2024年01月24日

キャリアプランの答え方【面接対策】転職のプロが教える例文付

管理部門・士業の転職

面接官の多くは、応募者がどのようなキャリアプランを抱いているのかに注目しています。
自社で働くその先に、どのような未来を見据えているのか確認した上で、一緒に長く働ける人材かどうかを判断しているからです。
応募者全員が念入りにキャリアプランを考えているとは限らないため、丁寧にキャリアプランを練って面接に臨めば、ライバルに差をつけることにつながります。

この記事では、転職活動で面接を控えている方向けに、転職のプロであるキャリアアドバイザーキャリアプランの答え方について解説します。

そもそも「キャリアプラン」とは

キャリアプランについて具体的に考える前に、まずはそもそも「キャリアプラン」とは何なのかについて確認していきましょう。

キャリアプランとは

キャリアプランとは、自分の人生において将来何を目指し、どのようにキャリアを積み重ねていくのかを考えた計画のことです。
少しかみ砕くと仕事を通じて将来の自分はどうなっていたいのか」を決めることと言い換えられます。

例えば、5年後、10年度などの中長期的な将来像を設定し、そこに到達するために必要なスキルや知識、実績などをいつまでに身に着けるべきかを逆算して考えることで、具体的なキャリアプランを立てることができます。

類似用語との違いは?

キャリアプランという単語を用いる際は、次のような類似用語と混同しないよう注意しましょう。

類似単語 意味
キャリアパス ・ある企業におけるキャリアアップの道筋
・目指す職務や職位といった目標に至るまでのプロセスを明確化したもの
キャリアデザイン ・自分の将来の理想を実現するため、自分の働き方を主体的に設計すること
・道筋を考えるほか、実現に向けて行動することも意味に含まれる場合がある
キャリアビジョン ・仕事を含む人生全般の中で、自分がなりたいと考える将来像
・必ずしも実現性を加味する必要はないが、仕事やプライベートにおいて意欲的な行動を促す上で重要

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なぜ面接でキャリアプランを質問されるのか

面接官がキャリアプランについて質問するのは、どのような理由からなのでしょうか。
以下、面接でキャリアプランを質問される理由について、主なものをいくつかご紹介します。

見通しを立てて動ける人材を採用したい

転職という選択肢を選び、自社に応募したことについて、面接官は「応募者の見通し」の度合いを知りたいと考えているのです。

そもそも多くの仕事は、計画を立てて実行し、結果を検証して改善に結びつけるPDCAの繰り返しで成り立っています。
転職活動もキャリアプランにおけるPDCAの1つだと考えることが可能です。
「自分の経歴・立ち位置を分析し、応募先企業と自身のキャリアプランをどう結びつけて応募に至ったのか」をチェックすることで、面接官は応募者の計画性を測っています。
将来を見据えた上で自社を選んでくれた人なら、ミスマッチのリスクも低いだろうと判断するのです。

自社で実現できるキャリアプランかどうかを確認したい

せっかく人材を採用しても、転職の目的が応募先企業で叶えられないものである場合、早期離職につながるでしょう。
そのため、面接官は応募者のキャリアプランを確認した上で、そのキャリアプランが「自社で実現できるものかどうか」を確認しています。

即戦力になって欲しい・末永く自社で働いて欲しいなど、応募者に求める姿は企業・募集ポジションによって異なります。
企業側は、思い描く姿に沿うキャリアプランを伝えてくれた人材を採用したいと考えているのです。

ただ、応募段階で「末永く働きたい」という要望をキャリアプランに盛り込む必要はありません。
あくまでも、自分のキャリアプランと応募先の業務内容とのマッチングを優先して回答することを意識しましょう。

キャリアプランを通して入社の熱意を推察したい

面接官は、自社に対する入社の熱意がある人を採用したいと考えています。
中長期的なキャリアプランを聞くことで、自己分析と自社リサーチの状況や、自社におけるキャリアプラン実現の可能性を把握し、応募者の熱意を測っています。

