2024年01月11日

税理士事務所の1人当たりの売上高はいくら?事務所の人数ごとに違いを確認!

管理部門・士業の転職

税理士事務所への転職を考える際、経営状態が安定した事務所を選びたいという思いは多くの人に共通するものでしょう
それを確かめる手段の一つが、従業員1人当たりの売上高です。
1人当たりの売上高を知ることによって、その事務所の内情や健全性が理解しやすくなります。
この記事では、税理士事務所の規模や人数ごとに、1人当たりの売上高がどのように異なるのか、その背景も含めて確認していきます

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税理士事務所の1人当たりの売上高はいくら?

総務省統計局が平成28年に実施した活動調査によると、税理士事務所の売上高は事務所規模が拡大するにつれて増加していく傾向が見られます
調査結果では、従業員数が増えるごとに事務所の売上高も右肩上がりになっています。

しかし、従業員1人当たりの売上高は必ずしもこの傾向に比例するわけではありません
例えば、従業員数が10〜19人程度の小規模事務所では、1人当たりの売上高が940万円となっていますが、20〜29人の中規模事務所では1人当たり894万円です。
税理士事務所は小規模な環境では事業が安定しやすいようですが、中規模になると経営効率が落ちやすいことが読み取れます

ところが、従業員数が30人以上の中堅・大規模事務所になってくると、売上高は再度右肩上がりになり、1人当たり1000万円を超えてきます
このことから、税理士事務所の売上高は従業員数に比例する傾向がある一方で、1人当たりの売上高は必ずしも同じ比率で増減しないことがわかります。

税理士業界においては、従業員1人当たりの売上高を見ることで、事務所の規模に応じた組織の在り方や効率性を考えることが望ましいでしょう。


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事務所規模と1人当たりの売上高が比例する・しない理由

税理士事務所の1人当たりの売上高が、事務所の規模と比例したりしなかったりするのはどうしてでしょうか。
その具体的な理由や背景について、事務所の規模ごとに見ていきましょう。

小規模事務所(19人以下)

小規模事務所では、従業員の大部分が売上に貢献する役割を担っています
外勤・内勤などの分担はあるものの、すべての所員が業務を通じて売上に貢献していることが一般的です。
この規模までは、従業員の数が増えると売上高もそれに比例して上昇する傾向があります
そのため、人数が増えることでより多くの業務をこなし、売上を伸ばすことが可能です。

中規模事務所(20〜29人)

事務所が中規模になると、総務などの社内業務を担う管理部門スタッフが必要となります
小規模事務所とは異なり、従業員全員が売上に貢献しているわけではありません
全体的な人数が増えて事務所の売上は安定するものの、売上に直接結びつかない管理部門スタッフを含めると1人当たりの売上高はやや低下します。
ここでの従業員数増加は、売上アップにつながりますが、従業員の役割によっては経営効率の面で負担となることが実状です。

中堅・大規模事務所(30人以上)

規模が大きくなるにつれて管理部門の強化や増員が必要になる点は、中規模事務所の組織体制と同じような背景です。
ただし、30人以上の規模になると人員に余力が出始め、1クライアントに複数の担当者を配置できるため、大型クライアント・案件への対応も可能となります
大型クライアントは報酬単価が高い傾向にあるので、結果として1人当たりの売上高も伸びていきます。
この規模になると、売上に直接かかわらない人員を確保したとしても、それを補うだけの売上高が見込めるのです。

税理士事務所は、規模ごとに組織体制や従業員の役割が異なり、それが1人当たりの売上高に影響を与えていると言えるでしょう


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税理士事務所で1人当たりの売上高を伸ばすことは難しい…

税理士事務所で1人当たりの売上高を伸ばすことは難しい税理士事務所において、1人当たりの売上高を向上させることは容易ではありません。
この点について、税理士という職種の性質からフォーカスしてみましょう。

税理士1人が担う件数の限界

税理士事務所の業務は、税理士個人の労働力に依存する「労働集約型」の性質を持っています。
つまり、1人の税理士が担当できる件数には限界があるということです。
一般的に1人当たりの担当顧問先は、クライアントの規模や売上高にもよりますが、20〜30件程度とされています。
日々の業務を抱えながらクライアントの要求に応じるためには、それ以上の顧問先を担当することは限界を超えることになり、業務効率的にも困難です。
事業活動の主要な部分を税理士自身のマンパワーに頼っており、売上高に対する人件費の比率が高いことも影響しています。

繁忙期も大きな要因

税理士事務所には1年を通じて随所に繁忙期があり、決算期や年末調整、確定申告などには期限が設けられています。
期限が近づくとクライアントからの依頼が集中し、その期間中は多くの業務を同時にこなさなければなりません
担当する顧問先の数が増えると、それらの期限に対応する工数的な問題が生じます。
繁忙期という弊害も加わることで顧客数が制限され、結果的に1人当たりの売上高が伸び悩むことになるのです。


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事務所の売上高を伸ばすには?

1人当たりの売上高を伸ばすことが難しいのであれば、事務所全体の売上高を伸ばす方法について考えてみましょう。
以下では、その主な例を取り上げてみます。

顧客単価を上げる

顧客単価の引き上げは、税理士事務所の売上を増やす有効な手法の一つです。
引き上げを実現するためには、顧客ごとのサービスや提供する価値を高めることがポイントになります。
例えば、M&Aや組織再編など、高度税務業務にも対応できるようになれば1クライアントから得られる案件・報酬を高めることが可能であり、相続関連業務などにも対応できれば、1つの案件で高額な報酬を得ることも可能です。
高度なコンサルティングや付加価値のあるサービスを提供することで、顧問料を引き上げることは可能です

また、顧客のニーズに合わせたサービスや、提供する情報量と精度を向上させることも、顧客が支払う料金を増やす手段となります。
採算が合っていない顧問先に対しては、サービスの質を向上させることで価格交渉が有利に働きます。
顧客単価の向上により、同じ顧客数でも売上を伸ばすことはできるのです

事業を拡大する

事務所の売上を拡大するためには、事業の規模を拡大することが効果的です。
これには、新たな市場への進出やサービスの多角化、顧客層の拡大などが含まれます。
税理士業務だけでは売上が頭打ちしている場合、例えば弁護士や金融機関と連携することで、新たな収益源を生み出すきっかけになります。

新規顧客の開拓にあたっては、既存の顧客層とは異なるターゲット層を対象とすることで新境地が開けるかもしれません。
事業の拡大にはリスクを伴う場合もありますが、戦略的な計画と市場調査に基づいたアプローチにより、安定した売上増を見込むことができます


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まとめ

税理士事務所の組織体制や業務効率は、従業員1人当たりの売上高に反映されているケースが少なくありません。
事務所全体の売上を伸ばすためには、単に1人当たりの売上に依存するだけでなく、顧客単価の向上や事業の拡大が得策です
一方、転職希望者にとっては、採用後に自らが1人当たりの売上高を担う存在となるため、本記事を参考に転職活動に臨んでいただければと思います。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

濵田 翔平

大学卒業後、大手信用金庫に入庫。個人・法人営業及びビジネスマッチング等に従事。
MS-Japanに入社後は、横浜支社の立ち上げに加え、経理・人事・法務・経営企画・公認会計士・税理士等、幅広い職種のマッチングに従事。
2021年より東京本社へ異動後は、公認会計士・税理士・弁護士・社労士等の士業を専門とするJ事業部の管理職を務める傍らプレイヤーとしても従事。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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