2023年12月25日

総務への転職は難しい?ポイントを経験者・未経験者それぞれご紹介!

管理部門・士業の転職

総務部門は企業内で非常に幅広い業務を担当することから、いざ総務への転職を視野に入れるとすると、やはり経験者の方が即戦力として有利な立場にあるかもしれません。
とはいえ、総務未経験者でも自分の適性をアピールできれば、転職の可能性は十分にあります。

この記事では、総務経験者と未経験者が新たな企業で総務への転職を検討するにあたって、押さえておきたい重要なポイントを解説します。

総務への転職が「難しい」といわれる理由は?

募集人数が少ない

総務への転職が「難しい」といわれる理由は、募集人数が少ないことです。それなりの規模の会社であれば、他の部門から総務職に人員を異動させて対応するケースも珍しくなく、総務職を中途採用するという考え方そのものがない会社もあります。

総務部門は、専門的な知識やスキルが求められているのに加えて、企業文化を深く理解している必要があります。外部からの転職者が即戦力として活躍するためには、高い専門性を求められることが多く、転職のハードルを上げているといった見方もあります。

また総務という部門は、直接利益を生み出すところではなく、「人数(もしくは人材の流動性)を最小限に抑えたい」といった企業の考えもあるでしょう。他部署から総務職に異動させて対応するケースが多いのはこのためです。

人気のある職種

人気のある職種ゆえ、総務への転職が難しいといった見方もあります。総務は、企業の基盤を支える重要な役割を果たしています。職場環境が比較的安定しやすく、企業全体の動きを把握できるという魅力があり、多くの転職希望者にとって魅力的に見えるようです。

総務部門では、専門的な業務が多いため、これらの業務に関する経験や知識をもつ人材が求められます。そのため、総務の経験者は転職市場で有利です。

一方で、未経験者でもバックオフィスや事務系の経験があれば、その経験を活かして総務部門での業務に取り組める可能性があります。事務的なスキルやコミュニケーション能力、組織をサポートする意識などは、総務部門での業務にも役立つでしょう。未経験から総務への転職を目指す場合、競争が激しいため、早めに動くことがおすすめです。

総務の仕事内容とは?

総務部門の定義は、企業全体の運営に関わる事務を担当する総合職とされています。
一部経理や人事と重複する部分もありますが、総務とはどのような仕事なのか、最初にその概要を紹介しておきましょう。

総務の具体的な仕事内容

総務の仕事は、大きく分けると取引先などとの対外的なやりとりと、社内の従業員それぞれが快適に働ける環境を作ることの2つに分類できます。

まず対外的業務としては、取引先との契約と契約書の管理、知的財産権などの管理、さらに株主総会などに関わる業務などが挙げられます。

社内業務については、労務管理や給与計算、備品の管理、福利厚生に関わる業務などが挙げられます。さらに最近では、情報セキュリティ対策や、従業員の肉体的・精神的な健康管理も重要な業務に数えられるようになりました。
他にも細かい業務まで含めると、総務ほど多くの仕事を管理している部門はないかもしれません。

企業内での総務の役割

総務の役割は会社の規模によっても異なります。
大企業では人事や経理などの各部門が細かく区分けされており、総務が担当する業務はある程度専門化されています。
しかし、部門をまたいだ業務をこなす場面も多くなるでしょう。

一方で中小企業になると、人事や経理などの業務も一括して総務が担当する場合があります。
こうしたケースでは、会計などの専門的な知識と経験が求められるでしょう。
いずれにしても総務という名前のとおり、広範囲の業務を総合的にこなすことが必要な、企業にとって重要なポストです。


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総務の転職でアピールできる経験・スキルは?