熱意を伝えるために壮大なプランを立てる必要はなく、今の自分が課題としていることをベースにキャリアプランを考えるとよいでしょう。
ただし、自己成長や自己実現ばかりではなく、自身のキャリアプランを通して、企業への貢献につなげることが重要です。


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キャリアプランを立てる4ステップ

キャリアプランについて考える際は、過去・未来・現在を行き来して思考を続け、具体的なプランに落とし込む必要があります。
以下、キャリアプランを立てるステップを4つに分けて解説します。

1.過去の経歴を振り返って「強み」を見つける

キャリアプランを立てるにあたり、最初に振り返るべきなのは、自分の過去の経歴です。
これまでの社会人生活の中で、どのような点が自分の強みだと胸を張って言えるのか、自分に問いただす必要があります。

転職を希望する職種において、自分が他の人には負けない点・独自性を誇れる点にポイントを絞り、経歴をまとめましょう。
例えば、経理に応募しているものの、前職で労務も経験しているなら、幅広い業務を経験している点を強みに据えるのもよいでしょう。

2.仕事の原動力を洗い出して「方向性」を決める

自分の強みが決まったら、次は仕事中に“どのようなタイミングでモチベーションが上がったか”を考えてみましょう。
目標を達成したときなのか、チームで一丸となって仕事に取り組んでいるときなのか、モチベーションが上がるタイミングは人それぞれです。

そこから、将来自分が仕事を通じて「こうなりたいな」と思う未来をイメージします。
例えば、チームをまとめる自分の姿がイメージできたなら、将来は管理職として働くという方向性が見えてくるでしょう。

3.方向性に合わせて、5年後・10年後の「理想像」を考える

方向性が定まったら、次はもっと具体的に、5年後・10年後の理想像を考えてみましょう。
例えば、経理として働き、将来は管理職を目指している場合は、次のような理想像が思い浮かぶでしょう。

<5年後>
・月次決算を1人で完結し、一通りの経理業務の経験を積む
・部門内の進捗管理や他部門との調整の役割を担う

<10年後>
・部門全体を俯瞰的に分析し、業務改善に取り組む
・マネージャー候補として決算チームを率いる

4.理想像に対して現在に「不足しているポイント」を探す

理想像が固まったら、次は現在の状況に戻り、理想から見て不足しているポイントを探しましょう。
技術が不足しているのか、それとも働く上でのスタンスが定まっていないのか、一つひとつ現実と理想像を比較していきます。

そこから、転職先での経験が「なぜ自分の理想を実現するために必要なのか」を再考します。
このプロセスを経ることで、キャリアプランと転職の動機がリンクすれば、キャリアプランを聞かれた際にスムーズに回答できるはずです。


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【例文】キャリアプランの答え方

実際の面接で、キャリアプランについて回答する場合、どのような表現を心がけると伝わりやすいのでしょうか。
以下、具体的なケースを想定した例文をいくつかご紹介します。

中小企業で「ゼネラリスト」を目指すキャリアプラン例文

総務職として従事していた前職は、企業規模が小さかったことから、総務だけでなく労務、人事など幅広いバックオフィス業務に携わる機会に恵まれました。
今後は経理として企業活動を支えながら、ゼネラリストとして幅広い経理知識・スキルを身に着けていきたいと考えています。
将来的には、総合的な経理・経営知識を活かして会社の中核を担う存在になることが目標です。

大手企業で「スペシャリスト」を目指すキャリアプラン例文

前職では人事労務を担当しており、実務面では労務のウエイトが大きかったことから、今後は労務のスペシャリストになることを目標に据えています。
現在は社労士の資格取得に向けて勉強を続けており、5年後までに労務の仕事を横断的に経験し、10年後には有資格者として御社に貢献したいと考えております。

