2023年12月26日

未経験で経理はしんどい?対策や転職事例など

管理部門・士業の転職

近年、簿記2級などを足掛かりに、異業種から経理にキャリアチェンジするケースが増えています。
しかし、経理は知識・スキルが求められる専門職でもあるため、「未経験で経理はしんどい」という意見もあるようです。

この記事では、「未経験で経理はしんどい」と言われる理由対処法などについて、現役経理担当者へのインタビューを交えて解説します。

経理に転職直後で「しんどい…」と感じている方や、経理への転職を目指している未経験者の方は、ぜひご覧ください。

管理部門・士業の転職

「未経験で経理はしんどい」と言われる理由

まず、「未経験で経理はしんどい」と言われる理由について解説します。

専門知識が必要不可欠である

経理業務には、簿記・会計に関する専門知識が必要不可欠です。特に「仕訳」の理解が重要ですが、ルールや勘定科目が企業によって異なり、日商簿記で勉強した内容と解釈が違うケースも見受けられます。入社前に入念に勉強をした場合でも、企業独自の経理業務ルールに慣れるのは時間が必要です。
また、現在は経理システムを導入している企業が多いため、システム操作に慣れるまでは負担に感じるでしょう。

Nさん
経理転職直後は、業務の中で企業独特の社内用語が使われており、戸惑うことが多かったです。簿記ででてくる「仕掛品」も勉強と違う用途で使われている企業もありました。
また、会社のよって様々な経理システムが使用されており、大企業では会社独自の経理システムであることも多いので、そのシステムに早く慣れる能力が重要かと思います。


月次・年次業務に慣れるのに時間がかかる

経理業務は日次・月次・年次の納期に基づいて発生するため、頻度の少ない月次・年次業務は慣れるまでに時間がかかります。特に1年の集大成である年次業務は、経験回数や1人で完結できる範囲によって、経理人材としての市場価値の指標となるでしょう。
また、通常業務以外の業務が発生した場合も、イレギュラーな対応と並行しながら、納期を守る必要があり、臨機応変な対応が求められます。

Nさん
最初は断片的に業務を引き継ぐことが多いので、この業務はどのタイミングでやるか、誰に確認したらいいかなど分からない部分が多く、最初は大変でした。
未経験から経理として転職後の心情としては、1カ月目は「月次を引き継いだけどまだ不明点が多くしんどい」、2カ月目は「自分でやってみるがまだまだ不明でしんどい」、半年目で「分かってきたかも!?」、ようやく1年後に「しんどさほぼなし!」と思えるようになりました。


小さなミスでも許されない

経理では、企業の売上や利益、従業員の給与など、重要な数字を扱います。
また、1年に1度の年次決算では、日次業務で行った領収書入力や出納帳の記録などを総括した決算書を作成するため、日次業務の小さなミスが年次業務の誤差を招くこともあります。
そのため、業務に慣れない内は、小さなミスでも許されないプレッシャーがつらいと感じる人も多いようです。

Nさん
数字管理の責任が重いと感じています。1つのミスが原因で、チームでまとめた決算資料が作り直しになることもありました。
他社で経理をしている知人は「1人経理」でプレッシャーや業務量の多さでつらいと言っていました。


決算時期の繁忙期が忙しい

前述した通り、経理の業務はほとんど全てがルーティンワークであり、業務の繁忙期も固定化されています。
月単位の繁忙期は月末・月初、年単位では決算時期が繁忙期です。
特に四半期決算や本決算は、四半期・1年間の集大成であり、決算締めから監査、開示、株主総会(本決算)と業務負担が重く圧し掛かります。

Nさん
決算時期は業務量・残業が増え、子育ての両立が辛いです。
コツコツと自分のペースで仕事をする業務もありますが、上長の承認待ちでストップすることもあり、締め日もあるので、業務が集中してしまうこともあります。


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そもそも経理未経験者は採用される?

