【ヤメ検の転職】ヤメ検の転職理由や転職時の強み、人気の転職先について解説!
通称「ヤメ検」と呼ばれる元検察官の弁護士がいます。
なぜ、検察官だった人が弁護士に身を転じるのでしょうか。
理由はともあれ、検察官としての経験は弁護士に転身した際にも強みとなり得ます。
本記事では、ヤメ検が弁護士として働く際にどのように強みを活かせるのかについて、よくある転職理由や人気の転職先も含めて紹介していきます。
ヤメ検とは?
ヤメ検とは
ヤメ検とは「検察官を辞めた人」の俗称で、主に弁護士に転身した人を指す言葉です。
ヤメ検は、定年を迎えた検察官がその後の人生を弁護士として歩むケースが多いですが、中には弁護士としての働き方に興味を持ち、検察官の経験を活かして転職する選択肢も見られます。
検察官はすでに司法試験に合格しており、法律知識や裁判経験もあるため、弁護士には比較的転身しやすいとされています。
検察官として培ったスキルと経験、そして幅広いネットワークを通じて、一般の弁護士とは異なる視点で刑事事件や法的問題にアプローチできることが特徴です。
法曹界で活躍するヤメ検は、法的な場面で依頼人を支援し、正義や法の適用に貢献する役割を果たしているのです。
ヤメ検の人数
日本弁護士会連合が発表した統計によれば、2020年度の弁護士登録者数は1,576人で、そのうち49人が元検察官でした。
この割合は約3%に相当し、弁護士の中でのヤメ検の比率を示しています。
過去は年によって変動があり、年間20人未満が続いた時期があったものの、近年は毎年30〜40人程度のヤメ検が登録されています。
司法制度改革による検察官の増加に伴い、その影響を受けてヤメ検の数も増加傾向にあると考えられます。
実際、検察官を途中で辞める人は一定数いることから、定年退職ではなく転職して弁護士に就く人は少なくないようです。
ヤメ検と弁護士の違い
検察官と弁護士は、ともに法曹界を象徴する存在です。
両者は法に基づいて社会正義を追求する共通の使命を持っていますが、その役割や業務、勤務先には以下のような違いがあります。
検察官
事件の捜査や証拠の収集を通じて、被疑者を起訴するか否かの判断を下す役割を担います。
国家権力を代表し、警察と連携して犯罪の摘発や事件の真相解明に取り組みます。
勤務先は主に法務省(検察庁)に所属し、国家の公的な立場から法の執行に携わります。
弁護士
民事事件や刑事事件に関与し、基本的人権を守るために法的支援を提供します。
刑事事件では、被疑者や被告人の代理人として弁護を行うことが主な役割です。
個人や企業から依頼を受け、法的アドバイス、訴訟代理、和解交渉などを行うことも業務の一環です。
勤務先は法律事務所、企業、官公庁など多岐にわたります。
弁護士は弁護士自治という独自の統括方法をとっており、権力から独立しています。そのため、弁護士に対する指導監督は、日弁連と弁護士会のみが行っています。
このように、検察官と弁護士は異なる立場にあるものの、両者の協力によって公平な社会を構築するためのバランスが保たれています。
検察官は定年制度の限られた期間で活動しますが、弁護士には定年がなく、柔軟なキャリアを見通せることも特徴です。
ヤメ検が弁護士として働く際の強み
元検察官が弁護士になることにはどのような特徴や優位性があるのでしょうか。
ここでは、ヤメ検が弁護士として働く際の強みを見ていきましょう。
検察や裁判所の手の内がわかる
ヤメ検は元検察官として、検察の動きや裁判所の意向を熟知していることが一番の強みです。
相手側の特性や傾向を読み取り、今後どのような考えのもとでどういった行動に出るのかが予測できます。
検察官が不利になるような弁護活動も身をもって理解しているだけに、逆にさまざまな場面で有利な状況をつくり出しやすいでしょう。
依頼人から信用を得やすい
検察官は、超難関の司法試験にトップクラスの成績で合格した者が選ばれる職業です。
ヤメ検はそのような優秀さと希少性を兼ね備えており、公的機関での経歴も含めて、依頼人からの信用を得やすいことが特徴です。
弁護士としての仕事を滞りなく進めていく上で、依頼人との信頼関係や円滑なコミュニケーションは重要な基盤となります。
刑事事件で専門的な知見がある
弁護士は民事事件など幅広い事案を扱う一方、検察官は基本的に刑事事件に特化した職業です。
被疑者や被告人の弁護活動を主に取り扱う弁護士事務所では、刑事事件に関するヤメ検の専門的な知識と経験が大いに役立ちます。
それはまさに、人権擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士本来の役割にほかなりません。
これらの強みは、ヤメ検ならではの経験値を象徴するものです。
司法制度への深い理解、信頼性の証、専門的な刑事事件の知識は、依頼人の権利と利益を守るための原動力とも言えるのです。