前職と同職種で「管理職」を目指すキャリアプラン例文

前職では経理職として4年勤務し、日次・月次・年次業務のほか決算対応も経験させていただきました。
御社ではこの経験を活かし即戦力を目指すとともに、3年以内に主任職として後輩の育成に携わりたいと考えております。
その後は10年を目途に、社内の経理を統括する立場として働くことが目標です。

「未経験業界・未経験職種」を目指すキャリアプラン例文

前職では自動車販売会社の経理として、経理業務を通して営業担当者のサポートを担っていました。
今回、未経験である不動産業界の営業事務へキャリアチェンジとなりますが、車を売る仕事のプロセスを間近で見てきたため、他スタッフのサポートも含め柔軟に対応できるものと存じます。
3年後には営業部の売上向上に貢献できる人材になりたいと考えています。


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キャリアプランの注意点

キャリアプランの注意点

キャリアプランを立てる際は、面接官に納得してもらえるような内容を意識することが大切です。
以下、キャリアプランを立てる際の注意点として、具体的なNGポイントをご紹介します。

応募先企業に合っていない

面接は、単なる自己実現の場ではなく、応募先企業に自分を売り込むための場です。
そのため、キャリアプランが応募先企業のニーズにマッチしたものでない場合、採用を勝ち取るのは難しいでしょう。

また、自分の資格取得や自己成長だけを前面に出すと、面接官から「自己本位な人間」と判断されるおそれがあります。
キャリアプランを通して、どのように企業に貢献するかを補足しましょう。
「将来的に独立をするための準備」など、面接の段階で将来的に応募先を切り捨てるような印象を与える表現もNGです。

抽象的で具体性がない

どんなキャリアプランを立てるのかは個人の自由ですが、面接官に説明する際は抽象的な表現にならないよう注意しましょう。
どこの企業でも実現できると捉えられる抽象的なキャリアプランは、良い評価につながりません。
例えば、「管理職として部下を指導する人間になりたい」と答えた場合、他社でも流用できるキャリアプランだと判断させてしまうでしょう。

退職理由・志望動機・自己PRとの一貫性がない

キャリアプランと退職理由・志望動機・自己PRとの一貫性がないと、「取ってつけたような」印象につながるおそれがあります。
例えば、志望動機が「経理職として幅広い経験を積む」ことなのに、キャリアプランとしては将来的に経営企画職を目指したいということであれば、経理職から経営企画職へ移行するプロセスについて説明する必要があります。


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それでもキャリアプランが浮かばない場合は?

今回ご紹介したステップ・例文を参考にキャリアプランを作成しても、良いキャリアプランが浮かばない場合は、そもそも志望している職種・企業が自分の適性に合っていない可能性があります。
その場合は、転職のプロである転職エージェントを利用して、自己分析のサポートを受けましょう。

転職エージェントでは、専門キャリアアドバイザーによるカウンセリングを通して、下記のサポートを無料で受けることができます。

  • ・キャリアの棚卸し
  • ・キャリアプランの明確化
  • ・履歴書、職務経歴書の添削
  • ・応募先に合わせた面接対策
  • ・内定後の条件交渉

弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」は、管理部門と士業に特化した転職エージェントで、30年以上の実績がございます。
転職市場に詳しいキャリアアドバイザーも多数在籍しておりますので、キャリアプランを立てる際のサポートも含め、お気軽にご相談ください。

まとめ

キャリアプランを立てることは、面接の成否だけでなく、自分の将来について考える上で重要です。
自分の人生と仕事をリンクさせて考えることが、説得力のあるキャリアプラン構築につながります。

ただし、面接官にキャリアプランを伝える際は、応募先企業でなければキャリアプランが実現できない理由も合わせて伝えるようにしましょう。
キャリアプランを具体的にイメージできない場合は、キャリアアドバイザーに相談するなど、必要に応じてプロの意見も取り入れることをおすすめします。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

鈴木 雅也

大学卒業後、飲料メーカー営業、学習塾の教室運営を経て19年MS-Japanに入社。キャリアアドバイザーとして企業管理部門、会計事務所などの士業界の幅広い年齢層の転職支援を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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