2024年02月01日

「簿記3級」を履歴書に書くのは不要?正しい書き方などをご紹介!

管理部門・士業の転職

「簿記3級」を履歴書に書くのは不要?

日商簿記などの簿記試験に合格したキャリアは、履歴書の資格欄などに記載することができます。
しかし、応募先の企業で評価されるレベルには差があり、例えば「簿記3級」の合格についての記載するのは不要という意見もあるようです。

実際のところ、簿記はどの等級から転職市場で有利になるのでしょうか。
この記事では、簿記の資格取得者が、履歴書などにその旨を記載する際の注意点について解説します。

管理部門・士業の転職

簿記3級は履歴書に書けるが、書かない方がよいケースも

自分が取得した資格は、最大限アピールしたいところですが、履歴書に書くことで逆に不利になるケースはあるのでしょうか。
まずは、そもそも「簿記3級は履歴書に書いてもいいの?」という点について、詳細を解説します。

履歴書に書けるのは「日商簿記3級」から

簿記の中では最も簡単な3級ですが、ビジネスにおいて重要な簿記の基礎知識を習得していることに変わりはなく、工業簿記を必要としない中小企業では一定の評価を得られるでしょう。
よって、日商簿記3級のレベルであれば、履歴書に記載しても差し支えありません。

2019年には、試験出題区分も改定され、個人事業主を想定していた出題範囲が株式会社に変わりました。
実務を反映していない問題の見直しも行われ、実質的に日商簿記3級の難易度は上がったと言えるでしょう。

しかし、簿記3級を取得したからといって、それだけで選考が有利になるとは限りません。
あくまでも、企業側のニーズに合致するかどうかが重要なので、応募の必須条件でない限りは、簿記3級に過大な期待をしない方が無難です。
特に、経理職を目指す場合、選考で有利に働くのは「簿記2級以上」と考えておいた方がよいでしょう。
例えば日商簿記2級なら、商業簿記・工業簿記の知識が問われることになり、就職できる職場の幅も広がります。

履歴書に書かない方がよいケースとは

求人票の応募条件で、簿記3級取得者を歓迎している企業や、特に言及していない企業に関しては、履歴書に簿記3級を記載することで採用担当者の目に留まる可能性をあげることができるでしょう。
しかし、「簿記2級以上」などの条件を出している求人は、記載を控えておいた方がよいでしょう。

下手に記載してしまうと、採用担当者が「求めるレベルを満たしていない人材」と判断したり、募集要項をきちんと見ていないと誤解したりする可能性があります。
どうしても資格を記載したい場合は、応募時にあらかじめ断りを入れたり、「2級取得に向けて勉強中」などと補足して記載したりするとよいでしょう。


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簿記資格を履歴書に記載する際のポイント

簿記の資格を履歴書に記載する際は、以下の3点に注意しましょう。

1.正式名称で記載する

簿記の各種資格については、それぞれルーツが異なり、正式名称も違います。
代表的な簿記の正式名称についてあげると、以下のような違いがあります。

  • 日商簿記:日本商工会議所簿記検定試験
  • 全商簿記:全国商業高等学校協会主催簿記実務検定
  • 全経簿記:社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験

正式名称が分からないと、採用担当者も応募者のレベルを正確に把握できかねるため、結局面接で質問することになり手間がかかります。
採用担当者の負担を減らせるよう、応募書類作成の段階から気を配りましょう。

例えば、日商簿記3級の資格を取得した場合、資格欄には以下のように記載するのが適切です。

:日本商工会議所簿記検定試験 3級 合格
:簿記検定 3級 合格

資格の後に記載する「合格」や「取得」については、その試験においてふさわしいものを選びます。

TOEICのように、スコアが重要な試験であれば、例えば「750点 取得」といった記載になるでしょう。
しかし、簿記検定は得点によって「合否」が決まる仕組みなので、合格点を記載する必要はありません。

2.日付は合格証書を見て記載する

簿記検定の合格証書を受け取っている場合は、その合格証書をもとに記載します。
履歴書の日付欄は、合格証書の日付を記載すれば問題ありません。

もし、簿記以外の資格も記載する場合は、取得した日付の古い順に記載していきましょう。
合格したのが昔のことで取得日がわからない場合や、合格証書を紛失した場合は、合格証書の代わりとなる合格証明書の発行を主催団体に依頼する方法もあります。

3.上の資格を目指している場合は「勉強中」を記載する

履歴書に記載できる資格は、原則として「応募時点で取得・合格しているもの」に限られます。
しかし、合格の確度が高い場合や、すでに資格での応募条件を満たしている場合に関しては、上位資格の取得を目指している旨を記載するのも一手です。

例えば、すでに日商簿記3級を取得していて、現在日商簿記2級合格に向けて勉強している場合、履歴書には「日本商工会議所簿記検定試験2級 勉強中」と記載するイメージです。
すべての企業が前向きにとらえるとは限りませんが、選考時の判断材料となるかもしれません。