Excel

Excelは、ビジネスの現場で広く利用されるツールで、総務部門でもその能力は高く評価されます。総務の転職において、Excelのスキルをアピールする際のポイントを、総務経験者と未経験者の両方のケースで考えてみましょう。

総務経験者は、過去の業務でExcelをどのように使用していたのか、具体的な事例を挙げてアピールできます。たとえば、予算管理のための複雑な集計表の作成や、人事データの分析などです。

VLOOKUPなどの関数ピボットテーブルの使用経験や、業務効率化のためのマクロの作成・適用経験があれば、それをアピールポイントとして挙げられます。Excelを活用して業務プロセスを効率化したり、データ分析によって新たな提案を行った経験があれば、それを具体的にアピールしましょう。

未経験者でも、Excelの基本的な操作(セルの編集、グラフの作成、基本的な関数の使用など)の習得をアピールすれば、即戦力としてのポテンシャルを示せます。他の職種や業界でExcelを活用した経験があれば、それを具体的に説明しましょう。

他の管理部門での経験

企業によっては、総務以外にも他管理部門の業務を並行してこなすポジションについていた方もいるのではないでしょうか。人事総務・経理総務など、総務としてだけでなく幅広く業務を経験したことも強みになるので、他の管理部門での実務経験がある場合はアピールするべきです。

たとえば、人事部門での経験であれば、採用活動や評価制度の運用、労務管理などがアピールしやすいでしょう。人事部門での経験は、総務部門でも人材の管理や労務問題の対応に活かせます。

経理・財務部門での経験でアピールできるのは、予算の管理や経費の精算、財務報告などです。とくに、予算の策定や管理に関する経験は、総務部門での資材の購入やイベントの企画などにも役立ちます。

英語力

国内のみならずグローバルに展開する企業では、英語力が求められる場面も増えてきています。総務の転職において、英語力をアピールする際のポイントを、総務経験者と未経験者の両方のケースで考えてみましょう。

総務経験者は、過去の業務で英語をどのように使用していたのか、具体的な事例を挙げてアピールできます。たとえば、海外のパートナー企業との契約交渉や、外国籍の社員のサポートなどです。

グローバルなプロジェクトに参加した経験があれば、その際のコミュニケーションや業務遂行の様子を具体的に説明することで、英語力の実務での活用度をアピールできるでしょう。

実務未経験者の場合も、英語の資格やTOEICなどのスコア、留学経験など英語を学んできた背景を具体的にアピールできます。他の職種や業界で英語を活用した経験があれば、それも具体的に説明しましょう。

外資系企業やグローバルに展開している企業だと、総務職でも会議に出席し発言ができるレベルの英語力が求められる場合もあります。海外のソフトウェアを使い業務を遂行する必要がある場合もあるため、上級レベルの英語力があると大きなアピールポイントになるでしょう。


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総務へ転職する際に有利な資格はある?

日商簿記(2級以上)

日商簿記は、日本商工会議所が主催する簿記能力の検定試験です。簿記の基礎から専門的な知識までを網羅した試験内容となっており、3級、2級、1級の3つのレベルが存在します。3級は簡易的な試験であり、総務へ転職する際に役立つのは2級以上です。

2級は、中級レベルの簿記知識を問う試験です。仕訳帳や総勘定元帳、試算表などの基本的な帳簿の作成から、貸借対照表や損益計算書の作成、さらには会計の仕組みや取引の計上方法など実務での会計業務に必要な知識が求められます。

総務部門では、予算の管理や経費の精算など、会計に関連する業務が頻繁に発生します。日商簿記2級以上を持っていることで、これらの業務をスムーズに遂行できる基本的な会計知識を有しているとアピールできます。

社会保険労務士

社会保険労務士は、労働法や社会保険に関する専門的な知識・技能をもつ国家資格です。労働者の雇用や待遇、労働条件、社会保険の手続きなどに関するサポートを行えます。「労働社会保険諸法令に基づく申請書等及び帳簿書類の作成」「申請書等の提出代行」「申請等についての事務代理」の3つは、社会保険労務士にしかできない業務です。

総務部門では、労働者の雇用や待遇、労働条件の管理が主要な業務の1つです。社会保険労務士の資格をもっていれば、上記の業務を問題なく遂行でき、部門の信頼性や業務の質を向上させられます。社員からの労働に関する相談やトラブルの解決にも、社会保険労務士の専門的な知識が大きく役立ちます。転職する際にも大きなアピールポイントとなるでしょう。

