2024年07月02日

法務のよくある本音の転職理由とは?応募書類・面接対策や志望動機の書き方など

管理部門・士業の転職 管理部門・士業の転職

「法務職としてキャリアアップしたい」・「自社のコンプライアンス意識が低い」といった理由から、現職を離れようと考えている法務担当者は少なくありません。
他の人がどんな理由で転職を検討しているのかを知ることは、自分の転職理由が妥当なものかどうかを判断するのに役立ちますし、転職理由を考える際の参考にもなります。

この記事では、法務職の主な転職理由をご紹介するとともに、実際に転職活動を進める際に役立つ提出書類・面接時のポイントについて解説します。

法務によくある本音の転職理由

法務職は、他のバックオフィス部門と比較すると、業務の中身が企業によって異なる傾向にあります。
そのため、「法務の仕事自体は自分に向いていると思うが、今の勤め先では能力を活かせないのではないか」と感じるケースも少なくありません。

以下、法務職によくある本音の転職理由の一例をご紹介します。

仕事内容・キャリアアップに関する転職の本音

法務職が抱きやすい、仕事内容・キャリアアップに関する転職の本音としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・企業規模が小さく、法務以外の雑務が多いため、より法務の専門性を身につけていきたい
  • ・扱う法律の幅が狭いため、より幅広い事業をやっている企業に行きたい
  • ・英語を使いたい
  • ・金融など、業界の専門性に特化したスキルを磨きたい

企業規模によっては、総務部が人事や法務も兼任している場合があります。
その場合、どうしても法務以外の雑務に時間を取られがちですし、そもそも担当する案件も少ない傾向にあります。
こういった事情から、なかなか法務としての専門性を身につけるのが難しく、不安・不満を感じた法務担当者は転職を検討することになります。

また、自分の理想とするキャリアパスを想像した際に、もっと扱う法律(事業)の幅を広げたいと考えている人もいます。
金融などの専門分野や、海外勤務・M&Aについて実務を経験したい場合、やはり相応の企業規模での勤務が必要となるでしょう。

人間関係・カルチャーマッチの転職の本音

法務部は、部門内で仕事が完結するタイプの部署ではないため、関係各所と連携を取りながら仕事をしなければならない場面に数多く遭遇します。
たとえば、契約書の更新には営業・販売部門とのやり取りが必要になってきますし、法改正に対応するため現場に足を運ぶことも考えられます。

そういった「法律に詳しくないセクション」とのやり取りを通じて、会社のコンプライアンス意識の低さに嫌気がさしてしまうことも珍しくありません。
法務として勤続することに不安を抱えた結果、法務面で基盤が整っている上場企業を目指すのは、当然の選択といえるかもしれません。

その他

法務職は専門職なので、法学部出身の新卒を採用するだけでなく、未就業の法科大学院修了生や他社で実績を積んだ経験者を採用する企業も多く見られます。
最近では、インハウスローヤーとして、法律事務所勤務経験者を雇うケースも増えてきました。

ワークライフバランスの充実など、働き方を変えたいなどの理由から転職したものの、変化の少ない日々に物足りなさを感じる弁護士も少なくありません。
もう一度弁護士として、プロフェッショナルが集まる現場で働きたいと考える人は、法律事務所への転職を志すことになるでしょう。

転職理由は正直に伝えて良い?

一般的に、転職理由は、できるだけ本音をオブラートに隠す形で構成するのが良いとされます。
なぜなら、本音をすべて面接官に伝えた場合、応募先とマッチングしないリスクが高まるからです。

たとえば「給料が安かったから」とか「上司が信用できなかった」などと、面接官の前で本音を述べてしまうと、その時点でやる気のなさを疑われるでしょう。
そこまで極端な例ではないとしても、前職に対するネガティブな理由から転職活動をしていることを伝えてしまったら、面接官は「ウチでも同じ理由で辞めるのではないか」と勘繰るはずです。

本音の転職理由を伝える上で必要なこと

転職理由の中に本音が混ざっていないと、応募先に嘘を伝えることになりますから、本音は本音としてうまく伝えなければなりません。
大切なことは、ネガティブな転職理由を「ポジティブ」に言い換えることです。
たとえば、上司が信用できないことを理由に転職するとしても、事情は以下の通り求職者によって異なります。

  • ・指示された業務の詳しい説明がなかった
  • ・上司自身が忙しく相談できなかった
  • ・パワハラもしくはそれに近い言動があった

パワハラに関しては論外ですが、面接官は、基本的にネガティブな転職理由を「応募者自身に責はないのか」という観点からチェックします。
転職理由を伝える際は、誰かのせいにするような言い回しを避け、自分の中にある転職への想いを言語化するプロセスが必要不可欠です。

ネガティブの裏に隠れた「本当の想い」を伝える

ネガティブな転職理由の中には、本当は「自分はこうして欲しかった」とか「こういう環境で働きたかった」という理由が含まれているものです。
転職理由のポジティブな言い換えを行う際は、本音の裏側にあるものを紐解いて文章化するのが効果的です。