経理をはじめとする管理部門は、大手企業を除いて、配置人数が少ない少数精鋭体制が一般的です。
そのため、0から未経験者を育てるよりも、即戦力になる経験者を求めている企業多い傾向がありました。

しかし、昨今は経理経験者の数自体が減少しているため、経理への適性と簿記資格やIT知識、経理関連業務の経験などの付加価値があれば、未経験者でも積極的に採用する企業が増えています。

未経験者の場合は、前職までの経験で経理に活かせるスキル・知識を洗い出し、不足部分を補うように努めましょう。
簿記2級以上の資格や経理関連資格を取得することで、経理知識を客観的にアピールすることができます。

未経験でも経理に転職は可能!転職事例紹介

前述の通り、経理未経験でも経理に転職することは可能です。
ここでは、弊社MS-Japanが提供する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を利用して、未経験から経理への転職に成功した方の事例をご紹介します。

フィールドエンジニアから経理に転職した事例

Zさん(20代後半:男性)日商簿記2級保有
転職前:フィールドエンジニア (年収400万円)
転職後:上場子会社経理(年収420万円)

Zさんは、飲食店を顧客として自社製品の運用保守を担当していました。しかし、コロナ禍で顧客の倒産を目の当たりにし、企業におけるお金の管理の重要性を痛感したことで経理へのキャリアチェンジを決心しました。
転職活動開始当初は、書類通過率が1~2割程度でしたが、弊社で応募書類の添削やアピールポイントの見直しをしたところ、通過率を2割以上に挙げることができました。
最終的に、Zさんは面接での「素直さ」と「既存メンバーとの相性」を評価され、予定よりも1つ上の等級で、未経験者の相場を超える年収での内定を獲得しました。
未経験者の面接では、「経理としてのポテンシャルを感じられるか」と「企業側が育てやすいと思える方かどうか」が重要です。資格や経歴と併せて戦略的にアピールできるよう、事前準備をしっかりと行いましょう。


販売員から経理に転職した事例

Iさん(20代男性)日商簿記2級保有
転職前:販売職(年収350万)
転職後:経理職(年収350万)

販売員として就業していたIさんは、販売計画や企業の会計の流れに関わったことで、今後のキャリアとして経理を目指すようになりました。
転職活動開始当初は、具体的なキャリアパスや動機などを不明確な状態でしたが、弊社アドバイザーとのカウンセリングの中で、「経理職を志望した理由」と「経理職としてのキャリアパス」を徹底的に考え抜き、一貫性のある理由を明確に伝えられるように準備しました。
Iさんの「決算業務経験を積み、将来的に経営企画など幅広く業務に関わりたい」という希望を言語化して面接で伝えたことで、成長戦略を掲げている企業で高い評価を受け、内定となりました。
転職活動では「なぜ転職するのか」、「転職して何を叶えたいのか」など背景や今後のキャリアイメージを持ち、それを言語化できることが非常に重要です。お困りの際はぜひ弊社アドバイザーにご相談ください。

経理業務が「しんどい」ときの対処法

未経験で経理への転職は可能ですが、転職後に慣れない経理業務が「辛い・しんどい」と感じる方も多いでしょう。
ここでは、現役経理担当者の経験をもとに、経理業務に早く慣れるための対処法をご紹介します。

知識不足を補う勉強を続ける

特に転職1年目は、勉強が必須です。簿記・会計などの経理の基礎知識だけでなく、企業の独自ルール経理システムの操作についても積極的に学ぶ必要があります。
経理業務に早く慣れるためには、継続的な勉強が必要不可欠です。

Kさん
知識不足を実感していたため、淡々と作業をこなすのではなく、なぜこれが必要か等、理由を聞いたり勉強したりすることを心掛けました。
また、業種や企業規模、上場・非上場等によって業務の内容が異なります。転職当初は知識不足から上司の話している内容や、自分の担当以外の経理業務が分からないこともあり、自分で勉強して知識をつける重要性を感じました。
さらに、経理は法務知識も必要です。さらに最近では、インボイス制度・電帳法など法律も変わっていき、勉強は終わりません。