マイナンバー実務検定

マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度に関する知識や、それに伴う業務処理能力を証明する資格です。この検定は、マイナンバー制度の導入に伴い、その適切な運用や管理を行うための人材を育成・認定する目的で設けられました。試験は、マイナンバー制度の基本的な知識や関連する法律やルール、実務での取り扱い方など広い内容が問われます。

総務部門では、従業員のマイナンバーの管理や関連する手続きが主要な業務となります。マイナンバー実務検定をもっていれば、これらの業務を適切かつ効率的に遂行する能力をもっているとアピールできます。

ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は、中央職業能力開発協会(JAVADA)が主催しており、ビジネスの現場で必要とされる基本的な知識やスキルを証明する資格です。ビジネスパーソンとしての基本的な資質や能力を測るのを目的としています。

総務部門の業務は、他部門との連携が不可欠です。ビジネス・キャリア検定をもっていれば、適切なコミュニケーション能力を発揮しつつ、業務を効率的に進める力をアピールできます。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所(施行商工会議所)が主催しており、職場におけるメンタルヘルスの管理やサポートに関する知識・スキルを証明する資格です。職場のメンタルヘルス問題の予防や対応、サポートのための基本的な知識の評価を目的としています。

「パワハラ」「ワークライフバランス」などの言葉に象徴されるように、現代の労働環境とメンタルヘルスは切っても切り離せない関係にあります。メンタルヘルス・マネジメントに精通していれば、職場のストレス要因を特定し、それを改善するための提案や取り組みを行えるようになります。これにより、職場環境の向上や従業員の満足度の向上に貢献できるでしょう。


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【経験者・未経験者別】総務に求められることは?

総務経験者の場合

総務経験者の場合、最も重要なことは実務経験です。どのような業務を担当していたのか、具体的な業務内容や成果、取り組んだプロジェクトの詳細などをアピールします。労務管理、法務、契約関連、社内コンプライアンスなど、総務業務に関連する専門的な知識をもっているかどうかも、重要な評価軸です。他にも、問題解決能力やコミュニケーション能力、リーダーシップを発揮した経験などが求められます。

総務未経験者の場合

総務未経験者の場合、重要となるのは基本的なビジネススキルです。コミュニケーション能力、PCスキル(とくにExcelやWord)、基本的なビジネスマナーなどが求められます。
未経験者はポテンシャルを評価されることも多いため、学習意欲・柔軟性などを示せるとよいでしょう。他の部門や職種での経験も、総務業務に活かせるスキルや知識をもっているとアピールする材料になります。

先ほど紹介した総務業務に関連する資格も、未経験者の転職では大きな武器になるでしょう。総務経験者と未経験者、どちらのケースでも、自身の強みや経験を適切にアピールするのが成功の鍵となります。


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総務経験者の志望動機例文

総務経験者が志望動機を書く場合には、過去の経験と実績を具体的に説明することが重要です。ただし、自分を売り込むためのアピール文にならないように注意しましょう。
例文を1つ挙げておくので、ぜひ参考にしてください。

<例文>

前職では総務部門でおよそ10年間勤務し、主に社会保険関連の業務全般から、社員の健康管理、給与管理、福利厚生に関わる業務などを担当しておりました。
また、部下をまとめる立場でもあったため、社内イベントの企画運営や、社内備品の管理などの業務サポートにも携わり、人材を育成する重要さも経験しております。

一方で、企業規模の関係から、株主総会の企画から運営のように、会社の経営に直結する業務で実績を積むことができませんでした。
自分の可能性を広げるためにも、何か新しいことに挑戦したいという気持ちが強くなり、さらにレベルの高い仕事に就きたいという思いが高まったところで、貴社の募集内容に興味をおぼえ今回入社を志望いたしました。