簿記資格を活かせる業務例

簿記は、業種・職種を問わず活用できる資格の一つではあるものの、特に実務面で重宝する職種がいくつか存在します。
以下、簿記の資格を活かせる主な業務についてご紹介します。

経理

経理の仕事は、企業規模の大小や業種を問わず、すべての企業で必要です。
業種によって特殊なルールはありますが、財務諸表を作成するまでの基本的なルールは共通するため、経理部門では実務経験者が歓迎されます。

日商簿記2級以上の有資格者は、企業によっては資格手当が出ることもあり、転職活動も有利になるでしょう。
ただし、未経験での資格取得者の場合は、経験者に比べて転職に時間がかかるかもしれません。

会計事務所

必須ではありませんが、会計事務所で税理士補助等として働く場合、簿記の資格を取得していると有利です。
会計事務所によっては、日商簿記1級クラスの取得を要求するケースもあるため、応募条件をよく見て判断する必要があります。

税務知識の基礎として簿記資格を必須とする会計事務所も多く、税務に関する知識・実務経験をセットで要求されることもあります。
日商簿記2級では、税効果会計の初歩的な仕訳も学ぶため、税務の観点からも簿記の資格は有効だと言えるでしょう。

金融業界

金融業界では、取引先への融資など、企業の財務担当者の対応が業務として想定できます。
融資の審査にあたり、決算書類のチェックを行う場面では、簿記の知識が役に立つはずです。

仕訳を起こし、試算表に集計して、決算書を作成するという一連の流れが理解できていれば、プロセスに異常があった場合にも気づきやすいでしょう。
職場によっては、簿記を含む会計に関する資格の取得が義務付けられているところもあります。

営業

会計・経理とは真逆の職種に感じられる営業ですが、実は簿記の知識が役に立つ職種です。
例えば、財務諸表等を読み取る能力があれば、営業活動を進める企業の経営状況を把握できます。
ハイリスクな取引を避けるため、営業成績が思わしくない企業に注意するなど、危機管理のため簿記の知識を活かすこともできます。
損益計算書を読み解く力が得られれば、目標の数値がなぜ算出されているのか、根拠を把握する上でも役立つでしょう。


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簿記3級を活かせる求人例

弊社MS-Japanは、経理をはじめとした管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、簿記3級を活かせる職場の求人を多数取り揃えております。
以下、主な求人例をご紹介します。

【未経験者応募可能】上場グループ企業での買掛金管理・経理事務の求人

仕事内容
本社販売推進部に所属し、買掛金の管理業務をご担当頂きます。
必要な経験・能力
<必須>下記いずれか
・日商簿記3級以上の会計資格
・営業事務の経験
<歓迎>
・経理経験があれば尚可
想定年収
330万円 ~ 450万円

大手外食チェーンより財務経理の求人

仕事内容
・仕訳起票業務
・月次決算
・年次決算
・その他庶務も含む
必要な経験・能力
<必須>
店舗展開する事業を持つ会社での就業経験
<歓迎>
・事務経験
・簿記3級以上
想定年収
350万円 ~ 430万円

法人・医療・相続など幅広く扱っている大手事務所での税理士補助の求人

仕事内容
月次巡回監査、決算業務、税務相談業務、確定申告など
※未経験の方は入社当初は会計ソフトへの入力業務から携わっていただきます。
上記内容網羅後は、ご志向・適性に応じてコンサル業務、資産税業務などにも携わっていただきます。
必要な経験・能力
<求める経験・資格>
・会計事務所で働きたいという強い意志がある方
・日商簿記3級以上
・普通自動車免許(AT限定可)
<歓迎する経験>
科目合格者、税理士資格取得に向け勉強中の方
想定年収
324万円 ~ 450万円

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現在気になっている企業があるものの、本当に自分に合っているのか不安を感じている。
自分の強みや、強みをどうアピールすべきか悩んでいる。

そのような方は、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
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経験豊富なキャリアアドバイザーとのやり取りの中で、過去に経験した業務の棚卸を行い、これまでの工夫・行動がどのような成果につながったのかを振り返り、客観視することで、ご自身の強みや目指したいキャリアパスを明確化できます。


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まとめ

簿記の資格は、日商簿記3級以上のレベルを持っていれば、転職活動で十分にアピールできます。
ただし、職種によってはより高レベルの資格取得が要求されるため、アピールする応募先は選んだ方がよいでしょう。

簿記の資格を活かせる業務は幅広く、経理・会計事務所などの分野はもちろん、営業職でも活用できます。
フィールドを問わず活用できるため、まだ取得していない方は、まず簿記3級の取得に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。
簿記の資格を活かして転職したい場合は、転職エージェントに相談し、最適なアピール方法や簿記資格を活かせる求人を見つけましょう。

なお、簿記の資格取得についてより詳しい情報を知りたい方は、以下の記事もお読みください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

橋ヶ谷 空資

大学卒業後、製薬会社へ勤務。主に病院、クリニックのお医者様へ新薬の情報提供に従事。MS-Japanに転職後は、キャリアアドバイザーとして転職活動を支援。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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