仮に、指示された業務の詳しい説明がないことを理由に、上司への信頼を失った場合は、以下のような本音がさらに隠れている可能性があります。

  • ・きちんと説明してくれたら、違った解決策を提案できた
  • ・自分が辛い時、きちんと向き合って欲しかった
  • ・他のメンバーに相談できる環境だったら、また違った結果だった

上のような本音が見えてくると、たとえば「個人で仕事を完結させる現場ではなく、チームで仕事をする現場で働いてみたいと思った」といった転職理由が生まれます。
それに加えて、チームプレイが得意な人間であることをアピールできたら、面接官の食いつきも違ってくるはずです。

転職理由と志望動機の一貫性を意識する

面接官に対して「自分の考えをしっかりと持ち、かつ嘘のない誠実な人間である」との印象を持ってもらうには、話す内容に一貫性を持もたせる必要があります。
その時の話題などに合わせてコロコロと主義主張が変化していると、論理性に欠け、信頼できない人間とのイメージを与える可能性があります。
この点で特に注意したいのが、転職理由と志望動機の間に一貫性があるかどうかです。

たとえば、転職理由が「自分のこれまでの経験を、さらなる大きな舞台で活かしたい」であるのに、志望動機を語る際に「御社でなら業界・仕事について基本から学び直せると思ったから」などと述べると、話している内容に一貫性がありません。
転職理由が「経験を活かしたい」であれば、志望動機においても「自分が培った経験を、御社でこそ活かせると思ったから」といった内容にしましょう。

転職理由がXであるのに、志望理由がYやZだと、聞いている側が混乱し、「何を言っているのかよく分からない」とさえ思われます。
転職理由がXであるなら志望理由もXと関連付けることで、聞いている側も納得できます。

転職活動のための転職理由を考える際は、下記の観点から検討してみましょう。

  • ・まずネガティブな理由を洗い出す
  • ・そこからより深いところにある本心を探る
  • ・本心をポジティブに言い換え、応募先にとってプラスアルファになる要素も考える
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法務の志望動機はどう記載する?

志望動機は、転職理由と並んで採用担当者が注目するポイントです。
「どうしても応募先で働きたい」というメッセージがある人は、やはりそうでない人に比べて採用される可能性が高まります。

できるだけ、採用担当者に好印象をもってもらうには、まずは企業研究が重要です。
単純に「どんな仕事をしているのか」だけを見るのではなく、実際に自分が応募先で働く場面をイメージして、自分の経歴にニーズがありそうかどうかを確認することが必要です。

実際に志望動機を書き始める場合は、他の志望者の志望動機に目を通して、構成を参考にします。
面接官に訴える志望動機には、総じて以下のエッセンスが含まれています。

  • ・現職または前職以前の働き方
  • ・転職を志すに至ったきっかけ
  • ・応募先に感じている魅力と自分のアピールポイント

たとえば、未経験者が転職する場合、過去に法務に関連する分野での実務経験があるかどうかを記載します。
営業職なら、契約書の改定や新人教育等に携わった経験がアピールできるかもしれません。

転職を志すに至ったきっかけを伝える際は、いわゆる「どんでん返し」のような出来事を伝えると、採用担当者を説得しやすくなります。
事業縮小などの外部要因だけでなく、カルチャーショックのような自分の内面に大きな変化を及ぼした出来事も、その中に含まれます。

あとは、応募先が自分の希望を満たしている点、自分が応募先で貢献できる点などをまとめていけば、志望動機が出来上がるはずです。
注意点として、応募先の待遇に対する期待が前職への不満と捉えられる表現は控えるようにしましょう。

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法務が転職する際の面接対策

自分の専門分野を説明できるように準備する

法務職の転職では専門分野が応募者によって大きく異なるという特徴があります。
面接に臨む際は、自分が経験した業務・分野について詳しく説明できるよう、準備しておくことが大切です。

過去に取り扱った契約類型について聞かれた際、応募者が現職以前で経験してきたケースも含めて説明すると、採用担当者が応募者の実務レベルを把握しやすくなります。
コンプライアンスの観点から、面接官に「過去に対処した社員のNG行為」や「営業担当者からの相談への対応」について聞かれることもあるため、質疑応答で困らないよう過去の経験をリストアップしておきましょう。

事例問題

法務職の面接では、事例問題という「このようなケースでは、企業は法的にどうすべきなのか」 を問う問題が口頭で出される場合があります。
面接官に事例問題を出されて分からないことがあった場合は、分かる範囲・分からない範囲を分けて、 自分の見解を伝えるようにすると、面接官に誠実さと実務経験の豊富さが伝わります。

たとえば、ディスクロージャー未経験者が、決算公告を行わない法的リスクについて、 未公告の企業が多い点に触れつつ説明するように 言われたとします。
その際に「会社法で100万円以下の過料と定められていますが、 決算公告を行わない判断を企業が行う理由に関しては即答できかねます」などと回答するイメージです。
分かること・分からないことを分けて回答すると、面接官は応募者の質問に対する理解度を把握できます。また、面接官に対して、知らないことは知らないと言える誠実さも伝わるはずです。