Nさん
経理は、自分の勉強次第、また転職先の選び方で仕事の幅が広がると思います。
私自身経理になったのが産休育休明けからです。それまで簿記の資格は取っていましたが、ほぼ経理経験はありませんでした。元々派遣社員の期間が長かったので、派遣でいろいろな企業で経理の経験をし、キャリアアップを目指しました。
企業規模も非上場経理から上場経理とステップアップすることができたと思います。まだまだ勉強が必要ですが、仕事の幅を広げようと思えば、自分の頑張り次第でどんどん挑戦できる職種だと思います。


社内で積極的にコミュニケーションをとる

経理業務に早く慣れるためには、社内の上司先輩同僚はもちろん、顧問税理士などとコミュニケーションをとることが重要です。分からないことはそのままにせず、必ず質問・確認しましょう。
経理業務はルーティンが多いため、次回同じ業務に取り組む際は同じ質問をしないように、しっかりとメモを取り、身に着けていくことが重要です。

また、1人経理の体制でない場合は、複数人のチームで経理業務に取り組みます。
個人の業務だけでなく、チーム全体の連携・作業効率を重視しましょう。

Kさん
入社当初は待変えてもらえる仕事が少なく悩んでいました。しかし、それはまだ信用されていないことが原因だと考え、ホウレンソウをとにかく徹底し、どんな業務でも自分に出来ることが無いか積極的に質問しました。


Nさん
税理士、上司、同僚問わずなんでも聞くことが重要です。特に未経験だと分からないことばかりなので、恥ずかしがらず、とりあえずなんでも質問するように心掛けました。
また、同じ人がずっと経理を続けていた企業は、業務改善の余地があるケースが多いので、仕事に慣れて、一通り流れがつかめたら業務改善に取り組むと良いと思います。
チームで経理をやっている場合は、自分だけではなく皆が楽になるように、ミスがなくなるようにと考えるのが大事です。意外と経理以外に従事していた人からいい案が出ることもあります。


2年目まで様子を見る

1年間で、日次・月次・年次業務を一通り経験した後の1年目からは、業務のつらさが軽減したと感じる方が多いようです。
1年の集大成である年次業務を経験することで、日頃の日次業務・月次業務が最終的にどう繋がっていくのかを把握できます。業務の全体像を把握することで、日頃の業務の理解度を深めることができるでしょう。
未経験者が経理に転職する場合、「1年目を乗り越えられるか」が重要です。

Kさん
「未経験者ならではしんどさ」は、最初の本決算が終わった頃には無くなったと思います。
一連の業務の流れがある程度見えるようになり、前期比較の対象が自分の体験した事柄になることで、理解がしやすくなりました。


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経理未経験者がモチベーションを維持する方法

前章で、未経験者は「1年目を乗り越えられるか」が重要だと解説しましたが、つらい1年目に頑張れた理由(経理を辞めなかった理由)を現役経理担当者に質問しました。

Kさん
業務で工夫していたことに対して、部長が細かい所まで気づいてくれていて、徐々に信用に繋がり、任せて貰える業務が増えました。
始めは日常や月次業務の理解で必死だったところから、法人税など申告書のポイントが分かって税理士と話せるようになったり、税効果やキャッシュフロー作成などの業務が出来るようになったり、段階的にステップアップしている実感を得られることが嬉しかったです。
また、別の上長は私が理解しやすいよう丁寧に教えてくれたり、上長も分からない時はどれだけ時間がかかっても一緒になって調べてくれたり、常にフォローしてくれました。
どちらもとても尊敬していたので、早く戦力としてカウントできる存在になって、貢献できることを増やしたいという思いで頑張れました。