ヤメ検が弁護士になるよくある理由3選
国家権力を行使できる検察官を辞めてまで弁護士に転身するには、それなりの理由があるようです。
以下に、弁護士になるヤメ検のよくある転職理由として3つを取り上げてみます。
業務上の裁量が少ない
検察官は公務員として勤務し、上司の指示に従うことが原則です。
組織の考え方や動向に歩調を合わせて業務を行うことが求められるため、仕事の裁量は限られています。
判例や慣習に則った環境の中では、自分の意思で仕事を進める余地が少なく、自由度に欠けると感じることが転機となるかもしれません。
特に検察官は、出世や昇進が難しい職業とされています。
周りの検察官が弁護士に転身し、裁量を持った仕事をしている姿を見ることで、自分もそのような道を選択したいという考えにつながるのでしょう。
勤務時間が長い
検察官は、国の治安維持や社会の秩序を守る責任の重さから、勤務時間が不規則になりがちで、肉体的にも非常にハードワークです。
刑事事件では、刑事訴訟法に基づき起訴や拘留など、昼夜を問わず対応する必要があります。
重要な任務を過不足なく進めるためには、残業や休日出勤も含めて多くの時間を割かなければなりません。
しかし、ワークライフバランスを改善することは容易ではなく、長時間の勤務が続くことに耐えられない人もいるようです。
弁護士への転職は、これらの課題に対処する手段として選ばれることがあります。
転勤生活を続けることが不安
検察官という職業は、異なる地域の検察庁へ2~3年ごとに転勤が行われることが通例です。
転勤の主な目的は癒着を防ぐことですが、家庭を持つ人にとっては転勤が大きな負担となることもあります。
独身だった人も家庭ができて、安定した生活を築く段階で、転勤生活を続けることによる不安が転職の動機になり得ます。
そのため、転勤を頻繁に伴う生活がいよいよ難しくなったタイミングで、転職に踏み切る人は少なくありません。
ヤメ検に人気の転職先
上述の通り、ヤメ検は独自の知識やノウハウを有しているため、法律事務所からのニーズも一定存在します。弊社にご登録いただくヤメ検の方は以下のような転職先を検討するケースが多いです。
訴訟に強い事務所
最も検察官としての経験が活かせるため、転職先の候補として一番に思い浮かぶでしょう。
もちろん、刑事事件を扱っている事務所からのニーズは高いですが、民事訴訟や企業間訴訟を扱う事務所からも一定のニーズがあります。検察官として多数の案件にかかわってきた経験をお持ちの方であれば、「訴訟」そのもののプロセスや裁判官の心理にも精通しているため、そういった貴重な経験を評価されて、訴訟に強い法律事務所に転職される方もいます。
企業法務事務所
まだ検察官としての経験が短い若手の方に関しては、全く未経験の企業法務分野の事務所へ転職を希望するケースも多いです。検察官は司法試験で優秀な成績を収めている方も多いため、未経験分野であっても、法律事務所はポテンシャル枠として採用し、内部で育てる方針であれば、採用側とのニーズもマッチします。
また、検察官出身の弁護士が代表・パートナーを務めている場合には、検察官を好んで採用することもあり、元検察官が採用対象となっている事務所は意外と多いです。
フォレンジック・コンプライアンスに専門性を持つ事務所
フォレンジックやコンプライアンスに強みを持つ事務所は、その業務特性からヤメ検との親和性が高く、企業法務分野の中でも人気です。
検察官が弁護士職務経験制度で法律事務所に出向する際、危機管理・不祥事対応案件に携わるケースが多いことからも、検察官経験とこれらの業務の親和性は高いことがうかがえます。
なにか専門分野を持つ弁護士になりたいという希望を持っている方には、おすすめの選択肢の一つです。
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まとめ
ヤメ検は「検察官を辞めた人」を表しますが、転職理由を考えると「検察官を辞めざるを得なかった人」とも言える場合があります。
検察官になろうと思ったときの志は、個人の意思と等しく社会的にも尊いものです。
本当は辞めたくなくても、辞めなければならない理由がある以上、心機一転、弁護士として社会秩序に貢献していただきたいと思います。
検察官としての強みを存分に活かせる転職先を見つけるには、経験豊富な転職エージェントを活用することが得策です。
士業の転職サポートに特化したMS-Japanでは、弁護士の転職支援においても幅広い実績があります。
経験豊かなキャリアアドバイザーが親身になってご相談に応じますので、転職活動に不安がある方は、ぜひMS-Japanの利用をご検討ください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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