事例問題に関しては、ビジネス実務法務検定試験の受験などを視野に入れて勉強しておくと、対策を立てやすいでしょう。
最低でも3級、できれば2級に合格できれば、PRポイントにもなるので、転職前に資格を取得しておくのもおすすめです。

法務のための転職支援を受ける

同じ理由で転職を繰り返さないためのポイント

転職後に避けたいのは、同じ理由で転職先を退職することです。そうした事態を避けるため、実際に転職活動を始める前に以下の点を心がけるとよいでしょう。

社内の雰囲気・文化を把握する

転職先となる企業の雰囲気や、従業員の仕事に対する考え方・価値観を事前に把握できれば、自分に合う職場になるかどうかを前もって判断できます。
入社前の段階だと具体的に理解するのは難しい部分もありますが、個人的な人とのつながり・コネクションや、ネット上での調査などを通して、できるだけ情報収集を図るとよいでしょう。

チェック内容としては、残業に対する価値観(残業するのが当然といった雰囲気があると、残業は増える)、育児・介護休暇などの取得に対する価値観(取得すると反感を買うような雰囲気があるか)などが、その代表例として挙げられます。

直接の上司・同僚の人柄を確認する

こちらも個人的なコネクションの中で情報を集めるのがメインとなりますが、面接の際、採用後に上司となる人が面接官の一人として参加している場合は、その際も人柄のチェックはできます。

最近では明らかなハラスメント行為ではなく、ちょっとした言動や仕草などを通して相手を日常的・継続的に攻撃する「マイクロアグレッション」が問題視されるようになっています。
そのような行為をする上司・同僚がいるとストレスが溜まりやすいため、入社前にチェックしたいところです。

担当業務の範囲を確認する

法務の仕事は、契約書に関するリーガルチェック、社内外のコンプライアンス対応、労務問題への対応、知的財産権の管理、各種債権管理など多岐にわたります。
転職後に自分の経験・スキルを活かしたいなら、入社後にどのような仕事を任されるのかを前もって把握しておきましょう。

法務キャリアを相談する

転職理由の伝え方は「MS Agent」にご相談ください

転職理由の伝え方は「MS Agent」にご相談ください

転職活動を行う場合、やはり個人で集められる情報には限度があります。「転職前に知っていれば、この会社に入社しなかったのに・・・」といった事態を避けるためにも、おすすめしたいのが転職エージェントの活用です。

弊社MS-Japanは、法務をはじめとする管理部門および士業に特化した転職エージェントである「MS Agent」を運営しています。
MS Agentでは希望に合った求人の紹介はもちろん、履歴書・職務経歴書の書き方の指導および執筆後の添削、応募先企業に合わせた面接対策、内定後の条件交渉までを無料でサポートします。
初めて転職する方、複数回転職している方のどちらにとっても、ご希望のキャリアパスのあり方を踏まえ、的確なアドバイスを行います。

法務の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーも在籍しているので、転職理由の伝え方で悩んでいる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

「どんなアドバイザーが転職をサポートしてくれるの?」と疑問に思われた方は、 「MS Agent」のキャリアアドバイザー一覧をご確認ください。

\キャリアの可能性が広がる!/ 転職のプロにキャリア相談をする

「MS Agent」で扱う法務の求人事例

ここでは「MS Agent」で取り扱っている法務求人の一部をご紹介します。

定着率抜群のIT企業の法務担当※リモート・フレックス可

仕事内容
・契約書類のチェック/作成
・事業運営上のさまざまな法務課題への対応
・コンプライアンスに関する業務
・規程規則類の整備
・内部統制関連業務 など
必要な経験・能力
<必須>※下記いずれか
・事業会社での法務の実務経験(2年以上)
・事業会社の総務部門における業務経験(5年以上)
<歓迎>
・英文契約審査経験
・M&A実務経験
・海外含む子会社管理・グループガバナンス体制構築経験
想定年収
400万円 ~ 850万円

知名度抜群のエンターテインメント企業の法務(管理職候補)※フレックス

仕事内容
・国内/海外取引先との契約書作成及び契約交渉
・社員及びグループ会社への国内外の法務相談対応
・法令遵守のための社内方針やガイドライン作成
・社員向けセミナー
・外部弁護士との調整 など
必要な経験・能力
<必須>
・企業法務における実務経験 7年以上
<歓迎条件>
・弁護士資格
・ゲーム会社・エンターテインメント業界いずれかにおける業務経験
・ゲーム業界に関する豊富な知識 など
想定年収
400万円 ~ 850万円

まとめ

法務担当者が転職を考える場合、収入など報酬面が問題となるケースよりも、働きやすさ・キャリアアップを求めて転職するケースの方が多く見られます。
希望を実現させるためには、自分自身が本音を受け入れた上で、それを応募先が納得できる形で表現する必要があります。

転職理由や志望動機を構成する際は、本音の奥にある本当の理由・動機を探して、それを書類選考や面接の場で伝えましょう。

  • #法務
  • #転職
  • #転職理由

この記事を監修したキャリアアドバイザー

町田 梓

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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