Nさん
1ヶ月の流れ、1年の流れがわかってくると辛さが無くなってきます。
また、経理は意外と他の部署の人たちとコミュニケーションを取ることが多いです。他部署から経理としての意見を求められることや、質問をされる機会もあります。営業の数字に繋がる手伝いはできませんが、他の面で営業のサポートができていると思うとやりがいを感じます。


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どうしても辛い場合は転職エージェントに相談しよう

どうしても辛い場合は転職エージェントに相談しよう

どうしても経理がしんどい・辛い場合は、経理経験を活かして他職種に転職することも可能です。
転職エージェントでは、転職の意思が固まっていない段階でもカウンセリングを受け付けています。現段階における「経理人材としての市場価値」を客観的に評価してもらうことで、現職で経験を積むか、転職に踏み切るかの判断材料になるでしょう。

また、キャリアドバイザーとのカウンセリングを通して、今後のキャリアプランや、今までの経験活かせる職種などを明確化することも可能です。
自分では想定していなかった職種でも、実は適性があったり、希望する働き方に最適であったり、転職支援のプロとしての視点から、的確な提案を受けることができます。

経理から他職種に転職した事例

ここでは、「MS Agent」を利用して、経理経験者が他職種へ転職成功した事例をご紹介します。

総務経理から経営企画に転職した事例

Nさん(30代前半)日商簿記2級保有
転職前:非上場老舗企業 経理(年収360万円)
転職後:創業20年IPO準備企業 経営企画 (年収370万円)

Nさんが総務経理として勤めていた老舗企業は、年度末決算や税務申告を外注していたため、キャリア形成に制限があり、さらに社員の入れ替わりが多い点にも悩んでいました。加えて、将来的には経営企画などにもチャレンジしたいと考えていたため、Nさんは転職を決意しました。
転職活動当初は、老舗・安定企業で、保育園の送り迎えに間に合い、リモートワークのある企業を探していましたが、紙文化が残る老舗企業は、コロナ明けから出社に戻す企業が多く企業選びに難航していました。
そこで、弊社から業績安定のIPO準備企業でリモートワークが充実し、残業の少ないポジションをご紹介し、内定を獲得しました。
しかし、Nさんは「IPO準備で忙しいのでは?変化についていけるか?」と不安を持っていたため、上司や一緒に働くメンバーとのオファー面談を設けました。勤務実態を直接聞いたことで不安を解決でき、離職率も前職より低いことも分かったため、納得感を持って意思決定できました。


経理から会計事務所に転職した事例

Yさん(35歳)日商簿記2級保有
転職前:4000名規模 上場企業 経理 契約社員(年収340万円)
転職後:50名規模 税理士法人(年収370万円)

上場企業の経理部で契約社員として働いていたYさんは、正社員と同じ仕事内容で同等の業務量を担当しており、繁忙期には深夜残業もありました。しかし、年収や手当には大きな差があり、スキルアップ・キャリアアップの機会もなく不満を抱えており、転職を決意しました。
Yさんは、契約社員の期間が長かったため、一般企業の書類選考に難航していました。
そこで、弊社から経歴よりも実力で評価してもらえる会計事務所を提案しました。Yさんにとっては想定外の選択肢だったそうですが、税務経験を積み、スキルアップできる環境に魅力を感じ、最終的には50名規模の税理士法人へ転職決定しました。

まとめ

この記事では、「未経験で経理はしんどい」と言われる理由や、しんどい・つらい時の対処法などについて解説しました。
「経理を辞めたい」と考える前に、まず今回ご紹介した対処法を取り入れてみましょう。

対策を講じても改善されない場合、転職エージェントにご相談ください。
弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」は、経理をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェントとして、30年以上の実績があります。
転職支援経験豊富なキャリアアドバイザーによるカウンセリングで、今後のキャリアプランをより具体的にすることが可能です。

カウンセリングや求人の紹介だけでなく、応募書類の添削や面接対策、面接日程の調整代行、内定後の条件交渉まで、様々な転職サポートで効率的に転職活動を進めることができます。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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