2023年11月09日

独立した弁護士の年収は?開業に必要な費用や年収アップのコツなど

管理部門・士業の転職

弁護士のキャリアパスとして、独立・開業を視野に入れているものの、リスクや費用、将来の収入について不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、独立した弁護士の年収開業かかる費用の目安年収を上げるためのコツなどについて解説します。

自身の法律事務所を構えるメリット・デメリットについても言及するので、独立・開業について迷っている方はぜひご覧ください。

弁護士の平均年収は?

弁護士の働き方は、勤務弁護士開業弁護士に分かれます。それぞれの働き方における平均年収を把握したいところですが、開業弁護士のみに関する年収データは存在していません。

そこで、弁護士全体の平均年収と勤務弁護士の平均年収から、開業弁護士のおおよその平均年収を算出してみます。

厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、法務従事者の年収は、10人未満の事業所で972万円、10~99人の事業所では918万円、100~999人の事業所では1069万円、1000人以上の事業所では808万円です。

このうち労働者数が多かったのは、10人未満(700人)10~99人の事業所(400人)であることから、平均的な年収は950万円前後と考えられます

この数字には開業弁護士が含まれていないため、続けて弁護士全体の平均年収を見ていきましょう。
「2021年版弁護士白書」では、営業収入および給与収入の平均値は2,550万円、所得の平均値は1,100万円とされています

少しデータは古くなりますが、2018年版の弁護士白書の約2,500人の弁護士を対象とした調査結果を見ると、1000万円の年収を稼ぎ出している弁護士は全体の約61%となっています。

以上を総合的に考えてみると、開業弁護士の年収は1000万円を十分に上回っているといえるでしょう。


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年収だけじゃない!独立をするメリットは?

弁護士が独立するメリットは年収だけではなく、以下にご紹介する3つのメリットも期待できます。

働き方を選べる

弁護士として独立する最大のメリットのひとつは、働き方の自由度が格段に増すことです。

自身の法律事務所を運営することで、勤務時間や休日、受ける案件の種類を自分で決定できるようになります。

勤務弁護士の場合、勤務時間や休日は固定されていることがほとんどですが、独立すれば在宅勤務やリモートワークだけでなく、旅先でも仕事が可能になります。

働き方を選べるのは、仕事とプライベートのメリハリを重視する弁護士にとって大きな魅力といえるでしょう。

自分次第でビジネスの幅を広げることができる

独立することで、自分が思うようにビジネスを展開しやすくなります

事務所の意向に捉われることなく、自分の興味や専門分野にもとづいて案件を引き受けられるので、新たな市場や顧客層に対してアプローチすることも可能です。

この結果、目の前の年収アップだけでなく、プロフェッショナルとしての成長にも繋がるため、更なる年収アップを実現できる好循環も期待できます

経営に関する具体的なアドバイスができるようになる

独立して自身の事務所を経営することで、経営の実務経験を得られます

この経験は、経営に関する法律問題に対して、より具体的で実践的な解決策を提供できるようになるでしょう。

経営者視点と弁護士としての専門知識を持ち合わせることで、顧客のビジネスをより良く理解し、より適切な法律サービスを提供することが可能になります。


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独立のデメリット・注意点は?

弁護士が独立するデメリット・注意点としては、以下の3点が挙げられます。

責任が重くなる

独立すれば、事務所運営にかかるすべての責任が自身に降りかかります。

顧客からの依頼を適切に処理する対外的な責任だけでなく、従業員の管理や財務管理などの対内的な責任も生じます。

事務所運営のタスクが増えることで、本来の法律業務に時間を割けなくなる可能性もあるでしょう。

独立を考える際には、責任とタスクの増加について十分に理解し、検討することが求められます。

積極的な情報収集をする必要がある

顧客に正確かつ適切なアドバイスを提供し、競争力を保つためには、常に新しい法律知識や市場動向をキャッチアップする必要があります。

加えて、新しい案件を獲得するための営業活動に必要な情報収集も欠かせません。

情報収集は時間と労力を要求されるタスクですが、独立を成功させるためには必要不可欠と言えるでしょう。

軌道に乗るまでは年収が低い&初期費用がかかる

独立には、事務所の家賃や設備投資、登記費用など、事務所を開設し運営する初期費用が必要です。

さらに、新規クライアントを獲得し、事務所の名前を知ってもらうまでには時間と労力がかかるため、最初の数年は収入が不安定であることも考えられます。

このため独立を成功させるには、財務計画をしっかりと立て、資金繰りを管理する能力が不可欠です。

次章では、独立にかかる初期費用を解説します。


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弁護士の独立に必要な初期費用は?