まずは前職で培った経験を最大限に活かしながら、さらに専門的な業務にもチャレンジしたいと考えております。
その上で株主総会に関わる業務のように、企業の経営にもつながるポジションで、貴社の発展に貢献することを希望します。何卒よろしくお願いいたします。


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総務未経験者の志望動機例文

総務未経験者の 志望動機例文総務未経験者が志望動機を構成するなら、自分がなぜ総務職を希望するのか、理由を明確にするのが採用への近道です。また、その理由に説得力をもたせた上で、総務職でどのように貢献できるのかを伝える必要があります。
たとえば、以下のような例文を構成すれば、採用担当者に動機をわかりやすく伝えられるでしょう。

<例文>

前職では販売職として○○店に勤務しており、どのくらいお客様の希望に寄り添った提案ができるかを考えつつ、部下のマネジメントにも心を砕く日々を送っていました。
しかしある日、店舗の備品・消耗品の発注をかけた際、発注内容が誤っていることに総務部の担当者が気づいてくれて、危ういところでミスを防ぐという経験をいたしました。

この一件から、店舗内でミスゼロを徹底するために、各スタッフのマルチタスクに上限を設け、各スタッフの注意力が散漫にならないようシフトを調整するなど仕組みを改善した結果、昨年比120%の売上増を達成しました。
また、総務部でも各店舗の作業負担を減らすよう働きかけてくれたため、次第に「自分の仕事は誰かのおかげで成立している」ことを意識するようになり、総務の仕事に興味をもったことから、今回応募いたしました。

総務の職種は未経験ですが、実際に総務部まで足を運び、店舗側で行った方がよい業務・総務で行った方がよい業務を洗い出すなど、店舗代表の1人としてバックオフィス・店舗それぞれの業務内容改善に携わった経験がございます。
販売職として働く中で磨いた、相手方の要望に沿ったものを提案する力と合わせて、総務の現場でも御社に貢献していきたいと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。


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総務未経験で転職した後につまずきやすいポイントと乗り越え方

総務の仕事はカバーする範囲が広く、企業内全体のサポート役として多様な業務をこなさなければなりません。そのため、未経験者は転職先で、主に以下のような理由でつまずくことがあります。

・仕事の成果が見えにくい(評価が難しい)
・社内からのクレーム対応がストレスになる
・幅広い業務を並行してこなす必要がある

社内で職場環境上の不具合が生じると、そのクレームは総務に回ってくる可能性があります。他の部門では対応できない業務が集中することもあり、ただでさえ守備範囲が広い総務にとっては、常に多忙な状態になりストレスが蓄積するかもしれません。
しかも社内環境の整備に尽力しても、裏方に徹しなければならず、自身の実績をアピールすることが難しいポジションでもあります。
仕事の評価が直接昇進につながらないと、モチベーションが下がる結果にもなるでしょう。

この状況を乗り越えるためには、自分が担当している総務の役割を正しく把握する必要があります。総務とは企業の組織運営を円滑にして、他の部門では対応できない業務を的確にこなす重要な部門です。その責任感と使命感は、モチベーションを高めるための推進力になるはずです。

また、総務の仕事は企業内の社員全体をバックアップすることなので、経営陣や人事部門に匹敵するほど重要で、企業にとってなくてはならない部門です。
こうした自負をもちながら仕事をすれば、他では感じられないほどの達成感を得られるでしょう。


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まとめ

総務の役割には、常に変化するビジネス環境に柔軟に適応する能力が欠かせません。経験者・未経験者によって転職時に求められる立ち回りも大きく変わってきます。何をアピールすべきか、事前に計画を立てておくのが重要です。

総務経験者で転職先を探す場合は、転職エージェントを積極的に活用するのがおすすめです。MS-Japanでは、経理・財務・人事・総務・法務・会計事務所・弁護士・公認会計士・税理士などに特化し、転職に関するサポートを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

鈴木 雅也

大学卒業後、飲料メーカー営業、学習塾の教室運営を経て19年MS-Japanに入社。キャリアアドバイザーとして企業管理部門、会計事務所などの士業界の幅広い年齢層の転職支援を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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