない」と言われることもありながら、実は必要不可欠な存在である社会保険労務士。試験は難関ですが、働きながらでも取得は可能といわれています。 キャリアの幅を広げるためにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
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<参考>
厚生労働省『社会保険労務士試験の結果について』
厚生労働省『賃金構造基本統計調査』
厚生労働省『新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)』

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