弁護士が独立する際、自宅開業事務所開設のどちらを選択するかによって、かかる費用が異なります。

自宅開業の場合、パソコンや電話、FAX、コピー機、プリンター、シュレッダーなど事務機器の購入が主な費用です。また、判例検索サービスや書籍購入などの費用も発生します。

広告宣伝費は、ウェブサイトの制作やポータルサイトへの掲載費が基本となり、費用対効果を考慮しながら予算を配分することが重要です。

事務所開設の場合は、自宅開業でかかる費用に加えて、さらに多くの費用が発生します。

物件を契約するための保証金や内装費、事務員を採用するのであれば人件費や労働保険料、社会保険料も必要です。

規模にもよりますが、事務所開設には最低でも100万円~300万円程度かかると言われています。

さらに、安定した売上が見込めるまでの間に必要となる資金として、3~6ヶ月分を運転資金も準備しておく必要があります。


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弁護士が独立までにするべき4つのステップ

弁護士が独立までにするべき4つのステップについてご紹介します。

1.開業資金の計画・調達

弁護士として独立するためには、まず開業資金の計画と調達が必要です。

前述した通り、開業にかかる費用は、事務機器の購入や事務所のレンタル、広告宣伝費、人件費、運転資金など多岐にわたるため、詳細な予算計画を立てることが重要です。

資金調達は、自己資金と銀行融資が主な方法ですが、地域によっては政府や地方自治体の補助金・助成金などを活用できる場合もあります。

2.顧客確保の土台作り

開業資金を準備して、独立開業できたとしても、顧客を確保しなければビジネスが立ち行かなくなります。

顧客確保の土台作りとしては、ウェブサイトやSNS、既存顧客からの紹介、無料相談の提供などが一般的です。

また、セミナーの開催や他の専門家との連携も有効な方法です。

既存顧客や知人からの紹介などは長く付き合える安定した顧客になり得るため、人とのつながりは特に大切にすべき要素といえるでしょう。

3.取り扱う分野の確定

弁護士として独立する際には、取り扱う法律分野を明確にする必要があります。

専門分野を設定し、特化した知識と経験をアピールすることで、案件を獲得しやすくなるでしょう。

専門分野以外の案件については、他の弁護士や法律事務所と連携することで対応範囲を広げることも手段のひとつです。

4.事務員など従業員採用

事務所の規模や業務量に応じて、事務員などの従業員が必要です。

従業員採用は業務効率の向上、弁護士業務に専念できる環境づくりにつながりますが、人件費や労務管理の負担も増加します。

そのため、開業当初は事務員を雇用せずに事務作業も全て自分で担当し、経営が安定してから採用する流れが一般的と言えるでしょう。


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弁護士が独立後に年収を上げる3つのポイント

独立後に年収を上げるための3つのポイントを解説します。

集客方法を工夫する

弁護士としての独立後、収益を上げるためには効果的な集客が欠かせません。

しかし、飛び込み営業や弁護士としての品位がない勧誘は逆効果となる可能性があるため、注意しましょう。戦略的かつ効果的な集客方法を選ぶことが重要です。
開業当初など、十分に広告宣伝費をかけられない状況では、ウェブサイトの制作やSNSの活用が有効です。

ウェブサイトは事務所の専門性やサービス内容をわかりやすく伝えることができるため、受任件数の増加を期待できます。ユーザーの多いSNSを活用できれば事務所の認知度をあげることができるでしょう。

規模を拡大させる

年収を向上させるためには、事務所の移転や人員の拡充を含む事務所の規模拡大が重要です。

立地の良い場所への移転し、人員を拡充させて業務処理能力を向上させることで、事務所としての売上が上がり、年収アップへとつながります

第二、第三の事務所を開設や、行政書士や税理士など他士業の兼業などの選択肢も考えられるでしょう。

専門性を磨いて差別化をする

専門性を磨き、事務所を差別化することは、競争力を保ちながら高い収益を上げ続けるために重要です。

特定の法律分野においての専門知識や経験を深め、「この種類の案件ならこの弁護士」といわれるような存在を目指しましょう。一過性ではなく、長続きする集客効果を得られるのも魅力です。


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まとめ

開業弁護士は、勤務弁護士以上の年収を稼ぐことができる可能性は高くなります。しかし、独立する以上は責任やリスクが生じるため、メリット・デメリットも含めながら検討する必要があります。

弁護士だからといって、開業したらすぐに顧客に恵まれるわけではありません。

エリア内で競合する法律事務所だけでなく、遠方の法律事務所もインターネットを通じて集客しているため独立開業して新規参入する場合は、相応の厳しさがあると言えるでしょう。

しかし、働き方の自由度や、自身が舵を取るビジネス展開などのメリットも期待できます。
もし、将来的に独立を視野に入れている場合は、まず開業資金計画のシュミレーションから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

竹内 進太朗

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。法律事務所や会計事務所、監査法人、社労士事務所、FAS系コンサルティングファームなどの士業領域の採用支援、及びその領域でのご転職を検討されている方の転職支援を行っています。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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